au PAYプリペイドカードを発行・使ってみた──申し込み手順からチャージ方法、活用術まで徹底解説

対象ユーザーは1枚持っておいて損はない

KDDIと関連会社が共同で提供・運営する「au PAYプリペイドカード(旧au WALLETプリペイドカード)」。au回線ユーザーなら目にする機会が多いサービスのひとつですが、「一体何なのかイマイチよく分からない」「発行するメリットが見えない」という人は多いでしょう。

そこで今回、実際にau PAYプリペイドカードを発行して使ってみました。申し込みからチャージ、支払い方法まで一連の流れを実体験に基づいて詳しく紹介します。

au PAYプリペイドカードとは? 仕組みや特徴を一問一答で解説

「au PAYプリペイドカード」の実態がイマイチつかめていない人も多いでしょう。まずは、筆者が実際にau PAYプリペイドカードを使ってわかった特徴や仕組みを一問一答形式で紹介します。

au PAYプリペイドカードってなに?

KDDIとauペイメント株式会社が共同で提供する、物理タイプのプリペイドカードです。あらかじめ一定の金額を前払い(チャージ)しておくことで、全国の「Mastercard」加盟店でクレジットカードと同じように使えます(詳細)。

au PAYプリペイドカード

au PAYプリペイドカードの表面

かつては「au WALLETプリペイドカード」という名称でしたが、2020年5月から「au PAYプリペイドカード」にサービス名を変更しました。

au PAYプリペイドカードは誰でも申し込めるの?

au PAYプリペイドカードに申し込めるのは、「au回線を契約している人」「UQmobile回線を契約している人」「auひかり/auひかり ちゅらを契約している人」「auじぶん銀行の口座を持っている人」だけです(詳細)。

スマホ決済アプリの「au PAY」はキャリアを問わず誰でも使えますが、「au PAYプリペイドカード」は利用できる人が限られます。注意しましょう。

au PAYプリペイドカードは無料で発行できる?

au PAYプリペイドカードは無料で発行できます(詳細)。

au PAYプリペイドカードの発行・利用にあたり、手数料や年会費などは一切発生しません。永年無料で使うことができます。

au PAYプリペイドカードってお得なの?

au PAYプリペイドカードで支払うと、特典として200円ごとに1Pの「Pontaポイント」が貰えます(詳細)。

au PAYプリペイドカード

au PAYプリペイドカードで200円支払うごとに1P貯まる

au PAYプリペイドカードでは、税込200円支払うごとにPontaポイントが1Pもらえます(還元率0.5%)。税込1000円のものを買ったら、5ポイントが貯まる計算です。

貯まったPontaポイントは「1P=1円」として、au PAYプリペイドカードやスマホアプリの「au PAY」での決済時に利用できます。

au PAYプリペイドカード

よりお得感を求めたい人は、au PAY残高へのチャージにクレジットカードを利用するとよいでしょう。

ものによってはクレジットカード会社側のポイント還元やキャッシュバックなどの特典を得られるので、“ポイントの二重取り”が可能になります(詳しくは後述)。

「au PAYカード」と「au PAYプリペイドカード」は何が違う?

「au PAYカード」は、クレジットカードです。「au PAYプリペイドカード」とは支払い方式や発行プロセスなどが大きく異なります(詳細)。

au PAYプリペイドカードとau PAYカードの違い
  au PAYプリペイドカード au PAYカード
種類 プリペイドカード クレジットカード
チャージ 必要 不要
発行時の審査 不要 必要

「au PAYプリペイドカード」は、文字通りプリペイド(前払い)式のカードです。あらかじめ一定の金額をau PAY残高にチャージしなければ、支払いに利用することができません。

一方の「au PAYカード」はクレジットカードです。支払いは口座引き落としによる「後払い」なので、持ち合わせがなくてもカードの限度額以内であれば自由に支払いがおこなえます。

また、発行プロセスにも大きな違いがあります。「au PAYカード」はクレジットカードであるため、所定の審査(支払い能力の調査)を経なければ発行できません。申し込みの際には住所や名前だけではなく、勤務先や年収などの情報提供が必要です。

対して「au PAYプリペイドカード」はクレジットカードではないので、発行にあたって審査などはおこなわれません。学生や未成年でも入手しやすいのが特徴です。

au PAYプリペイドカードに申し込んでから実際に使うまでの流れをレビュー

ここからは、au PAYプリペイドカードの一連の使い方を実体験に基づいて解説します。

au PAYプリペイドカード申し込みページにアクセス

新規発行はこちら

スマホやパソコンでau PAYプリペイドカードの申し込みページにアクセスし、au ID(電話番号)とパスワードを入力してログインしましょう。

au PAYプリペードカード申し込みサイト

au PAYプリペードカード申し込みサイト

au PAYプリペイドカードの項目にある[お申込みはこちら]ボタンを押します。あとは案内に従って、本名や住所などの個人情報を入力していけばOKです。

なお、ボタンを押しても入力フォームに遷移しない場合、すでに(自覚がなくても)au PAYプリペイドカードが発行扱いになっている可能性があります。再発行の申し込みサイトにアクセスし、再発行の手続きを開始しましょう。

再発行はこちら

au PAYプリペイドカードが自宅に届く

au PAYプリペイドカード

実際に筆者の自宅に届いた「au PAYプリペイドカード」

申し込んでから2週間後、自宅にau PAYプリペイドカードが届きました。ポストに投函する形で郵送されていたので、受け取り時の本人確認やサインなどは求められませんでした。

au PAYプリペイドカード

au PAYプリペイドカードは台紙に貼り付けてある

封筒には、使い方などが記載された書類とau PAYプリペイドカードが同封されていました。au PAYプリペイドカードは台紙に貼り付けてあるので、丁寧に剥がしましょう。

au PAYプリペイドカード

au PAYプリペイドカードの表面

au PAYプリペイドカードの見た目は、クレジットカードとほぼ同じ。表面には16桁のカード番号と有効期限、名義人、そしてMastercardマークが記載されています。

au PAYプリペイドカード

au PAYプリペイドカードの裏面

裏面には、署名欄と3桁のセキュリティコード、英数字16桁で構成されるWeb Moneyプリペイドコード、au PAY会員ナンバーが記載されています。

au PAYプリペイドカードの利用開始手続き(アクティベート)を済ませる

au PAYプリペイドカードは、利用開始手続きを済ませなければ使うことができません。以下、いずれかの方法で手続きをおこないましょう。

いずれも、3分程度あれば済ませられる簡単な作業です。ここでは一例として、方法3の「au PAY」アプリによるやり方を紹介します。

アプリ「au PAY」をダウンロード
「ご利用開始のお手続き」をタップする

「ご利用開始のお手続き」をタップする

スマホアプリの「au PAY」を起動し、(au PAYプリペイドカードの申し込み時に利用した)au IDでログインします。するとトップ画面に[ご利用開始のお手続き]ボタンが表示されるので、これを押しましょう。

「利用開始」ボタンをタップする

「利用開始」ボタンをタップする

au PAYプリペイドカードの概要が表示されるので、[利用開始]ボタンをタップします。

これで利用開始の手続きは完了です。

au PAY残高にチャージする

au PAYプリペイドカードは「前払い式」の決済サービスです。事前に一定の金額をチャージしなければ使えません。利用開始手続きを済ませたら、au PAY残高にお金を入金(チャージ)しましょう。

「チャージ」をタップ

「チャージ」をタップ

au PAY残高のチャージには、スマホアプリの「au PAY」を使うのが便利です。アプリを起動して[チャージ]に進みます。

au PAY残高のチャージ画面

au PAYのチャージ画面

au PAY残高のチャージに使える手段が表示されます。任意の手段を選択してチャージをおこないましょう。使いやすいチャージ方法は以下の5つです。

  1回あたりの最低チャージ金額

メリット

デメリット

クレジットカードでチャージ金額を支払う

3000円 カードの種類によってはポイントの二重取りが期待できる 利用できるクレジットカードが限定されている

auかんたん決済(au/UQ mobile/povo1.0の通信料金と合算して支払う)

1000円 間接的にポイントの二重取りが期待できる 利用できるクレジットカードが限定されている
登録した銀行口座からチャージ金額を引き落とす 1000円 利用できる金融機関が豊富 運転免許証やマイナンバーカードを使った本人認証が必須

セブン銀行ATM/ローソン銀行ATMに現金を投入する

1000円 スマホと現金さえあれば誰でも利用できる 1000円単位でしかチャージができない

auショップの「au SaKuTTO」端末に現金を投入する

1000円 スマホと現金さえあれば誰でも利用できる 「au SaKuTTO」端末を置いていないauショップもある

お得感を重視するなら、クレジットカードによるチャージでしょう。ポイント還元システムやキャッシュバックサービスのあるクレジットカードを使用することで、いわゆる“ポイントの二重取り”を期待できます

おすすめは「PayPayカード(Mastercard)」と「dカード(Mastercard)」。いずれも入会金・年会費など発生しない永年無料のカードでありながら、還元率は1%と高めです。今のところ、au PAYへのチャージでポイントが付与されることが確認できています。

セブン銀行ATM

セブン銀行ATM

「まずはお試しでau PAYを使ってみたい」という人は、「セブン銀行ATM」もしくは「ローソン銀行ATM」を経由するのがおすすめです。現金1000円から気軽にチャージできるうえ、面倒な本人確認なども求められません。

各チャージ方法の特徴や手順は、以下の特集で詳しく解説しています。

au PAYプリペイドカードを使って支払う

au PAYプリペイドカードの裏面に名前を記入する

au PAYプリペイドカードの裏面に名前を記入する

各種設定を終えたら、いよいよ実店舗でau PAYプリペイドカードを使ってみます。その前に、カード裏面に署名の記入欄があるので忘れずに名前を書いておきましょう。

実店舗で使う

「Mastercard」加盟店かどうかチェックする

「Mastercard」加盟店かどうかチェックする

実店舗での使い方は、基本的にクレジットカードと同じです。レジの掲示物などで「Mastercard」の加盟店であることを確認したら、店員に「カード払いで」と伝えます。

au PAYプリペイドカードで支払う

au PAYプリペイドカードで支払う

あとは店員にau PAYプリペイドカードを渡すか、自身で読み取り端末に挿し込めばOKです(読み取り機にカードを通す形で支払うケースもあります)。

なお、au PAYプリペイドカードは分割払いができません。「何回払いですか?」と問われたら「1回払い」と答えましょう。

インターネットショッピングで使う

続いて、インターネットショッピングでau PAYプリペイドカードを使う方法を紹介します。

au PAYプリペイドカードをネットショップで使う

au PAYプリペイドカードをネットショップで使う

支払い方法で「クレジットカード」を選択し、Mastercardを利用できるかチェックしましょう。あとは上の画像の通りに、au PAYプリペイドカードに記載されている16桁のカード番号・名義・有効期限・セキュリティコードを入力していけばOKです。

ただ、au PAYプリペイドカードは、毎月一定の金額を支払う「サブスクリプションサービス」の支払いには使えない可能性があります。また「3Dセキュア認証」に非対応のため、PayPayや楽天ペイといったスマホ決済サービスの支払い元に利用することもできません。

au PAYプリペイドカードをApple Payに登録すればQUICPay+が使える

au PAYプリペイドカードの情報をiPhoneの「Apple Pay(ウォレットアプリ)」に登録すれば、非接触型決済の「QUICPay+(クイックペイプラス)」を利用できるようになります。

au PAYプリペイドカードをQUICPay+に紐づけて支払う

au PAYプリペイドカードをQUICPay+に紐づけて支払う

iPhoneの背面をかざすだけで決済が完了するので、カード単体で支払うよりもかなりスピーディーです。iPhoneユーザーは設定しておくことをおすすめします。

なお、au PAYプリペイドカードでQUICPay+を利用できるのはiPhoneだけです。残念ながらAndroidスマホは対応していません。

au PAYプリペイドカードを「Apple Pay(ウォレットアプリ)」に登録する手順
Apple Pay
Apple Pay

PayPayカードを「Apple Pay」に登録するには、iPhoneで「ウォレット」アプリを起動します。+マークをタップしてください。

Apple Pay
続ける

[クレジットカードなど]に進み、Apple Payの概要を一読したら[続ける]を押します。

Apple Payにカードを登録

au PAYプリペイドカードが枠内にはまるようにiPhoneのカメラをかざしましょう。au PAYプリペイドカードの情報(16桁のカード番号、3桁のセキュリティコード、有効期限など)が自動で読み込まれます。

上手くカード情報を読み込めない場合は「カード情報を手動で入力」をタップして、手入力してください。

QUICPay
QUICPay

利用規約が表示されるので一読し、問題なければ同意するボタンをタップします。画面に「QUICPay」と表示されたら次へを押しましょう。

カード認証
カード認証

最後に、カード認証をおこないます。SMS・メールどちらかの認証方法を選択して[次へ]をタップ。指定した方法で届く認証コードを入力しましょう。これで登録は完了です。

QUICPay+

買い物をしたい店舗が「QUICPay」対応であることを確認したら、決済時にスタッフに「クイックペイで」と伝えてください。

au PAYプリペイドカード

店頭スタッフに「読み取り機にかざしてください」などと指示されたら、iPhoneのモデルごとに以下の方法で本人認証しましょう。

  • Face IDを搭載したiPhone:サイドボタンをダブルクリックして顔認証/もしくはパスコード入力
  • Touch IDを搭載したiPhone:ホームボタンをダブルクリックして指紋認証/もしくはパスコード入力

すると「ウォレット」アプリが起動し、au PAYプリペイドカードが表示されます。そのまま読み取り機にiPhoneの背面をかざせば決済完了です(Touch IDを搭載したiPhoneは、ホームボタンに指を触れたままカードリーダーにかざしても構いません)。

実際にau PAYプリペイドカードを使って感じたメリット・デメリット

au PAYプリペイドカードを使って感じたメリット・デメリットをまとめつつ、どんな人に向いているのか考えてみました。

クレジットカードより手軽に発行できて、クレジットカードと同等の利便性を得られる

au PAYプリペイドカード

au PAYプリペイドカードはMastercard加盟店で使える

au PAYプリペイドカードの最大のメリットは、手軽に発行・利用できる「プリペイドカード」でありながら、「クレジットカード」と同等の利便性を得られるという点です。

au PAYプリペイドカードには、国際ブランドのMastercardが付いています。全国のMastercard加盟の実店舗やインターネットショップで、クレジットカードとほぼ同じように使えるのです。「au PAY」をスマホアプリだけで使うよりも、利用シーンは圧倒的に広がるでしょう。

また繰り返しになりますが、au PAYプリペイドカードを発行するにあたって、審査はおこなわれません。勤務先や年収などの情報を提供する必要がないので、学生や未成年でも気軽に利用できます。「クレジットカードを持てない、もしくは持つことに抵抗がある」けれども「クレジットカード決済をしたい」という人にとっては、かなり有用な手段となるはずです。

チャージに手間がかかるが、予算を決めて支出管理したいシーンには最適

これも繰り返しになりますが「au PAYプリペイドカード」は、前払い方式の決済サービスです。あらかじめ、一定の金額をチャージしなければ使うことができません。

うっかりチャージ残高を切らしてしまうと、会計をするタイミングで「残高がなくて支払えない」といったことが起こる可能性があります。また、現金との併用は店によってはおこなえないケースもあるので、残高不足には十分注意しなければなりません。

複数人で予算を共有する場合に便利

複数人で予算を共有する場合に便利

その反面、au PAYプリペイドカードはチャージした金額のみが利用範囲となるため、「使い過ぎを防止したい」「予算を決めて支出管理したい」というケースでの利用に向いています。

たとえば「毎月一定額をチャージして子どもへのお小遣いに渡す」「あらかじめひと月分の生活費をチャージして、家族や恋人と共有する」といったシーンで便利です。残高や決済履歴はスマホアプリの「au PAY」で簡単にチェックできるので、いつ何に支払ったか細かく管理できます。

クレジットカード保有者もサブカードとして1枚持っておくと便利

すでにクレジットカードを保有している人にとっても、au PAYプリペイドカードを持つメリットはあります。

クレジットカード不安な人

代表的なのは、初めて使うネットショップや海外の通販サイトなどで買い物をする際です。安全かどうかよく分からないサイトに、クレジットカードの情報を渡すのは抵抗があるでしょう。

au PAYプリペイドカードなら、チャージした金額以上の支払い能力を持ちません。支払い金額分だけを過不足なくチャージした状態で買い物をすれば、万が一不正利用されても被害は最小限に抑えられます。

「クレカを登録するのはちょっと怖いなあ」というときに、一種の身代わりとして活用できるというわけです。サブのカードとして1枚持っておくと、何かと便利に使えるでしょう。

利用できるユーザーが限られているのが難点

前述したように、au PAYプリペイドカードは「au回線」「UQモバイル回線」「auじぶん銀行」の利用者しか申し込むことができません。せっかく便利なサービスなのに、利用できる人が限られてしまうのが難点です。

今後はスマホ決済アプリの「au PAY」と同じように、すべてのユーザーが使える仕様になることを期待します。

EDITED BY
MOEGI