PayPayカードは、スマホ決済でおなじみの「PayPay」と連携できるクレジットカード。PayPayポイントをお得に貯められることで有名です。とはいえ「評判の良いサービスでも、実際に使ってみると微妙だった」というケースは少なくありません。PayPayカードユーザーのリアルな口コミを知りたいという人は多いはずです。
そこで今回、筆者が1年間PayPayカード使い倒して感じた点を正直にレビュー。何が良かったのか、何がイマイチだったのか、またどんな使い方をすればお得なのかを詳細にまとめました。PayPayカードの申し込みを検討している人はぜひ参考にしてください。
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PayPayカードを発行した理由
まずは、筆者がPayPayカードを申し込んだ理由をざっくり紹介します。PayPayカードを申し込むか検討している人は参考にしてください。
理由1:PayPayアプリ単体ではポイントが貯まりにくい
PayPayカードを申し込んだ最大の理由は、PayPayアプリ単体で決済してもあまりお得感を感じなくなったからです。
筆者は、サービス開始当初から長年PayPayアプリを愛用してきました。しかし残念なことに、PayPayアプリのポイント還元システムは年々改悪が進んでいます。

2024年2月現在、PayPay(残高)で決済したときのポイント付与率は0.5%(200円ごとに付与)です。
PayPayステップの条件を達成すれば付与率が合計1%にアップしますが、条件の内容は「PayPayで1カ月あたり200円の決済を30回以上、合計10万円以上を支払う」というかなり厳しいもの。正直、PayPayアプリ単体では達成するのは難しいです。

対して、PayPayカードとPayPayアプリを組み合わせれば、常にポイント付与率1%(200円ごとに付与)を実現できます。PayPayアプリ単体で利用するよりも圧倒的に効率よくポイントを獲得できるのです。
また、PayPayカードがあれば、PayPayステップ達成の難易度もかなり低くなります。PayPayアプリを介さずに“PayPayカード単体”で利用した分も、PayPayステップの条件(1カ月あたり200円の決済を30回以上、合計10万円以上)にカウントされるからです。
日々の決済手段をなるべく「PayPayカード」に集約すれば、最大1.5%還元を目指すのも難しくはありません(詳しくは後述)。
理由2:年会費や更新料などが一切発生しない
PayPayカードを利用するにあたって、年会費や更新料、手数料などは一切発生しません。
永年無料で使えるので、発行の心理的ハードルはかなり低かったです。「持っていても損はないかな」くらいの軽い気持ちで申し込むことができました。
理由3:2025年1月以降、他社のクレジットカードをPayPayアプリに登録できなくなる

2025年1月1日以降、PayPayには「PayPayカード」と「PayPayカード ゴールド」以外のクレジットカードを登録できなくなります。つまり、他社のクレジットカード(楽天カードや三井住友カードなど)をPayPayの支払い元として利用できなくなるのです。
現時点で他社クレジットカードを使用している人は、近いうちにPayPayの支払い元を「PayPay残高」か「PayPayカード」に変更しなければなりません。
それなら、チャージの手間がかからず、かつポイントが効率的に貯まる「PayPayカード」を発行するのが得策だと考えました。
1年使ってわかったPayPayカードの魅力
ここからは筆者が実際にPayPayカード1年間使ってみて、良かった点を正直にレビューします。他のクレジットカードとも比較しながら解説しているので、ぜひ参考にしてください。
魅力1:PayPayアプリでの支払いが圧倒的に便利になった
PayPayカードを発行すれば、PayPayアプリの「クレジット」支払いができます。個人的にPayPayカードを発行して何よりも良かった点が、この「クレジット」支払いができるようになったことです。

例:4月1日から4月30日までに決済した金額がまとめて5月27日に引き落とされる
PayPayアプリで支払い方法を「クレジット」に設定すると、PayPayで決済した金額がそのまま登録したPayPayカードの利用分として後日まとめて請求されます。チャージ自体が必要がないので、残高不足を気にする必要がありません。
中途半端にPayPay残高が余らない点も気に入っています。というのも、PayPay残高には1000円未満の金額はチャージできません。「100円足りないだけなのに1000円をチャージしなければならない」といったケースも多く、地味にストレスを感じていました。その点、PayPay「クレジット」ならチャージ自体が必要ないので、端数が残ってしまうこともなくなりました。

PayPayには「PayPayカード」以外のクレジットカードを紐付けることも可能です(2024年2月現在)。たとえば、楽天カードや三井住友カードなどの他社カードをPayPayの支払い元に設定すれば、残高チャージいらずでPayPay決済ができます。
ただ、他社カードをPayPayの支払い元に設定した場合、PayPayポイントは一切付与されません。クレジットカードによる支払いでPayPayポイントが貯まるのは、PayPayカードだけです。
魅力2:メインで使えば意外と簡単にPayPayステップをクリアできる

PayPayステップ達成後の実際の還元率
PayPayには、条件の達成状況に応じて翌月のポイント付与率が0.5%アップする「PayPayステップ」という仕組みがあります。
しかし、その内容は「PayPayで1カ月あたり200円の決済を30回以上、合計10万円以上を支払う」というかなり厳しいもの。正直、PayPayアプリ単体では達成するのはかなり難しいといえます。

ただ、PayPayカードがあれば、PayPayステップ達成の難易度は低くなります。“PayPayカード単体”で利用した分も、PayPayステップの条件(1カ月あたり200円の決済を30回以上、合計10万円以上)にカウントされるからです。日々の決済手段をなるべく「PayPayカード」に集約すれば、最大1.5%還元を目指すのも難しくはありません。
たとえば筆者の場合、光熱費(ガス・電気・水道)や通信費(ネット・スマホ回線)といった固定費の支払いはすべてPayPayカードに集約しています。また、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、飲食店など日常の細々とした支払いはすべて「PayPay(クレジット)」や「PayPayカード」でおこないます。これだけで金額・回数ともに大体はクリアできます。
そしてPayPayステップ回数と金額を稼ぐ最大のコツは、PayPayカードで「Suica(スイカ)」にチャージすること。電車やバスなど公共交通費全般はこれで支払えますし、交通系電子マネーの加盟店でも買い物ができて便利です(詳しくは後述)。「あと少しでPayPayステップ達成」という場合は、足りない分の回数と金額をSuicaにチャージしてカウント数を稼いでいます。
魅力3:SuicaやPASMOへのチャージがポイント付与対象(実はかなりレアケース)

2024年2月現在、PayPayカードのポイント付与対象外に指定されている電子マネーは「nanaco」「Tマネー」「PayPay残高」だけです(PayPayカード公式サイト参照)。理論上、この2つ以外の電子マネーなら、PayPayカードを利用したチャージでPayPayポイントを貯めることができます。
筆者手持ちのPayPayカード(Mastercard)では、「モバイルSuica」「モバイルPASMO」「WAON」そして「au PAY残高」へのチャージでPayPayポイント(200円につき1%)が付与されることが確認できました。
Suicaチャージ | PASMOチャージ | WAONチャージ | 楽天Edyチャージ | nanacoチャージ | |
---|---|---|---|---|---|
PayPayカード | ◯ | ◯ | ◯(Apple Pay経由でのみチャージ可能) |
-(チャージ自体できない) |
× |
楽天カード | × | × | × | ◯ | × |
dカード | × | × | × | × | × |
au PAYカード | × | × | × | × | × |
Amazon Mastercard | × | × | × | × | × |
リクルートカード | ◯(月間3万円上限) |
◯(月間3万円上限) |
× | ◯(JCBは×) | × |
イオンカード | × | × | ◯(Apple Pay経由でのみチャージ可能) | × | × |
三井住友カード(NL) | × | × | × | × | × |
セゾンカード | ◯ | ◯ | ◯(Apple Pay経由でのみチャージ可能) | ◯ | ◯ |
エポスカード | ◯ | ◯ | ◯(Apple Pay経由でのみチャージ可能) | ◯ | ◯ |
「チャージでポイント付与されることの何がそんなにすごいの?」と思う人もいるでしょう。しかし上表を見て分かる通り、電子マネーへのチャージをポイント付与対象外に指定するクレジットカードはかなり多いです。
そんな中、「Suica」「PASMO」「WAON」へのチャージでPayPayポイントが貯まるPayPayカードはとても貴重な存在だといえます。

モバイルSuicaへのチャージでポイントが付与された(2024年1月時点)
筆者は、交通系電子マネー「モバイルSuica」へのチャージにPayPayカードをしています。電車やバスなど交通費全般はこれで支払えますし、交通系電子マネーの加盟店でも買い物ができて便利です。
一度にまとまった金額をチャージするのではなく、なるべきく回数を分けてこまめにチャージするのがコツ。PayPayステップのカウント数を稼ぐことができます。
電子マネーにチャージする際は、「400円」「600円」「1000円」など、200円未満の端数が生じないよう200の倍数でチャージするのがおすすめです。

というのも、PayPayカードでは「200円ごと」に1%分のPayPayポイントが付与される仕組み。200円未満の支払いはポイント付与対象にならず切り捨てされてしまいます(詳しくは後述)。
逆にいえば、電子マネーと組み合わせることで「200円未満はポイント付与対象にならない」というPayPayカードの弱点をカバーできます。PayPayカード単体で利用するよりも効率よくポイントを獲得できるでしょう。
魅力4:PayPayポイントには有効期限がない
「ポイント」といえば、有効期限がついてまわるイメージです。実際、クレジットカードの特典ポイントは短くて数カ月、長くても3年〜5年などの有効期限が定められているケースがほとんど。「知らないうちに失効してしまった……」という失敗も少なくないでしょう。

その点、PayPayカード利用特典の「PayPayポイント」には有効期限がありません。失効する心配がないので、安心して貯めておくことができます。
また、PayPayポイントには「期間限定ポイント」や「キャンペーンポイント」といった分類がありません。獲得方法を問わず、PayPayポイントであれば一律で同じように無期限で保有できます。
魅力5:ポイント付与→使用までの流れが非常にスムーズ

PayPayカードを使うなかで地味に嬉しかったのが、「PayPayポイント」の利用にあたって面倒な作業や手続きが一切ないこと。
PayPayポイントがいつ・どれくらい付与されるかは、「PayPayアプリ」の「ポイント」項目で手軽にチェックできます。そしてPayPayポイントが付与され次第、すぐにPayPayアプリを介した決済で1P=1円として利用可能です。

「そんなことは当たり前」と思う人もいるでしょうが、貯まったポイントをここまでスムーズに実店舗で利用できるクレジットカードはあまり多くありません。
貯まったポイントを別のポイントや商品券に交換したり、キャッシュバックの申請をしたり、残高へのチャージが必要だったり……。ポイントを利用するまでに何かしらの作業を要するケースは多いです。ほかにも「1000ポイント以上でないと交換できない」「専用の端末を介さないとポイントを交換できない」といった独自の縛りが設定されていることもしばしば。
実際、筆者もそういったクレジットカードを使っていたことがありますが、手続きが億劫になって結局利用しなくなりました。クレジットカードを選ぶ際は、ポイント還元率だけでなくポイントの利用方法までチェックしておくのがおすすめです。
1年使ってわかったPayPayカードの弱点
ここからは、実際にPayPayカードを利用してわかったイマイチな点、デメリットをあげていきます。PayPayカードのデメリットについては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人はこちらも参照してください。
弱点1:ポイント還元率は1〜1.5%だが200円未満は切り捨てされる

PayPayカードでは、支払い金額「200円ごと」に1%(もしくは1.5%)のPayPayポイントが付与されます。たとえばPayPayカードで500円の買い物をした場合、付与されるPayPayポイントは4P。200円未満の端数(ここでは100円分)はポイント付与の対象にならず、切り捨てられてしまいます。
極端な話、PayPayカードで199円の買い物を100回したとしても、PayPayポイントは一切付与されないというわけです。 コンビニなどで少額決済をする機会が多い人は、PayPayカードを利用しても思ったようにポイントが貯まらないかもしれません。

200円未満の端数を出さないようにPayPayカードを利用する方法
とはいえ、前述したように「Suica」や「PASMO」といった電子マネーを活用することで、このデメリットを多少は克服できます。具体的な流れは以下の通り。
- 200円未満の端数が生じないようにPayPayカードで電子マネーにチャージする
- 少額の決済はPayPay(クレジット)やPayPayカードではなく電子マネーで決済する
利便性は損なわれるかもしれませんが、端数を出すことなく効率的にPayPayポイントを貯めることができます。ぜひ試してみてください。
弱点2:PayPay残高へのチャージはポイント付与の対象外

PayPayカードで「PayPay残高」にチャージすることもできます。ただし、PayPayカードでPayPay残高にチャージしても、PayPayカードの利用特典(200円につき1%分のPayPayポイント)は一切付与されません。
PayPay残高へのチャージによる「ポイントの二重取り」を期待している人もいるかもしれませんが、残念ながらそれはできない仕組みです。
弱点3:「海外旅行傷害保険」や「ショッピング保険」が付帯しない
クレジットカードの中には、さまざまな保険が無料で付帯するものがあります。よくあるのは、旅行中の急な病気やケガ、事故による損害を補償する「海外旅行傷害保険」、クレジットカードで購入した商品の破損や盗難を補償する「ショッピング保険」などです。
海外旅行(傷害)保険 | ショッピング保険(お買物安心保険) | |
---|---|---|
PayPayカード | × | × |
PayPayカード ゴールド | ◯ | ◯ |
楽天カード | ◯ | × |
dカード | × | × |
au PAYカード | ◯ | ◯ |
Amazon Mastercard | ◯ | ◯ |
リクルートカード | ◯ | ◯ |
イオンカード | × | ◯ |
三井住友カード(NL) | ◯ | × |
エポスカード | ◯(Visaのみ) | △(年間サービス料1000円) |
残念ながら、通常の「PayPayカード」にはこういった保険サービスが付帯しません。保険サービスが付帯するのは、PayPayカード ゴールド(年会費1万1000円)だけです。
以下の通り、通常の「PayPayカード」にも必要最低限の補償制度(不正利用や紛失・盗難時の補填)は用意されていますが、年会費無料でも保険が付帯する他のクレジットカードと比較すると、見劣りしてしまうのが正直なところです。
心あたりのない請求が、第三者による不正利用と確定した場合は、PayPayカード利用規約に基づき当社が損害を補填しますのでご安心ください。
弱点4:リボ払いの手数料が他カードに比べて高め
リボ払い(リボルビング払い)の手数料は、多くのクレジットカードで実質年率15.00%程度に設定されています。一方、PayPayカードのリボ払い手数料は実質年率「18.00%」と少し高めです。
リボ払い手数料 | |
---|---|
PayPayカード | 実質年率18.00% |
楽天カード | 実質年率15.00% |
dカード | 実質年率15.00% |
au PAYカード | 実質年率15.00% |
Amazon Mastercard | 実質年率15.00% |
リクルートカード | 実質年率15.00% |
イオンカード | 実質年率15.00% |
三井住友カード(NL) | 実質年率15.00% |
エポスカード | 実質年率15.00% |
たとえばリボ払いで12万円の商品を購入し、毎月1万円ずつ12カ月かけて返済したとします。全額支払い終えるまでにかかる手数料をシミュレーションしてみると、PayPayカードは実質年率18.00%で「1万1700円」です。一方、実質年率15.00%の場合は、同様の計算式を用いて手元で調べたところ「9750円」になりました。両者には1950円の差が生じます(※)。
リボ払いを利用する際は、手数料が発生する点に注意しなければなりません。
※リボ払い手数料のシミュレーション結果(金額)は実際の支払いと異なる場合があるため、あくまでも目安としてください。
弱点5:PayPayポイントを月々のカード支払いに利用できない

前述したように、PayPayカード利用特典として貰える「PayPayポイント」は、PayPayアプリを介した決済(スキャン支払い/コード支払い/オンライン支払い)で1P=1円として利用できます。一方でPayPayカードの月々の支払いにPayPayポイントを充当することはできません。
PayPayの加盟店はかなり多いので「ポイントの使い道に困る」ということはないと思いますが、念のため注意しましょう。



年会費 |
0
永年無料
|
---|---|
還元率 |
1.00% ~ 1.50%
200円ごとに最大1.5%のポイント
|
ポイント |
PayPayポイント
|
ウォレット |
Apple Pay
Google Pay
|
QUICPay
| |
申込条件 |
18歳以上(高校生不可)
|
審査/発行 |
最短2分審査
/
最短7分発行(申込5分・審査2分)
|
支払い |
毎月末日締め 翌月27日引落 |
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