サブスク音楽配信サービスの料金をできるだけ安く抑えたいという人におすすめなのが、楽天ミュージックの「ライトプラン」です。月額500円(税込)とスタンダードプランの約半額程度の料金で利用できます。
ただ料金が安い反面、「30日間で20時間しか再生できない」「フル尺再生できないアーティストがいる」などの制限が設けられています。低価格ゆえのトレードオフの要素は、あらかじめ確認しておかなければなりません。
そこで今回、実際に楽天ミュージックのライトプランを契約して使用してみました。使用感やメリット・デメリット、他プランとの違いなどについて、実体験ベースで解説します。
楽天ミュージックの「ライトプラン」とは? 他のプランとの違いを解説
まずは、楽天ミュージックの「ライトプラン」とは何なのか、その特徴と仕様を一通り確認しましょう。
ライトプラン | スタンダードプラン | 楽天カード/モバイル会員対象プラン | 学生プラン | バンドルプラン | |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 月額500円 | 月額980円 | 月額780円 |
月額480円 |
0円 |
年額5000円 | 年額9300円 | ||||
利用条件 | なし | なし |
楽天カードの保有者、もしくは楽天モバイル(Rakuten最強プラン)の契約者 |
15歳〜25歳の学生 |
楽天モバイル(Rakuten最強プラン)の契約者 |
配信楽曲数 | 制限なし(1億曲以上) | 制限なし(1億曲以上) | 制限なし(1億曲以上) | 制限なし(1億曲以上) | 制限なし(1億曲以上) |
楽曲再生 | 30日あたり20時間まで | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 30日あたり5時間まで |
音質 | 最大320kbps | 最大320kpbs | 最大320kbps | 最大320kbps | 最大320kbps |
登録経路 | ウェブサイト | ウェブサイト | ウェブサイトのみ | ウェブサイトのみ | 楽天モバイル(Rakuten最強プラン)の契約IDで楽天ミュージックアプリにログインする |
アプリ内課金 | アプリ内課金 | ||||
無料お試し期間の適用 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | -(ずっと0円) |
オフライン再生(ダウンロード機能) | △(一部アーティストの楽曲はダウンロード不可) | ◯ | ◯ | ◯ | △(一部アーティストの楽曲はダウンロード不可) |
バックグラウンド再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ラジオ再生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
PodCast(ポッドキャスト) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
プレイリスト作成 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ライトプランでも、配信されている楽曲数や音質、搭載されている機能は他のプランとほとんど変わりません。無料お試し期間や入会キャンペーンも、他のプランと同じように利用できます。
ただし、ライトプランにはひとつ大きな違いがあります。それは「再生時間」に制限があること。30日間で再生できるのは最大20時間までで、この上限を超えると、すべての楽曲が30秒ずつしか聴けなくなってしまいます。また、一部のアーティストの楽曲は、最初からフルで再生できず、30秒の試聴のみというケースもあります。
こうした“ちょっとした制限”がある代わりに、ライトプランは月額500円(年額なら5000円)という手ごろな価格で楽しめるようになっています。
ライトプランを実際に使ってみた
ここからは、筆者が実際に楽天ミュージックの「ライトプラン」を使ってみて、気になった点を正直にレビューします。他プランとも比較しているので、これから楽天ミュージックを契約しようと思っている人は参考にしてください。
ワンコインでサブスク音楽配信サービスを利用できるのは魅力的
ライトプランの月額料金は税込500円。スタンダードプランの半額程度の値段設定です。さまざまな制限があることを差し引いても、ワンコインでサブスク音楽配信サービスを利用できるのは魅力的でしょう。

ライトプランには、さらにお得な「年額プラン」も用意されています。年額プランとは、年間(360日分)の料金をまとめて一括で支払うプランのこと。月額料金を12カ月継続して支払うケースと比較すると、年間で1000円お得です。
ライトプランの年額プラン「5000円」を単純に12で割って月額料金に換算すると、およそ「417円」となります。できるだけお得に使いたい場合には、ライトプランと年額プランの組み合わせも検討してみると良さそうです。
音楽を聴く時間が1日1時間以内なら問題なく使えそう

ライトプランで再生時間の上限を超えた場合に表示される画面
ライトプランは、無制限での聴き放題ができません。30日あたり20時間までという再生時間の制限が設けられており、上限を超えると各楽曲30秒間しか聴けなくなってしまいます。

参考までに、ライトプランで大体どれくらい聴けるか計算してみました。まず、毎日楽天ミュージックで音楽を聴く場合、単純計算で1日およそ40分聴けることになります。仮に1曲5分として曲数で換算すると、20時間で240曲。目安として、1日あたり8曲は聴くことができます。
一方、「平日だけ楽天ミュージックを利用する」という人は、1日あたり1時間(5分換算で12曲)は聴ける計算です。通勤・通学中にのみ音楽を聴くと想定して、職場や学校まで片道30分の距離であれば往復の間はずっと聴いていられます。
フルで聴けない? 30秒しか聞けないアーティストも

ライトプランでは、以下アーティストの一部楽曲をフル尺で再生できません。30日あたりの再生時間が20時間を超えていなかったとしても、最初から30秒間しか聴くことができないのです。
- AI
- Ado
- BTS
- DREAMS COME TRUE
- fromis_9
- GReeeeN
- LE SSERAFIM
- Mrs. GREEN APPLE
- Novelbright
- Perfume
- RADWIMPS
- SEKAI NO OWARI
- back number
- アリアナ・グランデ
- カーリー・レイ・ジェプセン
- クイーン
- クリープハイプ
- ザ・ビートルズ
- ジャスティン・ビーバー
- スピッツ
- テイラー・スウィフト
- ビリー・アイリッシュ
- マルーン5
- レディー・ガガ
- 宇多田ヒカル
- 松任谷由実
- 椎名林檎
- 湘南乃風
- 藤井 風
視聴制限がかかっているのは、人気アーティストの楽曲が中心です。筆者自身、ライトプランを使っていて「楽しみにしていた曲が30秒しか聴けない…」と残念に思う経験が何度もありました。
この“30秒制限”は、ライトプランを選ぶ際に気になるポイントのひとつ。詳しくは後ほど解説しますが、プラン選びの上で大きなネックになり得ると感じています。
とはいえ、対象アーティストのすべての楽曲に制限があるわけではありません。ライトプランでもフルで聴ける楽曲はたくさんあります。たとえば、Mrs. GREEN APPLEの『ライラック』『ダンスホール』『ケセラセラ』、Adoの『唱』『うっせえわ』『新時代』、スピッツの『空も飛べるはず』『チェリー』『ロビンソン』などは、制限なくフル再生が可能です。
全体的には、比較的新しい楽曲に制限がかかっている印象です。
どの曲がフルで聴けるか詳しく知りたい場合は、楽天ミュージックの問い合わせフォームから確認できます。気になる場合は問い合わせてみましょう。
フルで聴けない楽曲はオフライン再生もできない

フル尺再生できないアーティストの楽曲は、オフライン再生もできません。
実際に楽曲をダウンロードしてオフライン再生しようとすると、「この楽曲は現在ご利用のプランではレーベル許諾がないためオフライン再生ができません」と表示されてしまいます。
再生時間が余っても繰り越しできない
30日ごとの再生時間が20時間を超えない範囲で使えるライトプランですが、使いきれなかった時間を翌月に繰り越すことはできません。たとえば、30日間で12時間しか聴かなかった場合、残りの8時間はそのまま消えてしまいます。
繰り越しができないとなると、再生時間の使い方にはちょっと気をつけたいところです。聴きすぎて上限を超えると30秒再生に制限されてしまいますし、逆に節約しすぎても使わなかった分がムダになってしまいます。
無理のない範囲で、上手に調整しながら使うのがコツです。
オフライン再生した時間も「20時間」にカウントされる
再生時間の「20時間」には、ストリーミング再生だけでなく、オフライン再生の時間も含まれます。「ダウンロードした曲だからいくらでも聴ける」と思っていると、意外とあっという間に上限に達してしまうことも。
オフライン再生でも再生時間がカウントされる点には注意が必要です。



残りの再生時間は、楽天ミュージックアプリの「ホーム」タブでメニューボタン
をタップし、[設定]→[アカウント情報]と進むと確認できます。残り時間は次の支払い日(年額プランの場合は30日ごと)になるとリセットされ、また20時間を上限に使えるようになります。
再生時間・一部アーティストの視聴制限以外はスタンダードプランと同様に使える
これまで解説してきたように、ライトプランには月20時間の視聴制限があり、一部アーティストについては30秒以上の再生やダウンロードができません。
しかし、その点を除けば楽天ミュージックの上位プラン「スタンダードプラン」と同等の機能が使えます。

タイアップ曲の特集やプレイリストが充実

バックグラウンド再生も可能
配信楽曲数は1億曲以上でかなり豊富。楽天ミュージックが独自に作成しているプレイリストも国内サービスならではの良さがあり、クオリティの高いものがそろっています。
ドラマやアニメ、CMで使われている最新のタイアップ曲がまとめられていたり、「この曲、どこで聴いたんだっけ?」という楽曲が見つけやすかったりと、選びやすさも魅力です。さらに、TikTokなどSNSで話題の曲を集めたプレイリストも充実しています。
音質やダウンロード機能、バックグラウンド再生といった、音楽を楽しむために欠かせない機能も、ライトプランでしっかり利用できます。もちろん、広告も一切入りません。
安価なプランではプレイリストのランダム再生しかできない音楽配信サービスもありますが、楽天ミュージックならライトプランでも聴きたい曲を自由に選んで、何度でも再生できるのは大きなメリットです。
ライトプランの無料体験中はスタンダードプランと同じ仕様に

楽天ミュージックには、30日間の無料お試し期間があります。ただし、申し込み方法によってその内容が少し異なる点には注意が必要です。
ウェブサイトから申し込んだ場合は、無料期間中にスタンダードプランと同じ機能が使えます。一方で、アプリから申し込んだ場合、無料期間中もライトプランの仕様になります。
ウェブサイトからの申し込みで上位プランの機能を試せるのは嬉しいポイントですが、逆にライトプランの使い心地を事前に確認できないのはやや不便です。
とくに、ライトプランの特徴である「30日で20時間まで」という再生制限や、一部楽曲が30秒しか再生できない制限などは、継続利用を考えるうえで重要なポイントとなります。無料トライアル中は再生時間を意識して使ったり、聴けないアーティストなどについて事前に楽天ミュージックに問い合わせをおこなったりしておくと安心です。
まとめ:一部アーティストの「30秒再生制限」を許せるかどうかが鍵
実際にライトプランを約1カ月間使ってみましたが、「30日あたり20時間まで」という再生時間の制限は、正直そこまで気になりませんでした。そもそもライトプランを選ぶ人の多くは長時間音楽を聴かないケースが多いでしょうし、再生時間に制限があることも了承した上で使っているので、大きな違和感はないでしょう。
一方、楽天ミュージックのライトプランで一番残念に感じたのは、特定のアーティストの楽曲が30秒しか聴けない点です。20時間の再生時間制限は使い方次第で調整できますが、最初から30秒しか聴けないのは対処の仕様がありません。
「ライトプラン」の契約を検討しているなら、前述した30秒再生制限リストの中にお気に入りアーティストがいないか、よくチェックしておくことをおすすめします。逆に、この30秒制限を気にしないなら、ライトプランでも十分満足できるでしょう。