スマホやパソコン画面のミラーリング方法として、Fire TV Stickの使用を考えている人は多いでしょう。ただ、Fire TV Stickでミラーリングをおこなう際は、OSや機種によって手順や必要な条件が異なる点に注意しなければなりません。これらの機器を扱い慣れている筆者でも、初見ではなかなか接続できず戸惑いました。
そこで本記事では、iPhone、Androidスマホ、Windowsパソコン、iMac/MacBookでのミラーリング方法をそれぞれ紹介します。実際に試して分かりづらかったポイントなどを重点的に解説しているので参考にしてください。
iPhone/iPadの画面を映し出す方法
まずは、iPhoneとiPadでのミラーリング方法を紹介します。Fire TV Stick側は、以下の4機種で検証。すべて同じ手順でミラーリングできることが確認できています。
- Fire TV Stick(第2世代)
- Fire TV Stick(第3世代)
- Fire TV Stick 4K Max
- Fire TV Cube
ミラーリングアプリをFire TVにインストール
Fire TV Stickに標準搭載のミラーリング機能では、Apple製品はサポートされていません。そのため「AirReceiver(305円)」や「AirScreen(基本無料)」といったミラーリング専用アプリをFire TVにインストールしておく必要があります。
両方インストールして使ってみましたが、いずれも問題なく動作しました。ただ、基本無料で使える「AirScreen」の場合、アプリやゲームなどの投影はスムーズなのですが、YouTubeなどの動画を再生する際の挙動が少し不安定です。
ミラーリングの主な用途として動画の視聴を想定している人は、305円で「AirReceiver」を購入・インストールするほうがいいかもしれません。

ここでは有料の「AirReceiver」の使い方を解説します(基本無料で使える「AirScreen」のインストール方法は後述)。
Fire TVを起動したら、リモコンを操作して検索アイコンを選択し「AirReceiver」と入力します。

上の画像と同じアイコンの「AirReceiver」を選択します。

「¥305または305コイン」の横にあるカートアイコンを選択します。

コインか¥かを選択して支払いましょう。¥を選択すると、Amazonに設定している決済方法で305円が支払われます。
ミラーリングアプリを待ち受け状態にする

決済完了後、自動的にFire TV上にアプリがインストールされます。そのまま[開く]をタップしてください。

アクセス許可を問われます。一読して問題なければ
を押しましょう。
すると、上の画像のような待ち受け画面が表示されます。「AirPlay」にチェックが入っていることを確認したら、この画面を表示させたまましばらく待ちましょう。
iPhoneの画面をミラーリング、もしくはコンテンツをキャストする

「iPhoneの画面をテレビに映し出す」という行為は、「ミラーリング」と「キャスト」2通りのやり方があります。
- ミラーリング:iPhoneの画面そのものをテレビに映し出す
- キャスト:YouTubeやNetflixなどiPhoneで再生したコンテンツをテレビに映し出す
アプリやゲームの画面を映し出すなら「ミラーリング」、動画コンテンツを再生するなら「キャスト」といったように、場面ごとに使い分けるとよいでしょう。
ミラーリングのやり方



まず、iPhoneの画面をミラーリングするにはiPhoneの画面を右上から左下にスワイプ(もしくは画面の下から上にスワイプ)してコントロールセンターを開きます。四角アイコンの「画面ミラーリング」があればタップしましょう。
「AF〜」で始まるデバイスが検出されるので、これをタップ。すると、iPhoneの画面がミラーリングされます。画面ミラーリングが見当たらない場合、iOSバージョンが古い可能性があります。アップデートをおこなってください。
キャストのやり方
続いて、iPhoneで再生中のコンテンツをテレビに映し出す「キャスト」のやり方を解説します。
まずは、前述した手順でミラーリングアプリ「AirReceiver」をFire TVにインストールして起動しましょう。iPhoneとFire TVが同じWi-Fiに接続されていれば準備完了です。



あとは、コンテンツの再生画面に表示される「キャスト」アイコンをタップし、キャスト先としてFire TVを選択するだけでOK。
任意のコンテンツを再生すればFire TV側が自らインターネット接続してコンテンツを再生してくれるので、スマホ側で別アプリを操作したり再生画面を閉じたりしても、テレビ側で映像が流れ続けます。ミラーリングと違って、スマホを自由に使いつつテレビでコンテンツを楽しめるというわけです。
キャストに対応しているのはU-NEXT、Netflix、Amazonプライム・ビデオといった動画配信サービスがメイン。このほか、Googleフォトに保存している写真や動画もキャスト可能です。
Androidスマホの画面を映し出す方法
Android端末のミラーリングは、Fire TV Stickのタイプとスマホの機種によって手順がまったく異なります。
あれこれ要件を確認する前に、ひとまず「接続方法1」を実践してみましょう。接続方法1でミラーリングできなかったユーザーは、「接続方法2」を試してみるのが一番手っ取り早いです。
方法1:Fire TV Stickの標準機能で接続する
Fire TV StickとAndroidスマホ、両方の条件が合えば標準機能だけでミラーリングやコンテンツのキャストができます。

「スマホの画面をテレビに映し出す」という行為は、「ミラーリング」と「キャスト」2通りのやり方があります。
- ミラーリング:スマホの画面そのものをテレビに映し出す
- キャスト:YouTubeやNetflixなどスマホで再生したコンテンツをテレビに映し出す
アプリやゲームの画面を映し出すなら「ミラーリング」、動画コンテンツを再生するなら「キャスト」といったように、場面ごとに使い分けるとよいでしょう。
ミラーリングのやり方
まずは、スマホの画面そのものをテレビに映し出す「ミラーリング」のやり方を解説します。
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Fire TVでミラーリングを起動する
Fire TVを起動した状態で、Fire TV Stickリモコンのホームボタンを長押しします。
Fire TV Stickのリモコンを持っていない人、使っていない人はFire TVのトップ画面にある設定ボタンからディスプレイとサウンド→ディスプレイミラーリングに進みましょう(画像付き手順は以下を確認)。
Fire TV Stickリモコンを使っていない人向けのやり方
Fire TV Stickのリモコンを持っていない人、使っていない人はFire TVのトップ画面にある設定ボタン
からもミラーリング機能を利用できます。ディスプレイとサウンドに進みましょう。ディスプレイミラーリングを選択すると、ミラーリングの待ち受け画面が表示されます。
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「ミラーリング」を起動
表示されたメニューに「ミラーリング」項目があれば、リモコンを操作して起動させます。筆者手持ちのFire TV Stick4タイプで検証したところ、Fire TV Stick(第3世代)以外の3機種では同じ手順でミラーリングを起動できました。
- Fire TV Stick(第2世代)
- Fire TV Stick 4K Max
- Fire TV Cube
一方、筆者手持ちのFire TV Stick(第3世代)はどこを探しても「ミラーリング」項目がありませんでした。公式のヘルプを見る限り、標準機能としてサポートしていないタイプのFire TV Stickもあるようです(どの機種とは明言していませんが)。
手持ちのFire TV Stickがミラーリングアイコンが表示されないタイプだった場合、後述の接続方法2に進んでください。
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AndroidスマホでFire TVを検出して接続する
ミラーリング機能を起動させると、上の画像のような待ち受け画面が表示されます。テレビをこの状態にしたまま、Androidスマホ側の操作に移りましょう。
続いて、Androidスマホの画面を上から下にスワイプしてクイック設定パネルを呼び出し、「Smart View」「スクリーンキャスト」「画面のキャスト」といった項目をタップします。
クイック設定パネル上に見当たらない場合は、
ボタンもしくは左下にある鉛筆マークをタップしてこれらの項目を追加しましょう。接続可能な機器として「Fire TV Stick」が検出されれば、そのままFire TV Stick名を押します。「キャストを開始しますか?」といった内容のポップアップで、[OK]や[今すぐ開始]をタップすると、すぐにミラーリングが開始されます。
一方、「Fire TV Stick」が検出できなかった場合、そのAndroidスマホはFire TV Stick標準搭載のワイヤレス通信規格(Miracast)に適合していません。後述の接続方法2へ進みましょう。
キャストのやり方
続いて、スマホで再生中のコンテンツをテレビに映し出す「キャスト」のやり方を解説します。基本的には、Fire TV Stickがテレビに接続されていてスマホと同じWi-Fiに接続されていれば準備完了です。



YouTubeのコンテンツをキャストする手順
あとは、コンテンツの再生画面に表示される「キャスト」アイコンをタップし、キャスト先としてFire TVを選択するだけでOK。ちなみに、Fire TVを起動する必要はありません。
Fire TV側が自らインターネット接続してコンテンツを再生してくれるので、スマホ側で別アプリを操作したり再生画面を閉じたりしても、テレビ側で映像が流れ続けます。ミラーリングと違って、スマホを自由に使いつつテレビでコンテンツを楽しめるというわけです。
キャストに対応しているのはU-NEXT、Netflix、Amazonプライム・ビデオといった動画配信サービスがメイン。Googleフォトに保存している写真や動画もキャスト可能です。
方法2:ミラーリングアプリを使って接続する
続いて、方法1でミラーリングができなかった(Fire TV Stickを検出できなかった)人向けの方法を紹介します。
Fire TV Stickを検出できるスマホとできないスマホの違いは?
現在、Androidスマホがサポートするワイヤレス通信規格は、メーカーや機種によって「Google Cast(グーグルキャスト) 」と「Miracast(ミラキャスト) 」で二分化されています。

Xperiaシリーズの一部機種など、両方をサポートしているケースもある
Miracast搭載機器へのミラーリングは、Miracast対応のスマホでしかおこなえません。Fire TV Stickは「Miracast」を採用しているので、Miracast非搭載のスマホではミラーリングができないのです。
実際に筆者手持ちのスマホ10機種で検証しましたが、Miracastに対応していたのは「OPPO Reno 3A」と「Galaxy S21 5G」「Galaxy A20」の3つ。一方、「Pixel 6」や「Xperia 5」「AQUOS sense5G」はMiracastに対応しておらず、Fire TV Stickの検出ができませんでした。
ミラーリングのやり方
まずは、スマホの画面そのものをテレビに映し出す「ミラーリング」のやり方を解説します。YouTubeやNetflixなど、スマホで再生中のコンテンツをテレビに映し出したい場合は、後述のキャストのほうが便利です。
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ミラーリングアプリをFire TVにインストール
まずは、ミラーリングアプリをFire TVにインストールします。アプリを使えば、方法1で接続できなかったタイプのFire TV Stickや、Miracast非対応のAndroidスマホでもミラーリングができます。
主なミラーリングアプリとして「AirReceiver(305円)」と「AirScreen(基本無料)」が挙げられますが、筆者の検証ではどちらを使ってもクオリティはあまり変わりませんでした。基本無料で使える「AirScreen」で十分でしょう。
Fire TVを起動したらリモコンを操作して検索アイコンを選択し「AirScreen」と入力します。
上の画像と同じアイコンの「AirScreen」を選択します。
[入手]を選択します。インストールが完了するまでしばらく待ちましょう。
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Fire TVでミラーリングアプリを待ち受け状態にする
「AirScreen」のインストールが完了したら[開く]を選択します。
「ようこそ」の画面が表示されたら[確認]を押します。
最後にQRコードが表示されたら、Fire TV側の準備は完了です。このQRコードは特に読み込む必要はないので、右上の
ボタンを押して閉じましょう。最後に、上画像と同じ待ち受け画面が表示されれば準備完了です。続いて、スマホ側での作業に移ります。
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Androidスマホで「画面のキャスト」を実行する
手持ちのAndroidスマホがFire TVと同じWi-Fiに接続されていることを確認してから、以下の作業をおこないましょう。
Androidスマホの画面を上から下にスワイプし、クイック設定パネルを呼び出します。「画面のキャスト」という項目があれば、これをタップしてください。クイック設定パネル上に見当たらない場合は、
ボタンもしくは左下にある鉛筆マークをタップしてこれらの項目を追加しましょう。接続可能な機器が検出されます。「AirScreen」が検出されていたら、これをタップしてください。「キャストを開始しますか?」といった内容のポップアップが表示されたら、[今すぐ開始]をタップ。すぐに画面共有が開始されます。AirScreenが検出できなかった場合は、以降の手順を試してみてください。
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Fire TV Stickを検出できなかった場合は「Google Home」を経由する
アプリ「Google Home」をダウンロード上記の手順でミラーリングができなかった場合は、Androidスマホで「Google Home」アプリを経由してみましょう。たいていの機種にはプリインストールされているはずですが、見当たらない場合は下記ボタンからインストールしてください。
初めて扱う人は、案内に従ってGoogle Homeの初期設定をします。
「他のキャストデバイス」の下に手持ちのテレビの名前とAirScreenが表示されているはずなのでこれをタップし、[画面をキャスト]を選択してください。
「ミラーリングデバイスへのキャスト」画面が表示されたら、[画面をキャスト]を選択。確認画面で問題なければ
をタップすればOKです。
キャストのやり方
続いて、スマホで再生中のコンテンツをテレビに映し出す「キャスト」のやり方を解説します。
まずは、前述した手順でミラーリングアプリ「AirScreen」をFire TVにインストールして起動しましょう。あとはスマホとFire TVが同じWi-Fiに接続されていれば準備完了です。



U-NEXTのキャスト画面
あとは、コンテンツの再生画面に表示される「キャスト」アイコンをタップし、キャスト先としてAS〜で始まるデバイス(Fire TV Stick)を選択するだけでOKです。
Fire TV側が自らインターネット接続してコンテンツを再生してくれるので、スマホ側で別アプリを操作したり再生画面を閉じたりしても、テレビ側で映像が流れ続けます。ミラーリングと違って、スマホを自由に使いつつテレビでコンテンツを楽しめるというわけです。
キャストに対応しているのはU-NEXT、Netflix、Amazonプライム・ビデオといった動画配信サービスがメイン。Googleフォトに保存している写真や動画もキャスト可能です。
Windowsパソコンの画面をミラーリングする
Windows搭載パソコンでも、Fire TV Stickでのミラーリングがおこなえます。ただし、ミラーリングできるのは以下の条件をすべて満たす場合に限られます。
- パソコン側がワイヤレスディスプレイ(Windows 10搭載)に対応していること
- パソコン側がMiracastに対応していること
- Fire TV Stickでミラーリング機能が使えること(詳しくは前述)
なお、Androidスマホのケースと異なり、Windowsパソコンでは専用アプリを使ったとしてもFire TV Stickでのミラーリングはできません。以下の手順でミラーリングができなかった場合は、残念ながらFire TV Stickを使ったミラーリングは難しいでしょう。
Fire TVでミラーリングを起動する

Fire TVを起動した状態で、Fire TV Stickリモコンのホームボタンを長押しします。
Fire TV Stickのリモコンを持っていない人、使っていない人はFire TVのトップ画面にある設定ボタン前述)。
から → に進みましょう(手順は
表示されたメニューに「ミラーリング」があれば、リモコンを操作して起動させます。

ミラーリング機能を起動させると、上のような待ち受け画面が表示されます。テレビをこの状態にしたまま、Windowsパソコン側の操作に移りましょう。
Windowsパソコンのアクションセンターで「接続」を選択
パソコンは、あらかじめFire TV Stickと同じWi-Fiに接続しておきましょう。

画面下部の右端にある通知アイコンをクリックし、アクションセンターを起動します。メニューから
を選択しましょう。メニューに が見当たらない場合は、[展開]を押して全部表示させてください。検出されたFire TV Stickをクリックする

Miracast搭載のパソコンには、「〇〇のFire TV」といった形でFire TV Stickが検出されます。これをクリックしてしばらく待つと、パソコン画面がテレビに映し出されるはずです(1回で接続できない場合もあるので、何回か試してみてください)。
iMac/MacBookの画面をミラーリングする
続いて、iMac/MacBookの画面をミラーリングする手順を紹介します。Fire TV Stick側は、以下の4機種で検証。すべて同じ手順でミラーリングできることが確認できています。
- Fire TV Stick(第2世代)
- Fire TV Stick(第3世代)
- Fire TV Stick 4K Max
- Fire TV Cube
ミラーリングアプリをインストールする
iPhone同様、Macの画面をミラーリングする場合も専用アプリが必要です。前述した手順を参考に、Fire TVにミラーリングアプリをインストールしてください。
ミラーリングアプリを待ち受け状態にする

ミラーリングアプリ(ここでは「AirReceiver」を使用)を起動して、待ち受け画面を表示させておきます。
AirPlayディスプレイでミラーリングを開始する
iMac/MacBookは、あらかじめFire TV Stickと同じWi-Fiに接続しておきましょう。

画面右上に「画面ミラーリング」アイコンがある場合は、これをクリック。
Fire TV Stickが検出されると、「AF〜」や「AS〜」で機器名が表示されます。これらをクリックすれば、MacやMacBookの画面がテレビに映し出されます。

ミラーリングアイコンが見当たらない場合は、システム環境設定からミラーリングをおこなましょう。システム環境設定を開き、「ディスプレイ」に進みます。

AirPlayディスプレイの横のプルダウンをクリック。ミラーリング先として「AF〜」や「AS〜」が表示されていればこれにチェックを入れます。すると、iMac/MacBookの画面がミラーリングされます。