Google「Pixel Tablet」レビュー、iPadと比較しながら実機をチェック

Pixel TabletとiPadはどちらが買い?

Googleから久しぶりに登場した話題のタブレット「Pixel Tablet」をレビューします。今回はiPadとも比較しながら細部までチェックしていきましょう。

Pixel Tabletは、10.95インチのディスプレイを採用するスタンダードなサイズのAndroidタブレット。本体価格は7万9800円からと、気軽には買えない金額です。その価格分の魅力があるのか、ひもといていきます。

Pixel Tablet
Pixel Tablet
ブランド
Google
発売日

本体は薄くてスタイリッシュ

Pixel Tabletの価格は上位モデル並ですが、本体の質感は良く十分な高級感があります。額縁も程々に細く、約8.1mmとスリムです。背面は陶器のような手触りと仕上げになっています。ちょうどPixel 5のような質感で、本体カラーは、Porcelain(アイボリー系)とHazel(グリーン系)の2色になります。今回はHazelのモデルを使ってレビューします。

重量は493gと、このクラスのタブレットとしては一般的です。ディスプレイは液晶ですが、2560×1600の高い解像度で、最大500ニトと明るく美しいのも特長の一つ。タッチ操作の反応も良好ですし、手触りもするりとしていて気持ちよく使えます。縦横比は16:10と、Androidタブレットでは一般的です。

Pixel Tablet

Pixel Tablet

Pixel Tablet

背面は陶器のような質感で手触りも良好

スピーカーは4つ搭載、電源ボタンに指紋センサーも

Pixel Tabletは、4つのスピーカーを搭載し上々の音質。きれいなディスプレイもあいまって、タブレットで映画や動画を観たい人にはとても向いています。

電源ボタンは本体角に搭載し、こちらは指紋センサーも兼用しています。使い勝手は良好で反応も問題ありません。本体の裏面にはポゴピンが付いており、後述する専用スタンドとの接続に利用します。

チップは、Google独自の「Tensor G2」を搭載します。ゲームにもおすすめでき、性能は高いのですが、Pixel 7と同様のチップなのでそろそろ世代が古くなりそうなのが残念です。

Pixel Tablet

スピーカーは4つ搭載。USB Type-C端子で充電等も可能

Pixel Tablet

電源ボタンに指紋センサーを内蔵する

Pixel Tablet

ポゴピンでスタンドと接続できる

Pixel Tablet

Geekbenchで性能を計測した。スコアは上々だが、そろそろチップの世代が古くなりそうだ

専用スタンドでスマートディスプレイとしても利用可能

Pixel Tabletの最大の特徴は、「充電スピーカーホルダー」が標準で付属することです。ひとことで言うならスタンドで、Pixel Tabletを取り付けて利用できます。

取り付けは磁石で吸着させ、簡単に脱着可能。最大15Wのワイヤレス充電ができるので、取り付けておいてスマートディスプレイとして時計などを表示しつつ、充電もできるというわけです。このスタンドには43.5mmのフルレンジスピーカーを搭載しており、音楽を聴くのにも向きます。つまり、Pixel Tabletは手に持って使わないときにも、部屋に置いて使えるのがコンセプトなのです。

注意したいのは、充電器はスタンド接続の専用タイプのみが付属する点です。USB Type-C端子での充電もできますが、充電器やケーブルは自分で用意する必要があります。

Pixel Tablet

本体の付属品。充電器はスタンドに接続するための専用品だ

Pixel Tablet

スタンドに取り付けた様子。着脱は磁石による吸着なので手軽だ

Pixel Tablet
Pixel Tablet

スクリーンセーバーで時計やアートギャラリーを表示できる。ハブモードで色々な設定が可能

コスパはiPad(第10世代)といい勝負

タブレットと言えばiPadが人気で、今やスタンダードモデルとしての地位を確立しています。一方で最近は、格安なAndroidタブレットがどんどん登場しており、Fireタブレットを含め、iPadよりも下の価格帯の競争が激化しています。

そんななか、Pixel TabletはiPadとガチンコ勝負の価格帯に位置するので、当然比較したくなるでしょう。

iPadはコンパクトな「iPad mini」、高性能な「iPad Pro」のように、画面サイズや性能で色々な選択肢があります。Pixel Tabletは発売されたばかりということもあり、現時点で1機種のみ。8インチなどのコンパクトなモデルの登場も期待したいところです。

コスパはiPadの第9世代のほうが優れています。iPad(第10世代)とはいい勝負です。

大きな設計思想の違いは画面の縦横比です。iPadはより正方形に近い形になります。動画を見るにはPixel Tabletのほうが適切ですが、そもそもiPadはこの縦横比で長年製品をリリースしており、対応するアプリがたくさん登場しています。

Pixel Tablet

iPadとは画面の縦横比が異なる

周辺アクセサリーの充実度はiPadの圧勝

iPadには、周辺機器も大量にリリースされています。Apple純正のケースやキーボードを始め、サードパーティからも数え切れないほどのケースやキーボード、スタンドなどが販売されています。

対してPixel Tabletは、まだ登場したばかりということもあって、これらの製品があまりありません。キーボードは純正品もリリースされていないのが残念です。

USIペンによる手書きに対応しているものの、そもそも手書きのアプリはiPadのほうが数段優れています。またiPadは、OSレベルで手書きに対応していてテキスト化やクイックメモなどが利用可能と、こちらもかなり差があります。

現時点では、タブレットをスマートディスプレイとしても使いたい人や、そもそもAndroidのタブレットが欲しい人を除くと、iPadよりPixel Tabletをおすすめする理由は見当たりません。

Pixel Tablet iPad

iPadには、各社からさまざまなアクセサリーが販売されている

まとめ

Pixel Tabletは、高性能なタブレットとして十分魅力的な製品です。本体の質感も高く、性能も上々で欠点はほとんど見当たりません。しかし、先進性があまり感じられないと考える人もいるでしょう。そもそも、スマートディスプレイとして使うタブレットは、AmazonのFireタブレットが先行しています。ハードウェアとしても斬新な点はありません。

またPixel Tabletは、128GBで7万9800円(税込)、256GBで9万2800円(税込)と価格が魅力的なわけでもないのです。専用スタンドが付属する点においてのみ、コスパでやや優位になっていると言えます。

結論として、Pixel Tabletを急いで買う必要はないでしょう。ペンやキーボード、他社製のカバーなどが出そろってから検討しても遅くありません。また、Googleは自社デバイスのセールをたまに実施するので、安く買えるタイミングを狙ってもよさそうです。

Pixel Tablet
Pixel Tablet
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Google
発売日
構成・文
戸田 覚
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
TOKIWA