Googleの新フラグシップモデル、Pixel 6シリーズが登場しました。最上位モデルの「Pixel 6 Pro」と、ひとつ下のモデルになる「Pixel 6」がラインナップされています。今回はそれぞれの特徴や違いを踏まえ、どちらを選ぶのが良いか考えていきます。
どちらもSIMフリーで販売されるほか、ソフトバンクからも購入できます。性能を考えると両者ともコスパ良好で、価格はPixel 6 Proの128GBモデルが11万6600円、256GBモデルが12万7600円。またPixel 6は、128GBモデルが7万4800円、256GBモデルが8万5800円。位置づけ的には、Pixel 6 Proが上の中、Pixel 6は中の上といったところです。
比較1:斬新なデザインを採用
Pixel 6シリーズは、斬新なデザインを採用しています。カメラ部分は横長のバーのようになっており、背面の上部に配置されています。
このデザインについては好みの分かれるところでしょう。出っ張りはかなり大きく、真っ黒なので目立ちます。ただ、実際に使ってみると良い点もありました。左右に四角形のカメラを配置するモデルは、机の上に置くと本体が傾いてしまいます。Pixel 6シリーズのバー状のカメラは、左右に傾くことはありません。
Pixel 6 ProとPixel 6は基本的に同じデザインですが、よく見るとカメラの位置が違っており、Pixel 6のほうがカメラが上部分に配置されています。また、本体カラーも違っています。Pixel 6 ProはCloudyWhite、SortaSunny、StormyBlackの3色で、比較的落ちついています。Pixel 6はSortaSeafoam、KindaCoral、StormyBlackで、少しポップなイメージです。
本体周囲のフレーム部分はPixel 6がつや消しの仕上げなのに対し、Pixel 6 Proは光沢仕上げになります。どちらもとても高級で質感がよく、所有欲を満たしてくれます。なお標準のケースは、半透明のシリコーンで本体カラーを活かす仕上がりです。カメラ部分はケースに入れても目立ちます。

Pixel 6 ProはStormyBlackをレビューする

Pixel 6はKindaCoralをレビューする

背面を較べるとカメラ部分の位置が違うことがわかる

フレーム部分の仕上げが違っており、Pixel 6はつや消しだ

標準のケースはシリコーン製で本体のカラーがうっすら見える
比較2:サイズの違いに注目
どちらのモデルを選ぶかを考える際には、まずサイズに注目しましょう。
- Pixel 6 Pro:6.7インチ/163.9×75.9×8.9ミリ
- Pixel 6:6.4インチ/158.6×74.8×8.9ミリ
どちらも大型のスマホであることは間違いありません。手の小さな人は、Pixel 6でもちょっと大きすぎると感じる可能性があります。逆に、大画面モデルが好きな人にはPixel 6 Proがおすすめです。
Pixel 6 Proは、iPhone 13 Pro Maxと較べてもひけをとらないサイズです。注目すべきは重量で、Pixel 6 Proは210グラム、Pixel 6は207グラムとほとんど変わらないのです。キッチンスケールで計測しても、5グラムほどしか差がありませんでした。
手に持つと大きく感じるPixel 6 Proも、鞄に入れてしまえば荷物としての負担感は変わりません。
カメラ部分が大きいことで持っているうちにだんだんと重く感じるのではと思う人もいるかもしれませんが、実際にはほとんど感じません。Pixel 6 Proはサイズの割に軽いので楽に持てます。Pixel 6はややずっしりときますが、そもそも本体が小さめなのでバランスは上々です。

ディスプレイサイズにはそれなりに差がある

Pixel 6は結構重く、ずっしりと感じる

逆に、Pixel 6 Proはサイズのわりに軽く感じる
比較3:ディスプレイの差は大きい
ディスプレイは、サイズ以外にも差があります。
- Pixel 6:6.4インチOLED/1080×2400ドット/411ppi/90Hz駆動
- Pixel 6 Pro:6.7インチOLED/1440×3120ドット/512ppi/最大120Hz駆動
どちらのディスプレイも有機EL(OLED)を採用しています。Pixel 6 Proは解像度が高く、リフレッシュレートも最大120Hzとなります。10〜120Hz駆動を自動で切り替えることで、バッテリーを長持ちさせつつ、表示も快適にできるわけです。
また、Pixel 6 Proのディスプレイは額縁が細く、左右のカドがアールを描いています。アプリによって端のほうが操作しづらいことがあり、好みの分かれるところですが、見た目はとても美しい仕上がりです。
なお、指紋センサーは両モデルともディスプレイ内蔵タイプを採用します。反応も良好で使い勝手は文句なしです。

左のPixel 6 Proのほうが額縁が細い

Pixel 6 Proは、ディスプレイの左右がアールを描いている

両モデルともに、指紋センサーはディスプレイ内蔵タイプを採用
比較4:高性能な独自チップ
Pixel 6シリーズは、「Google Tensor」というGoogleが独自に開発したチップを採用します。ベンチマークで計測すると、Snapdragon 888よりは若干劣る程度の性能だと推定できます。つまり、ハイエンドモデルとして十分なパフォーマンスです。
実際に使ってみても、速度が遅い、処理が重いと感じることはほぼありません。2〜3年使い込んでも快適でしょう。AIを活かしたさまざまな機能も、このチップがあってこそです。Pixel 5は中級クラスのチップを搭載していましたが、Pixel 6は上位機としてリニューアルしたわけです。
メモリはPixel 6が8GB、Pixel 6 Proが12GBとなります。ストレージはどちらも128GBと256GBから選べます。性能は基本的に同じですが、メモリのみPixel 6 Proに余裕があるわけです。なおSIMは、nano SIMとeSIMを組み合わせたデュアルSIMとなります。
バッテリーはPixel 6 Proが5003mAh、Pixel 6は4614mAh。どちらもカタログ値で24時間駆動となります。30Wの充電器で急速充電に対応し、30分で50%まで充電可能。Qi対応のワイヤレス充電にも対応しています。

性能は上々
比較5:カメラは望遠が違う
Pixel 6とPixel 6 Proの違いで最も気になるのがカメラでしょう。
- Pixel 6:50メガピクセル広角カメラ/12メガピクセル超広角カメラ
- Pixel 6 Pro:50メガピクセル広角カメラ/12メガピクセル超広角カメラ/48メガピクセル望遠カメラ
Pixel 6は標準と超広角、Pixel 6 Proは標準、超広角、望遠(4倍)という組み合わせになります。Pixel 6 Proは最大20倍のデジタルズームに対応するのに対して、Pixel 6は7倍です。カメラにこだわるなら、Pixel 6 Proを選んだほうがよいでしょう。

標準カメラで撮影

超広角カメラで撮影。標準と超広角は同じと考えていい

2倍ズームもほとんど違いがわからない

Pixel 6は最大7倍望遠で撮影できる

Pixel 6 Proは光学の望遠で4倍の撮影が可能

Pixel 6 Proのデジタルズームでは最大20倍の撮影に対応する
夜景やポートレートなど、従来から定評のあった機能はもちろん継承されており、とてもきれいに撮影できます。注目したいのが新機能の「消しゴム」で、写真に写り込んだ不要なものを消せます。
また、モーションの「アクションバン」では、動いている被写体を撮影すると背景が流れるように表現できます。この撮影は一眼レフなどで流し撮りをしないと難しかったので、とても素敵な写真に見えるでしょう。誰でも簡単に撮影できます。また、長時間露光にも対応しており、滝や噴水の水を白く写すことができます。

【Pixel 6シリーズ】カメラで比較


消しゴムでボトルを消してみた。複雑なテーブルクロスの模様もうまく消せている

アクションバンで電車を撮影。周囲の景色がスピード感を伝える写真が撮れた。奥も手前も流れているのがすごい

夜景ももちろんきれいに撮れる
まとめ
Pixel 6とPixel 6 Proの違いをさまざまなポイントでまとめました。大画面モデルが欲しい、あるいはカメラにこだわりたい人はPixel 6 Proを選ぶとよいでしょう。
明確なポイントがなくて迷っている人は、Pixel 6でも十分です。ヘビーな使い方をしなければ、メモリの差は気になりません。具体的には、カメラの望遠以外はほとんど違いはないといえるでしょう。ディスプレイの画質がやや劣りますが、並べて比べなければ違いはわからないはずです。
Pixel 6とPixel 6 Proの価格差は4万円以上あります。そう考えると、高性能なPixel 6はかなり割安感があります。逆に、Pixel 6 Proはやや割高に感じます。