Androidスマートフォンの中でもとても人気があるのがGoogleのPixelシリーズです。2024年も新モデル「Pixel 9」シリーズが登場したのでさっそくレビューしていきます。前シーズンに比べると少し値上がりしていますが、これはスマホ全体の流れとして致し方ないところでしょう。
ラインナップが増えた

今回は、Pixel 9とPixel 9 Pro XLをレビュー
従来モデルまでは、Pixel 8、Pixel 8 Proという2製品のラインナップでした。ところが今回から、Pixel 9に通常サイズモデルと大画面モデル、さらに折りたたみ式が登場し、以下のようなラインナップに変わりました。
ディスプレイサイズ | 価格 | |
---|---|---|
Pixel 9 | 約6.3インチ | 12万8900円〜 |
Pixel 9 Pro | 約6.3インチ | 15万9900円〜 |
Pixel 9 Pro XL | 約6.8インチ | 17万7900円〜 |
Pixel 9 Pro Fold | 内側:約8インチ、外側:約6.3インチ | 25万7500円〜 |
※価格はGoogle ストアでの販売価格
標準モデルのPixel 9は、6.3インチのみ。上位機種のPixel 9 Proが6.3インチと6.8インチ(XL)という2モデル構成になりました。
今回は、Pixel 9とPixel 9 Pro XLをレビューします。なお、折りたたみ式のPixel 9 Pro Foldも別の機会にレビューしたいと思います。

本体にはケーブルのみが付属する
デザインがかなり変化、高級感も文句なし

左のPixel 8に比べるとカメラ部分のデザインが変わった
Pixel 9シリーズはデザインが大きく変わりました。Pixel 8シリーズまでは本体を横切るようにカメラが配置され、バーのようなイメージでした。ところが、Pixel 9シリーズは横長のカメラ配置ながら、本体を横切るようなスタイルではなくなりました。近い印象ではありますが、大幅にデザインが変わったと言えるでしょう。

本体の形状も変わり、背面もフラットなパネルとなっている
また、本体の角も丸みを帯びており、背面のパネルもフラットになりました。印象としては、iPhone 15 Proシリーズとかなり近くなったと感じます。

背面やボディ側面、カメラ部分のつやの有無の仕上げがPixel 9(右)とPixel 9 Pro XL(左)で違う
もちろん高級感は文句なしで、手にしてとても嬉しく感じるでしょう。Pixel 9は背面のガラスが光沢でボディ側面がつや消し、Pixel 9 Pro XLは背面がつや消しでボディ側面がつやありとなります。カメラの周囲はボディ側面と同じ仕上げです。
また、カメラ部分のサイズもPixel 9とPixel 9 Pro XLで異なります。
Pixel 9 Pro XLはサイズ大きめ、重さが少し気になる

左がPixel 9 Pro XLで、右がPixel 9。全体にサイズアップした印象で、Pixel 8の6.2インチディスプレイからPixel 9は1インチ大きくなった
本体は全体に大きくなり、Pixel 9でも6.3インチです。額縁が細いので、一昔前の6.3インチよりはスリムですが、厚さは8.5mmあります。
実際に持ってみるとPixel 9でもかなり大きく感じます。さらにケースをつけると、負担感が増します。ひとまわり大きなPixel 9 Pro XLは、いっそう大きいのです。ちなみに、6.8インチという画面サイズは、Galaxy S24 Ultraと同様です。どちらも、かなり大きいと思って間違いありません。
本体サイズ | 本体重量 | |
---|---|---|
Pixel 9 | 152.8×72×8.5mm | 198g |
Pixel 9 Pro | 152.8×72×8.5mm | 199g |
Pixel 9 Pro XL | 162.8×76.6×8.5mm | 221g |
Pixel 9 Pro Fold |
152.8×77.1×8.5mm(閉じたとき)152.8×10.5×5.1mm(広げたとき) |
257g |
また、重量も気になるところです。Pixel 9は198g、Pixel 9 Pro XLは221gとスマホの中ではヘビー級です。Pixel 9でさえ、それなりに軽量だったPixel 8(187g)とは印象がかなり違っています。少しカジュアルなイメージのあったPixel 8に比べると高級感が増しているのは素晴らしいですが、ポケットに入れるスマホとしてはオーバーサイズと感じる人も多そうです。
特に、Pixel 8以前のモデルから買い換える人で大きさが気になるなら、一度店頭で触ってサイズ感を確認してみるとよいかもしれません。

Pixel 8は187gだったが、Pixel 9は200g近い重量だ

Pixel 9 Pro XLはヘビー級だ
画面の明るさが素晴らしい

左からiPhone 15 Pro、Pixel 8、Pixel 9、Pixel 9 Pro XL。Pixel 8以外はどれもかなり明るい
Pixel 9は、最大輝度1800ニト、ピーク輝度2700ニトとなりました。Pixel 8の最大1400ニト、ピーク輝度2000ニトから大きく進化しています。さらに、Pixel 9 Pro XLは、最大2000ニト、ピーク時3000ニトです。
iPhone 15 Proは最大1000ニト、ピーク時1600ニト、屋外2000ニトとほぼ同様の性能になっています。実際に使い比べてみても、Pixel 9 Pro XLは非常に明るく、夏場の屋外での写真撮影にも不足はありません。この点は、Pixel 8からずいぶん進化しています。

Pixel 9 Pro XL

Pixel 8

Galaxy S24 Ultra
搭載するチップは最新のGoogle Tensor G4となりました。ベンチマークを比較するとGoogle Tensor G3に比べてだいぶ進化しています。しかし、最高性能のSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyと比べるとだいぶ差があります。
ハイエンドモデルとしては、性能がやや劣っているのは残念ですが、それなりに価格差はあるので妥当なところでしょう。
AI機能が大きく進化、Google独自AI「Gemini」が簡単に使える


Geminiを利用して生成AI機能も簡単に使える
Pixel 9シリーズはAI機能が大きく進化しています。今回はGoogleのAI機能でPixel 9シリーズで利用できるものをいくつか紹介します。なお、新モデルのみの機能とは限りません。
Google独自のAIであるGeminiが簡単に使えるようになりました。電源ボタンを長押しすると呼び出せます。使い方は従来の「OK Google」とあまり変わりませんが、生成AIを活かして、テキストの作成などもおこなえます。なお、画像生成機能は今後追加されるとのことです。



編集マジックで不要なものを消したり移動することもできる
また、編集マジック機能で写真を加工できます。不要なものを削除したり、移動させたりできるだけでなく、オートフレーム機能で実際には撮影していない周囲の画像を拡張して写真を作り変えることもできます。
また、「一緒に写る」機能では写真を加工することで、自分もスナップ写真に加わることができます。つまり、撮影者が集合写真で一緒に写れないという残念なことが解消されています。

周囲の風景を書き足して構図を変更することもできる
カメラの性能は大満足、写りもズームも文句なし
Pixel 9は、50メガピクセルの広角カメラと、48メガピクセルの超広角カメラを搭載しました。さらに、Pixel 9 Pro XLは、48メガピクセルの5倍光学ズームを搭載しています。今回はいろいろなスマホと撮り比べてみました。
Pixel 8とPixel 9 Pro XLの比較


写真の写りはとても近く、さほど差を感じない
Pixel 8との比較では、当然ながら非常に近い写真が撮れます。どちらも大満足で、普通の写真はさほど違いを感じません。Pixel 9シリーズでは、一緒に写る機能の搭載などが大きな違いになります。また、Pixel 9 Pro XLは、動画ブースト機能で8K相当の動画撮影も可能です。
iPhone 15 ProとPixel 9 Pro XLの比較


Pixel 9 Pro XLのほうがやや色合いが濃厚で好みが分かれそうだ
iPhone 15 Proと写真を比べてみましたが、どちらも非常にきれいに撮れます。iPhone 15 Proのほうが色合いがあっさりしたイメージなので、好みが分かれるかもしれません。
Galaxy S24 Ultraとズームの比較


30倍でもどちらもきれいだが、拡大すると少しだけGalaxy S24 Ultraのほうがくっきりしている。鉄塔のサビも多く写っている
また、ズームはGalaxy S24 UltraとPixel 9 Pro XLを比べてみました。どちらも光学5倍ズームで、Pixel 9 Pro XLは最大30倍、Galaxy S24 Ultraは100倍のデジタルズームとなります。
30倍で撮影した写真を比べると、Galaxy S24 Ultraのほうがややくっきりしているように感じます。また、100倍が撮れるのは優位です。動画のズームもGalaxy S24 Ultraは30倍、Pixel 9 Pro XLは20倍と差があります。
まとめ:最新機能が好きな人におすすめ
Pixel 9シリーズは、前モデルと比べるとかなり値上がりしてしまいました。そもそもPixelシリーズは、高性能ながら手ごろな価格が魅力でしたが、今は価格的な優位さはあまり感じられません。とはいえ、ライバルメーカーと比べても決して高いわけではなく、今までが安すぎたということでしょう。購入のタイミング次第では下取りやストアクレジットなどで割安に買える機会もあります。
Google製のスマホなので、OSの最新機能をいち早く利用できるメリットがあるのが見逃せません。AIに強いスマホに魅力を感じている人にはおすすめです。