「PayPay商品券」の使い方 ふるさと納税の寄付から対象店舗での支払いまで

対象自治体はどんどん拡大中

PayPay(ペイペイ)の新しい支払い手段として追加された「PayPay商品券」は、全国の自治体に寄付することで受け取れるふるさと納税の返礼品です。PayPayに商品券の残高が登録され、寄付をした自治体の対象施設で支払いに使えます。

この記事では、目的の自治体に寄付(ふるさと納税)をしてPayPay商品券を受け取る方法から、実際に店舗で使う方法まで解説します。ふるさと納税の返礼品としてPayPay商品券を検討している人や、どのように使うのかイメージがつかない人は参考にしてください。

PayPay商品券とは?

PayPay商品券

「PayPay商品券」は、ふるさと納税の返礼品として2022年11月から提供が開始されました。対象の自治体に寄付をすることにより、寄付額に応じた金額(寄付額の3割)の商品券がPayPayに登録され、対象の施設で通常のPayPay残高と同じように決済手段として利用できます。

PayPay商品券はふるさと納税の返礼品なので、寄付した金額から所得税の還付や住民税の控除を受けられます。寄付をしたらすぐに利用できる点も大きなメリット。ご当地食材のように返礼品が郵送されてくるのを待つ必要はなく、旅行や出張などで現地へ行く当日や到着してからでもPayPay上で寄付をして、その場で使えます。

PayPay商品券を返礼品として受け取るふるさと納税は、さとふるサイト、さとふるアプリ、PayPay版さとふる、Yahoo!ショッピング版さとふる、LINEでふるさと納税から申し込みが可能です。

対象の自治体・施設をチェック

PayPay商品券は、寄付をした自治体の利用可能な施設に足を運ばないと使えないので、最初に対象の自治体やお店をチェックしましょう。

PayPay商品券がふるさと納税の返礼品になっている自治体は、埼玉県の川越市や神奈川県の藤沢市など、現在226自治体あります(2023年3月時点)。今後も参画自治体の拡大が予定されており、対象の自治体はPayPayのWebページにて確認可能です。

PayPay商品券

飲食店やレジャー施設など、対応する施設が一覧で表示される

PayPayのWebページで各自治体のリンクをクリックすると、利用可能施設も一覧で表示されます。たとえば藤沢市を見てみると、飲食店やホテル、レジャー施設など1000軒近くの施設が表示されます。

実際に藤沢市財政課のふるさと納税担当者に導入の背景や狙いについて尋ねると、「PayPay商品券を通じて、市外の方が藤沢市に訪れるきっかけを作りたい」と話します。さらに「旅行やレジャーだけでなく、通勤や所用で日常的に藤沢市を通るだけの人にも食事や買い物に訪れるフックになってほしい」と期待を込めていました。

今回は藤沢市で試してみましたが、PayPay商品券は各都道府県に広がっているため、まずは自分が使いやすい自治体に寄付をして利用してみるのもおすすめです。PayPay商品券はスタートしたばかりで、藤沢市でも利用可能な施設は今後増えていくそうです。他の自治体も含め、旅行などの際に使ってみたい人は、定期的に対応自治体の一覧をチェックしてみましょう。

PayPay商品券の使い方(寄付から支払いまで)

実際に藤沢市でふるさと納税をして受け取ったPayPay商品券を使ってみたので、手順を紹介します。まずは、ふるさと納税ポータルの「さとふる」から寄付(ふるさと納税)をおこないましょう。今回は、PayPayアプリ内のさとふるミニアプリから寄付をしました。

ふるさと納税してPayPay商品券を受け取る方法

  1. PayPayアプリから「さとふる」を開く

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    PayPayを開いたらホーム画面で[すべて]をタップ。機能一覧の画面から[ふるさと納税]を選択してPayPayアプリで「さとふる」を開きます。

  2. 自治体に寄付をおこなう

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    「さとふる」のページが表示されたら、右上の検索窓に「PayPay商品券 〇〇(自治体名)」を入力しましょう。

    今回は藤沢市に寄付をするので「PayPay商品券 藤沢市」と入力しました。検索すると、藤沢市で利用可能なPayPay商品券の寄付金額が表示されました。金額は1000円(商品券300円分)から50万円(商品券15万円分)まで15種類あります。今回は、3000円(商品券900円分)を選択して寄付することにしました。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    次の画面で[カートに入れる]から、[(自治体)の寄付申し込みへ進む]をタップします。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    利用規約に同意の上、[寄付者情報の入力へ進む]タップすると、氏名や住所などの入力欄が表示されます。また、さとふるから寄付後に必要な手続きのメールを受け取るために、メールアドレスも入力する必要があります。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    寄付者情報の入力後は、[入力情報の確認]をタップ。画面が切り替わったら寄付金額を確認して、[上記注意事項に同意の上、送信する]を選択します。

  3. 寄付金を支払う

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    寄付金を支払います。[支払う]をタップし、支払いが完了したら一旦画面を閉じて、さとふるから届くメールを確認しましょう。

    寄付金の支払いには、PayPayアプリ内のさとふるミニアプリ経由の場合、チャージしたPayPay残高だけでなく、「PayPayクレジット」も利用可能です。さとふるサイトなどから寄付をする場合は、PayPayだけでなくクレジットカード決済やコンビニ支払い、キャリア決済、金融機関決済にも対応しています。

  4. 届いたメールからPayPay商品券を受け取る

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    さとふるからのメールには、「PayPay商品券受取申請はこちら」のURLが表示されているので、タップして開きます。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    開いたら、さとふるとPayPayアカウントを連携させます。

    メールアドレスと電話番号を入力して[認証]から[上記に同意して続ける]を選択すると、アカウント連携が完了してPayPay商品券が登録されます。

  5. 登録されたPayPay商品券を確認する

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    PayPay商品券の受け取りが完了したら、自分のPayPayに登録されたPayPay商品券を見てみましょう。

    PayPay商品券の金額は、通常の残高とは別で管理されます。現在のPayPay商品券の残高を確認するには、PayPayのホーム画面で[アカウント]から[支払い方法の管理]をタップします。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    PayPayのカードアイコンを右にスライドすると、900円分のPayPay商品券が登録されていました。

    慣れれば一連の手順は5分程度で完了し、PayPay商品券もすぐに受け取れるので、思い立ったらすぐに利用することも可能です。

実際にPayPay商品券を使ってみた

PayPay商品券 使い方

上記の手順で受け取ったPayPay商品券を、藤沢市の江ノ島駅近くにある飲食店「丸焼きたこせんべい 江ノ島駅前店」で使ってみました。

  1. PayPay商品券の対応店舗を探す

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    外出先でPayPay商品券が利用可能な施設を調べる場合は、PayPay商品券の画面で[詳細を確認]から[この商品券について]をタップします。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    画面が切り替わったら「対象店舗」のタブをタップすると、利用可能な施設が一覧で表示されます。

    ただし、現状はお店の一覧と住所が表示されるだけで、タップしても地図等が表示されず、現地で見て周辺のお店を探すには使いにくい印象を受けました。また、表示情報は店名だけなので「カフェ」や「居酒屋」など、どんなお店なのかも見ただけではあまり判別ができません。

    慣れない土地だと住所が書かれていても、現在地からどれくらい離れているかも把握しにくいため、使いたいお店は事前に見当をつけておくとよいかもしれません。

    筆者は家を出る前に住所をコピーしてGoogleマップ上で検索し、お店の場所を確認しました。また、住所が「片瀬海岸」とわかったことで、同じ住所のお店は、丸焼きたこせんべいと同じエリアにあるだろうとイメージすることができました。藤沢市の一大観光地でもある江ノ島周辺には対象の施設が数十店あったので、使いきれないことはなさそうです。

  2. 対象店舗でPayPayを利用する

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    今回利用した「丸焼きたこせんべい」は、レジ横にあるPayPayのQRコードをスキャンして支払うタイプでした。

  3. 支払画面で「PayPay商品券」を選択する

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    店頭のQRコードをスキャンすると、通常の支払い時と同じように金額の入力欄が表示されます。ここで支払い方法を切り替えるために、[PayPay残高]の欄をタップしてください。「PayPay残高」などにチェックが入っているので[PayPay商品券]をタップします。

    QRコードを読み取ってもらう場合は事前に支払い方法の変更が必要

    店員にバーコードを読み取ってもらうタイプのお店では、読み取りの前に支払い方法を変更する必要があります。

    PayPayアプリのホーム画面に表示されているバーコードをそのままスキャンしてもらうと、PayPay残高などから支払われることになるため注意してください。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    ホーム画面の下にある[支払う]をタップするとバーコードやQRコードの画面が表示されるので、[PayPay残高]をタップします。

    あとは、上述の手順と同じように「PayPay商品券」を選択し、支払い方法を切り替えてから店員にバーコードを提示しましょう。

  4. PayPay商品券で支払う

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    「神奈川県藤沢市」の欄をタップすると支払い方法が切り替わりました。あとは、金額を入力して支払えばOKです。

    PayPay商品券 使い方
    PayPay商品券 使い方

    支払い完了画面の「支払い方法」欄には、「神奈川県藤沢市(さとふる)」と表示され、PayPay商品券を使ったことがわかります。商品券の残高を確認すると900円から400円に減っていました。

    なお、PayPay商品券での支払いは、PayPayステップ、地方自治体キャンペーン、超PayPay祭のポイント付与対象外となります。今回の支払いでもPayPayポイント付与はありませんでした。

    PayPay商品券の残高が不足したときは?

    支払い時にPayPay商品券の残高が不足している場合は、他のPayPay商品券や「PayPay残高」「PayPayクレジット」「現金」と併用して支払うことができます。店員に併用することを伝えて、最初にPayPay商品券を使い切ってから、足りない分を他の方法で支払いましょう。

PayPay商品券を使用する際の注意点

最後に、実際にPayPay商品券を使ってみて感じた注意点をまとめました。

現地に行かないと使えない

ふるさと納税は自宅からできても、PayPay商品券は寄付した自治体に行かないと使えないということを改めて確認しておきましょう。

この点が、食品をはじめとした郵送されてくる返礼品との大きな違いです。それゆえ実際に寄付をする際も、自治体の指定を間違わないよう注意してください。

決済前に支払い設定をしっかりチェック

PayPay商品券 注意点

支払う前に支払い方法が「PayPay商品券」になっていることを必ず確認

PayPay商品券を使う上で一番ミスをしやすいポイントは、支払い方法をPayPay商品券に変更するのを忘れることだと感じました。特にQRコードやバーコードを読み取ってもらって決済するときは、設定を変更する前にうっかりトップページを提示してしまう場合もありそうです。普段と同じように支払いをして他の支払い方法から引かれてしまわないよう、気をつけましょう。

現状は利用可能な施設が限定的なこともあるためか、デフォルトの支払い方法にはPayPay商品券を設定できません。

PayPay商品券には180日間の有効期限がある

PayPay商品券の有効期限は発行後180日以内。期限内に使いきれないと失効してしまいます。

控除を意識して駆け込みで寄付をする場合は別ですが、実際に現地に行くことが決まってから利用しても十分間に合うので、普段は利用可能な自治体や施設をチェックしておく程度に留めておくのがおすすめです。また、PayPay商品券の残高が足りない場合も他の支払い方法と併用して、優先的に使い切ることを意識したほうがよいでしょう。

現地へ行く前に使うお店の目星をつけておく

PayPay商品券 注意点

PayPay商品券の対象店舗にはステッカーが掲示される

使い方を紹介する際にも言及したとおり、現地で一覧から利用できる施設を探すのはかなり大変です。PayPay商品券を受け取ったら、使いたいお店の候補を休業日や営業時間も含めて、現地へ行く前に確認しておくことをおすすめします。

この点は、今後地図上で周辺の対象施設がまとめて表示されるようになるなど、機能の改善を期待したいところです。

構成・文
藤原 達矢
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
TOKIWA