部屋中を動き回って自動で掃除してくれる便利なロボット掃除機。そのパイオニアとも言える「ルンバ」が初めて売り出されたのは2002年。そこから多くの機能が搭載され、現在ではGoogle HomeやAmazon Echoなどと連携し、音声による操作も可能なスマート家電となっています。
今回は、そんなスマートスピーカー対応機能を持つアイロボットの「ルンバ980」を使って、その機能や音声入力の利便性を試してみました。
ボタン1つで掃除がスタート
最初に、ロボット掃除機ルンバ980の基本的な機能を見てみましょう。本体のおもて面には、「CLEAN」と書かれたボタンがあり、押せば自動で動き出して掃除をしてくれます。
一通り掃除が終わると、勝手に「ホームベース」という充電機能付きのスタンドに戻るので、ボタンを押したら後は放っておくだけ。本体サイズは直径353×高さ92mmで、ソファやテーブルの下にも潜り込んで掃除をしてくれます。
裏面を見てみるとゴミを集めて吸い取るためのローラーやブラシが付いています。「AeroForceクリーニングシステム」という特許技術により、ローラーがカーペットやフローリングに埋まったゴミやホコリなども掻き出して吸引してくれます。
本体の「CLEAN」ボタンを押せば自動で掃除がスタートする
掃除が終わると付属の充電機能付きスタンドへ自ら戻ってくれる
裏面には、ゴミを取り除くためのローラーやブラシが搭載されている
スマホアプリと連携して掃除サイクルを設定
ルンバは単体でも使えますが、専用アプリの「iRobot Home」をインストールしたスマホと連携すると、さらに便利な機能が利用できます。スマホと連携する際にはWi-Fi環境が必要です。
代表的な機能が「スケジュール」。掃除する日時をあらかじめ設定しておくことで、いちいちスイッチを押さなくても、時間になったら自動で掃除をしてくれるので、忘れる心配もありません。たとえば、月曜〜金曜の平日は仕事に出かけた後の9:00に掃除をして、予定が変則的な土日は手動でスイッチを入れるといった使い分けも可能です。また、掃除をどのくらい丁寧に行うか設定できる「清掃モード」もスマホから変更できます。
スマホのボタンからルンバを操作することも可能
スケジュール機能で曜日ごとに掃除をする時間を設定しておけば、スイッチを押さなくても時間になったら自動で掃除をしてくれる
清掃モードの設定も「iRobot Home」から変更する
スマートスピーカーと連携して音声操作も
Google HomeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーと連携すれば、声をかけるだけで掃除をしてくれます。基本的な「OK Google、ルンバで掃除を始めて」という清掃開始のコマンドだけでなく、一時停止コマンドやホームベースへの帰還コマンド、他の部屋に行ったルンバを探す「OK Google、ルンバはどこ?」といったコマンドもあります。
基本的にスマホでスケジュール登録をしておけば、あまり使う機会はありませんが、前述した通り、土日に不定期で掃除をさせたいときや、うっかり汚して掃除が必要になった時には便利です。
子育て中で赤ちゃんを抱っこしている機会が多い人は、わざわざ屈んでボタンを押したりスマホを操作しなくても動かせるのは、地味に嬉しいポイントだと思います。
スマートスピーカーと連携して声で指示することも可能
清掃履歴を視覚的に確認できる
一通り機能を確認した上で、実際にルンバで掃除をしてみました。使う前は本当にきちんと掃除できるのか不安でしたが、動かしてみるとソファやテーブルの間を通って、隅などに落ちたゴミも取り付けられているブラシやローラーできちんと吸い取ってくれます。
ただ、音が大きいのは気になりました。テレビは音量を上げないと聞き取りにくいでしょう。今回は掃除をしている様子を見ていましたが、これなら掃除は外出中にやって欲しいと思いました。
清掃履歴はスマホから確認することができます。ルンバ980は、清掃範囲を自ら判断する「iAdapt 2.0 ビジュアル ローカリゼーション」を搭載しています。本体に搭載されたカメラやセンサーを使って、掃除が行き届いてない範囲を自動で判別し効率よく掃除をしてくれます。
ソファやテーブルの下にもスイスイ潜り込んで掃除をしてくれる
清掃履歴はスマホから確認できる
エリアを区切る「デュアルバーチャルウォール」
ルンバを使う部屋では、家電などのケーブルに注意しましょう。自宅のリビングには、コンセントに繋いだテレビや無線LANなどのケーブルが床に数本垂れていましたが、ルンバはお構いなしに突っ込みます。たとえケーブルを踏んでもローラーには巻き込まない設計になっていますが、通過したときに引っ張られて上の棚に置いてある家電が落ちそうになりました。
なお、ルンバには掃除エリアを区切ることができる「デュアルバーチャルウォール」という機能も用意されています。付属している「バーチャルウォール」を床に設置するとセンサーが出て、ルンバの侵入禁止エリアを区切ってくれるのです。ルンバが別の部屋へ行かないように仕切れるだけでなく、ケーブルの前に置いておけば手前で引き返してくれるので、部屋の状況に合わせて設置するとよいでしょう。
ケーブルが床を這っている家庭では、ルンバが通過しても問題ないか確認したほうがよさそうだ
「バーチャルウォール」を設置しておくと、センサーが伸びてルンバの清掃範囲を制限することができる
まとめ
ルンバ900シリーズや新発売のi7+シリーズは、スマートスピーカーに対応しているだけでなく、清掃エリアの指定機能や学習機能など高性能な機能が揃った製品です。実際に使ってみると思ったより丁寧に掃除をしてくれるので、不定期で掃除機をかけていた頃に比べると部屋を綺麗に保てそうです。
ルンバは、有料ですがレンタルすることもできます。ロボット掃除機を使ったことがない人や気になった人はこの機会に試してみてはいかがでしょうか。
構成・文:藤原達矢
編集:アプリオ編集部