「Amazonフレッシュ」は、野菜や果物、魚、肉などの生鮮食品をはじめ、日用品や雑貨などを最短2時間で当日配送してくれるサービス。かつてはAmazonプライムやPrime Studentの会員特典として提供されていましたが、現在はすべてのAmazonユーザーに開放されています。
東京・神奈川・千葉・埼玉の一部エリアで展開しており、なかなかスーパーに買い物に行けない人や、重い商品を家まで届けてもらいたい人などに便利です。ただ、食材に関することなのでその安全性や品質など、疑問や不安に思う人も多いでしょう。
そこで本記事では、Amazonフレッシュを実際に体験し、注文してから商品が到着するまでの流れや、必要なコスト、使いやすさなどをレビューしてみました。配送料や対象エリア、置き配の可否、再配達などの気になるポイントについても解説しています。
「Amazonフレッシュ」とは?
Amazonフレッシュとはどんなサービスなのでしょうか。始める前に押さえておきたい要点をまとめました。
スーパーや専門店で買える食材を最短で2時間で自宅に配達
野菜、果物、鮮魚、精肉、乳製品といった、通常のAmazonでは売っていない生鮮食品をオンラインで購入できるサービスです。適切な温度管理のもと、注文から最短2時間で自宅まで届けてくれます。
配達時間は8時から24時まで(エリアによっては7時から23時まで)、2時間ごとにお届け時間を指定できます。

取り扱う商品は生鮮食品の他、飲料、お酒、日用品、お米やオムツなど重くかさばるもの、大容量の業務用品まで、日常生活で必要なものはほぼ揃うでしょう。
加えて、賞味期限が間近の食品や飲料が40%オフになったり、便利なミールキットが販売されていたりと、Amazonフレッシュならではの商品を購入できるのもポイントです。
1回あたりの最低注文金額は税込4000円以上

Amazonフレッシュを使うにあたって一番注意したいのが、1回当たりの注文の合計金額が税込4000円以上でなければならないこと。
4000円以上となると、それなりの量のまとめ買いする必要があるはず。必要なときに、必要な品物だけを購入できないのは大きなデメリットでしょう。
配送料は490〜600円、1万円以上の購入で無料に
配送料は、Amazonプライム会員であれば1回の注文につき一律490円(税込)、非プライム会員は1回あたり690円(税込)がかかります。
下記の表の通り、ネットスーパーの大手と比べると少し割高と言えるでしょう。
配送料(税込) |
配送無料になる 購入金額(税込) |
|
---|---|---|
Amazonフレッシュ | 490円〜690円 | 1万円以上(※非プライム会員は無料にならない) |
楽天西友ネットスーパー | 330円 | 5500円(※一部地域を除く) |
110~330円(店舗や配送日時により異なる) | なし |
Amazonフレッシュはプライム会員であれば税込1万円以上の注文で配送料無料になりますが、余計なものまで購入しては意味がありません。送料無料の条件を満たすためだけに、無駄なものを買ってしまわないように注意しましょう。
また、非プライム会員は1万円以上を注文しても200円の配送料が発生してしまいます。配送料を抑えたいなら、Amazonフレッシュ以外の配送料も無料になる、Amazonプライムへの登録をおすすめします。
対象エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉の一部
Amazonフレッシュは、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の一部エリアのみで使えるサービスとなっています。対象エリアは今後拡大予定とのことですが、現時点で利用できる地域はまだ限られていることが分かります。
現在、東京都(20区・6市)・神奈川県・千葉県・埼玉県の対象エリアにてご利用いただけます。
東京都:港区・千代田区・中央区・江東区・墨田区・江⼾川区・新宿区・⽂京区・台東区・荒川区・⾜⽴区・葛飾区・渋⾕区・目⿊区・世⽥⾕区・杉並区・品川区・大田区・中野区・調布市・狛江市・府中市、三鷹市、町田市
神奈川県:横浜市(青葉区・旭区・磯⼦区・港北区・神奈川区・西区・中区・鶴見区・都筑区・南区・保土ケ谷区・緑区)、川崎市(中原区・多摩区・宮前区・高津区・幸区・川崎区・麻生区)、大和市
千葉県:市川市、浦安市、習志野市 、船橋市、松戸市 、千葉市美浜区、千葉市花見川区、千葉市稲毛区
埼玉県:三郷市
※上記地域でも一部ご利用いただけない地域がございます。
なお、Amazonフレッシュのページで「届け先」に郵便番号を入力すれば、対象エリアかどうかわかります。買い物を始める前に、まず対象エリアかどうかを確かめましょう。
置き配も利用可能

Amazonフレッシュでは配達員から直接受け取る必要のない「置き配」も利用可能です。ただし注意点もいくつかあります。
- 置き配は玄関先のみ:マンションの宅配ボックスやガスメーターボックス、建物内受付などへは届けられない。玄関先のみ置き配が可能
- 玄関先の状態を置き配に適した状態にする:ゴミがたくさんあるなど、玄関先が置き配に安全な場所ではないと配達員が判断した場合、商品を持ち戻ることも
- オートロックの解除が必要:玄関先のみ置き配可能なので、オートロック付きの家に住んでいる注文者は在宅の上、商品到着時にオートロックを解除する必要がある。配達員が玄関先に立ち入れない場合は、商品の持ち戻しとなる
- 5万円(税込)を超える商品の場合は置き配ができない:5万円以上の商品は対面での受け取りのみ選択可能
商品を受け取れなくても再配達はおこなわれない
Amazonフレッシュは生鮮食品を取り扱うため、配達の際に不在だったり、前述の置き配ができない状況だったりすると、注文はキャンセル扱いとなり、再配達もおこなわれません。
キャンセルになった商品の代金は全額返金されますが、もう一度初めから注文をやり直すことになってしまいます。
会員登録・注文・支払いから商品到着までの流れ
ここからは、Amazonフレッシュでの注文や支払い手順、商品受け取りまでを紹介します。
Amazonフレッシュのページに移動して商品を選択


通常のAmazonでの買い物と同じように、アプリやブラウザからAmazonにアクセスします(本記事ではAmazon公式サイトを使用)。上のバーから[ネットスーパー]をタップし、Amazonフレッシュの[今すぐお買い物をする]を選択してください。

注文したい商品の[カートに追加する]ボタンを押して、カートに入れていきましょう。


上部の検索バーで商品を検索することも可能です。たとえば「しめじ」と検索すれば、Amazonフレッシュで購入できるしめじが表示されます。
商品を選び終わったらカートに進む


すべての商品をカートに入れたら、右上のカートアイコンから[フレッシュのレジに進む]をタップしましょう。なお、注文の合計金額が4000円以下だとレジに進めません。

「他に何か必要ですか?」と画面が表示されるので、特になければ[次に進む]をタップしてください。
商品を選んで配送日時を設定

続いて、配送日時を指定し、[続ける]をタップします。配送日時は当日から3日後まで選択可能です。時間帯も8時から24時まで2時間ごとに選べます(エリアによっては7時から23時まで)。
Amazonフレッシュでは再配達がないため、指定した時間に商品を受け取れないとキャンセル扱いになってしまいます(キャンセル料金は発生しません)。確実に受け取れる時間を指定するようにしましょう。

日にちを指定する際に「置き配」もしくは「対面での受け取り」を選ぶこともできます。初期設定では「置き配」となっているので、対面での受け取りを希望する人は忘れず設定を変更してください。
注文を確定する


支払い方法を選択し[続行]へ。最後に確認画面が表示されるので、お届け日や支払い方法、注文した商品などに間違いがなければ[注文を確定する]をタップしてください。これで注文は完了です。
注文した商品を受取る(不在の場合はキャンセル扱い)

あとは配達されるのを待つだけです。今回は朝8時に注文し、商品の受け取り時間は11〜13時を選択したところ、11時過ぎに商品が届きました。購入した商品は、3つの紙袋に分けて入れられていました。
もし不在で受け取れない場合は、問答無用で商品はキャンセル扱いとなってしまいます。また、「置き配」を選択していても、オートロック付きの家に住んでいる人は、オートロックを解除しないと玄関先まで商品を届けられず、同じくキャンセル扱いとなってしまいます。
生鮮食品を取り扱うため、宅配ボックスの利用や再配達もできません。キャンセルになった商品の代金は全額返金されますが、もう一度初めから注文をやり直す必要があります。発送時に届くメールを目安に、受け取り待機をしておきましょう。
生鮮食品やミールキットなど届いた商品をレビュー
今回は野菜、精肉、鮮魚、乳製品、卵、ミールキットなど10点を注文。生鮮食品の鮮度や品質、ミールキットの中身などをレビューします。
野菜、精肉、鮮魚の状態は?

紙袋の中を見ると、トマトやナスといったつぶれやすいもの、肉や魚、ミールキットなど保冷が必要なものとで分けて入っていました。保冷が必要な商品の紙袋には、一番上に保冷剤を付けてくれています。
保冷剤付きの商品は、まるで冷蔵庫から取り出したてのようにしっかり冷やされていました。商品の原産地は、パッケージにすべて記載してあります。

国産トマト(600g/624円)

ナス(3本/193円)
国産トマト(600g/624円)やナス(3本/193円)など柔らかく傷つきやすい品も、キレイな状態です。あくまで個人の意見ですが、実店舗のスーパーで買うよりもサイズや色が整っているように感じました。

しめじ(200g/153円)

大根(1本900g/213円)
しめじ(200g/153円)や大根(1本900g/213円)なども一般的なスーパーとほぼ同等かそれよりも安い価格となっていました。

まぐろ切落し(120g/430円)
こちらは、刺身用のきはだまぐろ切落し(120g/430円)。スーパーで売っているお刺身と同じようなパッケージです。ドリップの流出もなく、プリプリした新鮮な食感でした。

銀鮭(200g/575円)
銀鮭は2切200gで575円ですが、冷凍ではなく冷蔵商品のためそこまで高いという印象は受けません。味もほどよい塩味でとても美味しかったです。

小間切れ(350g/592円)
国産豚の小間切れ(350g/592円)。色が悪くなっている様子もなく、水っぽさもありません。脂身のバランスもちょうどよかったです。

卵(10個/246円)
卵(10個/246円)も割れておらず、鳥インフルエンザの影響で卵の価格が高騰していることを考えるとお買い得かと思います。
実際に手に取り、目で見てから買わないと不安だと感じる人も多いと思いますが、Amazonフレッシュでは、かなり厳しく生産者の選定や食品の品質・鮮度管理をし、人の目によるチェックを経て食品が届けられます。個人的には、下手に自分でスーパーで選ぶよりも、高い品質の食材を運んでくれているようにも思えます。
ミールキットは便利?
料理に必要な食材や調味料、レシピがセットになっているミールキットは、調理時間をかなり短縮できると注目を集めています。Amazonフレッシュでも、定番家庭料理から本格派まで、豊富な種類のミールキットを取り扱っています。

レバニラ炒め(2人前/926円)のミールキット。パッケージに調理法も記載されている
今回は、レバニラ炒め(2人前/926円)のミールキットを注文しました。

使う食材はそれぞれ個装されていて、野菜もすべて適切な大きさにカットされています。使い切りの量が入っているので食材を余らせることもありません。

ミールキットで作ったレバニラ炒め
一緒に入っていたレシピを元に、食材を順番に入れて炒めるだけと本当に簡単。10分ほどで料理が完成しました。
献立を考える手間を省きたい人や、一人暮らしで食材を余らせてしまう人など、さまざまなシーンで活躍しそうです。一から自分で作るよりはやや割高な印象ですが、便利さとおいしさを考えれば値段も納得できるでしょう。
まとめ:Amazonフレッシュは利便性抜群だが、コストは若干割高か

画像すべてで4499円(送料込み)は高い?安い?
Amazonフレッシュの強みは何と言っても、注文した当日の最短2時間で届くことでしょう。混んでいる店内で歩き回って商品を探したり、レジに並んだり、重い荷物を運んだりといった時間やストレスも省けます。そして予想以上に食材のクオリティが高かったのも大きなポイントです。
しかし、やはり食材の値段は正直リーズナブルとまでは言えません。加えて税込4000円以上でないと注文できない制限付きなので、活用方法がまとめ買いしたいときに限定されてしまいます。料金面でのお得感を感じるのは難しいかもしれません。
とはいえ、追加料金や面倒な登録手続きなしで手軽に使い始められます。Amazonでの買い物に慣れ親しんでいる人や、生鮮食品のみならず日用品や雑貨など、生活に必要な物をすべて一箇所で揃えたい人には、コストを上回る使い勝手の良さを感じられるでしょう。