今回は、Xperiaシリーズのスタンダードモデル「Xperia 10 V(エクスペリア テン マークファイブ)」をレビューします。Xperiaシリーズの中では下から2番目の「10シリーズ」に属するモデルになります。
NTTドコモやau、ソフトバンク、楽天モバイルのキャリアのほか、UQモバイルなどが販売します。SIMフリー版も投入されます。
細長く軽い本体、ディスプレイは6.1インチ

Xperia 10 Vは、細長いディスプレイが特徴のXperiaシリーズらしいモデル
本体は、Xperiaシリーズらしい21:9の細長いタイプになります。ディスプレイサイズは6.1インチと大画面に思えますが、細長いので実物は非常にコンパクトです。大きなスマホが手に余ると感じる人に最適で、とても軽量なため負担なく利用できます。
ディスプレイは有機ELを採用しており、なかなか明るく美しいので普段使いには十分です。解像度はフルHD+と一般的で、リフレッシュレートも60Hzとなります。上位モデルと比べると、上下の額縁がやや太いのが少々気になるところです。
細長い画面を活かして、上下2画面で利用する機能も便利です。本体右部分のサイドセンスメニューをダブルタップすると、21:9マルチウィンドウ機能が利用できます。

重量は160gを切っており、とても軽量

サイドセンスメニューからマルチウィンドウ機能を利用できる

画面を上下2分割で表示した
本体は質感もよくカジュアルなカラー
Xperia 10 Vはカジュアルなデザインで、ラベンダーやセージグリーン、ホワイトはパステルな柔らかい色合いです。また、ブラックも用意されます。
フレームと背面はつや消し仕上げで、曇りガラスのような手触りです。明るい色なら指紋が目立ちにくいのもよいところでしょう。おサイフケータイと防水機能にも対応します。
今回レビューするNTTドコモモデルはnanoSIMとeSIMに対応し、SIMトレーは裏側にmicroSDカードをセットできます。SIMトレーは、ピンを使わずにツメを引っかけると取り出せます。これは、海外旅行などでSIMを変更する際にはとても便利です。

本体カラーはパステルな印象。つや消しで質感は上々

SIMトレーは裏面にmicorSDカードをセットできる
イヤホンジャックやハイレゾ対応で音楽好きにおすすめ
イヤホンジャックがあるのも、音楽好きにとっては嬉しいところでしょう。ソニーらしく、この価格帯のモデルとしては音楽再生にこだわっています。
有線のハイレゾ対応に加え、LADC対応でワイヤレスでもハイレゾに対応しています。また、圧縮音源をハイレゾ相当の音質に変換するDSEE Ultimateも搭載します。音楽プレーヤーとしての利用時間が長い人にはかなりおすすめのモデルです。
Xperia 10 Vでは、「10シリーズ」としては初めてステレオスピーカーを搭載。本体を横持ちすると左右から音が聞こえます。動画を見るときにとても迫力があります。

イヤホンジャックを搭載
性能は価格的にやや物足りない
Xperia 10 Vのチップは、Snapdragon 695 5Gとなります。下位のCPUで、しかもモデルが新しくありません。チップの生産の問題からか、今シーズンの下位モデルは引き続きSnapdragon 695 5Gを搭載している製品が多く、昨年から変わらないのがいただけません。
本体価格が安いなら妥当なところですが、6〜7万円することを考えるとやや性能が物足りなく感じます。「原神」などヘビーなゲームのプレイは、残念ながら期待しないほうがよいでしょう。カジュアルなゲームを楽しんだり、動画を見たりするような使い方なら十分です。
メーカーによっては、7万円程度で上位のCPUを搭載するモデルを選ぶこともできます。もちろん、おサイフケータイがなかったり、カメラがいま一歩だったりと、それなりに安い理由はあります。ただ、ゲームをプレイするのが目的なら、他を我慢してでも高性能なモデルがいいでしょう。Xperia 10 Vはおすすめできません。
RAMは6GB、ストレージは128GBです。RAMがやや物足りないところですが、カジュアルに使うには十分です。バッテリー容量は5000mAhで、一般的な使い方なら丸1日利用できそうです。独自の充電機能で、3年間使ってもバッテリーが劣化しにくくなっています。

CPUはSnapdragon 695 5G。性能が低いわけではないが、ゲームには向かない
カメラは3眼構成、画質も十分良好

カメラは3つ搭載する
カメラは3つ搭載しています。8MPの超広角と、48MPの広角、8MPの望遠となります。画質は上々で、スナップ写真を気軽に撮影するなら文句なしです。超広角と望遠は画素数が少ないために拡大すると若干ざらつきが気になるかもしれません。ただ、Xperiaシリーズは細長い画面のために、一般的な4対3の写真を表示すると、かなり小さくなります。スマホで撮った写真はスマホで観ることが多い昨今ですから、その点は理解して購入しましょう。
今回は、iPhone 14 Proと写真を比較しました。若干色合いなども違いますが、価格が半分程度であると考えれば妥当な画質です。

iPhoneに比べると色がやや緑がかっている。画質は文句なしだ

超広角を比較した。iPhoneのほうがよりワイドに撮れている。Xperia 10 Vは空が白飛びしていないのがいい

2倍ズームで比較。どちらも非常に美しい

iPhoneは標準で光学3倍ズームなので、本領を発揮するのはこちらだ

ポートレートで撮影し、効果を最も大きくした。こちらはiPhoneのほうが美しく、ぼけ方も自然だ
まとめ

箱は最近流行の紙を採用したタイプ。環境には優しいのだが、高価なスマホにはややチープなのが残念だ
Xperia 10 Vは、さまざまなキャリアやSIMフリーでも購入できるスタンダードなスマホです。性能は程々ですが、カメラが上々で画質も良好。特に音楽が好きな人にはおすすめのモデルです。
最近はスマホが全体に値上がり傾向となっています。それでもこの性能で6〜7万円ほどするので、Xperiaらしい細長い画面や、音楽性能に魅力を感じる人向けのモデルと言えます。たとえば、チップが同じOPPO Reno9 Aは4万円台後半で手に入ります。Xperia 10 Vはライバルモデルに比べると2〜3万円ほど高いので、よく見極めて選んでください。