海外旅行を計画する際に気になるのが、現地でインターネットが使えるかどうかです。SNSだけでなくマップや検索などにも便利なスマホは、海外でも存分に活用したいところ。しかし、海外で国内と同じようにモバイルデータ通信などを利用していると、通信料金が高額になってしまうこともあります。
そこで本記事では、初級ユーザー向けに海外でインターネットを利用するための用途に応じたおすすめの方法(データローミング通信、海外用モバイルWi-Fiルーター、現地SIMなど)を紹介。あわせて、海外でネットを使う上での注意点や実際の使い方なども解説します。
海外でスマホのデータ通信をするには?
海外でスマホを利用するには、主に下記の4つの方法があります。
- 契約しているキャリアで国際ローミング(海外定額パケットプランなど)を利用する方法
- 海外用のWi-Fiルーターをレンタルする方法
- 多国籍SIM・現地SIMを利用する方法
- 現地のフリーWi-Fiを利用する方法
今回は「契約しているキャリアを使用して国際ローミング(海外定額パケットプランなど)を利用する方法」と「海外用のWi-Fiルーターをレンタルする方法」に焦点を当て、それぞれのメリットやデメリット、設定方法などを詳しく紹介していきます。
契約しているキャリアで国際ローミングを利用する方法

NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどの大手キャリアには、普段契約している通信プランのほかに、国内で契約をしている携帯電話などを海外でも利用するための「国際ローミング」があります。
国際ローミングは、日本の携帯電話会社が海外の事業者と提携していて、現地のキャリアと通信がおこなわれると、現地キャリアの通信設備を通して日本の通信会社のサービスを受けられる仕組みになっています。
しかし、この国際ローミングは、場合によっては高額な請求が発生することもあるので注意が必要です。というのも、国際ローミングでのデータ通信は、使用した分だけ料金が請求される「従量課金制」。1パケットごとに○円、通話30秒ごとに○円というようなイメージです。特にデータ量の大きい動画や音声などを送受信するとその分料金が発生するので、海外旅行の間だけで数万円かかっていたなど請求が高額になるケースが多々あります。
そこで高額請求のトラブルが発生しないよう、各キャリアでは海外用の「定額プラン」を提供しています。定額プランに加入しておけば、国際ローミングの利用で思わぬ高額請求が発生する心配はありません。
海外用のWi-Fiルーターをレンタルする方法

海外専用のWi-Fiルーターを貸し出している国内の事業者から、現地ですぐに使えるWi-Fiルーターをレンタルして接続します。ルーターさえ持って外出すれば、どこにいてもインターネットに接続できて安心です。また、海外用のWi-Fiを利用する際は特別な設定が必要なく、普段のWi-Fi接続と手順が変わらないので、通信まわりに詳しくない人でも問題なく利用できるでしょう。
海外用のWi-Fiルーターは、空港のカウンターにて出国前にレンタルし、帰港後は空港に備え付けの返却ボックスなどに返せばOKです。
多国籍SIM・現地SIMを利用する方法

スマホは端末本体と、SIMと呼ばれる携帯の電話番号情報や電話回線に接続するための情報などが書き込まれたカードがなければ、携帯電話回線につなぐことはできません。このSIMカードを現地のキャリアが提供しているものに入れ替え、現地の通信を利用する方法もあります。
現地のフリーWi-Fiを利用する方法

フリーWi-Fiはその名の通り、「無料」で使えるインターネット。多くの場合、渡航先のホテルやカフェ、レストラン、ショッピングモール、空港、駅などには、施設の利用者向けにフリーWi-Fiルーターが設置されています。
このようなフリーWi-Fiスポットにスマホをつなぐと無料でインターネットに接続できるので、通信でお金を使いたくない人におすすめです。現地でほとんどネットを使わない想定であれば、必要なときの通信のみをフリーWi-Fiでまかなえます。出費を抑えられる一方で、地図や各種連絡など常にネットを使える状態にしておきたいという人には向きません。
データローミング通信を使う場合
海外での滞在中にWi-Fiではなくデータローミング通信をする場合のメリット・デメリットや、各キャリアにおける海外ローミングサービスについて解説します。
データローミングを使うメリット・デメリット
海外でデータローミング通信を使用する際のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット:短期間で国内と同様にネットをスムーズに使える
データローミングは、特別な機材を用意する必要がなく、簡単な申し込み・設定をすれば海外でもいつも通りにスマホを利用できるのが最大のメリットです。「国内同様にスムーズにスマホを使いたい」「旅行中の特定の日だけ使えればいい」という人におすすめです。
デメリット:1日単位の課金で、時差が考慮されない場合も

海外パケット定額のほとんどは2段階の定額制となっており、どれだけ使っても1日当たりの上限は3000円程度に抑えられます。ただし、1日単位の課金制であるものの「1日」は「日本時間の0:00~23:59」となっているなど、キャリアによって定義が異なります。渡航先の現地時間と間違えないように注意しなければなりません。
また、キャリアによって料金システムなどに違いがあるので、詳しくは各キャリアの公式サイトを参照してください。
キャリアの海外ローミングサービスに申し込む
キャリアによって、海外ローミングサービスの申し込み方法や料金システムが異なります。自身の契約しているキャリアでは、どのように海外ローミングサービスが展開されているのかを事前にしっかり確認しておきましょう。
NTTドコモの場合

NTTドコモのユーザーが海外でインターネットを制限なく使うなら、「世界ギガし放題(旧海外パケ・ホーダイ)」の定額プランがよいでしょう。「世界ギガし放題」は申し込み不要で、スマホの「設定」からデータローミングをオンにするだけで使用できます。
1日の使用パケットが20万パケット(約24.4MB)以内であれば1980円/日、どんなに使っても1日最大2980円/日で収まる二段階の価格設定となっています。ただし、日本時間の0時~23時59分59秒を1日として課金されるシステムです。渡航先の現地時間ではないので注意してください。

この他にも、日本で契約しているプランのデータ量を海外でも使う「世界そのままギガ(旧パケットパック海外オプション)」もあります。渡航先によって利用期間や料金は異なりますが、1時間200円や24時間980円で利用できるものもあるので、旅行先に合わせて柔軟にプランを選べます。
なおドコモは、海外における通信の利用状態や、日本時間などができる無料アプリ「ドコモ海外利用」を配信しています。「世界そのままギガ」を利用する場合は、アプリ上での利用開始手続きが必要となるので、国内で事前にインストールしておくとよいでしょう。
au(KDDI)の場合

auユーザーの場合、「世界データ定額」の定額プランを使えば、日本国内で事前予約すると現地でも国内で利用中のプランを利用可能になります。
「世界データ定額」では、アメリカ本土や韓国など11の国と地域を対象に、早割キャンペーンを実施しています。キャンペーン対象国では、490円/24時間からデータ通信を利用できるため、他のキャリアよりも低額でデータ通信を利用できます。早割キャンペーンの対象外の地域の料金は、事前予約ありで690円/24時間、事前予約なしで980円/24時間となっています。

国内で事前予約をしておけば料金がお得になる
出発前に「世界データ定額アプリ」で初期設定を済ませた上で、スマホの設定からデータローミングをオンにします。国内で事前予約をした場合は、予約時間になると自動的にデータ通信の利用が開始されます。一方、事前予約をしていない場合は、現地で「世界データ定額アプリ」からコースを選択して利用開始をする必要があります。
世界データ定額の通信は、データ通信の利用を開始した時点からコース別に設定された時間だけ適用されます。490~980円/24時間で、海外でも国内で契約しているデータ定額サービス・料金プランを使用可能です。ただし、通信したデータ量は月間容量から差し引かれます。コース別に設定された時間が経過すると自動的にデータ通信の提供が終了となります。さらに継続して使用したい場合は、「世界データ通信アプリ」から別途コースを選んでデータ通信の利用を開始します。
「世界データ定額」は、データ通信を利用開始した時点から利用時間がカウントされるため、日本時間と現地時間の時差を気にせずにデータ通信が使用できるのがメリットです。
ソフトバンクの場合

ソフトバンクユーザーは、「世界対応ケータイ」への事前申し込みで「海外パケットし放題」の定額プランが利用できます。
「世界対応ケータイ」への申し込みは必須となるものの、「海外パケットし放題」自体への申し込みは不要です。スマホのデータローミングをオンにしておくだけで定額プランが適用されます。必要なくなったらデータローミングをオフにすればプラン利用が終了となります。「世界対応ケータイ」には、ソフトバンクショップやMy SoftBankから無料で申し込み可能です。
データ通信が4G/5Gの場合、定額で最大2980円/日、12.5MBまでなら1980円/日で1日使い放題になります。ただし、日本時間0時~23時59分59秒を1日として課金されるシステムです。渡航先の現地時間ではないので注意が必要です。

また、ソフトバンクを利用しているユーザーのみ、米国本土やハワイなどに滞在している間、米国内のデータ通信や日本宛ての通話・SMS・データ通信が無料となる「アメリカ放題」が利用できます。ただし、現地で利用する通信業者によって提供エリアが異なるため、詳しくは公式サイトを確認してください。
楽天モバイルの場合

「Rakuten最強プラン」のオプションサービスとして、海外ローミングができます。利用できるのは70の国と地域です(2023年7月時点)。
海外ローミングを利用するには、出国前に「my 楽天モバイル」のWebページやアプリから契約プランへアクセスし、「海外ローミング(データ通信)」をオンにして「変更する」を選択。渡航先に到着したら、スマホの設定からデータローミングをオンにするだけでデータ通信を利用できます。帰国後は、出国時とは逆の設定をすればOK。煩わしさを感じることなく使えるでしょう。
2GBまで無料で利用可能ですが、2GB以上のデータ通信はチャージ制となります。追加のデータ容量は、1GBにつき500円で提供されており、購入日を含めて31日間有効です。「my 楽天モバイル」のWebページやアプリから、データ容量を選択して購入すると即座にチャージされます。
その他の通信事業者の場合(UQモバイル・IIJmio・mineo)

UQモバイルは国際ローミングに対応しており、国外でも使用できます。UQモバイル独自の海外ローミングサービスを展開しているわけではなく、auの「世界データ定額」などを利用する形となります。
UQモバイルの国際ローミングでは、5G対応料金プランと4G LTE料金プランで使えるサービス内容が異なる点に注意が必要です。5G対応料金プランでは、通話とSMS、データ通信が利用できる一方、4G LTE料金プランではデータ通信が利用できません。そのため、出国前に自身の料金プランをしっかり確認しておくとよいでしょう。

IIJmioでは、音声通話SIMと音声eSIMのユーザーは海外での音声通話とSMSが利用できます。ただし、データ通信は利用できないので注意してください。
なお、対応エリアや利用料金は、SIMのタイプ(タイプD・タイプA)によって異なります。タイプDの場合はNTTドコモのWebサイトで、タイプAの場合はKDDIのWebサイトにて詳細を確認できます。

mineoは、ソフトバンクプラン(Sプラン)以外の対応機種であれば国際ローミングを利用可能です。使用できるのは、音声通話とSMSのみ。データ通信は全プランで対応していません。
特別な手続きや支払いは必要なく、端末の設定からデータローミングをオンにして使用すればOK。ドコモ(Dプラン)とau(Aプラン)に準じた国際電話の通話料金が発生します。
海外SIMを事前に購入する

スマホは、電話番号情報や電話回線に接続するための情報などが書き込まれたSIMカードがなければ、携帯電話の回線につなぐことはできません。このSIMカードを現地のキャリアが提供しているものに替え、SIMフリースマホに入れて利用する方法です。
頻繁に海外へ行くという人や、出張などで長期滞在をする人などにおすすめしたいのがこの方法です。現地のSIMカードを使うために現地での通話が国内通話の扱いになり、割安な料金で利用できます。渡航先にもよりますが、かかる費用は3日間で1000円~1500円ほど。各キャリアの定額プランやルーター費用よりお手頃なので、長期滞在に向いていると言えるでしょう。
また、現地の通信回線を使うため、通信環境がよいのもメリットです。SIMカードの多くはプリペイド式で、使いすぎて高額請求になる心配もありません。事業者によってSIMの有効期限が設けられており、期間内であればチャージするだけで繰り返し使えます。Wi-Fiルーターのレンタル・返却や、サービスの申し込みなどの手間もなく、頻繁に訪れる人には便利です。
海外SIMは、日本の通信会社が販売しているものと、現地の通信会社が販売しているものがあります。事前に日本で購入しておけば、現地に着いてすぐにデータ通信を利用できます。
空港や家電量販店などの店頭で購入
海外用SIMは、空港のショップや家電量販店などで取り扱われています。店頭で購入する際は、分からない点をスタッフに相談できるため、SIMカードに詳しくない人や誤った製品の購入によるトラブルを避けたい人におすすめです。
Amazonや楽天でオンライン購入
海外用のSIMカードはAmazonや楽天などのECサイトでも購入可能です。近くに海外用のSIMカードを取り扱う店舗のない人や、店舗まで買いに行く手間を省きたい人はオンラインの購入を検討するとよいでしょう。
ただし、SIMカードによってサービス対応エリアが決まっているので、渡航先が含まれているか必ず確認してから購入する必要があります。また、SIMカードの規格にも注意してください。現在はnanoSIMが主流ですが、古い機種では標準SIMしか対応していない場合もあります。せっかく買ったのに現地で使えなかった、という事態を防ぐためにも、購入時に製品の情報をしっかりと確認しておきましょう。
基本的に、スマホのSIMトレイを開けてSIMを挿入すればOKです。設定の手順は、購入時に付属している説明書を読みながら進めていけば問題ありません。またeSIMであれば、購入後にスマホの設定からeSIMを追加するだけです。
ただし、出発日前に挿し替えないよう注意してください。購入したSIMカードの対象エリアに日本が入っていると繋がってしまい、その日から使用日数がカウントされてしまいます。出国前の待ち時間や機内、到着後すぐに挿し替えるようにしましょう。
現地でSIMを契約する
SIMカードを現地で購入するには、現地通信会社のショップへ行く必要があります。都市部であれば街中に通信会社のショップがありますが、慣れない場所でお店を探すのは大変。お店を探すまでにネットが使えない状態が続くのは不安です。
ただし、空港の多くが、到着ロビーに通信会社のカウンターがあり、そこで購入することも可能です。街中のショップより割高で、選べるSIMのプランが少ない場合もありますが、すぐにネット環境を手に入れることができます。
また現地でSIMを購入する際には、以下の点に注意を払う必要があります。
- 自分のスマホが現地SIMの周波数帯域(バンド)に対応しているか
- SIMのサイズが自分のスマホとあっているか
- SIMに音声通話が含まれているか
- データ通信の利用条件(一定のデータ容量か指定された期間か)
それぞれについて詳しく解説します。
自分のスマホが現地SIMの周波数帯域(バンド)に対応しているか
自分のSIMフリースマホが、渡航先の周波数に対応していないと、現地SIMを入れてもインターネットに繋がりません。渡航先の周波数を事前にリサーチし、その周波数に対応しているか確認しておくと良いでしょう。
また、格安の海外SIMを購入すると、周波数帯域(データを拾う周波)が少なく、インターネットに繋がるまでに時間がかかる原因になるので注意が必要です。
SIMのサイズが自分のスマホとあっているか

SIMカードとトレイのサイズは要確認
SIMカードにはさまざまな種類があり、規格が合わないと利用できないので注意が必要です。SIMカードはサイズ別に「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」の3種類があります。自分のスマホがどのサイズに対応しているのかを事前に確認しておきましょう。
SIMに音声通話が含まれているか
SIMカードには「データ通信のみのタイプ」と「データ通信に加え、音声通話が利用できるタイプ」があります。通話ができるタイプには、あらかじめ通話料金が含まれているので、SIMの値段も通話可能時間によっては高額になります。
データ通信の利用条件(一定のデータ容量か指定された期間か)
ほかにも、指定された通信量(「1GB」「3GB」など)までデータ通信が利用できるタイプと、「14日」「30日」など、指定した期間内であればデータ通信が利用できるタイプがあります。期間限定のタイプは、1日あたりの通信量制限がある場合が多いので注意が必要です。
海外SIMでデータローミングを設定する方法
海外SIMを使ってデータローミングをする手順を紹介します。
iPhoneの場合



基本的に現地のSIMを渡航先で挿入すれば、ほとんどのスマホ端末で自動的にネットワーク通信が可能になります。事前にデータローミングをオフにしていた場合は、データローミングを再びオンにしましょう。「設定」アプリの[モバイル通信]をタップします。[通信のオプション]をタップして、「データローミング」をオンにすれば完了です。
iPhoneの場合は、上記の設定をするだけで、ほぼ自動でつながりすぐ使用できるようになります。
Androidスマホの場合
iPhoneの場合と異なり、Androidスマホでは手動でAPNを設定し直さなければならないこともあります。



「設定」アプリを開き、[接続]から[モバイルネットワーク]をタップして[APN]を選択します。



元々APNがある場合は、画面右上のメニューボタン
から[初期値にリセット]をタップし、[追加]を選択して購入したSIMのAPNを追加すればつながるようになるはずです。海外用のモバイルWi-Fiを使う場合
海外専用のモバイルルーターを貸し出している国内の事業者から、現地ですぐに使えるモバイルルーターをレンタルして接続します。ルーターさえ持って外出すれば、どこにいてもインターネットに接続できるので安心です。
海外用のWi-Fiを使うメリット・デメリット
海外用のモバイルWi-Fiを利用する場合のメリットとデメリットを解説します。
メリット:グループでWi-Fiをシェアできる
ルーターは1台レンタルすれば複数の端末につなぐことができ、仲間とシェアして使うと便利です。また、通信速度も速いので、海外旅行には強い味方。レンタル料金は比較的安価で、仲間とシェアすればさらにコストを抑えられます。
メリット:複雑な設定が不要

スマホの設定からWi-Fiに接続するだけ
海外用のWi-Fiを利用する際は、国内でWi-Fiを利用するときと同じようにWi-Fiを選択してパスワードを入力すれば利用できます。
海外用のキャリアプランに加入したり、モバイルデータ通信に関する設定をしたりしなくてもいつもの操作で簡単に通信可能です。通信まわりの操作が苦手な人や知識がない人でも、利用できるのが大きなメリットと言えます。
メリット:高額請求のおそれがない
海外用のWi-Fiでは、基本的に1日ごとに決まった容量のプランが用意されています。仮に1日のデータ容量をオーバーしてしまった場合は、通信制限によって通信速度が低下する対応がとられます。データ容量を使いすぎたからといって超過料金を請求されることはありません。
また海外ローミングサービスのように、対象外地域でデータローミング通信をしてしまったことで高額請求が発生するおそれもないので、請求料金の心配をせずにデータ通信を利用できます。
デメリット:1台で1グループ、別行動に注意
複数人数で1台のルーターをレンタルした場合、全員がネットを使用するには同じ行動をとるのが必須です。別行動する際は一方のグループがネットを使えなくなるため、事前に2台レンタルしておくなど対策が必要です。
デメリット:荷物になる
モバイルルーターはスマホ1台分ほどの大きさ・重さであることが多く、意外と荷物になります。もちろん、持ち歩かなければネット接続ができないので、朝ホテルに置いたまま出かけるとレンタルした意味がなくなってしまいます。
また、旅行中にモバイルルーターを紛失してしまった場合は、補償への加入状況によって異なるものの、ルーターや付属品の負担金が発生してしまう点も頭に入れておくべきでしょう。
デメリット:レンタルが手間、当日の手配だと手に入らない場合も
事前予約でレンタルする空港と返却場所を決める場合がほとんどですが、借りに行く、返しに行く作業が発生して少々手間がかかります。出発当日に空港などでレンタル手続きもできますが、レンタル機器がすべて出払っているケースもあるので、事前に予約しておくのが得策でしょう。
主要な海外Wi-Fiサービス
渡航先にもよりますが、「イモトのWi-FI」や「Global Wi-Fi」など、海外専用モバイルルーターのレンタル会社よりネット予約ができます。プランは大きく分けて「1カ国の渡航」と「2カ国以上の渡航」の2種類が用意されています。申し込む際は、渡航先や滞在期間などを入力し、フライト時間や空港ターミナルを指定するだけでOKです。
下記に、主な海外用モバイルルーター提供事業者と、2023年7月現在の2カ国以上の渡航プランでの1日の利用料金をまとめました。
プラン/料金 | グローバルWi-Fi | イモトのWi-Fi | WiFiBOX | JAPAEMO | jetfi | Wi-Fiトラベル |
---|---|---|---|---|---|---|
世界周遊プラン |
|
大容量プラン:1580円(3Gのみ) |
|
- |
|
|
ヨーロッパ周遊プラン |
|
|
|
|
- |
|
アジア周遊プラン |
|
|
|
- |
|
|
料金は1日の利用料金で、すべて税込
返却場所も事前予約の際に指定ができるため、受け取り・返却がスムーズなのが嬉しいポイント。1日1000円~2000円前後の値段設定が多く、グループ旅行でシェアすれば1人あたりの利用料が安くて済みます。
海外でWi-Fiを利用する場合のスマホ設定
海外用のWi-Fiを利用する際のスマホの設定方法を解説します。



「設定」アプリを開き、[モバイル通信]をタップします。[通信のオプション]をタップして、「データローミング」をオフにしておきます。

続いて、設定アプリの[Wi-Fi]から契約したWi-FiルーターのSSIDを探し、パスコードを入力すればすぐ使えるようになります。