iPhone 15シリーズが新しく登場しました。今回は注目度の高いモデル「iPhone 15 Pro」をレビューします。前モデルから進化したポイントやiPhone 15との違いを押さえていきましょう。
iPhone 15 | iPhone 15 Plus | iPhone 15 Pro | iPhone 15 Pro Max | |
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128GB | 12万4800円 | 13万9800円 | 15万9800円 | - |
256GB | 13万9800円 | 15万4800円 | 17万4800円 | 18万9800円 |
512GB | 16万9800円 | 18万4800円 | 20万4800円 | 21万9800円 |
1TB | - | - | 23万4800円 | 24万9800円 |
ポートがUSB Type-Cに、他デバイスのケーブルも使える
iPhone 15シリーズは、充電等に使う端子がLightningからUSB Type-Cに変わりました。これにより、Androidスマホなどと同じケーブルが利用できるようになります。他にも、USB Type-Cで充電できる製品は数多く、ケーブルが1種類で済むのはとても便利です。
20W以上のアダプターを利用すると、30分で最大50%まで充電できる点はこれまでのモデルと同様です。また、駆動時間も基本的にはiPhone 14シリーズと変わりません。個人的にiPhone 15シリーズではこの点が最も残念に思っています。iPhone 14 Proを1年ほど使っていますが、バッテリーの持ちはイマイチだからです。
iPhone 15 ProはUSB 3、iPhone 15はUSB 2に対応しており、データ転送速度に違いがあります。データのバックアップやSSDへの動画保存を考えているなら、iPhone 15 Proシリーズがおすすめです。
手元のテストではSSDに加えて一部のハブ、モニターなども接続できましたが、対応していないものもあります。購入を考えている人は、正式に対応と記載している製品が増えてくるのを待つことをおすすめします。

同梱品はケーブルのみ。iPhone 15シリーズからケーブルがUSB Type-C × USB Type-Cに変わった

バッテリーや充電器などもUSB Type-Cケーブルで利用できるのが便利だ
iPhone 15 Pro / Pro Maxのチタニウムボディは軽くて持ちやすい
iPhone 15 Proはボディフレームにチタニウム合金を採用しています。iPhone 14 Proのステンレススチールに比べると軽くて強い合金です。ボディ全体が見直され、本体は少し小さく軽くなっています。iPhone 15 ProとiPhone 14 Proを並べて持ち比べてみると、明らかに違いを感じます。iPhone 15 Proは、とても持ちやすく軽いために負担感が少ないのです。
iPhone 15 Proは187g、iPhone 15は171gと後者のほうが軽いのは、カメラが少ない点が影響していると考えられます。しかしiPhone 15 Proは額縁が細く、外観が非常にスタイリッシュです。比べると、iPhone 15は額縁がやや太く、iPhone 14と近い構成です。とはいえ、背面ガラスの仕上げなどが変更されており、とても美しいスマホに生まれ変わっています。

左からiPhone 15 Pro、iPhone 15、iPhone 14 Proを並べた。iPhone 15 Proが少し小さく額縁も細いことがわかるだろう

背面はどちらもガラス製だが仕上げが異なる。右のiPhone 15はピンクなどのパステルカラーも用意する

iPhone 15 Proはかなり軽くなった

iPhone 15 Proはチタン製のフレームが素晴らしい
アクションボタンは用途にあわせて機能をカスタマイズできる
iPhone 14シリーズまでは、本体の左側面に着信/消音スイッチがついていました。スイッチひとつで消音モードに切り替えられるため、会議など音を出してはいけない場で使っていた人も多いでしょう。

本体側部のスイッチがアクションボタンに変わった

アクションボタンにはさまざまな機能を割り当てられる
iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxでは、着信/消音スイッチの代わりに新しく「アクションボタン」が採用。消音モード、集中モード、ボイスメモ、拡大鏡などの機能を割り当てて一発で使えるようになりました。自分の用途にあわせて利用できるのが便利です。

iPhone 15(右)もDynamic Islandを採用
また、iPhone 15もiPhone 15 Proと同様にDynamic Islandを採用し、インカメラのパンチホールを有効に使えるようになっています。なお、事前に想定されていましたが、指紋センサー(Touch ID)が搭載されなかったのはとても残念です。


CPUのベンチマークスコア(左:iPhone 15 Pro、右:iPhone 14 Pro)


GPUのベンチマークスコア(左:iPhone 15 Pro、右:iPhone 14 Pro)。iPhone 15 ProはGPUが大きく進化している
iPhone 15 Proのチップは、A17 Proへと進化しており、GPUが特に高速になりました。iPhone 15はA16 Bionicですが、体感上の速度はiPhone 15 Proとほとんど変わりません。ただし、今後ヘビーなゲームが出てくると違いが生じるでしょう。
写真の保存画質が24MPにアップ、焦点距離の切り替えも便利に

12MP保存と24MP保存は拡大したときに差が現れる。今回の12MPはiPhone 14 Pro、24MPはiPhone 15 Proで撮影した
iPhone 15 Proのカメラはこれまでの12MP保存から、24MP保存へと解像度がアップしています。実際に写真を比べてみると、拡大したときに差が生まれます。トリミングをする際にはだいぶ違いが感じられるはずです。カメラの設定で12MPの保存も設定可能です。ストレージの容量不足が気になる人は、12MP保存に変更するとよいでしょう。
またiPhone 15 Proは、利用できるカメラのレンズが7つに増えたとしています。これは、レンズそのものが増えたのではなく、画角の変更が簡単にできるようになったことを意味します。24・28・35mmからメインのレンズを切り替えたり、どれかを規定のレンズに設定できたりします。いちいち手動で倍率を切り替えていた人にはとても便利に感じるでしょう。特にカメラに詳しいユーザーが喜ぶ機能です。
iPhone 15 Pro Maxは最大5倍の光学望遠を搭載していますが、今回レビューしているiPhone 15 Proは3倍です。
写真の画質は、多くの人が以前のモデルでも十分だと感じているでしょう。今回の進化は主に使い勝手の向上といえそうです。なお、iPhone 15 Proシリーズでは、ゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro」で再生できる空間ビデオを撮影する機能も登場予定です。とても興味深いのですが、Apple Vision Proが50万円近い価格だと予想されているので、誰もが簡単に体験できるわけではないのは残念です。


iPhone 15 Proはカメラの標準レンズが変更できるようになった
まとめ:進化を感じたいならiPhone 15 Proがおすすめ
iPhone 15、iPhone 15 Proともに、外見は前モデルと大差ないように感じるかもしれませんが、ボディはフルモデルチェンジしています。つまり、根本となるデザインコンセプトは継承しているのです。iPhoneが長く使える理由の一つがこの点で、新モデルだからといってデザインや使い方が大きく変わることがありません。代わりに、長年使っていても外観が古く感じにくいわけです。
スマホの機能や性能はお腹いっぱいの感がありますが、iPhoneを購入して長く使うのは結果としてコストを抑えることにもなるでしょう。iPhoneが最もおすすめのスマホであるのは疑う余地がなく、軽くてコンパクトになったiPhone 15 Proはとてもおすすめです。ただし、iPhone 15 Pro Maxは最低容量が256GBになったこともあり、最も安いモデルで18万9800円(税込)。気軽に手を出せない人が多そうです。
iPhone 15も上々のモデルですが、額縁の太さなどはiPhone 14とさほど変わりません。予算を抑えるなら、iPhone 13とiPhone 14、iPhone 15の比較になりそうです。カメラなどの機能はほとんど変わらないので、iPhone 13を買うユーザーも多いでしょう。