スマホの「急速充電」とは、対応充電器・ケーブル等の選び方とおすすめ製品

2019-03-19 17:52
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スマホの「急速充電」とは、対応充電器・ケーブル等の選び方とおすすめ製品

スマホの充電速度は規格によって大きく変わります。各メーカーが販売している充電器やケーブルを見ると「急速充電対応」と表記されている製品があるため、早く充電するには何となくそれらの製品を使ったほうがよさそうに思えます。

とはいえ、急速充電の表示には「USB PD」や「Quick Charge」など様々な種類があり、「そもそも急速充電とは何なのか」「どの製品を買えば急速充電ができるのか」といった疑問が湧いてきます。

そこで、いまいちわかりにくい急速充電について、スマホ向けの充電器やケーブルなどを製造・販売するアンカー・ジャパン社に取材して話を聞きました。急速充電に対応する充電器やケーブルの選び方やおすすめ製品なども紹介します。

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急速充電とは

まずは「急速充電」の定義について伺いました。

「急速充電という言葉に『何V(ボルト)/何A(アンペア)以上で充電できる』や『何分以下で満充電できる』といった明確な定義はありません。たとえば、充電器のパッケージを見ると『18W(9V/2A)で急速充電可能』などと書いてあるケースがありますが、すべてのスマホが18Wで充電できるわけではありません。なぜなら、スマホの充電性能はスマホの機種によって異なるからです」(アンカー・ジャパン社)

iPhone 急速充電

つまり、18Wで充電できるモバイルバッテリーなどを買っても、スマホ側が18Wで充電できないケースがあるということです。逆に、それ以上の速度で充電できるスマホにとっては、18Wも遅いということになります。その場合、使用する充電器やケーブルに関係なく、「急速充電ができない」ということでしょうか。

「そもそも『急速充電とは何か』ということになりますが、Ankerでは、各スマホが受け入れられる上限まで性能を上げて充電できる状態を『急速充電』と定義しています」(同)

たとえ、充電速度が5W(5V/1A)しかないスマホでも、しっかり5Wで充電できているのであれば、「急速充電ができている」という判断です。また、仮に60W(20V/3A)で充電できるスマホがあれば、「18W(9V/2A)で急速充電可能」と記載された製品を使っても「急速充電はできていない」ということになります。

このように、急速充電ができているか否かという判断は、各スマホの充電能力や充電製品の選び方によって変わってきます。自分が持っているスマホで急速充電をするためには、購入したスマホに合った充電製品を選ぶことが重要です。

充電器やケーブルのおすすめ製品については、本記事の後半で紹介します。

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各社が提供する急速充電関連のテクノロジー

急速充電にはさまざまな規格があります。ここでは、各規格の仕様や対応している主なスマホを紹介します。

Quick Charge(クイックチャージ)

「Quick Charge」はQualcommが開発した充電器の規格です。いくつかのバージョンがあり、最新は4+となっています。現在の最新スマホには主に3.0や2.0が搭載されており、4+に対応する製品はまだ多くはありません。なお、4.0は後述するUSB PDにも対応しています。

スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

Image:Qualcomm

Quick Charge3.0や2.0は、最大18Wで電流を流すことにより、充電スピードを速くしています。アンカー社の検証によると、Quick Charge 3.0対応の充電器は、非対応の製品に比べて約4倍のスピードで充電できるそうです。各バージョンの充電速度は以下の通りです。

バージョン 充電速度
Quick Charge1.0 最大出力10W(電圧5V / 電流2A)
Quick Charge2.0 最大出力18W(電圧5V、9V、12V、20V / 電流3A、2A、1.67A)
Quick Charge3.0 最大出力18W(電圧3.6V〜20V<200mV単位で最適な電圧を適用> / 電流2.6A、4.6A)
Quick Charge4+ 最大出力18W(電圧3.6V〜20V<200mV単位で最適な電圧を適用> / 電流2.6A、4.6A)
※USB PD対応時の最大出力27W(電圧5V、9V / 電流3A)

Quick Chargeを利用するには、スマホと充電器が対応している必要があり、Andoroidスマホの多くにはQuick Chargeが搭載されています。対応スマホは、Qualcomm社のページ(PDF)でチェックできます。

Quick Chargeを搭載している主なスマホメーカーは以下の通りです。それぞれ最大18Wで充電することが可能になっています。

  • ソニー(Xperia XZ3、XZ1など)
  • 富士通(Arrowsなど)
  • HP(Elite x3など)
  • ASUS(ZenFone3など)
  • Samsung(Galaxy S8+など)
  • LG(G6など)
  • Motorola(New Moto X by Motorolaなど)
  • ASUS(ZenFone 5など)
  • HTC(HTC U11など)

USB PD(ユーエスビーピーディー)

一部のスマホやノートパソコンで搭載され始めている規格が「USB PD」です。USB Power Deliveryの略で、USB Type-Cを使用して充電します。充電するには、スマホと充電器、USB Type-CケーブルがUSB PDに対応している必要があります。

USB PDは、最大100W(20V/5A)という高速充電が可能となっていますが、仕様上の上限である100Wで充電するためには、USB Type-Cケーブルの選び方にも注意する必要があります。

USB Type-Cケーブル

USB Type-Cケーブル

USB PDに対応したUSB Type-Cケーブルには、3A出力と5A出力の2種類があります。USB PDの供給電圧は、5V、9V、15V、20Vの4種類なので、3A出力のケーブルを購入すると、最大60Wでしか充電できません。

ただしAnkerによると、今のところ販売されているUSB PD対応スマホの充電速度は最大でも18Wということなので、スマホだけ充電したい人は、どちらのケーブルでもよいそうです。60W以上で充電できるUSB PD対応のノートパソコンなどと兼用する人は、5Aのケーブルも検討しましょう。

一番わかりやすい、失敗しないUSB Type-Cケーブルの選び方

主に以下のスマホがUSB PDに対応しており、最大18Wのスピードで充電可能です。なおiPhoneの場合、iPhone 8以上のスマホであれば、USB PD対応のアダプターとApple USB-C - Lightningケーブルを利用することで急速充電がおこなえます。

  • ソニー(Xperia XZ1、Xperia XZ1 Compactなど)
  • シャープ(AQUOS R Compact、R2など)
  • 富士通(arrows NX F-01K、arrows Tab F-02Kなど)
  • 京セラ(Android One X3など)
  • Google(Pixel 2、Pixel 2 XL、Pixel 3など)
  • HTC(Android One X2など)
  • HUAWEI(Mate9、Mate10、P10、P20など)
  • ASUS(ZenFone 5など)
  • Samsung(Galaxy S8、S8+、S9、 Note8、Note9など)
  • Apple(iPhone 8以降)

Super Charge(スーパーチャージ)

「Super Charge」はHUAWEIが独自に開発した急速充電技術で、最大40W(10V/4A)での高速充電が可能となっています。ただし、Super Chargeが利用できるのはHUAWEI純正の充電器のみで、サードパーティの製品はありません。

Super Chargeに対応しているスマホは以下の製品です。それぞれ最大22.5W(5V/4.5A)での充電が可能ということです。また、HUAWEI Mate9やHUAWEI P20はUSB PDにも対応しているため、USB PD対応のケーブルやアダプターを使って充電が可能です。

  • HUAWEI Mate9
  • HUAWEI P10
  • HUAWEI P10 Plus
  • HUAWEI Mate10 Pro
  • HUAWEI P20

BoostMaster(ブーストマスター)

ASUSの急速充電の独自規格で、最大18W(9V/2A)での給電が可能です。なお、ASUSのZenFone 5はUSB PDにも対応しています。

PowerIQ(パワーアイキュー)/Voltage Boost(ボルテージブースト)

「PowerIQ」はAnkerが開発したテクノロジーで、最大18Wのスピードで充電が可能です。Ankerの充電機器に接続されたスマホの機種を自動的に検知し、機器ごとに適した最大のスピードで急速充電をおこなうというものです。

スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

Image:Anker

PowerIQと同じような機能として、モバイルバッテリーなどを製造・販売するcheero社の「Auto-IC」や、バッファロー社の「AUTO POWER SELECT」などがあります。

また「Voltage Boost」もAnkerが開発しています。充電器に接続されているケーブルの抵抗を平衡に保ち、給電能力を最適化することで充電スピードを上げています。

各スマホが搭載している急速充電規格

実際に各スマホには、どの急速充電機能が搭載されているかを紹介します。

Androidスマートフォン

Andoroidスマホの多くにはQuick Chargeが搭載されています。対応スマホは、Qualcomm社の公式サイトでチェックできます。

スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

Qualcommの公式サイト

Quick Chargeを搭載している主なスマホメーカーは以下の通り。

  • Sony(Xperia Z3など)
  • HP(Elite x3など)
  • ASUS(Nexus6など)
  • BlackBerry(BlackBerry Privなど)
  • Samsung(Galaxy S8など)
  • LG(G6など)
  • Motorola(New Moto X by Motorolaなど)
  • HTC(HTC U11など)

また「HUAWEI P10 Plus」や「Mate9」といったHUAWEI社のスマホには、Super Chargeが搭載されています。

スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

HUAWEIの公式サイト

iPhone

iPhoneでは、Quick ChargeやSuper Chargeのようなオリジナルの急速充電規格が搭載されているという公式発表はないそうです。USB PDに対応するスマホは現在ほとんどありませんが、Google社の「Pixel」(国内未発売)などが対応しています。

急速充電に必要な製品(おすすめ充電器・ケーブル)

対応スマホのほか、急速充電するために必要となる充電器・ケーブル等の選び方やおすすめ製品を紹介します。

充電器

充電器を購入する時は、1ポート当たり何Aで充電できるかチェックしましょう。なお、各スマホが最大何Aで充電できるかという仕様は公表されていませんが、2.4A以上で充電できる製品を選べば、現在販売されているほぼすべての機種で急速充電ができます。

Quick Charge対応

Quick Chargeに対応している充電器は、Ankerから数多く販売されています。主な違いは、Quick Chargeのバージョンとポート数です。自分が持っているAndoroidスマホの対応バージョンや、タブレットを併用しているかなど、状況に合わせて選ぶとよいでしょう。

Anker PowerPort Speed 4
Anker PowerPort Speed 4

「Anker PowerPort Speed 4 」は、Quick Charge3.0ポートが1つと、Power IQ対応のポートが3つの構成です。スマホと一緒とモバイルバッテリーを同時に充電できます。

Anker PowerPort Speed 4

cheero USB AC Charger QC3.0 ACアダプター(CHE-315)
スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

cheero社からもQuick Charge対応の充電器(CHE-315)が発売されています。ポートは1つですが、43×42.7×37.5mmのコンパクトなサイズになっています。

USB PD対応

USB PDで充電をする場合は、対応するアダプターとケーブルを選ぶ必要があります。

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Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ
Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ

Ankerの「PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ」は、USB PDに対応したコネクターとPowerIQ対応のコネクター4口を搭載したアダプターです。

Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ

Quick Charge非対応

iPhone 7以前を持っているユーザーは、Quick ChargeやUSB PDに対応した製品を購入する必要はありません。もちろんQuick Charge対応の充電器も使えますが、値段が高いので非対応の製品で十分です。

Anker PowerPort2 Elite(A2023111)
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Anker PowerPort2 Elite(A2023111)」は2ポート合計4.8Aまで出力可能です。

RAVPower 40W 4ポート USB充電器(RP-PC026)
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多数のポートを搭載している製品(RP-PC026)もあります。スマホやタブレット、モバイルバッテリーなど複数の機器を持っている人におすすめです。

RAVPower 36W2ポート USB充電器(RP-PC017-JP)
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USB PDに対応している充電器(RP-PC017-JP)も発売しています。今後取り扱いメーカーも増えてくるとみられています。

ケーブル

ケーブル選びも重要です。充電スピードに影響するのはもちろんですが、安いケーブルは流れる電流や電圧をコントロールできず、スマホが壊れる原因になるおそれもあります。

USB PD対応ケーブル

ケーブルは、3A出力と5A出力のUSB PD対応ケーブルをチェックしましょう。5A出力のケーブル2999円なのに対して、3A出力のケーブルは1199円と、およそ1/3の価格になっています。

Anker PowerLine II USB-C & USB-A 3.1(Gen2) ケーブル
Anker PowerLine II USB-C & USB-A 3.1(Gen2) ケーブル

3A出力のPD対応ケーブルです。

Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル
Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル

5A出力のPD対応ケーブルです。

Lightningケーブル(iPhone向け)

Anker PowerLine ライトニングUSBケーブル(A8111021など)
スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

iPhoneを充電するスタンダードなLightningケーブルです。LightningケーブルはApple社の認可が出たMFi認証製品が各メーカーから販売されており、Ankerも取得しています。また、Ankerのケーブルは丈夫なことでも知られており、5000回以上曲げても傷がつきません。

AUKEY Lightningケーブル(CB-D24)
スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

Lightningケーブルは様々なメーカーから発売されています。「MFi認証済み」と記載されたAppleが承認しているケーブルが安心です。

microUSBケーブル(Androidスマホ向け)

Anker PowerLine Micro USBケーブル(A8132021など)
スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

microUSBケーブルも何種類か用意されています。0.9m、1.8m、3.0mの3種類があるので、用途を考えて選ぶのがよいでしょう。

エレコム マイクロUSBケーブル(MPA-AMBR2U07など)
スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

microUSBケーブルも巻き取れる製品があります。コンパクトに収まって絡まる心配もありません。

その他

cheero 2in1 Retractable USB Cable with MicroUSB & Lightning(CHE-241)
スマホ 急速充電 充電器 ケーブル おすすめ

microUSBとLightningの両方を接続できる2 in 1タイプのケーブルもあります。iPhoneとAndroidスマホを2台持ちの人なら、荷物を減らすことができます。

構成・文:藤原達矢

編集:アプリオ編集部

取材協力:アンカー・ジャパン