Kyash(キャッシュ)の使い方 入門ガイド──リアルカードや利用上限額、還元率アップの技まで

Kyash(キャッシュ)の使い方 入門ガイド──リアルカードや利用上限額、還元率アップの技まで

「Kyash(キャッシュ)」は個人間送金と決済ができるウォレットアプリ。かんたんにバーチャル上にVisaブランドのカードを発行でき、Amazonや楽天、メルカリなどの多くのオンラインショップで利用できます。また、プラスチック製のリアルカードを発行すれば、全国のVisa加盟店でクレジットカードとほぼ同じように使えます。

最大のメリットは、最大1%の高還元ポイントバック。さらにクレジットカードとうまく併用することで、2%以上の還元率も実現できます。

とはいえ、バーチャルカードやモバイル決済といったサービスにあまり馴染みのない人も多いでしょう。そこで本記事では、Kyashで何ができるのかという基本や特徴から、還元率をアップさせるテクニックまで総合的に解説します。

Kyashでは何ができる?

三井住友銀行や伊藤忠商事などが出資する株式会社Kyashが2017年4月に開始した、スマートフォンで送金・決済ができるサービスです。AndroidとiOSの両方に対応し、スマホにアプリをダウンロードして利用します。

アプリ「Kyash - ウォレットアプリ」をダウンロード
Kyash - ウォレットアプリ

プリペイド(チャージ)式のVisaカードとして決済ができる

Kyashに登録すると、すぐにVisaブランドのバーチャルカード(オンライン専用のVisaカード)が発行できます。銀行口座やコンビニ、クレジットカードから残高をチャージすることにより、Visaが使えるオンラインショップでほぼクレジットカードと同様に使えます。なお、一度チャージした残高は現金化(出金)できません。

Kyash Visaカード

Visaカードの情報が表示されるウォレット画面

ただし、PayPayや楽天ペイのようなQRコード決済機能は備わっていません。そのため、実店舗ではKyashアプリ単体での決済はできないので注意しましょう。

実店舗で使用したい場合は、以下いずれかの方法を試しましょう。

実店舗でKyashを使って支払う方法

ユーザー間で送金・請求ができる

Kyashのもう1つ大きな特徴が、Kyashユーザーの間で1円単位でチャージ残高をやりとりできる送金・請求の機能。手数料無料でリアルタイムに支払状況が確認できるので、複数人で割り勘などをおこなう際にはピッタリです。

Kyash 送金・請求

送金画面

ただし、この機能を利用する場合には、送金側と請求側の両方がKyashのアプリをインストールし、アカウント登録をしておく必要があります。

1回あたりに送れる金額は10万円(3Dセキュアでの本人認証が済んでいない場合は5000円)以下、請求できる人数は10人、送金できる人数は1人までとなっています。

Kyashの特徴、バーチャルカードとリアルカード

ここからは、Kyashの特徴やポイント還元率、バーチャルカードとリアルカードの違いなどを詳しく解説します。

審査や本人確認なしですぐに使える

基本的に、本人確認手続きや審査などは不要です。未成年者でも、保護者の同意が得られていれば発行可能です。ただ、以下の場合はKyashのサービスを利用できない可能性があります。

  • iOS 11.0以前、Android 5.0以前のOSを利用している
  • 070、080、090で始まる電話番号を保有していない

登録の際にはSMS認証が必須なので、電話番号が必要になります。データ通信専用の格安SIMを利用している人は事前に確認しておきましょう。

また2019年6月17日以降、Kyashにクレジットカード・デビットカードを登録する際に、3Dセキュアによる本人認証がおこなわれるようになりました。

バーチャルカードユーザーは、3Dセキュアでの本人認証の有無によってKyashの利用上限金額が異なり、本人認証実施済みのユーザーは上限金額が引き上げられます(後述)。なお、2019年6月16日以前からKyashを利用しているユーザーの利用上限金額は変更ありません(本人認証済みと同等)。

利用に手数料は一切かからない

Kyashは、チャージも決済も送金も手数料が完全無料です。後述するリアルカードの発行手数料や入会費、年会費も一切かかりません。

リアルカードとバーチャルカードで利用限度額が異なる

バーチャルカードとリアルカードは形態が異なるだけで同一のカードです。ただ、1回あたりの利用限度額はリアルカードのほうが高く設定されています。

Kyash利用上限額
リアルカード バーチャルカード バーチャルカード(本人認証なし)
24時間あたりの利用限度額 5万円以下 3万円以下 5000円
1回あたりの利用限度額 5万円以下 3万円以下 5000円
1カ月間での利用限度額 12万円まで 12万円まで 2万円

加えて、2019年6月17日からクレジットカード登録時の3Dセキュアによる本人認証を済ませていないユーザー、つまりクレジットカード以外の手段(コンビニや銀行ATM)でチャージしている場合は決済の利用限度額が大幅に引き下げられるようになりました。

バーチャルカードとは

バーチャルカードは、Kyashのアプリ上にのみ存在するカードです。カード番号・有効期限・セキュリティコードが与えられるので、カード情報を入力して決済するオンラインショップで使えます。

Kyash バーチャルカード

ただ先に述べたように、レジでカードを切ってもらう必要のある実店舗では、バーチャルカード単体では利用できません。

Androidユーザーは、Kyashのカード情報をGoogle Payに登録することでQUICPayの使える店舗でKyash残高を使った買い物ができますが、Kyashポイントの還元対象外となってしまいます。さらに、QRコード決済の支払い元に設定して実店舗で使う方法もありますが、現在はかなり限られたサービスでしか利用できません(後述)。

そのため、バーチャルカードは実質オンライン支払い専用のカードと想定したほうがいいでしょう。

リアルカードとは

リアルカードは、アプリ登録後に申し込むと郵送で送られるプラスチック製のカードです。バーチャルカードと同様に、アプリでチャージをすることには変わりませんが、オンラインショップだけでなく、Visaに加盟する実店舗でクレジットカードと同じように使用できます。

リアルカード

使用するには、カード裏面への署名と、有効化の手続きが必要

さらに、バーチャールカードの還元率が0.5%であるのに対し、リアルカードは1%とポイント還元率の面でも優遇されています。Kyashを使うなら、使い勝手の面でもお得感の面でもリアルカードを発行するのがおすすめです。

利用金額に応じてKyashポイントが還元される

Kyashで決済をすると、1回の支払いごとにKyashポイントが還元されます(1ポイント未満は切り捨て)。その還元率は、バーチャルカードよりもリアルカードのほうが高く設定されています。

Kyashポイントの還元率
  • バーチャルカード:0.5%
  • リアルカード:1%

ただし残念ながら、Kyashを登録したQUICPayによる支払いは、Kyashポイントの還元の対象外です(後述のキャッシュレス還元事業の2%ないし5%還元は対象)。そのほか、Suicaへのチャージや公共料金の支払い、定期券、乗車券、切符などの交通機関への支払いも対象外となるため注意が必要です。

Kyashポイントについて

キャッシュレス消費者還元事業

キャッシュレス・消費者還元事業の対象店舗に掲示されるポスター

さらに2020年6月まではキャッシュレス・消費者還元事業がおこなわれ、対象店舗でのKyashを利用した決済で2%ないし5%分のKyashポイントが上乗せされます。対象店舗か否かによって還元率や付与のタイミングが異なるため、事前に確認しておきましょう。

Kyashポイントの還元率・付与タイミング・有効期限
還元事業対象外の店舗(基本の還元率) 2%の対象店舗 5%の対象店舗
バーチャルカードの還元率 0.5% 2.5% 5.5%
リアルカードの還元率 1% 3% 6%
ポイント付与タイミング 売上が確定したタイミング(決済日より3〜5日後) 売上が確定した取引に対し、1日1回 売上が確定した取引に対し、1日1回
有効期限 支払い日から180日 最後に獲得した日から180日間 最後に獲得した日から180日間

還元されたKyashポイントは、1ポイント=1円分として残高にチャージすることで決済や送金に利用できます。ポイントのままでは使えません。

Kyashは安全なの?

Kyashは、24時間365日体制でユーザーのカードに不正使用などの異常が発生していないかモニタリングするなど、セキュリティ対策をしています。また下記のように、安全に利用するための機能が用意されています。使用前にチェックして、自分に合った設定に変えておきましょう。

専用パスコードを設定できる

不正ログインの防止のため端末のパスコードとは別に、アプリを起動させる際に求められる専用パスコードを設定できます。

Kyash パスコード設定 Kyash パスコード設定

設定は「アカウント」タブの[パスコード設定]からおこなえます。[パスコード要求時間]で設定した時間以上アプリを開いていた場合と、アプリの起動時に専用パスワードの入力や指紋認証が求められます。

カードの一時ロック&非表示の設定

Kyashのカードにはロック機能があるので、長期間使わない場合はロックしておくとカードを停止できます。ロック中はバーチャルカード/リアルカードともに決済が使えなくなるため、カードを不正利用される心配がありません。

Kyash カードロック

カードをロックするには、KyashのアプリからKyash VISAカードをタップし、一番下にある「カードを一時ロックする」をONにします。使う時は同じようにロックをオフにすればOK。また同じ画面で「カードの情報に表示」をオフにすれば、カード番号などのぞき見防止ができます。

送金・請求時のID・名前での検索オフ設定

送金や請求先の人物を選ぶとき、「ID・名前検索」という方法があります。設定がオンになっていると(デフォルトではオフ)、知らない人が適当に入力したユーザー名やIDで検索結果に表示され、身に覚えのない送金や請求をされるリスクを伴います。

Kyash ID検索をオフ

検索設定をオフにするには、「アカウント」タブの上部の自分のIDが表示されている部分をタップします。[検索画面での表示]をオフにしておくと、ID・名前での検索がされなくなります。

不正利用や二重請求が起こった場合は?

万が一、不正利用やリアルカードの紛失、二重請求などのトラブルがあった場合、すぐにカードを一時ロックしてKyashサポートに連絡してください。

還元率をアップさせるKyashの使い方

通常の還元に加えて、ひと工夫を加えることでよりお得にポイントをゲットするKyashのテクニックを紹介します。

クレジットカードからのチャージでポイントの二重取りができる

決済で利用するためには、あらかじめアプリからカードにお金をチャージをする必要があります。現在、用意されているチャージ方法は以下の5つです。

Kyashのチャージ方法
  • コンビニチャージ
  • ポイントチャージ
  • セブン銀行ATMチャージ
  • ペイジー(銀行)チャージ
  • クレジットカードチャージ

よりお得に、そして便利にKyashを使いたいなら、クレジットカードもしくはデビットカードからのチャージがおすすめ。最大のメリットは、チャージした際にカード側で還元されるポイントも受け取れるという点です(Kyashへのチャージがポイント付与対象かどうかは、クレジットカードの公式サイトなどであらかじめご確認ください)。

ただし、登録できるクレジットカードのブランドは、VisaまたはMastercardのみなので注意してください。

Kyash ポイント二重取り

たとえば、還元率1%超えのクレジットカードからKyashにチャージをしてリアルカードで支払えば、クレジットカード会社の還元1%に加え、Kyashポイントの還元1%も加算され、合計2%まで還元率をアップできます。2%の還元率というのは、たとえば毎月3万円の決済をした場合、年間で7200円分(=600×12)得するということです。

Kyash 自動チャージ

またクレジットカードを登録すると、決済の際に「自動チャージ」が選択できます。自動チャージに設定しておけば、プリペイド特有の「チャージ残高」を気にすることなく、クレジットカードと同じ感覚で利用できるので、かなり使い勝手がよくなるでしょう。

【注意】QRコード決済と組み合わせた「ポイント三重取り」の技は使えない

Kyash QRコード決済

「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」「Origami Pay」「PayPay」といったQRコード決済アプリでは、クレジットカードを支払い元やチャージ元に設定できます。

かつては、これらQRコード決済アプリの支払い元にKyashを設定することで、スマホ決済サービス固有の還元率に加えて、Kyashへのチャージで還元されるカード会社のポイント、Kyash固有の還元ポイントと、特典を三重取りできる技が使えました。

しかし2019年10月現在、主なQRコード決済サービスではその技は利用できません。というのも、Kyashで発行できるVisaカードは、リアル・バーチャル問わず3Dセキュア(本人認証サービス)未対応です。そのため、支払い元となるクレジットカードの登録に3Dセキュア対応が必須とされる「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」といったサービスにはKyashを登録できないのです。

また、Kyashの登録自体は可能でも、Origami Payのように支払い元をクレジットカードに設定した場合に還元率が低くなったり、PayPayのように指定したクレカ以外は還元の対象外とされたりするケースもあります。

現状、実店舗でKyashを利用するなら、リアルカードを発行して高還元のクレジットカードでチャージするのがいちばん便利でお得だといえます。

もっとも、なんらかの事情でバーチャルカードしか発行できない場合には、Origami Payを利用するといいでしょう。カード会社側の還元+Kyashの還元0.5%+Origami Payの還元1%=合計1.5%以上の還元率となります。

まとめ:リアルカードを発行して高還元のクレジットカードでチャージするのがいちばんお得

2019年10月以降、還元率が2%から最大1%にダウンしてしまったKyash。QRコード決済各社の3Dセキュア導入や、クレジットカード支払いでのポイント還元を制限する動きもあり、以前のような組み合わせ技も封印されています。とはいえ、クレジットカードチャージが可能なモバイル決済アプリとしては、依然としてトップクラスの使い勝手とお得度を誇ります。

Kyashを最大限お得に、そして便利に使うには「リアルカード」の発行が不可欠。高還元のクレジットカードでKyashにチャージし、リアルカードで決済すれば、2%以上の還元率も実現できるでしょう。さらに、2020年6月までは対象店舗での決済で2%ないし5%が上乗せされる「キャッシュレス還元事業」も実施されています。

クレジットカードと同じ感覚で決済できるKyashは、「○○ペイ」といったQRコード決済に抵抗がある人には特におすすめしたいサービスです。無料ですぐに発行でき、審査も必要ないので、気になる人は一度利用してみてはいかがでしょうか。

EDITED BY MOEGI