Pixel 7 / 7 Proをレビュー、最新チップ Tensor G2の実力は?

Pixel 7は8万円台からと手ごろな価格

Google製のAndroidスマートフォン「Pixel」シリーズは毎年新モデルが発売されています。秋にメジャーな製品が登場し、春夏頃に廉価モデルが出てくるのがパターンになっています。今回もメジャーな新製品「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」が登場したので詳しくレビューします。

今やPixelシリーズは、Androidスマホの中でも大人気のモデルになっています。新製品を待ち望んでいた人も多いでしょう。期待を裏切らない素敵な新製品に注目してください。

価格は少々値上がりした

Pixel 7の価格は8万2500円(税込)から、Pixel 7 Proは12万4300円(税込)からとなっています。前モデルにあたるPixel 6は7万4800円(税込)から、Pixel 6 Proは11万6600円(税込)からでした。

それぞれ若干値上がりしているのですが、その差は1万円もありません。円安などの状況やさまざまな製品が値上がりしていることを考えると妥当な価格でしょう。Androidスマホの上位モデルは20万円を超える製品も増えていることを考えると、比較的手ごろな製品といえます。

なお、旧モデルとのサイズ感が少し違っているので下表にまとめておきます。特に、Pixel 7がコンパクトになったのは嬉しいと感じる人も多そうです。

  Pixel 7 Pixel 7 Pro Pixel 6 Pixel 6 Pro
ディスプレイサイズ 6.3インチ 6.7インチ 6.4インチ 6.7インチ
本体サイズ 154.9×74.8mm 162.6×75.9mm 158.6×74.8mm 163.9×75.9mm
Pixel 7 Pro
Pixel 7 Pro

Pixel 7 Proは大画面の上位モデル

Pixel 7
Pixel 7

Pixel 7はスタンダードモデルだが、画面サイズは十分大きい

Pixel 7

データ転送用の変換アダプターとケーブルが付属。充電器はつかない

金属仕上げでより洗練されたカメラバーデザインに

Pixel 6からカメラ部分がバーのようなスタイルを採用しています。Pixel 7も基本的な形は共通ですが、カメラ部分の仕上げが変わりました。Pixel 6シリーズはカメラ部分がガラスで、レンズも目立たないようになっていた一方、Pixel 7はカメラ部分が金属で覆われています。この金属の仕上げはボディのフレームと同じで、ボディフレームからカメラが連なっているように見えます。より洗練された上質なデザインに進化したといえるでしょう。

Pixel 7 Proは望遠カメラを追加で搭載しているので、カメラ部分の見た目がだいぶ違います。また、ガラスの縁がラウンドしているタイプを採用しています。

本体カラーは両モデルとも数色用意されていますが、どれも非常に美しい仕上げです。Pixel 7 ProはObsidian(黒)、Snow(白)、Hazel(グレー)の3色。Pixel 7はObsidian(黒)、Snow(白)、Lemongrass(グリーン)です。カラーによってフレームとカメラ回りの仕上げも変わります。

Pixel 7

カメラ部分の造形が違う。Pixel 7 Proはレンズの切れ込みが1つ多い

Pixel 7

Pixel 7 Pro(上)は、ディスプレイの縁がアールを描いている

Pixel 7

Pixel 7のカラーバリエーション。画像のオブシディアンとスノー以外にも、レモングラスも用意されている

Pixel 7

Pixel 7とPixel 7 Proは本体サイズが違うがデザインは似ている

チップはどちらも「Tensor G2」を搭載

Pixel 7とPixel 7 Proは同じGoogle製のチップ「Tensor G2」を搭載しています。RAMは、Pixel 7が8GB、Pixel 7 Proが12GBとなります。RAMの容量が最大の違いとなるものの、体感上の速度はほとんど変わらないでしょう。多くのアプリを同時に動かすと、Pixel 7 Proのほうが快適になる可能性が高いのが違いです。

性能はAndroidスマホの中では上位といえますが、1番と言うよりは3本指に入ると考えたほうが良いでしょう。ベンチマークのスコアは、Snapdragon 888程度です。ひいき目に見てもSnapdragon 8 Gen1程度なので、Snapdragon 8+ Gen1には及びません。

  Pixel 7 Pixel 7 Pro
ディスプレイサイズ 6.3インチ 6.7インチ
解像度 1080×2400 1440×3120
リフレッシュレート 最大90Hz 最大120Hz
輝度 最大1000ニト(ピーク時1400ニト) 最大1000ニト(ピーク時1500ニト)

Pixel 7 Proのディスプレイのほうが数段優れていますが、実用上Pixel 7で不満に思うことはないでしょう。写真の画質などにこだわる人は、Pixel 7 Proをおすすめします。

Pixel 7

ディスプレイサイズはPixel 6シリーズより差が大きい

Pixel 7
Pixel 7

Pixel 7(左)とPixel 7 Pro(右)のベンチマークスコア。スコアはほとんど変わらない

指紋センサーは反応良好に

Pixel 6シリーズであまり評判が良くなかったディスプレイ内蔵指紋センサーは、快適に使えるようになっています。しばらく利用していますが、特に遅く感じたり、認識率が悪いと思ったりしたことはありません。また、新たに顔認証も追加されて、両者を併用できます。

SIMは、eSIMとnanoSIMのデュアルSIMという最良の構成となっています。普段はnanoSIMを利用して、海外旅行の際は現地の安価なeSIMをオンラインで設定するなど、いろいろと工夫できそうです。

Pixel 7

指紋センサーは反応が良好で、顔認証も搭載している

Pixel 7

nanoSIMとeSIMという組み合わせは最良

カメラは順当に進化

Pixel 7シリーズのカメラは順当に進化しています。今回は、Pixel 6と比較します。ただし、大きく変わった印象はありません。Pixel 6でも十分にきれいなので、少し良くなった程度だと考えるとよいでしょう。

Pixel 7 Pro

色合いまでそっくりに撮影できた。どちらも十分に美しい

Pixel 7 Pro

超広角の比較もほとんど差はない

Pixel 7 Pro

望遠も同じカメラで撮ったかと思うほど変わらない

Pixel 7

Pixel 7 Proは、5倍の光学ズームが可能だ

Pixel 7 Pro

標準レンズで夜景を撮影した。Pixel 7 Proのほうが砂の色合いが自然だ

Pixel 7 Pro

超広角で夜景を撮影。Pixel 7 Proのほうが空が明るい

シネマティックぼかしやボケ補正など、カメラの機能は魅力的

新たに搭載されたカメラ関連の機能も少し紹介しましょう。動画撮影のシネマティックぼかしは、静止画のポートレートのように背景をぼかした動画を撮影できます。ピントを合わせる被写体を指定して周囲をぼかせるので非常に美しい動画が撮れます。

撮影した写真がぼやけているときに修正する機能も搭載されました。ちょっとぼけている程度の写真ならくっきりと修正できます。

シネマティックぼかしでは、背景をぼかした動画を撮れる

Pixel 7

写真のぼけを補正する機能を搭載した

Pixel 7
Pixel 7

写真のぼけ補正前(左)と補正後(右)。ずいぶんくっきりと修正できている

まとめ

Pixel 7シリーズは非常に魅力的に進化したといえるでしょう。高性能なチップに素晴らしいカメラを搭載し、価格も現実的。ボディの高級感も文句なしです。

下取りの価格が高いのも魅力です。たとえば、Pixel 6を下取りに出すと5万円の査定がつく可能性があります。iPhone 11でも4万円程度の下取りとなります。買い換えを考えている人にはとても魅力的です。

構成・文
戸田 覚
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
TOKIWA