「ブックウォーカー」ってどう？ 読み放題の魅力・弱点を中心にレビュー

「ブックウォーカー（BOOK☆WALKER）」は、ラノベやコミックの分野にとりわけ強いことで知られる総合電子書籍ストアです。160万冊以上と国内最大級の品揃えを持ち、ラノベやコミックを中心とした2つの読み放題サービスも提供しています。

今回はブックウォーカーの魅力と気になる弱点についてレビューしていきます。

ブックウォーカー（BOOK☆WALKER）は、KADOKAWAグループが運営する総合電子書籍ストア。有料の電子書籍のほかに、2種類の読み放題サービス、無料で読めるコミックや文芸書などが豊富です。

配信出版社は1500社以上あり、KADOKAWA以外のタイトルも充実しています。

ブックウォーカーの魅力は、ライトノベル（ラノベ）やマンガを中心とした厚みのあるラインナップです。読み放題サービスを利用すれば、好きなだけ作品を楽しむことができます。

ブックウォーカーが配信している作品点数は160万以上と多く、マンガ、ラノベ、小説、実用書など、さまざまな書籍を扱っています。なかでもラノベは、国内で最大級の配信数を誇ります。

購入金額に応じてブックウォーカー専用の「コイン」がもらえるようになっていて、貯まったコインはWebストアで1コイン＝1円分として他の書籍を買うときや読み放題サービスの支払いに使えます。

KADOKAWAグループ直営の電子書籍ということもあり、ブックウォーカーは特にアニメ作品やKADOKAWA作品に強い特徴があります。

読み放題ではアニメ雑誌やKADOKAWAのライトノベルが多数ラインナップされ、アニメ放送中作品の原作コミックも期間限定で読み放題に追加される場合が多いです。異世界作品やラブコメなどでアニメ化された作品、一部のアニメ誌などでは、ブックウォーカーでしか読み放題対象になっていない作品もあります。

また、読み放題ではない電子書籍についても、「KADOKAWA作品コイン50％還元」「KADOKAWA対象作品70％オフ」など、KADOKAWA作品をお得に購入できるキャンペーンがたびたび実施されています。KADOKAWA原作のライトノベルや漫画を読みたい場合に、ブックウォーカーがおすすめできるといえるでしょう。

電子書籍を購入できるだけでなく、サブスクリプション型の読み放題サービスも提供しています。

読み放題サービスは、「読み放題 マンガコース」または「読み放題 MAXコース」の2つから選択できます。月額料金は「読み放題 マンガコース」が836円（Apple Account決済/Google Play決済は月額840円）、「読み放題 MAXコース」が1100円です。読み放題 マンガコースは対象が雑誌とマンガのみで、読み放題 MAXコースは雑誌・マンガに加えてラノベやビジネス書などの対象作品が読み放題で利用できます。

支払い方法はWEBから登録する場合、クレジットカードやBOOK☆WALKERコイン、読み放題コード（プロモーションコード）が対象で、アプリからの登録ではApple Account決済・Google Play決済などが選べます。

どちらのプランも初回登録時はそれぞれ14日間ずつ無料でサービスを使えるので、使い勝手や読みたいラインナップがあるかなど、実際に利用しながらじっくり精査できます。もちろん、無料体験中に解約することも可能です。

マンガ誌90誌以上、単行本3万冊以上が読み放題のサービスです。

マンガ誌は男性向け、女性向けのほか、BLやTLなどを含んでいます。また、マンガ誌以外にもゲーム誌や実用誌（声優専門誌やアニメ誌）などもあります。ファッション誌や週刊誌などのいわゆる一般誌はなく、マンガ・アニメジャンルに特化した内容です。

単行本は7000作品以上（3万冊以上）が読み放題。最新のものというよりも、何年か前の作品が多い傾向です。アニメ化された作品のコーナーやランキング、高評価作品などからも作品を探せます。全巻一気読みができる作品が200作品以上あるのもうれしいポイントで、対象作品は「読み放題 マンガコース」内で最後まで読むことができます。コミック専門の読み放題サービスならではのメリットと言えるでしょう。

マンガ・雑誌90誌以上、マンガ単行本が3万冊以上、ラノベ・新文芸・文芸・実用書が2万冊以上読み放題になるサービスです。「読み放題 マンガコース」にラノベ・小説が加わったイメージで、その分月額料金はマンガコースよりも高くなっています。

KADOKAWAの作品が中心ですが、講談社や集英社、小学館などさまざまな出版社の電子書籍を配信しています。異世界ものや悪役令嬢系、受賞作品、アニメ化・映像化作品など、さまざまな切り口で整理されています。男性向け、女性向けでカテゴライズされており、ジャンルからも読みたい作品を見つけ出しやすくなっています。

ラノベ作品では、シリーズを一気読みできるのが魅力です。300作品以上が11冊以上配信されており、全巻を通して読むことが可能です。こちらはKADOKAWA作品がメインであるものの、小学館のガガガ文庫やホビージャパンのHJ文庫なども対象になっています。

文庫では、ミステリーや推理、サスペンス、ホラーなどのジャンルも充実しています。他にもビジネス向けの実用書や学術書が4500冊以上ある点もうれしいポイントです。

購入作品や読み放題の作品とは別に、「無料」コーナーが設けられています。マンガやラノベに限らず、小説、文芸、実用といったさまざまなジャンルから無料で読める本が提供されています。

分冊（小冊子）や試読版も多く含んでいますが、全部で2万冊を超えるラインナップがあり、すべて無料です。人気順、リリース順、読み放題終了間近順などで並び替えて、読みたい作品を探すことができます。

「毎日無料」マークのついている作品は、23時間ごとに1話ずつ無料で読み進められます。試し読みよりもさらに長い話数を無料で読み進められて、お得です。

そのほか、小説・ライトノベルは「まる読み10分」機能があり、毎日10分間だけ、対象作品を何冊でも全ページ読めます。通常の試し読みでは読めないあとがきや挿絵などのチェックも可能なので、本を選ぶのに非常に役立つでしょう。

読み放題対象ではない作品を購入する場合、購入金額に応じてブックウォーカー専用の「コイン」が還元されます。もらったコインは1コイン＝1円として別の電子書籍の購入時などに使えます。

最大で18％還元という、直営店ならではの高い還元率が魅力です。購入金額が多いほど、次の月に得られる還元率が上がる仕組みで、ラノベをよく買う人ほどお得になります。期間限定で還元率の高くなるキャンペーンや特集も頻繁に更新されています。

また、ブックウォーカーで初めて電子書籍を購入すると、合計額の半額分が期間限定のコインとして付与されます（※上限200冊）。通常のコインと違って、購入日の「翌月末」までと利用期間は短いですが、別の電子書籍の購入に充てることができます。

本特典を利用するには、会員登録後30日以内に電子書籍を購入する必要があります。iOSアプリからの購入は特典の対象外で、WebストアとAndroidアプリ限定となっています。

そのほか、新規登録限定で高い割引率のクーポンを配布していることもあります。2024年11月には『ブルーロック』の1巻～11巻が80％オフになるクーポンを配布していました。期間限定のクーポンなので、こまめにチェックしてみましょう。

WEBブラウザから電子書籍を買う場合、選べる決済方法は豊富に用意されています。クレジットカードはもちろん、以下の支払いに対応しています。

なお、読み放題サービスの支払いについては、WEBから登録する場合、クレジットカード決済とBOOK☆WALKERコイン、読み放題コード（プロモーションコード）のみ対応しています。

ラノベのみの読み放題プランが用意されていない点や、コインの還元率を維持するためのハードルが高いなど、ブックウォーカーを使い続けるうえで気になる点もあります。

ブックウォーカーの読み放題サービスはKADOKAWA作品に強い反面、読めるジャンルの幅は多くありません。主に読み放題の対象となるのは、マンガ、マンガ雑誌、ラノベ、文庫です。実用書や学術書もありますが、種類は少なめ。さまざまな本を読みたい人は、ブックウォーカーだけでは足りない可能性もあります。

複数の読み放題サービスを併用するには、コストがかかります。ブックウォーカーを利用する際は他のサービスを併用する可能性を含めて、毎月のコストについて検討する必要があるかもしれません。

ブックウォーカーはライトノベルも含めた「読み放題MAXコース」と、漫画と雑誌のみの「読み放題マンガコース」の2種類のプランが用意されています。マンガとライトノベルのどちらも読みたい場合は読み放題MAXコースに登録するほかありませんが、ブックウォーカーはどちらかというとライトノベルに強みのある電子書籍サービスです。

ライトノベルだけ読みたいという場合でも、マンガや雑誌を含めた割高な読み放題MAXコースに登録しなければならないのが残念なポイントでしょう。

検索機能やレコメンド機能といった読みたい電子書籍を探す機能については、多少の難点があります。

たとえば漠然と「恋愛漫画が読みたい」「バトル漫画が読みたい」という気分になったとき、「マンガ」タブに移動するとすべてのジャンルの漫画が表示され、読みたい作品に至るまでに踏むステップが長く感じます。またそのジャンルにも偏りがあり、異世界ものやラブコメものが「話題作」としてピックアップされています。キャンペーンについても異世界、ラブコメ、アニメ作品、ライトノベルが中心です。アニメやラブコメに強いのはブックウォーカーの強みですが、それらのジャンルに興味がない場合には使いにくさを感じる場面があるかもしれません。

検索機能については、検索したワードとは関係ない作品が出てくることもしばしば。検索フィルターも使いにくく読み放題対象作品と対象外作品が混在して表示されてしまうこともあり、慣れるまで時間がかかるでしょう。

ブックウォーカーでは、電子書籍を購入する際にコインの還元を受けられます。しかし、前月の購入額に応じて会員ランクが上がってコインの還元率が変わるため、高い還元率を得るには作品を常に買い続ける必要があります。

さらに還元率が8％の会員ランク「ジャック」以上になると、「前月購入金額1万円以上のうち新着作品の購入金額が1000円以上」というように、購入する作品についても細かい条件が付きます。条件に従って会員ランクを毎月維持するのは、なかなか大変です。

ブックウォーカーは、ジャンルに特化したサービスなのでラノベやマンガなどのラインナップが魅力。他の総合誌のサービスや、他社の読み放題サービスの内容に満足できないユーザーにおすすめです。初回購入時には合計金額から半額分をコインで還元するキャンペーンも実施しています。

読み放題に興味を持った場合は、ブックウォーカーのWebサイトで対象作品を確認するとよいでしょう。会員に登録する前でも、読みたい本があるかどうかは簡単に調べられます。

また、「読み放題 マンガコース」と「読み放題 MAXコース」のそれぞれに14日間の無料体験も用意されています。無料体験を活用すれば、0円で実際のサービスの使い勝手などを確認できます。