Googleのスマートディスプレイ「Google Nest Hub(グーグルネストハブ)」が新登場しました。最近流行のスマートスピーカーにディスプレイが付いた製品は、いったい何が便利なのでしょうか? 今回はライバル製品とも比較しながらレビューしていきます。
デザインは美しいが横から見ると少し残念
Google Nest Hubは、比較的コンパクトなスマートディスプレイです。本体サイズは178.5×118×67.3ミリで、棚の上に置いたりキッチンや机の片隅に設置しても邪魔にならないでしょう。ディスプレイは7インチなので、タブレットとして考えると最小クラス。スマホよりも一回り大きくなります。
デザインは美しく、ボディのスタンド部分にはファブリックを使うなど、Google製品らしい仕上げです。また本体裏のゴムはオレンジ色になっているのも、ちょっとしたアクセントカラーを使うのが得意なGoogle製品らしさを発揮している部分です。
ただし、正面から見ると「タブレットなのでは?」と思えてしまいます。タブレットをスタンドに乗せたような外観なのが少々残念です。
コンパクトなディスプレイは7インチ
横から見るとタブレットのようなディスプレイ部分が目立つ
背面はスタンド部分がファブリックになっている
底面のゴムはオレンジだ
Googleのロゴが背面に付いている
セットアップはアプリで簡単にできる
セットアップはとても簡単です。手元のスマホにアプリ「Google Home」をインストールしたら、画面に従ってデバイスのセットアップをおこなっていくだけです。
Google Nest Hubの画面に表示されているコードを確認。あとは指示通りに進めていけばよく、10分と掛からずに作業は終わるでしょう。ただし、スマホを持っていないとセットアップできませんし、フル活用も難しいので、お年寄りへのプレゼントでは注意してください。
スマホにアプリのインストールをするように勧められる
画面にコードが表示される
左:スマホでデバイスを選択する中:Google Nest Hubと同じコードが表示される右:指示通りに勧めていけばOK
一度セットアップを終えてしまえば、設置場所を移動しても問題はありません。もちろん、接続したWi-Fiの電波が届くことが前提になります。たとえば、寝室に置くとしても、設定作業はリビングで行えばよいのです。
付属品はACアダプターのみです。残念なのがコネクターが専用端子になること。USB接続が可能なら多ポートのUSB充電器が使えるだけに、ただでさえ足りないコンセントを使うのはいただけません。
キッチンや自室に置くのに向いている
Amazonからは、Echo Showが5.5インチ、10インチの2モデル。さらにコンパクトで円形ディスプレイのEcho Spotも発売されています。LINEのClova Deskも7インチのディスプレイを採用します。
スマートディスプレイは選択肢がかなり増えているのです。7インチのモデルは、リビングに設置するには少々画面が小さいと感じるでしょう。自室の机の上やキッチンなどに置いて、情報を得たり少々コンテンツを楽しむのに向いています。ディスプレイのサイズは、自分が情報を見る距離感や使い方で選ぶことをおすすめします。
左のEcho Showは大画面なのでリビング置きにも向く。真ん中のEcho Spotは時計代わりにおすすめ。中間的なGoogle Nest Hubは、自分の近くで使うのに向く
なお、Google製のディスプレイ搭載モデルは、Google Nest Hubしかありません。普段から「OK グーグル」をよく使うならイチオシです。
スマートスピーカーのように音楽を聴くことももちろんできますし、性能の良いスピーカーを搭載しています。しかし、音楽を聴くだけならスマートスピーカーのほうが手ごろです。Google Nest Hubを買うからには、ディスプレイを活用してこそです。
普段は時間を表示して時計代わりに見ることが多くなるでしょう。ただし、時計との違いは距離感です。詳しくは後述しますが、さまざまなコンテンツを見たり情報を7インチのディスプレイから取得することになるので、離れすぎるのには向きません。目の前で使える距離感がおすすめです。
「Echo Spot」レビュー、画面搭載でひと味違う使い勝手のスマートスピーカーに進化
普段は美しい時計やフォトフレームとして
普段は美しい表示の置き時計として利用すればよいでしょう。つまり、用事がないときにも時計としては機能するわけです。ホーム画面には、自動で美しい写真が表示されて、順次切り替わるようになっています。
この手の製品で定番となっている天気の確認も、モニターで表示されるのがわかりやすいポイントです。スマートスピーカーでは声での説明だけなので、週間の天気や気温などが頭に入ってこないことがありますが、Google Nest Hubならひと目見るだけです。
天気予報の表示もスマートスピーカーより見やすい
フォトフレームとしても便利で、美しい画面にGoogleフォトの写真が順次表示されます。「箱根で撮った写真が見たい」と話しかけると、Googleフォトの地域で管理されている写真が表示されます。ベストショットを自動で選んで表示する機能も搭載します。
画面をタッチすれば、写真を選択したり送ったりすることも可能ですが、自動でパラパラと表示させてこそGoogle Nest Hubの価値があります。能動的に写真を選んで表示するなら、スマホやタブレットのほうが向いています。普段見ない写真を含めてスライドショーしておくのが、Google Nest Hubの楽しい使い方です。
音楽を聴いているときもディスプレイが便利
ストリーミングサービスを利用して音楽を聴くこともできます。対応するのは「Google Play Music」「YouTube Music」「Spotify」「うたパス」「dヒッツ」などです。これらのサービスに加入しているかどうかも、スマートスピーカーやスマートディスプレイを選ぶ基準になるでしょう。
Amazon系のサービスをよく使うなら、Echoシリーズ(Alexa)を買ったほうがよいのです。音楽再生の際には、アルバムジャケットが表示されますが、どうやら歌詞は表示できないようです(Alexaは表示可能)。
動画はYouTubeの再生に対応します。Huluも視聴できますが、残念ながらNetflixは見られません。情報表示に強く、Googleカレンダーのスケジュールなども自動で取り込んで表示してくれます。
Spotifyなどの音楽を聴ける
YouTubeも利用可能。手に持ってみるスマホより楽
画面へのタッチ操作で一時停止などもできる
ルーティン機能でさらに便利に使える
注目したいのがルーティン機能です。「おはよう」「おやすみ」などのキーワードで話しかけると、複数の機能を順次展開してくれます。
このルーティンは、スマホのGoogle Homeから設定します。あらかじめ「おはよう」「ただいま」など、6つのキーワードが用意されていますが、さらに音声コマンドを追加することもできます。
それぞれのキーワードに対して、実行するサービスをチェック形式で追加していけます。たとえば、朝は天気予報と通勤の交通状況を確認して、ただいまのコマンドではニュースを見る、といった使い分けも可能です。
Google Nest Hubは、目的地までの乗換情報を調べやすいのも便利なポイントです。こちらも音声よりはわかりやすく、ちょっと出かける際には重宝するでしょう。
ルーティンで一気にコマンドを設定できる
左:ルーティンはスマホで設定する右:それぞれのキーワードで実行するサービスを選べる
スケジュールも画面で確認できる
乗換の経路探索もわかりやすい
タイマーはあとどれくらいかがわかるので、音声より使いやすい
こちらはわからない言葉を調べた。やはり文字で読んだほうが理解度が高まる
まとめ
スマートディスプレイにもさまざまな機種が登場してきましたが、「スマホがあれば十分」と思う人も少なくないでしょう。確かに得られる情報は変わりません。しかし、一度使うと戻れなくなるスマホやタブレットとは違った魅力があります。
話しかけられた声を最大6人まで聞き分けるボイスマッチ機能も搭載しており、1台あれば家族全員で便利に利用できます。カラーはチョークとチャコール、アクア、サンドの4色。価格は1万5120円(税込)で、Googleストアや家電量販店などで購入できます。プレゼントにもおすすめです。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部