2024年4月1日から提供開始された楽天ミュージックの「バンドルプラン」。楽天モバイル(Rakuten最強プラン)のユーザーなら、なんと無料で利用可能です。
ただし、バンドルプランには「30日間で5時間しか再生できない」「フル尺再生できないアーティストがいる」などの制限が設けられています。無料ゆえのトレードオフの要素はあらかじめ確認しておかなければなりません。
そこで本記事では、実際に楽天ミュージックの「バンドルプラン」を使ってみて気になった点を詳しくレビュー。使用感や他プランとの違いなどについて実体験ベースで解説します。
楽天ミュージック「バンドルプラン」とは? 他のプランとの違いを解説
まずは、楽天ミュージックの「バンドルプラン」の特徴と仕様を一通り確認しましょう。
バンドルプラン | スタンダードプラン | 楽天カード/モバイル会員対象プラン | ライトプラン | 学生プラン | |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 0円 | 月額980円 | 月額780円 | 月額500円 |
月額480円 |
年額9300円 | 年額5000円 | ||||
利用条件 | 楽天モバイル(Rakuten最強プラン)の契約者 | なし |
以下いずれかの条件を満たす人
|
なし |
以下両方の条件を満たす人
|
配信楽曲数 | 制限なし(1億曲以上)※ | 制限なし(1億曲以上) | 制限なし(1億曲以上) | 制限なし(1億曲以上)※ | 制限なし(1億曲以上) |
楽曲再生 | 30日あたり5時間まで | 制限なし | 制限なし | 30日あたり20時間まで | 制限なし |
音質 | 最大320kbps | 最大320kpbs | 最大320kbps | 最大320kbps | 最大320kbps |
登録経路 | 楽天モバイル(Rakuten最強プラン)の契約IDで楽天ミュージックアプリにログインする | ウェブサイト | ウェブサイトのみ | ウェブサイト | ウェブサイトのみ |
アプリ内課金 | アプリ内課金 | ||||
無料お試し期間の適用 | ◯(他の有料プランに移行する際に利用可能) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
歌詞表示 | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
オフライン再生(ダウンロード機能) | △(一部アーティストの楽曲はダウンロード不可) | ◯ | ◯ | △(一部アーティストの楽曲はダウンロード不可) | ◯ |
バックグラウンド再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ラジオ再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
PodCast(ポッドキャスト) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
プレイリスト作成 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
※一部フル尺再生できない楽曲あり
「バンドルプラン」は、楽天モバイル(Rakuten最強プラン)の特典として提供されているプランです。楽天モバイルのユーザーなら、追加料金なしで利用できます。
バンドルプランには歌詞表示機能こそないものの、無料プランにありがちな「楽曲指定の再生ができない」「ダウンロード(オフライン再生)ができない」といった致命的な機能制限はありません。配信楽曲数や音質、搭載機能に関しては、他の有料プランとほとんど変わらないといっていいでしょう。
バンドルプランが他プランと大きく異なるのは、楽曲の再生時間制限が設けられているという点です。30日あたり5時間までという制限が設けられており、上限を超えると各楽曲30秒間しか聴けなくなってしまいます。また、一部アーティストの楽曲は最初からフル尺再生ができず、30秒間しか聴くことができません。
実際に「バンドルプラン」を使ってみた
ここからは、筆者が実際に楽天ミュージックの「バンドルプラン」を使ってみて、気になった点を正直にレビューします。
Rakuten最強プラン契約中の楽天IDで楽天ミュージックにログインするだけでOK
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Rakuten最強プラン契約中の楽天IDでログインする
バンドルプランの利用方法はいたって簡単。楽天モバイル(Rakuten最強プラン)を契約している楽天IDで「楽天ミュージックアプリ」にログインするだけでOKです。
なお、バンドルプランは楽天モバイル(Rakuten最強プラン)のユーザー以外は利用できません。

ログインが完了すると「特典が付与されました」といった内容のポップアップが表示され、自動でバンドルプランが適用されます。
このポップアップが表示された日を「利用開始日」として、30日ごとに5時間の視聴枠が付与される仕組みです。この利用開始日は後から確認できないため、メモなどで記録しておくとよいでしょう。

楽天モバイルユーザー向けの特典は、楽天ミュージックの「バンドルプラン」だけではありません。
パ・リーグ公式戦全試合をライブ視聴できる「Rakuten パ・リーグSpecial for 楽天モバイル」と、NBAの全試合を視聴できる「NBA Rakuten」も完全無料で利用できます。また、雑誌読み放題サービス「楽天マガジン」は初回3カ月間無料お試しが適用されるうえ、以降も30%OFFで利用可能です。
週に1〜2日程度なら使えないこともない
バンドルプランの最大の注意点は「30日あたり5時間」の再生時間制限が設けられていること。30日あたりの再生時間が5時間を超えると、各楽曲30秒間しか聴けなくなってしまいます。

毎日利用する場合、1日あたりの再生時間は単純計算でおよそ10分間です。1曲5分だと仮定すると、1日2曲程度しか聴くことができません。
筆者も実際に試してみましたが、音楽を聴いていると10分はあっという間に過ぎてしまいます。「通勤・通学などの移動中に音楽を聴きたい」「作業用BGMとして音楽を流しておきたい」といったような日常使いには向きません。

一方、週1回利用を想定すると、1日60分・曲数にして12曲は聴くことができます。たとえば「旅行中に車内で音楽を流したい」「ジムのワークアウト中にだけ音楽を聴きたい」といったようなスポット的な使い方なら、問題なく活用できるでしょう。
最初からフル尺再生できない楽曲が相当数ある

バンドルプランでは、楽曲名の左上に[★]のアイコンが付いている楽曲をフル尺で再生できません。30日あたりの再生時間が5時間を超えていなかったとしても、最初から30秒間しか聴くことができないのです。
楽天ミュージックの「ライトプラン」も特定のアーティストの楽曲を30秒間しか再生できない仕様ですが、バンドルプランではその制限がより広範囲です。具体的な数字は不明ですが、J-POPジャンルのうち10〜15%程度の楽曲がフル尺再生できない印象でした。
オフライン再生できない楽曲も相当数ある

下向き矢印のアイコン横に[★]のアイコンが付いている楽曲は、ダウンロードができません。「オフライン再生」の機能が利用できないのです。
基本的に、前述した「フル尺できない楽曲」はオフライン再生もできない仕様のようです。まれに、フル尺ではできるもののオフライン再生だけ制限される楽曲も存在します。
オフライン再生機能とは?
「オフライン再生機能」は、あらかじめデバイスに楽曲データをダウンロードすることで、インターネット(Wi-Fiおよびモバイルデータ通信)を介さずに音楽を聴くことができる機能です。
モバイルデータ通信量の節約に効果的なほか、飛行機内やキャンプ場といったインターネット接続ができない場所でも音楽を楽しめるといったメリットがあります。一方で、ダウンロードした楽曲のデータが端末本体の容量を圧迫してしまうというデメリットも。利用する場合は、端末の空き容量をこまめにチェックしましょう。
再生時間が余っても繰り越しできない
30日あたりの再生時間が5時間を超えず、余ったとしても翌月に繰り越すことはできません。たとえば30日あたり1時間しか聴かなければ、残りの4時間分の視聴枠は単純に消滅してしまいます。
繰り越しができないとなると、再生時間の管理は少しシビアになります。使いすぎて上限を超えると制限されてしまいますし、かといって節約しすぎても余らせて無駄になってしまうので、ユーザー側でうまく調節しなければなりません。
オフライン再生した時間も「5時間」にカウントされる
再生時間の「5時間」にはストリーミング再生だけでなく、オフライン再生した時間もカウントされます。ダウンロードした楽曲だからといって好き放題聴いていると、すぐに上限時間に達してしまうので注意が必要です。

「ホーム」タブ上部の人形アイコンをタップ

残りの再生時間が表示される
残り再生時間は、楽天ミュージックアプリの「ホーム」タブ上部の人型アイコンをタップすると確認できます。
再生時間は、バンドルプランの「利用開始日」から起算して30日サイクルでリセットされる仕組みです。たとえば5月20日にバンドルプランを利用開始した場合、(利用開始日を含む)30日後の6月18日に5時間の視聴枠が付与されます。
結論:楽天モバイルの「おまけ」として捉えるべき
バンドルプランは、あくまで楽天モバイルユーザーに向けた「おまけの特典」であり、「音楽配信サービス」としての役割をまともに果たせるものではありません。「30日あたり5時間まで」という制限付きで満足できるユーザーは少ないでしょうし、最初からフル尺再生できない楽曲が相当数あるのも難点です。
とはいえ、せっかく無料で提供されているのですから、まったく使わないのはもったいないでしょう。楽天ミュージックの「おためし版」程度に捉えて、一度利用してみることをおすすめします。普段さほど音楽を聴かない人なら、案外「これで十分」と思えるかもしれません。

バンドルプランで物足りない場合は、楽天ミュージックの「楽天カード/モバイル会員対象プラン」への移行も検討してみるとよいでしょう。
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