Apple Musicの「Voiceプラン」は2023年11月から廃止されました。既存のVoiceプランユーザーも最終の請求をもって自動更新が停止される予定です。
Appleが提供するサブスク音楽配信サービス「Apple Music(アップルミュージック)」には、月額480円の最安プラン「Voice(ボイス)プラン」があります。安さが魅力のVoiceプランですが、機能制限の有無や使い勝手など、気になる点も多いはず。
この記事では、ボイスプランがどんなものなのかをApple Musicの他のプランと比較しながら解説。実際の使い方(Siriを使った再生方法)や向いている人・向いていない人についてもまとめています。
Apple Musicの「Voiceプラン」とは?
Apple Musicの「Voiceプラン」について料金や使える機能、他のApple Musicプランとどう違うのかなど、わかりやすく紹介します。
Voiceプランの料金はApple Musicで最安(他プランとの比較表)
Apple Musicには4つの料金プランが用意されています。今回紹介しているVoiceプランは月額480円と、最も安い月額料金に設定されています。
月額料金 | 年額料金 | 無料体験の有無 | |
---|---|---|---|
Voiceプラン | 480円 | なし |
(1)7日間の無料トライアル (2)1カ月の無料トライアル ※(1)と(2)は併用可能 |
個人向けプラン | 1080円 | 1万800円 | 1カ月の無料トライアル |
ファミリープラン | 1680円 | なし | 1カ月の無料トライアル |
学生プラン | 580円 | なし | 1カ月の無料トライアル |
個人向けのプランと比較すると、半額以下でApple Musicが楽しめることに。学生プランよりも安いので、そのお得感に惹かれている人も多いのではないでしょうか。
また、Voiceプランには7日間の無料体験+1カ月の無料トライアルと、無料お試しができる期間が長めに設定されているのもポイント。継続課金して利用するかどうかを判断するには十分な時間が設けられています。
公式サイトで確認する
Voiceプランでできること・できないこと

Apple
Voiceプランの安さの理由はシンプルな機能にあります。
- Appleの音声アシスタント機能「Siri(シリ)」に話しかける音楽再生方法のみ利用可能
- Appleのデバイス限定で登録可能
大きな特徴は上に挙げた2つ。スマホ画面を操作できないため、自宅など声の出せる環境でしか使えないのはデメリットといえます。また、AndroidスマホユーザーはVoiceプランが使えません。
ただ、Apple Musicで配信されている1億曲以上の楽曲やプレイリストを自由に聴けるという点では、他のプランと変わりません。音楽を聴く環境さえ合致すれば、Voiceプランはお得なプランだと言えるでしょう。
- Apple Musicで配信されている全楽曲(1億曲以上)とプレイリストの再生
- 音声アシスタント機能「Siri」へのリクエスト時に楽曲を再生
- 無料トライアル(7日間+1カ月間)
- 広告なしで楽曲再生
- Apple Music独占配信のコンテンツやラジオなどの再生
- Appleデバイスの利用
- 楽曲やアルバムの共有
- アプリ画面での操作(ライブラリへの追加やお気に入り登録など)
- 楽曲のダウンロード、オフライン再生
- 歌詞の表示、プレイリストの作成、ライブラリの利用
- Appleデバイス以外での利用(Androidスマホなど)
- ドルビーアトモスの空間オーディオ、ロスレスオーディオの再生
- ミュージックビデオの再生
Voiceプランはダウンロードやオフライン再生にも対応していないため、通信料の問題からWi-Fi環境が整っていない場所で使うのはおすすめできません。
Voiceプランに向いている人・向いていない人
Apple MusicのVoiceプランを利用するかどうかをまだ迷っている人も多いはずです。前述したVoiceプランで「できること」「できないこと」を踏まえて、どんな人がVoiceプランに向いているのか、あるいは不向きなのかをまとめました。
Voiceプランに「向いている」人

- 必須:Appleのデバイスを持っている
- 必須:Siriを使った音声操作にストレスを感じない・慣れている
- Wi-Fi環境のある室内で音楽を流したい
- HomePod/HomePod mini/CarPlayで利用したい
- 最安プランでApple Musicを利用したい
- 楽曲のダウンロード・オフライン再生はしなくてもいい
- 自分のプレイリストを作成したり、楽曲の歌詞を表示したりといった画面操作は必要ない
- 個人(1人)で利用するつもりだ
上記に当てはまる人は、Voiceプランの利用に向いている人といえます。Appleデバイスユーザーで、声を出してSiriに話しかけることに抵抗がないなら、Apple Musicを最安の月額480円で使えるVoiceプランは最適です。また、HomePodやCarPlayを利用し、BGMのような感覚でApple Musicの楽曲を流したいユーザーにもおすすめできます。
なお、Voiceプランには初回無料トライアル期間が設けられています。まずはお試しで使ってみるのもいいでしょう(登録手順は後述)。
Voiceプランに「向いていない」人

- 画面操作でApple Musicを使いたい
- Androidスマホなど、Apple製以外のデバイスで利用したい
- 楽曲のダウンロード、オフライン再生がしたい
- 外出時や静かな場所、電車の中などでも音楽を楽しみたい
- 自分のプレイリストを作成・共有したい
- ドルビーアトモスの空間オーディオ、ロスレスオーディオを楽しみたい
- 歌詞の表示やミュージックビデオの再生がしたい
- 最大6人までの複数人でApple Musicを楽しめるファミリープラン(月額1680円)を検討している
- 学生プラン(月額580円)を検討している
スマホ画面での操作でApple Musicを使いたいなら、個人向けプランやファミリー・学生プランを利用したほうが無難でしょう。外出時に音楽を聴くとき、とりわけ電車の中や静かなカフェなどで聴くようなシーンでは、VoiceプランのSiri縛りのせいで思うように楽曲再生できない可能性があります。
学生なら、Voiceプランに月100円を追加した「学生プラン」のほうがおすすめ。ダウンロード・オフライン再生や画面操作、高音質なオーディオ再生なども開放され、すべてのApple Musicの機能が利用できます。100円の差を惜しんでVoiceプランを選択するのは少々もったいないかもしれません。
とはいえ、Voiceプランには無料体験期間が用意されています。まずはトライアルでVoiceプランを利用し、自分には合わないなと感じたら他のプランに変更・登録をするといいでしょう。
Voiceプランに無料トライアルを通じて登録する方法
Apple Musicを初めて利用するユーザーは、Voiceプランの無料トライアルが利用できます。無料期間は7日間+1カ月です。
Voiceプランへの登録は「Siri」を使います。以下、登録方法を解説していきます。
iOSを最新版にアップデート/Siriの設定をオン
Voiceプランを利用するには、現在の端末でiOSが最新版にアップデートされている必要があります。「設定」アプリの[一般]から[ソフトウェアアップデート]を開き、必要があればアップデートを実行しましょう。


続いて[Siriと検索]をタップし、Siriの各種設定をオンにします。
- “Hey Siri”を聞き取る:オン
- サイドボタンを押してSiriを使用:オン
- ロック中にSiriを許可:オン
上の3項目をそれぞれオンにしておきましょう。また、日本語への言語設定、Siriの声の選択、応答についてなども任意で設定してください。
Siriを呼び出してVoiceプランを開く(7日間+1カ月間の無料体験へ)


Siriの準備が整ったら、「ヘイ、シリ」と端末に向かって呼びかけるか、端末の右側面にあるサイドボタンを長押しします。画面下にSiriのアイコン(ガラス玉のような)が表示されます。ここで、以下のような質問をします。
- Apple MusicのVoiceプランに登録したい
「わかりました〜」とSiriからの回答が表示されるので、Apple Musicアプリを開きます。「7日間の無料お試しを体験してみてください。」の画面で[続ける]をタップすれば、7日間の無料お試し体験がスタートします。


7日間の無料体験中には、Musicアプリの「今すぐ聴く」タブに[1カ月無料登録]のボタンが表示されます。このボタンからVoiceプランへの登録を実行すると、1カ月の無料トライアル期間が追加されます。
登録画面の月額料金部分の下に、小さく更新日が記載されています。この日の1日前までに解約すれば、継続課金にはなりません。ただし、無料期間中に解約を実行した時点でApple Musicが利用できなくなるので注意してください(後述)。



Siriを利用したVoiceプランの登録がうまくいかない場合は、Safariなどのブラウザから専用ページへアクセスしてください。ここで「Voiceプラン」の下にある[無料で体験する]をタップし、[プランをさらに表示]→[Voice]を選択後、[Apple Musicに登録]へと進めばOKです。
これまでにApple Musicを利用したことがない(ファミリープランでの加入を含む)ユーザーは、7日間の無料体験と1カ月間のトライアル期間がついてきます。
Siriに話しかけて楽曲を再生


Apple Musicのアプリ画面がVoiceプラン専用の表示に切り替わります。いくつかのプレイリストが提案され、ここからタップして楽曲を再生も可能ですが、一部のプレイリストしか出てきません。
目的の楽曲や流したい雰囲気の音楽がある場合は、Siriに話しかけてみましょう。
- 「◯◯(アーティスト名)の◯◯(曲名)を流して」
- 「◯◯(アルバム名)を流して」
- 「K-POPが聴きたい」
上記のようにSiriにオーダーすると、それに合った楽曲を再生してくれるはずです。「ヘイシリ、曲をスキップして/停止して」などの指示にも対応してくれます。
Voiceプランの使い方、Siriになんて話しかければいい?

Voiceプランへの登録が完了したら、アップルミュージックで楽曲を再生しましょう。曲を聴くには、まず「ヘイシリ」と話しかけるか、スマホの右側面にあるサイドボタンを長押ししてSiriを起動させてください。
Siriの準備ができたら、さっそく楽曲再生をお願いしてみましょう。
- 「ヘイシリ、◯◯(アーティスト)の曲を流して」
- 「ヘイシリ、◯◯(アーティスト)の◯◯(曲名)を流して」
- 「ヘイシリ、◯◯(アーティスト)のアルバム◯◯を流して」
- 「ヘイシリ、勉強中に聴けるカフェミュージック流して」
- 「ヘイシリ、おしゃれなボサノバを流して」
- 「ヘイシリ、K-POPを流して」
- 「ヘイシリ、クリスマスソングを流して」
- 「ヘイシリ、元気になる曲を流して」
- 「ヘイシリ、ドライブ中におすすめの曲が聴きたい」
- 「ヘイシリ、ロックな気分」
- 「ヘイシリ、集中できる曲を流して」
- 「ヘイシリ、デイリーヒッツを流して」
- 「ヘイシリ、K-POPのヒットソングが聴きたい」
- 「ヘイシリ、90年代のJ−POPヒット・ソングが聴きたい」
- 「ヘイシリ、次の曲にして(スキップして)」
- 「ヘイシリ、音量を上げて/下げて」
- 「ヘイシリ、再生を停止して(止めて)」
上記は一例です。自分の今聴きたい曲やお願いしたい操作を自由にSiriに頼んでみましょう。
Voiceプランに関するよくある質問と答え
ここでは、Apple MusicのVoiceプランの利用について、よくある質問とその答えをまとめました。
Voiceプランが利用可能な端末の種類は?
Voiceプランへの登録には、Siriに対応したiPhone、iPad、Mac、Apple TVのいずれかが必要です。登録後はすべてのApple製のデバイスで、Voiceプランが使えるようになります。
- iOS/iPadOS 15.2以降を搭載したiPhoneまたはiPad
- tvOS 15.2以降を搭載したApple TV
- macOS 12.1以降を搭載したMac
Voiceプランへの登録には、少なくとも上記のiOSバージョン以降を搭載している必要があります。
Androidスマホなど、Apple製以外のデバイスではVoiceプランが利用できません。ただし、個人プランやファミリープランなどVoiceプラン以外は、Androidスマホからの登録が可能です。
Siriが起動・反応しない場合の原因と対処法は?
OSバージョンが古いままになっていないか、あるいはSiriの設定がオフになっていないかを確認してください。

iOSをアップデート

Siriの設定をオン
現在のiOSが最新バージョンになっていないと、Voiceプランがうまく利用できないケースがあります。まずはiOSのアップデートをおこないましょう。
続いて、Siriの設定がオフになっていないかもチェックします。「設定」アプリにある[Siriと検索]から、Siriの聞き取りや許可設定などをオンにしてください。
Voiceプランの無料体験期間に登録できないのはなぜ?
すでにApple Musicで無料体験を利用したことがある場合や、以前まで別のプラン(ファミリープランなど)を使っていた人は、Voiceプランの無料トライアルには参加できません。
初めてApple Musicへ登録するユーザーに限り、7日間の無料体験と1カ月間のトライアル期間が付与されます。
Voiceプランから別のプラン(個人やファミリーなど)に変更したいときは?
Voiceプランから別のプランへのアップグレードは「Music」アプリから簡単におこなえます。アップグレードした時点で現在のVoiceプランが終了し、新しいプランが適用されます。



Musicアプリを開き、画面左下の「今すぐ聴く」タブで、右上にあるアイコンボタンをタップします。続いて、[サブスクリプションの管理]から[すべてのプランを表示]へと進みます。


あとは個人・ファミリー・学生プランの中から切り替えたいプランを選択し、[サブスクリプションに登録]を実行すればOKです。
このときVoiceプランでの残りの期間分の料金は返金され、新しいプランでの料金が適用されます。
無料トライアル期間中に解約をするとどうなる?
無料トライアル中に解約すると、即座にApple Musicは利用できなくなります。
解約後は、有料会員になる必要があります。無料トライアル終了日を確認して忘れずに直前で解約すれば、Apple Musicの無料期間を最大限に楽しめます。