本記事ではPayPayカードの入会・発行を検討している人に向けて、筆者が実際にPayPayカードを1年間使ってみて気になった点やデメリットを解説します。事前にサービス内容や利用条件を正しく理解して、自分に合っているか判断してください。
デメリット1:パソコンや電話で申し込めない
PayPayカードは、スマートフォン(iPhone/Androidスマホ)からのみ申し込むことができます。パソコンや電話での申し込みは受け付けていません。

実際にパソコンからPayPayカードの申し込みサイトにアクセスして「申し込みはこちら」ボタンへ進むと、「お申し込みにはスマートフォンが必要です」といった画面が表示されます。
PayPayカードへの入会を考えている人の中でスマートフォン自体を持っていないというケースは稀だと思いますが、「パソコンのほうが操作に慣れている」「スマホでの文字入力作業が面倒」という人は少なくないでしょう。そういった人にとっては、申し込み自体が少々億劫に感じるかもしれません。
PCからの申込みはこちら
PayPayカードはPCブラウザからだと申し込めません。下のコードをスマホのカメラやQRコードアプリで読み取り、スマホブラウザでPayPayカード公式サイトにアクセスしてください。
デメリット2:ポイント還元率は最大1.5%だが200円以下は切り捨てされる

PayPayカードのポイント還元率は、最大1.5%です。厳密にいうと、PayPayステップの条件(※)達成済みの人は最大1.5%還元、未達成の人は1%還元となります。
クレジットカードの平均還元率が0.5%だといわれる中、最大1.5%還元を実現するPayPayカードは優秀なほうだといえるでしょう。

ただし、ここで注意したいのがPayPayカードでは支払い金額「200円ごと」にポイントが付与されるということ。たとえばPayPayカードで500円の買い物をした場合、PayPayポイントは4Pしか付与されません。200円以下の端数(ここでは100円分)はポイント付与の対象にならず、切り捨てられてしまいます。
極端な話、PayPayカードで199円の買い物を100回したとしても、PayPayポイントは一切付与されないというわけです。 コンビニなどで少額決済をする機会が多い人は、PayPayカードを利用しても思ったようにポイントが貯まらないかもしれません。
100円ごとにポイントが付与されるカードのほうが、切り捨てられる端数が少ない分、効率よくポイントを貯めることができます。お得感を最重要視する人は、以下で紹介する他社カードの発行も検討してみてください。
ポイント | ポイント還元率(通常時/実店舗) | 年会費 | |
---|---|---|---|
リクルートカード | リクルートポイント | 1.2%(税込100円支払うごとに1.2P付与) | 無料 |
楽天カード | 楽天ポイント | 1%(税込100円支払うごとに1P付与) | 無料 |
dカード | dポイント | 1%(税込100円支払うごとに1P付与) | 無料 |
au PAYカード | Pontaポイント | 1%(税込100円支払うごとに1P付与) | 無料 |
Amazon Mastercard | Amazonポイント | 1%(税込100円ごとに1P付与)※ | 無料 |
※月額の累計金額に対してポイント付与
デメリット3:PayPay残高へのチャージはポイント付与の対象外

PayPayカード決済で、PayPay残高にチャージすることもできます。チャージしたPayPay残高は、PayPayを介しての支払い(コード決済/スキャン決済/オンライン決済)時に使えるのはもちろん、他ユーザーへの送金も可能です(出金は不可)。
ただし、PayPayカードでPayPay残高にチャージしても、PayPayポイントは一切付与されません。PayPay残高へのチャージによる「ポイントの二重取り」を期待している人もいるかもしれませんが、残念ながらそれはできない仕組みです。
デメリット4:「海外旅行傷害保険」や「ショッピング保険」が付帯しない
クレジットカードの中には、さまざまな保険が無料で付帯するものがあります。よくあるのは、旅行中の急な病気やケガ、事故による損害を補償する「海外旅行傷害保険」、クレジットカードで購入した商品の破損や盗難を補償する「ショッピング保険」などです。
海外旅行(傷害)保険 | ショッピング保険(お買物安心保険) | |
---|---|---|
PayPayカード | × | × |
PayPayカード ゴールド | ◯ | ◯ |
楽天カード | ◯ | × |
dカード | × | × |
au PAYカード | ◯ | ◯ |
Amazon Mastercard | ◯ | ◯ |
リクルートカード | ◯ | ◯ |
イオンカード | × | ◯ |
三井住友カード(NL) | ◯ | × |
エポスカード | ◯(Visaのみ) | △(年間サービス料1000円) |
残念ながら、通常の「PayPayカード」にはこういった保険サービスが付帯しません。保険サービスが付帯するのは、PayPayカード ゴールド(年会費1万1000円)だけです。
以下の通り、通常の「PayPayカード」にも必要最低限の補償制度(不正利用や紛失・盗難時の補填)は用意されていますが、年会費無料でも保険が付帯する他のクレジットカードと比較すると、見劣りしてしまうのが正直なところです。
心あたりのない請求が、第三者による不正利用と確定した場合は、PayPayカード利用規約に基づき当社が損害を補填しますのでご安心ください。
デメリット5:ETCカードを利用する場合は年会費550円が発生する
PayPayカードの「ETCカード」を利用するには、年会費550円が発生します。PayPayカード自体の年会費は無料なのですが、ETCカードを発行する場合は年会費が発生してしまうので注意してください。
ETCカードは、PayPayカードに付帯するETC専用カードです。 年会費については以下をご確認ください。
- PayPayカード:1枚あたり550円(税込)
- PayPayカード ゴールド:無料※2
※1 ETCカード入会月の翌月に請求いたします。ただし初年度のみ入会月の翌々月となります。
※2 PayPayカード ゴールドの年会費をお支払いいただくことで追加料金なしでETCカードをご利用いただけます。
デメリット6:リボ払いの手数料が他カードに比べて高め
リボ払い(リボルビング払い)の手数料は、多くのクレジットカードで実質年率15.00%程度に設定されています。対して、PayPayカードのリボ払い手数料は実質年率「18.00%」と少し高めです。
リボ払い手数料 | |
---|---|
PayPayカード | 実質年率18.00% |
楽天カード | 実質年率15.00% |
dカード | 実質年率15.00% |
au PAYカード | 実質年率15.00% |
Amazon Mastercard | 実質年率15.00% |
リクルートカード | 実質年率15.00% |
イオンカード | 実質年率15.00% |
三井住友カード(NL) | 実質年率15.00% |
エポスカード | 実質年率15.00% |
たとえばリボ払いで12万円の商品を購入し、毎月1万円ずつ12カ月かけて返済したとします。全額支払い終えるまでにかかる手数料をシミュレーションしてみると、PayPayカードは実質年率18.00%で「1万1700円」です。一方、実質年率15.00%の場合は、同様の計算式を用いて手元で調べたところ「9750円」になりました。両者には1950円の差が生じます(※)。
リボ払いは毎月ほぼ一定の金額を支払うシステムなので、自身の収入ペースに合わせて支払いを調整できて便利です。ただ、利用にあたって手数料が発生する点は留意しておかなければなりません。
リボ払い手数料のシミュレーション結果(金額)は実際の支払いと異なる場合があるため、あくまでも目安としてください。
なお、PayPayカードが提供する返済シミュレーターでは、キャッシングリボ(実質年率18.0%)を12万円利用した場合に元金を毎月1万円×12回(借入日から30日ごと)で返済すると、リボ払い手数料の合計は1万1532円と算出されました。
デメリット7:デザインのバリエーションが少ない

(左)横型のPayPayカード(右)縦型のPayPayカード
PayPayカードのデザインは「縦向き」「横向き」の2種類のみ。選択の幅はかなり少ないです。
さらに、2024年9月24日に縦向きカードの発行を順次終了すると発表しました。Visaは2024年9月24日ですでに終了しており、Mastercardは2025年1月末、JCBは2025年2月末で終了する予定です。
シンプルなデザインを好む人にはいいかもしれませんが、「楽天カード」や「エポスカード」「イオンカード」のようなデザインのバリエーションが豊富なクレジットカードと比較すると、物足りなく感じてしまいます。

PayPayカードで選択できる国際ブランドは「Visa」「Mastercard」「JCB」の3種類。何を選択するかによって、カードのロゴ(エンブレム)が変わります。
基本的には同じデザインですが、ロゴが変わると見た目の印象も結構変わるものです。どれが好みか、申し込み前にチェックしておくとよいでしょう。
デメリット8:PayPayポイントを月々のカード支払いに利用できない

PayPayポイントを月々のカード支払いに利用できない
PayPayカード利用特典として貰える「PayPayポイント」は、PayPayアプリを介した決済(スキャン支払い/コード支払い/オンライン支払い)で1P=1円として利用できます。
しかし、PayPayカードの月々の支払いにPayPayポイントを充当することはできません。PayPayの加盟店はかなり多いので「ポイントの使い道に困る」ということはないと思いますが、念のため注意しましょう。
以下、月々のカードの支払いにポイントを充当できるクレジットカード(年会費無料)を挙げてみました。クレジットカードを選ぶ際の参考にしてください。
貯まるポイント | カード支払いへのポイント充当 | |
---|---|---|
PayPayカード | PayPayポイント | × |
楽天カード | 楽天ポイント | ◯ |
dカード | dポイント | × |
au PAYカード | Pontaポイント | ◯ |
Amazon Mastercard | Amazonポイント | × |
リクルートカード | リクルートポイント | × |
イオンカード | WAON POINT | ◯ |
三井住友カード(NL) |
Vポイント |
◯ |
エポスカード | エポスポイント | × |
デメリット9:AndroidスマホユーザーはQUICPay決済ができない

PayPayカードをApple Payに登録すると「QUICPay」が使える
「QUICPay(クイックペイ)」は非接触型の決済サービス(電子マネー)です。PayPayカードをiPhoneのApple Pay(ウォレットアプリ)に紐づけることで、QUICPay決済ができるようになります。
iPhone背面を店頭の端末にかざすだけで支払いが完了するので、決済スピードだけなら「PayPay」アプリに勝るかもしれません。また、全国205万箇所以上のQUICPay加盟店で決済ができるようになるため、PayPayカードの利用シーンも大幅に広がります。

AndroidスマホではPayPayカードのQUICK Payを利用できない
しかし、Androidスマホ版のQUICPay(Googleウォレット含む)にはPayPayカードを登録できません。「PayPayカード」と「QUICPay」の組み合わせで利用できるのは、現状iPhoneユーザーだけなのです。
便利な支払い方法であるがゆえに、AndroidスマホでPayPayカードのQUICPay決済できないのは残念なところ。今後対応してくれることを期待しましょう。



年会費 |
0
永年無料
|
---|---|
還元率 |
1.00% ~ 1.50%
200円ごとに最大1.5%のポイント
|
ポイント |
PayPayポイント
|
ウォレット |
Apple Pay
Google Pay
|
QUICPay
| |
申込条件 |
18歳以上(高校生不可)
|
審査/発行 |
最短2分審査
/
最短7分発行(申込5分・審査2分)
|
支払い |
毎月末日締め 翌月27日引落 |
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国際ブランドごとに1枚ずつ、合計3枚まで発行可能
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