今回は、Samsungからリリースされた最新のハイエンドスマホ「Galaxy S24 Ultra」をレビューします。同時期に「Galaxy S24」も登場していますが、AI関連の機能は手書き以外はほとんど同じです。
気になる価格は、サムスンのオンラインショップで18万9700円からとなっています。最廉価モデルはストレージが256GB、メモリが12GBです。上位モデルはストレージの容量だけが変わり、512GBモデルが20万4100円、1TBモデルが23万3000円です。他にもドコモやauでも販売しています。
本体カラーは、チタニウムグレー、チタニウムブラック、チタニウムバイオレットの3色で、今回は、チタニウムバイオレットをレビューします。
ディスプレイは3120×1440の高解像度で最高クラスの美しさ

Galaxy S24 Ultra

Galaxy S24 Ultra(左)とGalaxy S24(右)
早速箱を開けてレビューしていきます。同梱物は取扱説明書とケーブル、SIMトレーを外すためのピンのみです。充電器は付属しないので注意してください。バッテリー容量は5000mAhと十分です。
Galaxy S24 Ultraは、6.8インチの大画面を採用するハイエンドモデルです。普通のスマホと比べるとかなり大きく、持ちにくいと感じる人が多いでしょう。重量は、約233gとこちらもヘビー級。しかし、本体は8.6mmとかなり薄く額縁が細いので、非常にスタイリッシュです。
今回の新モデルは、ボディーフレームにチタニウム合金を採用しており、ステンレスとは違った高級感を醸し出しています。
ディスプレイは3120×1440と高解像度で、最大2600ニトと非常に明るく美しいのが特徴です。しかも、低反射のコーティングが素晴らしく、電灯などの写りこみがかなり軽減されます。このディスプレイは現段階のスマホの中で最高クラスと言えるでしょう。

同梱物は最低限

重量は233g(カタログ値)とヘビー級だ

低反射コーティングで電灯などの写りこみをかなり抑えている

ボディフレームにチタニウム合金を採用
3Dゲームも快適にこなせる高性能チップを搭載、Sペンにも対応する
Galaxy S24 Ultraのチップは、最新の「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」。現時点では最高性能で、ベンチマークのスコアも最高です。もちろん、原神などヘビーな3Dゲームも快適にこなせます。
メモリも十分な12GBで、ストレージは256GBから1TBまで選べます。SDカードによる増設には対応しないので、自分の用途にあわせて選ぶことになります。
Galaxy S Ultraシリーズは、Sペンによる手書きに対応しているのが特徴の一つで、Galaxy S24 Ultraももちろん対応します。Sペンは本体に内蔵できるので、持ち歩く際にもとても楽です。手書きはとても快適で、小さな文字もしっかりと書けます。

ベンチマークのスコアも最高クラス

Sペンはとても書きやすい

純正のケースをつけたところ
高速レスポンスのAI機能で翻訳や画像編集も快適
Galaxy S24 Ultraは、非常に素晴らしく驚くようなAI機能が搭載されています。ここでは注目すべきものをいくつか紹介しましょう。
通訳機能は、いわゆる翻訳アプリのように使えるのですが、ローカルで動作するのが画期的です。電波のないところで使えるだけでなく、待ち時間が極めて少なく実用性が絶大です。
また、レコーダーアプリでの文字認識や翻訳もローカルで動作するので、驚異的なレスポンスで翻訳ができます。長時間のセミナーなどをテキスト化して翻訳したり、要約したりする時間が信じられない速さなのです。
これ以外にも、電話通話の通訳やSNSなどのチャットの通訳機能まで搭載しています。


ボイスレコーダーで録音した音声をテキスト化し、翻訳するまでもあっと言う間だ

通訳機能も驚異的なレスポンス
手書きで作ったノートをテキスト化する機能は以前から搭載されていますが、こちらも素晴らしいレスポンスです。また、ノートの表紙をAIが自動で作成する機能も搭載されています。

手書きのノートをテキスト化できる

ノートの表紙を自動作成する
写真のAIにも目を見張るものがあります。曲がった写真をまっすぐに調整すると、不足した部分の背景をAIが書き足してくれるのです。とても自然な仕上がりで、本当に撮影した風景のように思えてしまいます。
また、被写体を選択して動かすと、元の場所にも景色を追記して自然な仕上がりに作り替えてくれます。こちらは、動かす被写体の影などがうまく反映できませんでしたが、もっとシンプルな風景なら違和感なく利用できるでしょう。



曲がった写真をまっすぐに編集し、周囲の景色を書き足してくれる


一部の被写体を動かすことができ、元の場所の景色も生成できる
カメラは4眼構成、ズームでも高品質な仕上がり
カメラは、なんと4つのレンズを搭載します。2億画素、5000万画素、1200万画素、1000万画素の4眼構成となります。光学ズームは、2倍、3倍、5倍で10倍も光学相当です。さらに、デジタルで最大10倍です。
今回は、iPhone 15 Proと写真を比較してみました。標準、超広角、3倍ズームはどれも非常に美しく、若干色合いこそ違いますが、同じカメラで撮影したといっても気が付かないほどです。両者とも文句なしの仕上がりです。
Galaxy S24 Ultraがすごいのは、30倍程度までのズームは、ほとんど画質の劣化を気にせずに使えることです。10倍までは拡大しても気になりません。20〜30倍は拡大しない限り気になることは少ないでしょう。しかも、動画撮影でも30倍程度までは美しく撮影できるのです。
iPhone 15 Proと比較

標準レンズはどちらも美しく画質も似ている

超広角レンズも遜色なし

3倍ズームはiPhoneのほうがやや色合いが濃いが、どちらも美しい
Galaxy S24 Ultraのズーム(1倍〜100倍)
1倍、3倍、5倍、10倍、30倍、100倍ズームで撮影。30倍でも驚くほど美しく撮影できています。

1倍ズーム

3倍ズーム

5倍ズーム

10倍ズーム

30倍ズーム

100倍ズーム
川にいる鳥をズームで撮影しました。標準レンズでは米粒のように小さい鳥を10倍、30倍、100倍ズームで撮影。30倍ズームは非常に美しい仕上がりとなっています。100倍ズームだとやや画像が粗くなりますが妥協できそうです。

10倍ズーム

30倍ズーム

100倍ズーム
25倍程度のズームで蝶の動画を撮影しました。近寄ると逃げてしまう蝶をここまで大きく撮影できるのは素晴らしいポイントです。手持ちなので多少揺れていますが、逆に手持ちでもここまでのクオリティで撮影できます。
まとめ
昨今、スマートフォンの売上は鈍化しています。価格が高騰している上に、コモディティ化も進んでいるのが大きな要因です。
ところが、今回Galaxy S24 Ultraを利用してみて、AI機能に大きな可能性を感じました。翻訳デバイスとしても非常に実用的で、このレベルまで進化するとは思いませんでした。翻訳までの待ち時間がほとんどないので、海外でのコミュニケーションも闊達になるでしょう。
他にも、録音のテキスト化や写真の加工などでもAIが威力を発揮します。これからは、AIがスマホの大きな魅力になりそうです。