ドコモから発売される2012年冬モデルでは、ついにプラチナバンドや通信速度100Mbps超のXiに対応する端末が登場。XperiaやGALAXYシリーズの新作も投入される予定だ。アプリオ編集部では、ドコモからの正式発表を前に、予想を含め冬モデルスマートフォンの情報をまとめた。
最新情報:ドコモ 2012年冬モデル スマホ まとめ(動画あり)
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ドコモ2012年冬モデル 編集部注目の2機種
Sonyが仕掛けるこの冬の本命「Xperia V」
この冬に発売されるスマートフォンのうち、日本で最も注目されそうなのがXperia Vだ。ご存じSony Mobileのスマホ&タブレットのブランドであるXperiaシリーズの新作で、既にグローバルモデルが発表されている。
これまでの実績から、グローバルモデルと日本で発売されるモデルが必ずしも同じスペックになるわけではないが、4.3インチHDディスプレイ、LTE対応、チップセットはQualcomm Snapdragon S4 MSM8960 デュアルコア1.5GHz、メモリはROM 8GB/RAM 1GBとなっている。OSはAndroid 4.0の予定で4.1へのアップグレードがあるかもしれない。
注目は、Walkmanで培ったSonyの音楽技術の粋を詰め込んだ「Clear Audio+(クリアオーディオプラス)」を搭載するほか、NFCを利用して様々な外部デバイス(ヘッドホンや家電など)と連携する機能も搭載。このあたりにSonyらしさを感じる端末になっている。
参考:Xperia Vが魅せるSony流「次世代スマートフォン」の形とは
世界で大ヒット確実の大画面端末「GALAXY Note II」
いわゆる主流のスマートフォンではないが、この冬に注目の端末が5.55インチという大画面を実現するGALAXY Note IIだ。
前作のGALAXY Noteは、5.3インチというスマホでもタブレットでもないような異色のサイズながら世界中でヒット。日本でもドコモから発売されている。
既に発表されたグローバルモデルのGALAXY Note IIは前作より横幅を削ることに成功。画面の大きさを含む性能も向上し、全世界で1000万台は売れると言われている。
前作もそうであったように、日本向けのカスタマイズが行われることによって発売が遅れる可能性もありそうだが、たとえ発売が春先くらいになったとしても十分魅力的なスペックだと言えるだろう。
国内メーカーの全部入りモデル 人気はこの2機種か
SHARPの巻き返しなるか「AQUOS SH-02E」
国内メーカーの携帯電話販売を長らく牽引してきたSHARPだが、ここにきてやや失速気味だ。特に夏モデルのフラッグシップであった「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」が供給不足となり、他の端末にユーザーが流出してしまったのは痛かった。
巻き返しを図りたいSHARPが冬モデルに投入する「SH-02E」は富士通のお株を奪うようなハイスペック機になりそうだ。チップセットにこの冬までのモデルでは最速の部類に入るQualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064 クアッドコア1.5GHzを採用している。
詳細はまだ判明していないが、SHARP製ということもあり、全部入りのLTE対応モデルになる可能性は高い。
UIの夏モデルで好評だった「Feel UI」を引き続き導入するものと思われる。
全部入り系のエース「ARROWS F-0xE」
その富士通からは、「ARROWS」の新作が発表される予定。夏モデルの「ARROWS X F-10D」でクアッドコアプロセッサを投入してきた富士通だけに、もちろんそれを上回る性能を持っていることが期待される。
おそらく「ARROWS xx F-0xE」といったような名前になると推測される冬モデルのフラッグシップは、プロセッサにNVIDIA Tegra 3+ クアッドコア 1.7GHzを搭載。Tegra 3+はF-10Dに搭載されていたTegra 3の改良バージョンにあたる。
こちらも詳細は判明していないが、富士通のフラッグシップモデルの系譜を見るに、今回も「全部入り」に拘った端末になることはほぼ間違いないだろう。
その他の機種
発売されれば人気必至? NECの5インチスマホ「MEDIAS Z」
もし冬モデルとして発売されれば人気になりそうなのがNECのMEDIAS Zだ。
MEDIAS Zは2月にバルセロナで開催されたMWC 2012のNECブースで展示されていた端末で、現時点では未発表のスマートフォン。
5インチサイズの大画面を搭載しているのが主な特徴。薄さや軽さなどに特徴があるMEDIASシリーズの端末であり、ノートPCでもカーボンファイバーを用いて画期的な軽さを実現してきたNECが手がけるだけに、そのあたりには期待したいところ。
画面の大きさと携帯性を両立した端末に仕上がれば、人気端末になりそうだ。
GALAXY S IIIのアップグレード版登場か?
夏モデルで人気のGALAXY S IIIだが、冬モデルにアップグレード版が出る可能性もありそうだ。昨冬も夏モデルだった「GALAXY S II SC-02C」のアップグレードバージョンでLTEに対応する「GALAXY S II LTE SC-03D」が発売された経緯もあるので、今年も同じような展開があるかもしれない。
既にプラチナバンド及び100Mbps超の高速版Xiに対応するSamsung製の端末が存在することが明らかになっている。
GALAXY S IIIと言えば、日本で発売されたのはチップセットにQualcomm Snapdragon S4 MSM8960を搭載したモデルだったが、グローバルモデルにはクアッドコアプロセッサを搭載しているモデルが既に発売されており、処理性能やバッテリー消費面でも優れているとして話題になっている。
アップグレード版が発売されるなら、このグローバルモデルをベースにした製品であることを期待したい。
LGからOptimusの新作「L-02E」
LGからは、既にシーズンフラッグシップモデルである「Optimus G」が秋モデルとして発表されているが、ミドルスペックの端末も発売されるようだ。
「Optimus xx L-02E」という名称になる予定(xx部分は不明)で、チップセットにQualcomm Snapdragon S4 MSM8960 デュアルコア 1.5GHzを搭載予定だ。
SHARPと富士通のミドル他
その他、まだ存在が明らかになっていない端末が多数あるものと思われる。ここ数シーズンの状況から推測するに、SHARPや富士通からはミドルスペックのコンセプト端末が発売される可能性が高い。
また、スマートフォンにやっとシフトしてきたPanasonicもELUGAシリーズの新作を投入してくるものと思われる。
端末については、新しい情報を入手次第追加していく予定だ。
ドコモ2012年冬モデルの注目ポイント
プラチナバンド&高速Xi対応へ
ドコモの2012年冬モデルで最も注目されるのは、「プラチナバンドのXi」及び「112.5Mbpsの高速Xi」に対応する端末が多い点だ。
これまで販売されてきたXi対応端末は、現在のXiが提供されている周波数である2.1GHz帯にのみ対応しているものがほとんどだが、この冬モデルからは「プラチナバンド」である800MHz帯のXiと従来の3倍速となる「112.5Mbpsの高速Xi」を提供する1.5GHz帯のXiにも対応するようになる。
このため、この冬モデルを使う場合、主要都市域などの対応エリア内では、これまでより格段にLTEに繋がりやすくなることが期待できる。さらに、東名阪エリアではしばらく先になるが、地方都市では112.5Mbpsの高速通信の恩恵も近いうちに受けられる。
地味ながら、実は使い勝手に大きく影響するアップグレードがあるのが、この冬モデルの大きな特徴と言えるだろう。
参考:iPhoneもLTE対応に、「通信速度が速くて電波がつながる」キャリアは?
性能や機能面では比較的落ち着いた展開に
一方、性能や機能面では、夏モデルあたりと比較しても大きな変化はあまりないと感じる人が多いのではないだろうか。
一部端末では、クアッドコアプロセッサを搭載するが、多くの端末ではOSもプロセッサのコア世代も夏モデルから変わりはないので、劇的な性能向上や変化を望むのは難しいだろう。
ただし、一部の人が「熟成」と言うように、メーカー側での理解度が進んでいる分、細かい部分のチューニングやバグフィックスなどが進んでいるとは言えそうだ。消費電力やユーザーエクスペリエンスの部分で、夏モデルより向上していることを期待したい。