SIMロックフリーのスマートフォン(SIMフリースマホ)が定着してきました。最近は製品がこなれて、手ごろな価格ながら魅力的なモデルが目白押しで、選択に迷ってしまうかもしれません。また、回線とセットで購入する場合にも事業者によって扱っているモデルが異なりますし、大手量販店にもすべてのモデルが置かれているわけではありません。
そこで本記事では、初心者におすすめのSIMフリースマホをベスト5のランキング形式で紹介していきます。筆者がこれからスマホを買う知人に相談されたらどう答えるかを考えながら、独断と偏見で、そしてできるだけわかりやすくまとめてみました。
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【1位】迷ったらこれで間違いない国内モデル「AQUOS sense lite SH-M05」
AQUOS sense lite SH-M05は、スマホに関する知識があまりないと思っている人にはイチオシの機種です。これまでガラケーを使ってきたり、大手キャリアで特に深く考えずに契約していた人が、コストを抑えるために乗り換えたいなら最良の選択肢です。中高年の知人に相談されると、迷わずこのモデルを推しています。
理由は簡単。まず、製品の構成がとにかく普通によく出来ていることです。目立つポイントはさほどありませんが、欠点も少ないのです。デザインはシンプルで品がよいのが特徴で、飽きずに長く使えるでしょう。サイズは5インチで、本体の側面に盛り上がるラインを入れるなど、持ちやすさにこだわっているのも特徴です。
一番のおすすめポイントは、国内向けにしっかりと考えられていること。おサイフケータイと防水に対応していますが、実は両方に対応するSIMフリーモデルはとても少ないのです。キャリアのスマホやガラケーから買い換えても失敗しない重要ポイントです。
やや見づらいが、背面にはおサイフケータイのマークがしっかり付いている
国内メーカーの機種はわかりやすい
メーカーはシャープなので、日本の初心者にもわかりやすい工夫がされています。スマホに精通している人からすれば、親切すぎて垢抜けない印象を受けるほどです。たとえば、メニューもきちんとわかりやすい言葉で説明されています。
キャリアのスマホならショップに質問しに行くこともできますが、SIMフリーだとそうはいきません。だからこそ、わかりやすい機種やサポートのよい国内モデルがおすすめです。また、このモデルはキャリアが扱っている製品とデザインや構成がほとんど変わりません。「安いSIMフリースマホを買った」というガッカリ感がないのもいいところです。
独自の機能はアニメーションを使ってわかりやすく解説
説明文もわかりやすく記載されている。それぞれの設定項目には簡単な解説が付く
こちらは、HUAWEI P9という人気SIMフリースマホのメニュー。解説文を読んでもよくわからない人も少なくないはず。しかも文章量が多く、目的のメニューを探すのが大変だ
同等のキャリアモデルは色が違ったり、液晶の縁(フチ)がアールを描く2.5Dというタイプを採用していたりする。小さな違いはあるものの、ほぼ同様なのもいいところ
それなりに先進的で十分
細かなスペックの紹介はしませんが、性能は中程度と考えればよいでしょう。普通に使うには問題ありません。カメラをiPhone Xと撮り比べてみると確かに差はありますが、価格も2〜3倍は違いますからこれで十分でしょう。
最大の特徴は、シャープが自社で生産しているIGZOという液晶を採用していることです。これから買うなら、解像度はフルHDであることが望ましいのですが、もちろんクリアしています。精細な画面を生かして、ロック画面の写真を自動で変更する楽しい機能も搭載します。またIGZOは、電力消費が少ないのでバッテリーが比較的長持ちします。
充電などに利用する端子は「USB Type-C」です。これから主流になる端子で、今後2〜3年使うならマストな条件の一つです。さらに、急速充電の規格「QuickCharge 3.0」にも対応します。Android OSのバージョンアップに2年間対応するので、長く使い続けたい人にも向いています。
充電などに使う端子はUSB-Cを採用する
上:AQUOS sense lite SH-M05で撮影。下:iPhone Xで撮影。SH-M05では明るい部分がやや白飛びしているが、スナップには十分だろう
上:AQUOS sense lite SH-M05で撮影。下:iPhone Xで撮影。iPhone Xの写真はとても色鮮やか。SH-M05のほうが見た目に近い印象だ
【2位】大人気のスタイリッシュモデル「HUAWEI P10 lite」
HUAWEIのP10 liteは2万円台後半で買える、非常に人気のあるモデルです。デザインが洗練され、本体の完成度が高いため、価格の割にはとても高級感があります。
「HUAWEI P10 lite」レビュー:おすすめする7つの理由と知っておきたい弱点とは
ディスプレイの縁がアールを描く2.5Dと呼ばれるタイプを採用し、ボディサイドのフレームは金属なので、手にしてもかっちりとした感触が伝わります。液晶は5.2インチと標準的なサイズで、横方向の額縁が細く、軽量なので持ちやすいのも特徴の一つです。
性能は上々で、液晶もフルHDを採用するのでスペックで見劣りするところはありません。カメラも十分な画質です。ただし、おサイフケータイは搭載せず、防水にも対応しません。スマホに少し詳しい人や、デザインを重視する人がある程度割り切って買うのに向いています。割り切りつつも、高級感があるのが人気の理由です。
本体はシンプルで美しいデザイン。指紋センサーは背面に位置している
【3位】おサイフケータイ搭載の頑丈モデル「arrows M04」
富士通のarrows M04は、「割れにくい」というテレビCMでもおなじみのモデルです。頑丈な理由はいくつもありますが、一つ例を挙げましょう。本体を横からよく見ると、画面の縁がガラス面より高くなっています。これは、端末を万が一落とした時にコンクリートなどにガラスが当たりにくくする工夫です。
それでも、デザインがよく感じるのは設計の妙といえます。頑丈さに注力しているので防水には当然対応しており、ハンドソープで洗えてしまうのも驚きです。おサイフケータイを搭載する上に、国内メーカーのモデルなのでとてもわかりやすく、初心者にもおすすめです。
本来なら1位でもよいくらいですが、液晶の解像度が低いという欠点が見逃せず、3位でのランクインとしました。充電などに使う端子がmicroUSBなのも、ややマイナスポイントです。
【4位】SIMフリーの最高級モデル「HUAWEI Mate 10 Pro」
とにかく写真の画質にこだわりたい、ゲームを大画面でサクサクとプレイしたいなど、贅沢な希望があるユーザーに向く最高級のSIMフリースマホがこのHUAWEI Mate 10 Proです。
「HUAWEI Mate 10 Pro」レビュー、今季のトレンドを押さえたSIMフリー最上位モデル
スマホに詳しくないからといって、安いモデルがベストというわけではありません。スマホでやりたいことが明確なら、こんなモデルを選ぶのも悪くないのです。価格は10万円近くになりますが、通信費まで考えるとキャリアの高級モデルより安く買えます。実物を見れば、高級感に目を見張るでしょう。
ディスプレイは先進の有機ELを採用しており非常に鮮やかで、画面占有率が高いデザインも素晴らしい限りです。カメラはおなじみのライカブランドで、文句なしに美しい写真が撮れます。性能も最高クラスで、ヘビーなゲームも余裕で動作します。防水に対応しますが、おサイフケータイは搭載されていない点が残念なところです。
【5位】超長時間駆動の一芸モデル「ZenFone 4 MAX」
ガラケーを使っている人は、「スマホに買い換えるとバッテリーが持たない」という印象をお持ちかもしれません。確かに、ガラケーよりも画面の大きなスマホは大量の電力を消費します。しかし、最近は省電力技術が進化し、また大容量バッテリーを搭載することで順調に駆動時間が延びています。
中でも驚くのがASUSのZenFone 4 MAXで、バッテリーはなんと4100mAhもの容量です。一般的な大容量バッテリーのモデルより、さらに3割ほど大容量なのです。連続待ち受け37日、音楽再生101時間など、従来のスマホからは考えられないほどのスタミナモデルです。
カメラも先進のデュアルレンズを搭載しますが、液晶がフルHDではないのが弱点です。ただし、液晶は解像度を上げるほど消費電力が増えるため、その点ではバランスが取れていると言えるでしょう。外出時間が長く、駆動時間重視のユーザーにはおすすめです。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部