ワイモバイルの最新Android One「S5」「X5」をまとめてレビュー【2019年】

ワイモバイルの最新Android One「S5」「X5」レビュー

AndroidスマホのOSは、その名の通り「Android」です。各メーカーが、それぞれの製品に合わせてカスタマイズしているので、見た目や機能はずいぶん異なりますが、実は同じ基本ソフトを採用しているのです。

「Android One(アンドロイドワン)」は、端末メーカーがほとんどカスタマイズしていない、素に近いAndroid OSを採用したモデルです。シンプルでテキパキと動作し、また最新のバージョンに素早くアップデートされるのが特徴となっています。

発売から24カ月間に最低1回のアップデートがされ、また発売後3年間は毎月セキュリティアップデートが行われます。シンプルなスマホを快適に使いたい人に向くモデルです。ベテランユーザーの人気も高く、特にGoogle製のアプリを頻繁に使う人には向いています。もちろん、ストアからさまざまなアプリをダウンロードして利用することも可能です。

国内では、Android Oneに力を入れているのがY!mobile(ワイモバイル)で、定期的に新製品を投入しています。今回はこの冬に追加されたシャープ製の「S5」とLG製の「X5」を詳しくレビューしていきます。

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【S5】持ちやすいがデザインに目新しさがない

Android Oneの「S5」はシャープ製の端末で、価格は一括払いで5万3676円となっています。「AQUOS sense2」などと似たシャープらしいデザインで、全体に丸みを帯びた持ちやすい形状です。本体カラーは、クールシルバー、ダークブルー、ローズピンクの3色になります。

「AQUOS sense2」レビュー、おサイフケータイ搭載でSIMフリー版も登場の人気モデル

ちょっと残念なのは、上下の額縁が盛大に残っていること。最新モデルと比べると、外観に新しい印象がありません。画面下にも太い縁(フチ)があるのに指紋センサーを採用しないのは、大きな弱点と言えるでしょう。ピンやパターンでロックを解除するしかないのです。

ディスプレイはワイドの5.5インチで、最近のモデルとしてはコンパクトで持ちやすくなっています。また、本体側面にはあまり目立ちませんが、山型の突起があり、テーブルの上などで持ち上げやすくなっています。これもシャープらしい造りです。

ディスプレイもシャープ製のIGZOで、かなり明るく色合いも美しいので満足して使えるはずです。ただしガラスは平面のタイプで、フチが丸まっている2.5Dではありません。ディスプレイについて詳しくは後述します。

Android One S5 レビュー ワイモバイル

シャープらしいデザインのS5

Android One S5 レビュー ワイモバイル

シンプルなスタイルだが、デザインには目新しさがない

Android One S5 レビュー ワイモバイル

わかりにくいのだが、本体の側面には緩やかな突起があって持ちやすくなっている

Android One S5 レビュー ワイモバイル

ディスプレイのガラスは平面タイプだ

【S5】性能は高くないミドルレンジモデル

OSは最新のAndroid 9を採用しており、Android Oneらしくテキパキと動作します。普通に使って遅い感じはありませんが、CPUはSnapdragon 450と中級クラスで、ベンチマークのスコアも振るいません。

RAMが3GB、ストレージ容量も32GBと少なめで、メールやSNS、ブラウザなどを中心にシンプルに使う人に向いています。ゲームをプレイするのが目的ならおすすめはしません。

防水には対応しますが、おサイフケータイも搭載しないのは、シャープ製の端末としてはとても残念です。SIMはnanoSIM1枚をセット可能で、microSDカードの増設にも対応しています。

Android One S5 レビュー ワイモバイル

セットできるのはnanoSIMで、microSDカードの増設にも対応

Android One S5 レビュー ワイモバイル

ベンチマークのスコアは高くないのでライトユースに向く

【X5】狭額縁デザインでちょっと高価な上位モデル

LG製のAndroid One「X5」は、一括購入で8万3484円の上位モデルです。10万円クラスのスマホより、少し安い位置づけです。ディスプレイは6.1インチの大画面モデルで、額縁が細い最近のスマホらしいデザインです。本体の質感は高く、2.5Dガラスを採用している点も最近のモデルらしいところ。本体カラーは、ニューモロッカンブルーとミスティックホワイトの2色です。

本体側面は金属製で、ダイヤモンドカットが施されており、光が当たるとキラキラと輝きます。好ましい仕上げですが、最近はこの手の仕上げが少なくなっており、やや古く感じます。ディスプレイ上部にはノッチが残っていますが、さほど幅は広くないので気にならないでしょう。

本体の左側に「Googleアシスタントボタン」を搭載しています。このボタンを1度押すとGoogleアシスタントが起動し、2度押しでGoogleレンズが起動します。Google製のサービスを頻繁に使うなら便利なボタンです。

Android One X5 レビュー ワイモバイル

狭額縁でいまどきのデザインのX5

Android One X5 レビュー ワイモバイル

背面のデザインはシンプルで、わかりづらいがカメラはシングル

Android One X5 レビュー ワイモバイル

下のボタンがGoogleアシスタントボタン

Android One X5 レビュー ワイモバイル

縁(フチ)が丸まっている2.5Dガラスを採用

【X5】性能は上々でおサイフケータイを採用

X5はなかなかよくまとまった構成で、CPUはSnapdragon 835です。性能は上々で、ヘビーなゲームも快適に使えるでしょう。ベンチマークのスコアも高く、2〜3年使ってもさほど遅さを感じないはずです。

残念なのがストレージが32GBしかないことです。写真や音楽などはmicroSDカードに保存するとしても、アプリをたくさんインストールするのには向きません。OSもAndroid Oneなので、やはりシンプルに使いたい人向けです。SIMはnanoSIMを1枚セットできます。

防水に対応するほか、おサイフケータイも搭載しているので、メインの端末としてもおすすめできます。

Android One X5 レビュー ワイモバイル

ゲームも楽しめるスコアを記録した

Android One X5 レビュー ワイモバイル

わかりにくいが下のほうに、おサイフケータイのマークがプリントされている

Android One X5 レビュー ワイモバイル

nanoSIMを1枚とmicroSDカードをセットできる

【S5・X5】ディスプレイはどちらも明るい

今回は、iPhone XS Maxとディスプレイのサイズや明るさを比較してみました。そもそもS5とX5は液晶で、iPhone XS Maxは有機ELなのでディスプレイ自体が違います。15万円クラスの最上位モデルとの差がどのくらいあるのか、確認してみましょう。

正面から見ると、どれもモデルも相当に明るいことがわかります。特にX5は、最大1000nitという明るいディスプレイを採用しているのが特徴の一つです。通常の明るさ調整に加え、ブースとすることで最高輝度になり、明るい屋外などで緊急で使うのに向いています。S5、X5ともに液晶なので、斜めから見るとiPhone XS Maxにかないませんが、価格差を考えれば文句なしです。

なお3台を並べると、S5の5.5インチディスプレイがとても小さく感じます。そのぶん持ちやすいわけですが、情報量や文字サイズは比例して小さくなるので、よく考えて選択したいところです。

Android One X5 レビュー ワイモバイル

正面から見ると、どのモデルも明るく文句なしのディスプレイだ

Android One X5 レビュー ワイモバイル

斜めから見ると、有機ELのiPhone XS Maxが一段と明るい

【S5・X5】カメラを比較、普通に撮るなら十分だが

今回はX5、S5に加え、iPhone XS Maxとも写真を比較してみました。S5、X5はどちらもシングルレンズですが、普通に写真を撮るなら十分きれいに映ります。ただiPhone XS Maxと比べると、さすがに相手が悪すぎます。

明らかに差はあるので、ちょっとガッカリするかもしれません。しかし、このクラスのカメラを期待するなら最低でも10万円のモデルになるので、金額の差がそれなりにあります。X5はもう少し頑張って欲しいところですし、S5は価格を考えて妥協するべきでしょう。

通常撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

S5で撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

X5で撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

iPhone XS Maxで撮影

iPhone XS Maxは背景の空の青さもしっかり表現できていて、ダントツの美しさ。X5はやや濃厚な色合いです。

近接撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

S5で撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

X5で撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

iPhone XS Maxで撮影

花を近くから撮りました。案外さは少ないものの、葉の色を見るとS5はやや明るすぎます。

暗所撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

S5で撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

X5で撮影

Android One S5 X5 レビュー ワイモバイル

iPhone XS Maxで撮影

暗い室内で撮影。S5は窓が盛大に白飛びしています。X5はやや暗すぎて、iPhone XS Maxの素晴らしさが光ります。

まとめ

Android Oneはシンプルなスマホですが、そのぶん価格が安いわけでもありません。スペックなどを見ると、やや割高だと考えてもいいでしょう。ちょっと高いお金を出して、シンプルな物を買う──よくわかっている人向けのデバイスなのです。

また現状では、SIMフリーなどで手頃に入手することはできず、Android Oneの多くのモデルをワイモバイルが販売し、一部をソフトバンクが提供しているにすぎません。もっと安価で通信契約の縛りのないSIMフリーで登場すれば、さらにヒットすることは間違いないだけに、少々残念なところです。

X5は、Android Oneの上位モデルとして魅力十分です。ただし、Googleに特化したスマホが欲しいなら「Pixel 3」がライバルになるので、実は微妙な立ち位置です。またS5は中級のAndroid Oneですが、3万円台前半のAQUOS sense 2と比べても相当高いのがいただけません。どちらも、キャリアの割引施策を利用して安く買いたい人におすすめです。

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構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部