Wi-Fiルーターの寿命って? 買い替えどきは?──バッファローに訊いてみた

Wi-Fiルーターの寿命って? 買い替えどきは?──バッファローに訊いてみた

Wi-Fiルーターは一度設置すると普段ほとんど触らないので、何年も前に買った製品を使い続けている人も多いかと思います。メーカー各社は最新機種を次々に発表していますが、そもそもWi-Fiルーターの寿命(耐用年数)はどれくらいなのでしょうか。

そこで、Wi-Fiルーターを製造・販売している株式会社バッファローの広報担当・菅井将人さんに、買い替え時期の見極め方や買い替える際のモデルの選び方・具体的なおすすめ製品をうかがいました。

Wi-Fiルーターの寿命はどれくらい?

最初に、Wi-Fiルーターの寿命について伺いました。スマホやパソコンは、故障したりバッテリーなどが劣化したりして定期的に買い替えますが、Wi-Fiルーターはいったい何年くらい使えるのでしょうか。

「Wi-Fiルーターに経年劣化という現象は基本的にありません。パソコンに入っているハードディスクやファンといった駆動部分が、Wi-Fiルーターにはほぼ含まれていないからです。

使い続けると寿命が来るパーツや、バッテリーのように劣化するパーツもないため、落として衝撃を与えたりしない限り、Wi-Fiルーター自体は10年でも使い続けられます。厳密には、電源を供給するACアダプターは熱によって少しずつ劣化しますが、それでも10年程度は使えます」(菅井さん)

ルーター 置き場所

つながりにくい原因はルーターの置き場所の可能性も

このように、長年使っても性能が劣化することは基本的にないそうです。家でスマホやパソコンを使っていると「最近つながりにくいな」と感じるシーンはありますが、Wi-Fiルーター自体の問題ではなく、おもに接続台数や設置場所などの外的要因によるものだと菅井さんは話します。

Wi-Fiがつながりにくい場合の対処法も、バッファローに教えてもらいました(詳細は下記記事参照)。「そろそろ買い替えどきかな」と思った人も、これら解決策を試してみると快適に利用できるようになるかもしれません。

Wi-Fiルーターの買い替えどきは?

Wi-Fiルーターに寿命がなく、性能が劣化しないとすれば、買い替えなくても問題ないのでしょうか。あまりに古いとやはりマズイ気もしますが、ずっと使えるとすれば「問題なく動くし別に今のままでいいか」と考えるユーザーも少なくないでしょう。

「Wi-Fiルーターは新しい機種がどんどん登場して、対応している規格や性能も向上しています。そこで、一番シンプルなポイントとして見直しをおすすめしているのが、スマホを買い替えるタイミングです。

Wi-Fi 6

最新規格の「Wi-Fi 6」に対応する端末が増えている

2年縛りが切れるタイミングで買い替えようと考えている人は多いと思いますが、その際にスマホとWi-Fiルーターが対応している無線LANの規格をチェックしてください。最新機種はWi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応する製品が徐々に増えています。Wi-Fi 6は、1ストリームあたり最大600Mbpsで通信可能な最新規格です。ちなみに、一世代前のIEEE802.11acは最大433Mbpsとなっています。

最近は、iPhone 11や12をはじめ、多くのスマホやパソコンがWi-Fi 6に対応しています。自宅のWi-FiルーターがWi-Fi 6に非対応だと、スマホが対応していたとしても性能をフルに発揮できません。スマホに限らず、クライアントが搭載する規格にWi-Fiルーターを合わせるといいでしょう。最新モデルのスマホを使っているのに、動画がカクカクしたり低画質でしか再生できなかったりする場合は、Wi-Fiルーターの性能が追いついていない可能性もあります。

今から買い換えるのであれば、Wi-Fi 6のルーターを選択するのがおすすめです。将来的にWi-Fi 6対応の製品を購入しても、先ほど説明した通り耐用年数は長いので、長期間にわたって利用できます」(菅井さん)

Wi-Fiルーター 寿命

自宅に設置しているWi-Fiルーターの規格をチェックしてみよう。筆者の自宅にあった古いモデルはWi-Fi 6非対応だった

「もう一つは、家庭環境の変化です。最近はゲームやスマート家電など、スマホやパソコン以外にも多くの機器がインターネットに接続できるようになりました。一度に接続する機器が増えると通信速度が落ちるので、高性能なモデルへの乗り換えを検討しましょう。

たとえば、新学期になってお子さんがiPadで動画教材を見るようになったり、引っ越して新しい家電を買ったりした際に見直してみてはいかがでしょうか。

また、新型コロナウイルスの影響により、家で過ごす時間が増えた人も多いと思います。特にテレワークやオンライン授業で、日中はインターネットに繋ぎっぱなしという人もいるでしょう。実際に自宅のWi-Fiを見直す人も多く、昨年はWi-Fi 6対応ルーターが一時品薄になりました」(菅井さん)

Wi-Fiルーターの選び方とおすすめモデル

Wi-Fiの寿命や買い替えのタイミングについて伺ったところで、環境に合わせたおすすめのモデルを紹介してもらいました。

Wi-Fi 6対応のストリーム数が多いモデル

WSR-5400AX6-MB

WSR-5400AX6-MB

古いモデルを使っている場合は、環境に合わせて見直してください。接続する台数が多い場合は、4×4や8×8などストリーム数(アンテナ本数)が多いモデルを購入して、通信速度を上げる手もあります。

WSR-5400AX6-MBは最大4803Mbpsで通信できるため、ゲーミングPCでネットゲームをする通信速度重視の人や、テレワークやオンライン授業で安定した通信を求める人にはおすすめです。内蔵アンテナタイプで、外部アンテナ搭載モデルに比べて価格を半分程度に抑えられるお財布にも優しいモデルです。

「とにかくつながればOK」ならランクを下げて予算を抑えるのもアリ

WSR-1800AX4S-BK

WSR-1800AX4S-BK

一人暮らしを始めたばかりの学生さんや、格安スマホを使い始めた年配の方など「とりあえずスマホがWi-FiにつながればOK」という人は、高性能なモデルは無理に選ばず予算を抑えてもよいでしょう。Wi-Fi 6のエントリーモデルなら、数千円程度で購入できます。予算に合わせて最適なモデルを選びましょう。

スマート家電などを広い範囲で使う家庭はメッシュWi-Fiがおすすめ

WTR-M2133HS/E2S

WTR-M2133HS/E2S

2階建て以上の一軒家や奥行きがある家でスマート家電を多く使っていたり、端の部屋でテレワークなどをしていて通信が途切れやすかったりする場合は、メッシュネットワークに対応したモデルがおすすめです(WTR-M2133HS/E2SはWi-Fi 5に対応)。1フロアのマンションなど見通しがきく家に住んでいて、Wi-Fiに接続する機器が集中している環境なら、無理にメッシュWi-Fiを導入する必要はありません。

スマート家電を購入すると、接続台数が増えるだけでなく使う範囲も広がります。メッシュWi-Fiは、親機と専用の中継機を連携させることで通信エリアをフレキシブルに拡張できます。

また、複数のWi-Fiルーターを置いたときと異なり、親機のSSIDで家中どこにいても接続できるため、切り替えや管理の手間が省けるのも嬉しいところ。1階で使っている機器を2階や3階に持っていっても、接続し直すことなくスムーズにつながります。

「AirStation connect」シリーズには親機と2台の中継機がセットになったスターターキットがあり、家の規模に応じて専用中継機だけを買い足すこともできます。

構成・文:藤原達矢

取材協力:バッファロー

編集:アプリオ編集部

EDITED BY
TOKIWA