「Pixel Watch 2」レビュー、Apple Watchと比較してスペックを解説

Androidスマホユーザーには最良の1台

今回は、Google製のスマートウォッチ「Google Pixel Watch 2」をレビューします。名前を見ればわかるとおり、第2世代に進化したモデルです。Googleストアでの価格は、記事執筆時で5万1800円(税込)となっています。

今回は一部の機能をApple Watchと比較します。ただし、Apple Watchを使うには、iPhoneが必要です。逆に、Pixel Watch 2は、Androidスマホとしか連携できません。つまり、スマホの機種によってどちらかのみしか使えないので、比較して買える人は多くありません。iPhoneとAndroidスマホを2台持ちしている人は、どちらか好みのほう、もしくは両者を使えます。

Pixel Watch 2
Pixel Watch 2
ブランド
Google

丸いフェイスが特徴

Pixel Watch 2 レビュー

Google Pixel Watch 2

Pixel Watch 2の特徴は円形のフェイスです。四角形のApple Watchとは大きく異なります。もちろん、どちらが良いかはお好み次第です。

ただし、ブランド力という点では今のところApple Watchが圧勝しており、街中で見かける機会は大きな差があります。多くの人が認知しているApple Watchに比べ、Pixel Watch 2を手に付けていても、機種を当てられる人はあまりいないでしょう。

なおApple Watchには、今回写真に登場しているApple Watch Ultra 2に加え、Apple Watch Series 9Apple Watch SEの3つが現行モデルとして販売されており、さらに各モデルではケースサイズも選択可能です。

一方のPixel Watch 2は、1モデルのみ。デザインはスタイリッシュでシンプルですが、ゴツイ時計が好みの人には少々物足りないかもしれません。

Pixel Watch 2 レビュー

Apple Watchと比較しながらレビュー

基本機能をApple Watchと比較

  Pixel Watch 2 Apple Watch Series 9
ペアリング Androidスマホ iPhone
バッテリー駆動時間 常時表示で24時間 18時間(低電力モードで36時間)
明るさ 最大1000ニト 最大2000ニト
チップ Qualcomm 5100 S9 SiP
血中酸素濃度
心拍数
心電図
皮膚温度
LTE
耐水 浅い水域 水深50m
決済機能

基本的な機能の違いを簡単にまとめていきましょう。どちらもスマートウォッチに求める機能は搭載しています。

どちらのモデルを使っても、実用上でできないことがあって物足りないと思う場面はあまりないはず。気になるバッテリー駆動時間も、お出かけ前に充電して1日装着するという使い方なら引き分けです。

ただ、両モデルともに睡眠データの計測をしようとすると物足りなさを感じます。ずっと付けていると充電のタイミングがシビアで面倒です。他のスマートウォッチやアクティビティモニターには3日以上駆動するものもあるので、そういった機種で睡眠データだけを計測するように使い分けるのが現実的でしょう。

なお、この表にない機能も、だいたいどちらも利用できると考えて問題ありません。スポーツの計測やメールなどの通知はどちらも利用可能です。

Pixel Watch 2はバンドの種類が少ない

Pixel Watch 2は、ベーシックな「アクティブバンド」付きのモデルのみが販売されています。他にも素敵な標準バンドが用意されていますが、それぞれの組み合わせで買うことはできず追加購入になります。特定のバンドのみを使いたい人には無駄が生じてしまいます。対するApple Watchは、好みのバンドとの組み合わせで購入が可能です。

また、Apple Watchは、市販のバンドやケースに数え切れないほどのアイテムが揃っています。Pixel Watch 2に比べると普及の度合いや歴史の違いがあります。

Pixel Watch 2 レビュー

Pixel Watch 2は、選べる付属バンドの種類が少ない

Pixel Watch 2 レビュー

標準付属のアクティブバンドは長さの異なる2種類がついてくる

充電は専用ケーブルを利用、フル充電まで約75分

Pixel Watch 2は、標準で付属するケーブルをくっ付けて充電します。約75分で100%の充電が可能です。Apple Watchも同様に専用の充電ケーブルを使います。フル充電に掛かる時間は公表されていませんが、1.5〜2時間程度と言われています。

駆動時間は表の通りですが、画面の輝度やデータ通信の利用時間などでも変わってきます。スペック上は多少の差があるものの、どちらも1日使うのには問題ありません。ただ、日常利用では物足りなく感じます。その点、Apple Watchには最大36時間使えるApple Watch Ultra 2という選択肢があります。

充電用のケーブルに関しても、Apple Watchのほうが選択肢が広くなります。Apple純正や市販のケーブル、充電用のアダプターなどが多く販売されており、好みに応じて追加で購入可能です。

Pixel Watch 2は41mmの丸形で、ディスプレイのフチはかなり太く、情報量がやや少なく感じます。Apple Watchも、Apple Watch SEは同様にフチが太く画面の狭さが気になりますが、Apple Watch Series 9などはフチが細く、広い画面で快適に利用できます。

Pixel Watch 2 レビュー

Pixel Watch 2は専用の充電ケーブルが付属する

Pixel Watch 2 レビュー

全画面のアプリを使うとかなりフチが太いことがわかる

ウォッチフェイスは黒基調のデザインを多数用意

さて、ここからはPixel Watch 2の機能を中心に紹介していきます。スッキリした丸形のPixel Watch 2は、ウォッチフェイスの多くが黒ベースでデザインされているために、フチの太さが気になりません。ただ、全体に黒っぽいデザインばかりで、バリエーションは少なく感じます。

Pixel Watch 2では、ウォッチフェイスの変更などは、Android OSの「Watch」アプリを利用します。ところが、運動のデータなどは「Fitbit」アプリを利用します。結果として普通は2つのアプリを使うことになり、慣れるまでかなりわかりにくく感じそうです。

Pixel Watch 2 レビュー

Pixel Watch 2は純正の「Watch」アプリを使う

Pixel Watch 2 レビュー
Pixel Watch 2 レビュー

ウォッチフェイスの種類は多いが、ほとんど黒ベースだ

Pixel Watch 2 レビュー
Pixel Watch 2 レビュー

ウォッチフェイスの雰囲気はかなりよく、縁の太さは気にならない

各種ヘルスケアデータの計測は文句なし、データ管理にやや難点

Pixel Watch 2は、スマートウォッチの計測系機能はフルで搭載しているといっていいでしょう。心拍数はもちろん、血中酸素濃度、皮膚温度の計測もできます。また、睡眠データの記録もできるので、物足りないと感じることはまずありません。

これらのデータは、基本的にAndroidスマホの「Fitbit」アプリで管理します。Fitbitは、無料版とプレミアム版があります。プレミアム版ではマインドフルネスの計測や、睡眠データなども詳細に知ることができます。もちろん、無料版と有料版のどちらを使うかはユーザーの選択ですが、Pixel Watch 2をフル活用するためには、有料版を使いたくなるでしょう。ただし、プレミアム版は毎月640円となかなかの出費になります。

個人的には、サブスクに契約しなくても基本的な計測機能をすべて使えるApple Watchのほうが優れていると感じます。もちろん、Apple Watchも有料の市販アプリでさらに機能を追加することもできます。

Pixel Watch 2 レビュー

センサーは充実している

Pixel Watch 2 レビュー

今回はFitbit Premiumを利用している

Pixel Watch 2 レビュー

睡眠データの計測ができる

Pixel Watch 2 レビュー

心拍数や血中酸素濃度なども計測して管理可能だ

まとめ

iPhoneに最適なスマートウォッチがApple Watchであることは疑う余地がありません。一方のAndroidスマホには、数多くの対応するスマートウォッチが登場していますが、Google製のPixel Watch 2は最良の1台といっていいでしょう。今後は、Androidスマホユーザーの定番スマートウォッチとして人気になっていくと思われます。

ただし、スマートウォッチの定番モデルは、いまのところApple Watchであることも確かです。他のモデルが肩を並べるようになるまでには、相当時間が掛かりそうです。

Pixel Watch 2
Pixel Watch 2
ブランド
Google
構成・文
戸田 覚
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
TOKIWA