2023年も新しいApple Watchが登場しました。新しく発売されたのはスタンダードモデルの「Apple Watch Series 9」と、アクティビティ向けモデルの「Apple Watch Ultra 2」です。今回は「Apple Watch Series 9」をレビューします。
画面輝度が前モデルの2倍にパワーアップ

Apple Watch Series 9
Apple Watch Series 9の最大の進化は、心臓部のチップがスペックアップしたことでしょう。Apple Watch Series 8までのS8チップに代わり、S9チップを搭載しています。基本的には順当な性能アップで、超広帯域チップも第2世代へと進化しています。
ただし、体感での性能アップはさほど感じられないでしょう。S8でも十分に高速だったからです。とはいえ、2〜3世代前のモデルと比べると、明らかに動作がテキパキしています。また、後述するダブルタップなどの新機能が搭載できたのも、このチップあってこそです。

ディスプレイの最大輝度が2倍になった
素晴らしいのがディスプレイの輝度が最大1000ニトから2000ニトへと向上したことです。部屋の中で使っているとあまり違いがわからないかもしれませんが、明るい屋外での見やすさが大幅に向上しています。もちろん、常時表示にも対応しています。
Apple Watch SEと比べるとベゼル(額縁)も細く、高級なモデルであることがひと目でわかります。
新ジェスチャー「ダブルタップ」が利用可能に
親指と人差し指のタップだけで操作できる新ジェスチャー「ダブルタップ」
Apple Watch Series 9では、新しい操作「ダブルタップ」が採用されました。人差し指と親指の指先をあわせるように二度タップすると、電話に出たり通知を開いたりといった操作ができます。音楽の再生や一時停止にも利用可能です。
手が荷物で塞がっているときや、傘を差しているようなときにはとても重宝するでしょう。実際に試してみましたが、反応も良く不思議なほど誤認識もしませんでした。
新しい文字盤も4種類追加、スヌーピーデザインがかわいらしい



新しい文字盤が登場している
例によって今シーズンも新しい文字盤が登場しています。ソーラーアナログ、バレット、スヌーピー、Nikeグローブの4種類です。


なかでもスヌーピーの文字盤は、スヌーピーが文字盤の上で動き回るアニメーションが表示されてとても楽しく、人気になりそうです。
センサーや基本的な機能は変わらない

センサーの変更はない
Apple Watch Series 9も、従来同様の機能は踏襲しています。心拍計や血中酸素レベルのチェックが可能です。また、睡眠の計測機能も搭載します。センサー類は前モデル同様に盛りだくさんに搭載されています。緊急時のSOS通報も引き続き利用可能です。


本体のボタン類は前モデルと同様の配置だ
また、操作に利用するDigital Crownやサイドボタンは、従来と同じように使えるので前のモデルから乗り換えても使い勝手で戸惑うことはありません。もちろん、使いやすさは文句なしです。
バンドの規格も踏襲、過去に購入したバンドが使える

これまでのバンドもそのまま利用できる

バンドは従来同様にスライドして脱着する
Apple Watchは、ユーザーが自由にバンドを交換できるのが人気になっている理由の一つ。街中でも色々なバンドやケースを付けている人をよく見かけます。バンドの規格は前モデルと同様なので、Apple Watch Series 9でもこれまでに手に入れたバンドを使い回すことができます。あたらしく登場したバンドから好みのものを選ぶのも楽しいでしょう。
なおAppleは、2030年までにすべての製品をカーボンニュートラルにすると宣言しており、Apple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2は初のカーボンニュートラル製品となります。
バンドも大きく変わり、これまで販売されていた皮のバンドが姿を消しました。新たに、再生素材を68%利用した「ファインウーブン」と呼ばれる新素材のバンドが登場しています。質感は皮と紙の中間のような手触りでとても素敵です。
また、エルメス製のバンドもApple Storeでは皮のモデルが姿を消し、「Hermes キリムシンプルトゥール」という形成ラバーのバンドが登場しています。こちらも高級感があってとても素敵です。
まとめ
Apple Watchは、モデルが刷新されて継続販売されているのは、Apple Watch SEのみとなりました。Apple Watch Series 9が現在のスタンダードモデルといえるでしょう。やや高価ですが、その価値は十分にあります。性能が向上しているので長期間利用しても、パフォーマンスの低下を感じにくいはずです。
ただし、バッテリー駆動は最大18時間と長くありません。1日すら持たないので、毎日睡眠のデータを計測するのは面倒ですし、旅行などでも物足りなく感じるでしょう。今後は、さらに駆動時間を延ばす進化を望みたいところです。バッテリー駆動時間の少なさが気になるならば、最大36時間駆動するApple Watch Ultra 2を選ぶ手もあります。
今回のモデルチェンジも、例年通りのキープコンセプトなので、外観はほとんど違いがわかりません。そういう意味では、末永く使えるのがApple Watchの特徴といえます。