Appleは2022年9月7日(米国時間)、「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」を正式発表しました。
本記事では、最新版となる「iPhone 14シリーズ」の新機能からいくつかピックアップして紹介します。
人工衛星経由で緊急SOSの通信が可能に

iPhone 14シリーズは、人工衛星を経由して緊急SOSの通信ができる
iPhone 14シリーズでは、iPhone史上初めて人工衛星を経由した通信が可能になります。山の中や海上など、通常の電波が届かないような場所でもテキストを用いた緊急SOSを送ることができます。

画面の指示通りにiPhoneを人工衛星に向けて通信をおこなう
ただ、人工衛星経由での通信には、iPhoneを直接人工衛星に向ける必要があります。そのため、人工衛星経由での通信をおこなう際は、画面にiPhoneを向けるべき方向を表示。指示通りにiPhoneを向けることで、緊急SOSの通信が可能です。
人工衛星経由での通信は、使えるデータ量に限りがあるため、Appleはメッセージのサイズを通常の1/3にするアルゴリズムや、数回のタップで一般的な緊急SOSの返答が選べるシステムを導入しました。
人工衛星経由での通信は、2022年11月よりアメリカとカナダで提供を開始。ユーザーは利用開始から2年間、無料で人工衛星経由の通信を利用できます。
チップはProシリーズのみ最新の「A16 Bionic」を搭載 14 / 14 PlusはiPhone 13と同じ「A15 Bionic」

iPhone 14 Pro / Pro Maxのみ最新の「A16 Bionic」を搭載
iPhone 14シリーズでは、iPhone 14 / 14 PlusとiPhone 14 Pro / 14 Pro Maxで搭載するチップが異なります。iPhone 14 / 14 Plusでは、iPhone 13シリーズと同様の「A15 Bionic」を搭載。一方で、iPhone 14 Pro / 14 Pro Maxは、最新モデルとなる「A16 Bionic」を搭載します。
A16 Bionicは、約160億個のトランジスタが組み込まれており、iPhoneのチップでは過去最多となります。6コアCPUと5コアGPUを搭載し、処理速度は競合製品よりも40%早く、消費電力はA15 Bionicに比べて20%少なくなるといいます。
Proシリーズはノッチデザインを廃止して新機能「Dynamic Island」を導入、常時表示ディスプレイも

iPhone 14 Pro / Pro Maxではノッチデザインを廃止。パンチホールを活かした「Dynamic Island」を新たに導入する
iPhone 14 Pro / 14 Pro Maxは、画面デザインを一新し、iPhone X以降のフルスクリーンモデルで続いてきたノッチデザインを廃止しました。新たにピルケース型のパンチホールが導入され、小型化したTrueDepthカメラや近接センサーが内蔵されています。
この新しい画面デザインを活用して、通知やバックグラウンドアクティビティなどを表示する新機能「Dynamic Island」も導入されます。Dynamic Islandでは、パンチホール部分に楽曲の再生プレイヤーやタイマーなど、あらゆるアプリと連携して情報を表示します。ユーザーは、Dynamic Islandをタップしたり長押ししたりすることで、表示する情報量を変更できるため、他のアプリの使用時でも邪魔にならない表示領域でDynamic Islandから情報を得られます。

複数のバックグラウンドアクティビティがある場合は、Dynamic Islandが2つに分裂する
また、複数のバックグラウンドアクティビティがある場合は、Dynamic Islandの表示領域が2つに分裂。最小限の表示領域で最大限の情報を確認できます。

iPhone初の常時表示ディスプレイをiPhone 14 Pro / Pro Maxで利用可能に
また、iPhone 14 Pro / 14 Pro Maxでは、iPhoneで初となる常時表示ディスプレイを搭載。iPhoneを持ち上げたりタップしたりしなくても、時間や通知などを確認可能です。常時表示ディスプレイは、ポケットの中やiPhoneを伏せているときなどは自動的に画面を暗くして消費電力を抑えます。
新しい撮影モード「アクションモード」を追加 Proシリーズはメインカメラが48MPに
iPhone 14シリーズのビデオ撮影モードに「アクションモード」が新たに追加されます。アクションモードは、走りながら動画を撮影する際などに、手ブレのないなめらかな映像に処理してくれる撮影モード。オン・オフはユーザーが切り替え可能で、撮影者が動きながらでも、ジンバルを利用したかのようななめらかな映像を撮影できます。あえて、手ブレを補正せずに臨場感のある映像を撮影したいときは、アクションモードをオフにすれば問題ありません。

iPhone 14 Pro / Pro Maxのメインカメラがついに4800万画素に
また、Proシリーズでは、メインカメラの画素数がこれまでで最も高い48メガピクセルとなります。iPhone 13 Proよりも65%大きいというクアッドピクセルセンサーも搭載し、これまでの4倍多くの光を採り込むことができます。Appleの画像フォーマットである「Pro Raw」を48MPカメラで撮影すれば、非常に高いレベルのディティールを保持した写真を撮影可能です。
その他の基本スペック──カラーバリエーションやサイズなど

iPhone 14 / 14 Plusのカラーバリエーション

iPhone 14 Pro / 14 Pro Maxのカラーバリエーション
機種名 | iPhone 14 | iPhone 14 Plus | iPhone 14 Pro | iPhone 14 Por Max |
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カラー | ミッドナイト、パープル、スターライト、(PRODUCT)RED、ブルー | スペースブラック、シルバー、ゴールド、ディープパープル | ||
ストレージ容量 | 128GB、256GB、512GB | 128GB、256GB、512GB、1TB | ||
高さ | 146.7mm | 160.8mm | 147.5mm | 160.7mm |
幅 | 71.5mm | 78.1mm | 71.5mm | 77.6mm |
厚さ | 7.80mm | 7.80mm | 7.85mm | 7.85mm |
重さ | 172g | 203g | 206g | 240g |
ディスプレイ | 6.1インチ | 6.7インチ | 6.1インチ | 6.7インチ |
チップ | A15 Bionic | A16 Bionic | ||
Face ID | ○ | |||
Touch ID | × | |||
センサー | Face ID、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー | Face ID、LiDARスキャナ、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー | ||
防水・防塵 | IP68等級(最大水深6メートルで最大 |
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コネクタ | Lightning |
iPhone 14 / 14 Plusのカラーバリエーションは、パステルカラーを含む5色、一方のiPhone 14 Pro / Pro Maxは、新色ディープパープルを含めたシックな色合いの4色を用意。画面サイズは、iPhone 14 / 14 Proが6.1インチ、iPhone 14 Plus / 14 Pro Maxで6.7インチとなっており、miniを除くiPhone 13シリーズと同様のサイズです。重量は前モデルと大きな違いはなく、最大で240gとなっています。
生体認証はすべてFace ID。コネクタでは導入が望まれているUSB-Cは見送られ、今回のモデルもLightningが続投する形となりました。
iPhone 14 / 14 Plus / 14 Pro / 14 Pro Maxの価格・発売日・予約開始日(日本国内)
機種名 | iPhone 14 | iPhone 14 Plus | iPhone 14 Pro | iPhone 14 Pro Max |
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価格(税込) |
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予約開始日 | 2022年9月9日午後9時から | |||
発売日 | 2022年9月16日 | 2022年10月7日 | 2022年9月16日 |
iPhone 14シリーズの発売日は、iPhone 14 Plusのみ2022年10月7日で、その他のモデルは2022年9月16日となっています。予約開始日は、いずれも2022年9月9日午後9時から。
なお、過去のモデルからは、iPhone SE(第3世代)とiPhone 12、iPhone 13、iPhone 13 miniが現行ラインナップに入っています。また今回、「iPhone 14 mini」はラインナップされませんでした。