本記事では、楽天モバイルの「買い替え超トクプログラム(旧iPhoneアップグレードプログラム)」を検討している人に向けて、注意点やデメリットを詳しく解説します。申し込み前にサービス内容や利用条件を正しく理解して、自分に合っているか判断してください。
楽天モバイル「買い替え超トクプログラム」の仕組み
「買い替え超トクプログラム(旧iPhoneアップグレードプログラム)」は、楽天モバイルが2021年6月から提供している端末購入補助サービスです。

「買い替え超トクプログラム」を使って12万910円のiPhone 14(128GB)を購入した場合のシュミレーション
上図の通り、48回の分割払いで購入したiPhoneやAndroidスマホを25カ月目以降に返却することで、端末代金の最大2分の1が免除されるという内容のサービス。
たとえば、税込12万910円のiPhone 14(128GB)を買い替え超トクプログラムで購入したとしましょう。本来なら2518円を48カ月間(約4年間)支払い続けなければなりませんが、25カ月目(約2年目以降)に端末を返却すれば、最大24回分の支払いが免除されます。実質的に6万478円が浮くというわけです。
以下、楽天モバイル「買い替え超トクプログラム」を利用する流れをざっくり紹介します。
ステップ1:対象の端末を選んで「買い替え超トクプログラム」に申し込む

楽天モバイル買い替え超トクプラグラム対象製品から欲しい端末を選ぶ
専用サイトにアクセスし、買い替え超トクプログラム対象商品から欲しい機種を選びます。
楽天モバイルで取り扱っているすべての機種が「買い替え超トクプログラム」の対象というわけではありません。申し込む際は、この買い替え超トクプログラム専用サイトの対象製品一覧から機種を選択するとスムーズです。

「楽天モバイル買い替え超得プログラム」にチェックを入れる

「購入する」ボタンをタップ
支払い方法の選択画面で「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」にチェックを入れて「購入する」ボタンを押します。楽天モバイルの回線を契約していないユーザーでも、「楽天カード」保有者で「18歳以上」なら申し込みは可能です。
あとは案内に従って必要情報を入力し、本人確認や支払い方法の設定などをおこなってください。
ステップ2:端末を25カ月以上使う

「買い替え超トクプログラム」の返却タイミングシュミレーション
審査が完了し次第、選択した端末が自宅に郵送で届きます。端末を受け取った月を利用開始の1カ月目として、最低25カ月目まで利用しましょう。
たとえば2023年9月1日に端末を受け取った場合、最低でも2025年10月1日まで使用する必要があります。
ステップ3:25カ月目になったら端末を返却する
25カ月目になったら、端末の返却が可能になります。再び「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」を利用して端末を購入したい場合、機種変更の手続きをした後、20日以内に端末を返却しましょう。
端末の返却後、故障や破損などがないことが確認されれば、残債は支払い不要となります。
もちろん「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」を再び利用せず、端末の返却のみで済ませることも可能です。その場合はオンラインで解約手続きを済ませた上で、解約申請した月の翌月15日までに端末を返送してください。
利用前に確認しておきたい注意点・デメリット
楽天モバイルの買い替え超トクプログラムを利用する上での注意点・デメリットについて解説します。
25カ月目以降使い続けるとお得感が薄れる
買い替え超トクプログラムの一番のメリットは、端末を返却することで端末代金の最大2分の1が免除されること。
そのメリットを最大限に享受するには、やはり「25カ月目」ぴったりに返却する必要があります。25カ月目以降も使い続けることは可能ですが、あまり得策ではありません。

25カ月以上使い続けるとお得感が薄れる
上図の通り、端末を返却するタイミングが遅れるほど、免除される残債は減ってきます。うっかり返却するのを忘れたり、面倒になって先伸ばしにしたりすると、その分お得感は薄れていってしまうのです。端末を返却するタイミングは、自身でしっかり把握しておきましょう。
ちなみに、返却せず残債を最後まで(48カ月分)支払い終えれば、端末を返却せずに「買い取る」ことも可能です。この場合、期間満了により「買い替え超トクプログラム」は解約ということになります。
返却時のデータ移行や引き継ぎ、初期化などの作業は自分でおこなう必要がある

端末を楽天モバイルに返却する際には、必ず端末を初期化する必要があります(iPhoneであればiCloudの解除処理も必要)。
初期化すると当然ながらすべてのデータが消えてしまうので、事前にデータ移行やLINEの引き継ぎなどの準備をおこなわなければなりません。楽天モバイルのショップに足を運べばこういったデータ移行作業をサポートしてもらえる可能性はありますが、ある程度は自力で解決する覚悟を持っておく必要があります。
故障や画面割れへの心配が常につきまとう
買い替え超トクプログラムのような「返却」を前提としてサービスにおいて、一番のリスクは破損や故障。もし返却した端末に以下のような故障・破損が見つかった場合、故障費用として2万2000円(不課税)が請求されます。

スマホを使うなかで、フロント画面や背面ガラスが割れたり、欠けたりするトラブルはよくあること。普通は、多少画面にヒビが入ったとしても気にせず使い続けられるかもしれませんが、返却前提の場合はそうもいきません。「傷つけちゃいけない」「落としちゃいけない」という心配が、常につきまとうことになります。
故障費用を絶対に払いたくないという人は、各種保証サービスに入っておくのも手。買い替え超トクプログラムの契約時に、iPhoneなら「故障紛失保証 with AppleCare Services」、Androidスマホなら「スマホ交換保証プラス」もしくは「持ち込みスマホあんしん保証」にそれぞれ申し込むことが可能です。
ただ、コスパ的には故障・紛失保証への加入が正解とは言い切れません。たとえばiPhone14の購入時に「故障紛失保証 with AppleCare Services」を適用した場合、月額1120円が発生します。これを最低でも25カ月間支払い続けることになるので、かかる費用の合計は2万8000円。返却時に故障費用2万2000円を支払うよりも、6000円割高になってしまうのです。
もっとも、紛失・盗難などのトラブルが起きた場合や致命的な故障が発生した場合など、保証に入っていたほうがお得なケースもあります。公式サイトの案内をよく確認して加入するか判断してください。
返却時に事務手数料3300円が発生する

買い替え超トクプログラムでは、分割手数料は一切発生しません。しかし、返却時には事務手数料3300円が発生します。この事務手数料を加味したとしても、お得に端末を入手できることには変わりませんが、返却時に3300円が請求されるという点は覚えておいてください。
18歳未満は利用できない
「買い替え超トクプログラム」は、楽天モバイルの回線を契約していなくても利用できます。ahamoやLINEMOなど他社ユーザーであっても、買い替え超トクプログラムを利用して端末を入手することは可能なのです。
ただし、申し込めるのは18歳以上に限定されます。「保護者の同意があれば可能」といった記載も見当たらないので、条件などにかかわらず18歳未満は一律利用できないルールになっているようです。
本プログラムのお申し込みは、18歳以上のお客様が対象です。18歳未満のお客様からのお申し込みは受け付けておりません。
支払い方法は「楽天カード」のみ
支払い方法が「楽天カード」のみという点にも注意が必要。口座引き落としや他社のクレジットカード、および楽天デビットカードも利用できません。楽天カードを持っていない人は、新たに申し込み・発行しなければならないのです。「クレジットカードを持つことに抵抗がある」「所有するクレジットカードを増やしたくない」という人が利用するのは難しいのが現状です。

とはいえ、楽天カードは完全無料で発行・所有できるクレジットカードです。自身でオプションを付けない限り、年会費、発行手数料などは一切かかりません。ポイント還元率も1%と悪くないので、楽天サービスを利用する機会が少しでもあるなら持っていて損はないでしょう。
楽天カードの申し込み資格は「高校生を除く満18歳以上」。発行時には所定の審査がありますが、「主婦・パート・アルバイトの方でも、カードはお申し込みいただけます」と明記されているため、所得や職業などの制限はそこまで厳しくないことが伺えます。
2年後に自分の欲しい機種が販売されているかわからない

「買い替え超トクプログラム」を継続して利用する場合、2年ごとに機種変更を強いられることになります。ここで注意したいのが、25カ月後に使いたい機種が販売されているとは限らないということ。
最新モデルが発売されたとしても、すぐに楽天モバイルの「買い替え超トクプログラム」に追加されるかは定かではありません。時期によっては、一番お得なタイミング(25カ月目)で返却できないことも起こり得るでしょう。
「買い替え超トクプログラム」は得か損か? 下取りサービスと比較するのがおすすめ
楽天モバイルでは、端末の下取りサービスもおこなっています。指定のスマホやタブレットなどを下取りすると、査定分の「楽天キャッシュ」(電子マネー)が還元されるシステムです。

iPhone 12(256GB)下取りシミュレーション
公式サイトでiPhone 12(256GB)の下取りをシミュレーションしてみると、状態が良ければ最大3万9540円程度の楽天キャッシュが還元されるという結果になりました(2023年9月現在)。
12万910円のiPhone 14(128GB)を購入する際に「買い替え超トクプログラム」で割引される金額と「下取りサービス」で還元される金額を比較すると、下表のような結果に。
メリット | 最終的な支払い価格 | |
---|---|---|
買い替え超トクプログラムでiPhone 14を購入した場合 | 6万478円分の支払いが免除される(2年後に返却する) | 6万432円(月々2518円×24回) |
iPhone 12を下取りに出してiPhone 14を購入した場合 | 最大3万9540円程度の楽天キャッシュが還元される | 8万1370円 |
最終的な支払い価格を比較すると、買い替え超トクプログラムのほうが2万円ほどお得という結果になりました。
ただし、下取り価格はスマホの機種や状態によって大きく変動しますし、場合によっては買い替え超トクプログラムの割引価格を上回るかもしれません。また、2年の縛りなく好きなときに機種変更できるのは下取りのメリットでしょう。
どちらがお得とは一概にいえないので、前述した注意点や利用条件などをよく確認し、自分に合った方法を選んでください。