あまり予算はないけれどスマホ選びで失敗したくない——そう考えている人は多いでしょう。今回は、SIMフリーのAndroidスマホの中から、3〜4万円台で買える高コスパのおすすめモデルを5機種ピックアップ。それぞれの違いも詳しくチェックしています。
この記事で紹介する価格帯以下のモデルは処理性能が厳しいケースが多く、末永く使うにはおすすめできません。最近は3〜4万円の製品こそ種類が多く、人気もあるカテゴリーなのです。
またSIMフリーのモデルは、安いキャリアやMVNOを自由に選んで利用できるメリットがあります。今回は、メーカーの直販サイトや家電量販店などで購入できる価格を取り上げています。MVNOなどで回線契約のセットで購入するとさらに安くなる場合もあります。
3〜4万円台のスマホを選ぶときの注目ポイント
このクラスの製品を選ぶ際の注目ポイントを紹介します。注目ポイントを下表にまとめました。本体サイズはミリ単位で表示してもわかりにくいので、イメージしやすいよう画面サイズに統一しています。
製品名 | OPPO Reno7 A | moto g52j 5G | Redmi Note 11 Pro 5G | Galaxy M23 5G | AQUOS sense6 |
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価格 | 4万4800円 | 3万9800円 | 4万2980円 | 3万6882円 | 3万1040円 |
ディスプレイサイズ | 6.4インチ | 6.8インチ | 6.67インチ | 6.6インチ | 6.1インチ |
本体重量 | 175g | 206g | 202g | 198g | 156g |
5G対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
eSIM対応 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
ディスプレイ | 有機EL | 液晶 | 有機EL | 液晶 | 有機EL |
リフレッシュレート | 90Hz | 120Hz | 120Hz | 120Hz | 60Hz |
チップ | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 750G |
Snapdragon 690 5G |
メモリ | 6GB | 6GB | 6GB | 6GB | 4GB |
ストレージ | 128GB | 128GB | 128GB | 128GB | 64GB |
指紋センサー | ディスプレイ | 本体横 | 本体横 | 本体横 | ディスプレイ |
カメラ | 広角、超広角、マクロ | 広角、超広角、マクロ | 広角、超広角、マクロ | 広角、超広角、マクロ | 広角、超広角、望遠 |
バッテリー容量 | 4500mAh | 5000mAh | 5000mAh | 5000mAh | 4570mAh |
おサイフケータイ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
防水 | ○ | ○ | △ | × | ○ |
画面サイズと重量

本体サイズはずいぶん異なる。左からmoto g52j 5G、Redmi Note 11 Pro 5G、Galaxy M23 5G、OPPO Reno7 A、AQUOS sense6 ※以下サイズ順の画像は同じ並び
画面サイズはとても重要です。画面が大きいほど見やすく情報量が増えます。しかし、手に持つときの負担が大きく、またポケットに入れてもかさばります。画面サイズと重量は自分の好みで決めてください。
AQUOS sense6は性能でやや見劣りする点もありますが、価格が安くてサイズがコンパクトなのが特徴です。逆に、moto g52j 5Gは大画面なのが特徴です。
eSIM対応
今回取り上げた製品は全モデル5Gに対応しています。注目したいのは、eSIMに対応しているかどうかという点です。
これからeSIMが必要になる機会はどんどん増えるでしょう。eSIMならキャリアやMVNOとの契約をすぐさま切り替えられるので、海外でも使いやすいのです。これからスマホを買うなら、eSIM対応は重要なポイントといえます。
ディスプレイに注目
ディスプレイは有機ELと液晶に分かれます。ディスプレイでコストダウンしているモデルは、液晶を採用しており画面が暗いと感じるでしょう。明るい屋外での使用や写真撮影では、間違いなく有機ELが見やすいと感じます。
また、画面の書き換え速度であるリフレッシュレートも高いほうが好ましく、こちらは120Hzがベストです。秀でているのはRedmi Note 11 Pro 5Gで、次点がOPPO Reno7 Aとなります。

左のmoto g52j 5Gはやや暗く感じる

斜めから見ると、液晶ディスプレイのmoto g52j 5G(左)とGalaxy M23 5G(真ん中)は明らかに暗い
性能はどれも十分

Snapdragon 750Gを搭載するGalaxy M23 5Gも性能はあまり変わらない

AQUOS sense6は、性能が一段落ちる

他のモデルはすべてSnapdragon 695 5Gで性能は上々
今回の5台は、バランスを重視したモデルです。性能は中程度ですがゲームも程々に楽しめるでしょう。WebブラウジングやLINE、動画視聴などの使い方なら2〜3年は満足して利用できるはずです。チップには多少の差がありますが、大きな違いはありません。
なお、AQUOS sense6はチップの性能がやや劣り、ストレージの容量が少ない点に注意してください。
指紋センサーの位置に注意
今回のモデルはすべて指紋センサーを搭載しています。非常に便利なのですが、搭載されている位置に注目してください。
ベストなのは画面内蔵型で、AQUOS sense6とOPPO Reno 7Aが対応します。他は本体の側面にあるので、利き手によっては使いにくくなります。また、車載ホルダーなどに取り付けるとうまく使えなくなってしまうというデメリットもあります。

指紋センサーは画面内蔵タイプが便利
カメラはマクロと望遠が違い
今回紹介するスマホは、いずれも3つのカメラを搭載しており、マクロと望遠の搭載の有無が違いになります。
基本的には、標準と超広角の画質を比較することをおすすめします。マクロで撮影する機会はそこまで多くないためです。また、望遠もデジタルズームが利用できるので、専用のカメラがなくてもその役目を果たしているケースもあります。どちらにしろ、望遠などにこだわるならさらに高い価格帯の上位モデルを選んだほうが良いでしょう。
おサイフケータイがないモデルも
バッテリーの容量は大きく変わりません。500mAh程度の差は画面の消費電力などで変わってきます。今回の5モデルで実際に使える時間はさほど変わらないと考えていも大丈夫でしょう。
注意したいのはおサイフケータイの有無。Galaxy M23 5Gは、おサイフケータイを搭載しないので大きなウィークポイントになります。ただし、2台目の購入でおサイフケータイが不要な人には問題ありません。
また、防水性能でもGalaxy M23 5Gは非対応となっています。Redmi Note 11 Pro 5Gは防滴機能程度の耐水性なので少々劣ります。
おすすめ5機種の特徴とメリット・デメリット
ここからは、5製品それぞれの特徴を簡単にまとめます。また、写真も標準と超広角で撮影した例を掲載します。なお、撮影日は曇り空であまり天気がよくありませんでしたが、同じ条件で全機種撮影しています。
OPPO Reno7 A

とても良く売れている人気モデルです。欠点も少なくイチオシの製品と言っても良いでしょう。画面の美しさではRedmi Note 11 Pro 5Gに劣りますが、ディスプレイ内蔵指紋センサーを含めて、素晴らしい構成です。
ディスプレイの額縁が細く美しいデザイン
欠点が少ないバランスのとれた構成
今回取り上げた機種の中では価格が高い
画面のリフレッシュレートが90Hzとやや低め

標準カメラで撮影

超広角で撮影


望遠で撮影。カメラは明るい部分がやや白っぽく表現されたのが気になった
moto g52j 5G

大画面モデルが欲しいならおすすめです。価格も4万円を切っているので妥当なところでしょう。画面サイズの割には軽量なので長時間持って作業しても疲れにくいはずです。ディスプレイが液晶なのが残念で、明るい屋外では暗く感じます。
大画面で作業性も良く文字も読みやすい
価格の割には性能も高く、おサイフケータイ対応
ディスプレイが液晶で画質が有機ELに劣る
指紋センサーが本体横についている

標準カメラで撮影

超広角で撮影。画質は上々で色合いがやや濃厚だ
Redmi Note 11 Pro 5G

バランスの良いモデルで、なんと1億画素のカメラを搭載します。ディスプレイも一番明るく、くっきりとした画質が好印象です。指紋センサーが本体脇にあるのと、防水性能が弱い点しか欠点は見当たりません。写真もスッキリとした画質で撮影できるので、カメラにこだわるならこのモデルをおすすめします。
価格を含めたバランスは非常に優れている
1億画素のカメラを搭載
防水性能が若干劣っている
デザインがかなり派手で好みが分かれそう

標準カメラで撮影

超広角で撮影

望遠で撮影。くっきりと美しく撮影できる
Galaxy M23 5G

Galaxyシリーズで国内初のSIMフリースマホとして登場したモデルです。おサイフケータイと防水、eSIMに非対応なのは大きな欠点ですが、安めの本体価格で妥協できる人や、Galaxyシリーズを使い慣れている人にはおすすめです。
画面サイズが大きめで使いやすい
Snapdragon 750G搭載で性能は上々
ディスプレイが液晶でeSIM非対応
おサイフケータイを搭載しない

標準カメラで撮影

超広角で撮影。かなり色合いが派手派手しい写真が撮れる。赤が少々キツイ
AQUOS sense6

コンパクトなモデルを狙っている人にはおすすめです。価格も一番安く、3万円ちょっとなので負担がなく買えます。おサイフケータイにも対応しており、AQUOSらしいわかりやすいインタフェースは、スマホに詳しくない人にも向きます。
AQUOSらしい使いやすいメニュー
コンパクトで軽量かつ長時間駆動
デザインがやや古めかしく世代遅れの感がある
価格は安いが性能が全般的に一段落ちる

標準カメラで撮影

超広角で撮影

望遠で撮影。クセのない写真が撮れる。スナップ撮影には文句なしだ
まとめ
今回は5つの製品を取り上げました。どれを選ぶか迷っている人は、OPPO Reno 7AかRedmi Note 11 Pro 5Gがよいでしょう。
ただし、この2モデルがよく見えるのも価格を考えれば当然。価格では1、2番目に高いのです。あとは予算と機能を考えて自分に向いたモデルを選びましょう。