本記事では、Androidスマホの写真・動画をWindowsパソコンに取り込む(転送する)方法を5つ紹介します。自身の環境や利用シーンに応じて使い分けてください。
Bluetooth接続は、1枚だけサクッと送信するのに便利です。しかし、数百枚レベルの写真や大量の動画データを移行するような場合には、かなりの時間を要するのであまりおすすめしません。
その点、USBケーブルでスマホとパソコンを接続すれば大容量データでもスムーズに転送できます。スマホの写真をまるごとPCに保存したい場合には最適でしょう。また、別でバックアップを保存しておきたいなら「SDカード」や「クラウドストレージ」を経由するのがおすすめです。
本記事では、パソコン側はSurface Laptop(Windows 11)をメインに操作方法などを紹介しています。OSバージョンやパソコンの機種によって、設定項目名や操作などが異なることがあります。あらかじめご了承ください。
方法1:USBケーブルでPCと接続して写真を取り込む

ケーブル転送の最大のメリットは、速度が早いこと。障害物の影響を受けやすいワイヤレス接続と比べ、ケーブル接続は安定した通信ができます。数百枚、数千枚レベルの大容量データでも比較的素早く取り込むことができるでしょう。
スマホとパソコンを直接ケーブルでつないでファイルを取り出すだけなので、面倒な事前設定や準備が要らないのもメリットです。
利用できる環境
Windowsがサポートする範囲のOSバージョン(Windows 8.1以降)であることを推奨しますが、特に指定はありません。
準備するもの
スマホとパソコンをつなぐための「USB-A & USB-Cケーブル」や「USB-C & USB-Cケーブル」が必要です。ほとんどのAndroidスマホは購入時にいずれかのケーブルが同梱されているはずなので、まずはそれを使ってみてください。

もし手持ちのケーブルのコネクタがパソコンのコネクタと合わない場合は、別途ケーブルを購入しましょう。
基本的には、手持ちのAndroidスマホとWindowsパソコンを接続できれば何でもOKですが、ファイルの転送速度はケーブルの品質に左右されます。購入するなら、Anker(アンカー)など信頼できるメーカーの商品を選びましょう。
なお、100円均一などで販売されている「充電専用」と記載された商品は、パソコンに接続しても認識されません。注意してください。
写真の移行手順
スマホとPCをUSBケーブルで接続し、パソコンに写真を取り込む手順を紹介します。
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PCとスマホをUSBケーブルで接続
AndroidスマホとWindowsパソコンは、「USB-A & USB-Cケーブル」や「USB-C & USB-C」ケーブルを使って上の画像のように接続します。
AndroidスマホとWindowsパソコンを接続すると、スマホ側に「アクセスを許可しますか?」といったポップアップなどが表示されます。[許可]を押しましょう。
AQUOSシリーズなど、上のようなUSBの設定画面が表示されるケースも。その場合は「ファイル転送」にチェックを入れてください。
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写真が格納されているフォルダを開く
Windowsパソコンで「エクスプローラー」を起動してみましょう。「PC」の接続中デバイスに表示される自身のAndroidスマホをクリックします。
「内部共有ストレージ」に進みます。
内部ストレージのフォルダが表示されます。主なデータは以下の通り格納されているので、任意のものを選択してください。
- スマホの標準カメラで撮影した写真/動画:「DCIM」
- アプリからダウンロードした画像/アプリで撮影した写真/スクリーンショット:「Picture」
- アプリからダウンロードした動画:「Movies」
- Chromeからダウンロードした画像/動画など:「Download」
- 音楽ファイル:「Music」
- アラーム音:「Alarms」
- 通知音:「Notifications」
- 着信音:「Ringtones」
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写真をパソコンにコピーもしくは移行する
あとは写真を選択し、パソコン上に適当なフォルダを作成してコピー(ドラッグ&ドロップ)すればOKです。
写真を一括で取り込みたい場合は、フォルダを丸ごとドラッグ&ドロップでコピーできます。スマホの内部ストレージ容量に空きを作りたい場合は、コピーしたフォルダを右クリックで削除しましょう。
方法2:BluetoothでPCへ写真を送る

Bluetooth機能を利用して、ワイヤレス通信でパソコンに写真データを送信する方法もあります。ケーブルいらずで、スマホとPCさえあればOK。インターネット環境すら必要ないので、出先でサッと写真を共有したい場合にはとても便利です。
ただ、ワイヤレス接続でのファイル転送はケーブル経由よりも低速です。数GBレベルの大容量データを移行するようなシーンには向きません。
利用できる環境
Bluetooth接続で写真を送るには、スマホとパソコン両方にBluetooth機能が搭載されている必要があります。Androidスマホは、ここ十年以内に購入したものであれば大抵Bluetooth機能が搭載されていますが、パソコン側はそうではありません。特にデスクトップPCにはBluetooth機能が搭載されていないケースもあるので、注意が必要です。
なお、OSはWindowsがサポートする範囲のバージョン(Windows 8.1以降)であることを推奨しますが、特に指定はありません。
準備するもの
準備するものは、特にありません。Wi-Fiネットワーク環境がなくてもOKです。
写真の移行手順
スマホとPCをBluetooth接続して、スマホの写真をパソコンに移行する手順です。
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パソコンとスマホでBluetoothをオンにする
お互いのデバイスに搭載されているBluetooth機能を介してファイルを送信するので、パソコン側とスマホ側、両方のBluetooth設定をオンにしておく必要があります。
まずは、スマホ側の設定を確認します。画面を上から下にスワイプして、クイック設定パネルを表示させましょう。ここで「Bluetooth」が有効になっているかチェックできます。
続いて、パソコン側を確認します。Windows
ボタンから設定 に進みましょう。「デバイス」を選択します。
メニューから「Bluetoothとその他のデバイス」を選択。Bluetoothが有効化されていることを確認しましょう。
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スマホとWindowsパソコンをBluetoothで連携(ペアリング)する
写真データを転送する前に、パソコンとAndroidスマホのペアリングをおこなう必要があります。
Bluetoothスイッチの上にある「Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」を押してください。
「Bluetooth」を選択すると検出可能なデバイスが表示されます。この状態でスマホを起動させてください。
Androidスマホの「設定」を開き、「機器接続」や「接続」から
を選択。自身のWindowsパソコン名をタップしましょう。パソコンとスマホに表示されるコードが一致していれば、[はい]をクリックしてください。これでペアリングは完了です。
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スマホからパソコンに写真データを送信する
いよいよ、スマホからパソコンに写真を送信します。
パソコンのタスクバーに隠れている「Bluetooth」アイコン→「ファイルの受信」の順にクリック。
「送信の待機中」という受信画面を表示した状態にします。
あとは、Googleフォトやアルバムアプリなどから送信したい写真を選んで共有ボタン
をタップ。共有方法の一覧が表示されたら「その他」に進み、 を選択しましょう。ペアリングしたパソコンが表示されるはずなので、これをタップすればOKです。すぐにパソコン側でファイルの受信が始まります。ここでは1枚のみ共有しましたが、複数枚選択して一括で送信することも可能です。
あとは、パソコンでデータの保存場所を選択すれば、作業完了です。
方法3:SDカードに写真データを移してPCに取り込む

SDカード対応機種なら、SDカード経由でパソコンに写真を取り込むのもひとつの手。SDカードとパソコン、2つの外部ストレージに写真を保存しておけるので、バックアップ体制は万全です。
手順が多くなるので素早さが求められるシーンには向きませんが、「スマホの容量を節約したい」「写真データを丸ごと移行したい」といった場合には最適でしょう。
利用できる環境
Androidスマホは「SDカードスロット」を搭載した機種であることが必須条件です。メーカーやキャリアの公式サイトでスマホのスペックを確認してみましょう。
パソコン側の環境に特に指定はありませんが、Windowsがサポートする範囲のOSバージョン(Windows 8.1以降)であることを推奨します。
準備するもの
準備するものは「SDカード」と「USBケーブル」の2つ。USBケーブルに関しては、前述した通りのものを用意してもらえればよいでしょう。

SDカードはさまざまなメーカーから多種多様な製品が販売されており、初見で選ぶのは難しいところ。以下の特集で自分に最適なSDカードの選び方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
失敗しない、スマホ用SDカードの選び方・買い方──適切な容量、必要なスペックは?
手っ取り早く「これを買っておけば大丈夫」という製品が知りたい人には、Transcend(トランセンド)300Sシリーズの64GBもしくは128GBタイプをおすすめします。
2015年以降に発売されたスマホであればほとんどの機種が適応するはずです。
写真の移行手順
スマホの写真をSDカードに写真データを移して、それをPCに取り込む手順です。
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SDカードに写真データを転送(移動)する
まずは、スマホの内部ストレージからSDカードに写真データを移し替えます。
ここでは多くのAndroidスマホに標準搭載されている「Files by Google」を使った方法を紹介しますが、どのファイルアプリを経由しても構いません。詳しくは以下の特集を参照ください。
「Files by Google」アプリを開いたらトップ画面を一番下までスクロールし、
をタップします。内部ストレージ内のフォルダが一覧で表示されます。SDカードに移行したいフォルダを長押しして選択しましょう。
- スマホの標準カメラで撮影した写真/動画:「DCIM」
- アプリからダウンロードした画像/アプリで撮影した写真/スクリーンショット:「Pictures」
- アプリからダウンロードした動画:「Movies」
- Chromeからダウンロードした画像/動画など:「Download」
- 音楽ファイル:「Music」
- アラーム音:「Alarms」
- 通知音:「Notifications」
- 着信音:「Ringtones」
最後に右上のメニューボタン
から をタップ。移動先にSDカードを選択してください。なお、移動すると内部ストレージからは写真が消えます。内部ストレージにも写真を残しておきたい場合は、[コピー]を選択してください。
続いて、SDカード内の保存先フォルダを選択します。特に指定がないなら、「新しいフォルダを作成」から分かりやすい名前のフォルダを作って、そこに写真を移行すると便利でしょう。
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スマホとパソコンをUSBケーブルで接続する
「USB-A & USB-Cケーブル」や「USB-C & USB-C」ケーブルを使って、AndroidスマホとWindowsパソコンを接続します。
基本的には、手持ちのAndroidスマホとWindowsパソコンを接続できれば何でもOKです。ほとんどのAndroidスマホは購入時にいずれかのケーブルが同梱されているはずなので、まずはそれを使ってみてください。
もし手持ちのケーブルの端子がパソコンの端子と合わない場合は、別途ケーブルを購入しましょう。
100円均一やAmazonなどで格安で販売されている「充電専用」と記載された商品は、パソコンに接続しても認識されないので注意してください。
AndroidスマホとWindowsパソコンを接続すると、スマホ側に「アクセスを許可しますか?」といったポップアップが表示されます。[許可]を押しましょう。
AQUOSシリーズなど、上のようなUSBの設定画面が表示されるケースも。その場合は「ファイル転送」にチェックを入れてください。
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SDカードに保存した写真データをパソコンに移行する
Windowsパソコンで「エクスプローラー」を起動してみましょう。「PC」の接続中デバイスに表示される自身のAndroidスマホをクリックします。
「SDカード」に進みます。
あとはステップ1で作成した写真のフォルダを選択し、パソコン上にコピー(ドラッグ&ドロップ)すればOKです。
方法4:ファイル転送アプリを利用する

「Send Anywhere」は、Android、iPhone(iOS)、Windows、macOSなど、あらゆるデバイス間でファイル交換できる無料のサービスです。会員登録や初期設定などの事前準備は必要ありません。6桁の番号を共有するか、QRコードを読み込むだけで簡単に写真を転送できます。
デバイス問わず利用できるので、「他人のパソコンに送りたい」「iPhoneやMacに送りたい」といった場合は重宝するでしょう。ただ、スマホとパソコン両方がインターネットに接続している必要があるので、利用できる場所は限られるかもしれません。
利用できる環境
Send Anywhereが推奨する環境は以下の通りです。
- スマホ:Android 4.2以降を搭載していること
- ブラウザ:Chrome、Safari、Naver Whale、Firefox、Operaのいずれかを利用すること
ブラウザ上で利用できるサービスなので、パソコンにソフトやアプリをインストールする必要はありません。
準備するもの
準備するものはインターネット環境のみ。お互いが同じネットワークに接続していなくてもOKです。
写真の移行手順
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Androidスマホに「Send Anywhere」をインストールする
アプリ「Send Anywhere」をダウンロードまずAndroidスマホに「Send Anywhere」をインストールしてください。これで必要な準備は完了です。
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写真を選択して送信
「Send Anywhere」アプリを起動すると、スマホに保存されている写真が一覧で表示されます。
画面下部の「送信」タブを開き、送信したい写真すべてにチェックを入れて
ボタンを押してください。6桁数字が表示されたら、スマホ側での作業は終了です。
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パソコンで「Send Anywhere」にアクセスして写真を受け取る
続いて、パソコンで「Send Anywhere」にアクセスします(左リンクから直接遷移できます)。
トップ画面の「受信」欄にスマホで表示された6桁の数字を入力し、ダウンロードボタン
をクリックしてください。数秒間広告が表示され、終了次第、自動的に写真がパソコンにダウンロードされます。[確認]を押して、写真を確認してみてください。
なお、写真はオリジナルサイズのまま送信されます。リサイズや圧縮などは一切おこなわれません。
方法5:クラウドストレージを経由して保存する

GoogleフォトやAmazonフォトなどの「クラウドストレージ(オンラインストレージ)サービス」を使うのもよいでしょう。スマホの写真をクラウドストレージにアップロードしておけば、パソコンやタブレットなどあらゆるデバイスから閲覧や保存が可能になります。
ストレージ不足の解消に役立つほか、スマホが故障・紛失した際の保険としても有用です。ただ、サービスによっては写真をアップロードする際に自動的にリサイズ・圧縮されてしまう可能性があります。オリジナルサイズのまま取り込みたい場合は注意が必要です。
利用できる環境
基本的に、パソコン側もスマホ側も利用環境は問いません。
準備するもの
あらかじめクラウドストレージサービスの利用登録をおこなう必要があります。
利用中のサービスがないなら、クラウドストレージのなかでも写真管理に特化した「フォトストレージ」サービスを選ぶとよいでしょう。Androidスマホユーザーに身近なGoogleフォトか、無圧縮で写真をアップロードできるAmazonフォトがおすすめです。
写真の移行手順
ここでは、Androidスマホ標準搭載のフォトストレージサービス「Googleフォト」を使った移行方法を紹介します。
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Googleフォトに写真をアップロードする
アプリ「Googleフォト」をダウンロードGoogleフォトアプリを起動します。ほとんどのAndroidスマホに標準搭載されているはずですが、ホームに見当たらない場合は上のボタンからインストールしてください。
「フォト」タブから目当ての写真を開きます。後は、上部の雲アイコンをタップすればOK。写真をGoogleフォトにアップロードできました。
ただ、Googleフォトは1枚1枚写真をアップするよりも、スマホに保存されている写真をまるごと同期(バックアップ)するのがおすすめです。内部ストレージの容量節約になるほか、スマホの紛失や故障といったトラブルから大切な写真データを守れるなどさまざまなメリットがあります。
写真をまるごと同期するには、ホーム画面で「Googleフォト」アプリを開き、右上のアカウントアイコンをタップ。展開したメニューで
を選択します。項目へ進み、 をタップ。すべてのフォルダの同期をオンに切り替えてください。すぐにGoogleフォトへのバックアップが開始されます。
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パソコンでGoogleフォトにアクセスして写真をダウンロード
パソコンのブラウザでGoogleフォトにアクセスします(左リンクからそのまま遷移できます)。
すると上のような画面が表示されるので、[Googleフォトにアクセス]をクリックしましょう。
ログイン画面が表示されるので、スマホと同じGoogleアカウントでログインします。
スマホ版Googleフォトでアップロードした写真が一覧で表示されます。
パソコンに移行したい写真すべてにチェックを入れ、右上のメニューボタン
からダウンロードを選択。これでパソコンに写真が保存されました。