おすすめはどれ? iPad各モデルの比較と選び方【iPad・Pro・Air・mini】
現在5モデルが購入できるiPadの選び方を紹介します。特に、iPad(第8世代)とiPad Air 4(iPad Air第4世代)、iPad Pro(11インチ)はディスプレイサイズや本体が近いので、選択に迷っている人が少なくありません。今回はこの3機種を中心に、iPad miniとiPad Pro(12インチ)を含めて解説していきます。
本記事の写真で登場するiPad Pro(12インチ)は1つ前の第1世代ですが、画面サイズなどは変わりません。また、この機種のみディスプレイにフィルムを貼り付けてあります。今回は、iPad Pro(12インチ)についてはあまり言及しません。
最初に、各製品の重要な違いが一覧できる比較表を紹介します。
iPad mini | iPad (第8世代) | iPad Air(第4世代) | iPad Pro(11) | iPad Pro(12.9) | |
---|---|---|---|---|---|
画面サイズ | 7.9インチ | 10.2インチ | 10.9インチ | 11インチ | 12.9インチ |
32GB | - | 3万4800円 | - | - | - |
64GB | 4万5800円 | - | 6万2800円 | - | - |
128GB | - | 4万4800円 | - | 8万4800円 | 10万4800円 |
256GB | 6万2800円 | - | 7万9800円 | 9万5800円 | 11万5800円 |
512GB | - | - | - | 11万7800円 | 13万7800円 |
1TB | - | - | - | 13万9800円 | 15万9800円 |
CPU | A12 | A12 | A14 | A12Z | A12Z |
指紋センサー | ○ | ○ | ○ | ×(Face ID) | ×(Face ID) |
コネクター | Lightning | Lightning | USB-C | USB-C | USB-C |
ディスプレイ | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ |
Apple Pencil | 第1世代 | 第1世代 | 第2世代 | 第2世代 | 第2世代 |
Wi-Fi | ac | ac | ax | ax | ax |
※価格はすべてWi-Fiモデルの税別。Cellularモデルとの価格差は、Proシリーズで1万7000円、それ以外のモデルで1万5000円
※10.1インチに満たないiPad miniは唯一、Officeの編集機能が無料で利用可能
本記事では、上表をベースに各モデルを比較しながら、iPadの選び方を解説していきます。
性能をベンチマークアプリで比較
最初に性能から紹介します。今回は「Geekbench 5」というアプリでベンチマークを計測してみました。
最新のA14 Bionicを搭載するiPad Air 4の性能は、iPad Pro(11インチ)と引き分けといったところです。シングルコアでは上回っていますが、マルチコアではiPad Pro(11インチ)のほうが上です。また、iPad(第8世代)とiPad miniは基本的に同じ性能です。表でもわかるように、iPad Pro(11インチ)とiPad Air 4は、性能が一段上になります。
さらに、メモリの容量にも違いがあります。iPad Pro(11インチ)は約6GB、iPad Air 4は約4GB、iPad miniとiPad(第8世代)は約3GBです。
かなり差があるのですが、普通に使うぶんにはiPad(第8世代)やiPad miniが遅く感じることはありません。末永く使うと、上位の2モデルが快適に感じる期間が長くなるでしょう。また、複数のアプリを利用したり、動画の編集などをメインに使ったりする人は、iPad Air 4かiPad Pro(11インチ)がおすすめです。
iPad(第8世代)
iPad mini
iPad Air 4
iPad Pro(11インチ)
ディスプレイは価格なりに差がある
iPad Pro(11インチ)とiPad Air 4、iPad(第8世代)は、ディスプレイサイズがほとんど同じです。表示サイズや使い勝手の差はあまりありません。
しかし、iPad(第8世代)は低反射のコーティングがされず、またフルラミネーションディスプレイでもないため、大きく劣ります。ここが、iPad Air 4とiPad(第8世代)の大きな差になります。とにかく美しい画面でコンテンツを楽しんだり、写真を編集するなら、iPad Air 4がおすすめです。また、手書きにこだわりたい人も同様です。
iPad Pro(11インチ)は、さらに優れたディスプレイを搭載します。一段と明るくクリアで、反射防止コーティングも素晴らしい限りです。また、ProMotionテクノロジーを搭載し、画面の書き換えも高速になります。ゲームやブラウザなども気持ちよく表示し、手書きをしても反応の良さが違います。
ディスプレイは、価格なりの差があるわけです。
左のiPad(第8世代)は、右のiPad Pro(11インチ)に較べると画像が白っぽく感じる
左がiPad(第8世代)、右がiPad Air 4。正面から見ると、画質の差はさほど感じない
左がiPad Pro(11インチ)、右はiPad Air 4。明らかに左のiPad Pro(11インチ)が明るくくっきりしている。また額縁も細い
手前のiPad Pro(11インチ)は、下のiPad Air 4よりコーティングが優れていて反射が弱い
本体構成(センサー・コネクタ・カメラなど)の違いをチェック
iPad(第8世代)とiPad miniは、世代の古いデザインです。ホームボタンを搭載し、指紋センサーが利用できます。またイヤホン端子も採用し、充電はLightningになります。
iPad Pro(11インチ)とiPad Air 4は新しい世代のモデルで、ホームボタンがありません。iPad Pro(11インチ)は、指紋センサーを搭載せずFace IDでログインします。iPad Air 4は、本体の横にある電源ボタンが指紋センサーを兼用します。またこの2モデルは、USB-C端子で充電します。最も使いやすいのは、指紋センサーを搭載し、USB-C端子で接続できる最新のiPad Air 4です。
また、iPad Pro(11インチ)は4つのスピーカーを内蔵し、かなり良い音だと感じるでしょう。iPad Air 4、iPad(第8世代)、iPad miniは2スピーカーになり、音質はやや劣ります。
iPad Pro(11インチ)のみカメラは2眼になり、超広角が撮影できます。さらに、距離を計測するLiDARスキャナを搭載します。なお、iPad Air 4などは12メガピクセルですが、iPad(第8世代)は8メガピクセルになります。iPadで写真を撮る機会は多くないと思うかもしれませんが、書類のスキャンなどでも差が付きます。
iPad(第8世代)とiPad miniはホームボタンを採用し、額縁が太い古いデザインだ
iPad(第8世代)とiPad miniは端子もLightningになる
iPad Air 4は、電源ボタンの位置にTouch IDを内蔵する
スピーカーはiPad Pro(11インチ)のみが4つになる
カメラの数もiPad Pro(11インチ)が2つだ
ストレージの容量ラインアップやWi-Fi規格も異なる
ストレージの構成も違っています。iPad(第8世代)は、最低が32GBと最も少ないストレージを採用しています。さすがに容量が厳しいので、これから買うなら128GBがおすすめです。
iPad Air 4とiPad miniは64GBからとなります。また、iPad Proは128GBが最低の容量です。64GB以上の容量は、自分の使い方に合わせて選べばよいでしょう。動画を編集するなら、256GB以上がおすすめです。
なお、iPad(第8世代)とiPad miniはWi-Fi 6に非対応なので、将来性がやや劣ります。
ProやAir 4は新しいアクセサリを使えるがコストはかかる
iPad Pro(11インチ)とiPad Air 4は、新しいタイプのアクセサリが使えます。Magic Keyboard、Smart Keyboard Folioに対応し、ApplePencilも第2世代になります。どれも優れた最新のアクセサリですが、そのぶん価格も高くなります。
iPad(第8世代)は、Smart Keyboardが利用できるのでコストがやや抑えられます。また、iPad miniとiPad(第8世代)は第1世代のApple Pencilに対応します。
iPad(第8世代)とiPad miniは第1世代のApple Pencilに対応
iPad Air 4とiPad Pro(11インチ)は第2世代のApple Pencilが使える
iPad Pro(11インチ)とiPad Air 4はMagic Keyboardが使える
iPad(第8世代)はSmart Keyboardが対応する
まとめ
iPad各モデルの重要な差は上記のような点になります。特にiPad Air 4とiPad(第8世代)で悩んだときは、性能や画質、アクセサリの違いを把握したうえで、予算を抑えたいなら後者を推奨します。少し予算に余裕があるなら、iPad Air 4が一番のおすすめ。末永く満足して使えるはずです。


iPad Pro(11インチ・12.9インチ)も素晴らしい製品で、現時点でもiPad Air 4との違いは少なくありません。とはいえ、高性能な新モデルの登場も予想されるので、現時点では手を出しづらいところです。
iPad miniはさらに難しい判断が必要です。性能を考えると、もう少し価格を下げてほしいのが本音です。とはいえ、新モデルが出るかどうかもわかりません。どうしてもコンパクトなiPad miniが必要なら、購入を検討する余地もあります。
本記事の内容に関連して、iPadの選び方を下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部