禁断の関係から真実の愛へ、野島伸司らしさがつまったドラマ『パパ活』

禁断の関係から真実の愛へ、野島伸司らしさがつまったドラマ『パパ活』

「パパ活」という言葉を知っていますか。カラダの関係なしで、中年男性が若い女性とデートすることで小遣いを稼ぐ行為を指しますが、近年、一部の女性の間で密かに流行しているそうです。

お金は誰でもほしいですし、援助交際ほど危険さもない手軽さが受けているのでしょうか。

とはいえ、良い印象を持っている人は多くはないはず。中年男性については「いい年こいて娘ほどの年の離れた子と遊ぶなんて……」と思うでしょうし、女性側にも「カラダの関係がないとはいえ、いかがわしい」という視線をどうしても持ってしまいがちです。

でも、そんな出会いからでも生まれる本当の恋も信頼もある。動画配信サービスのdTVFODで配信されているオリジナルドラマ『パパ活』は、現代的な問題を題材としながら、それが心のピースが欠けた人にとっての救いになるかもしれない様を描いています。

ドラマ パパ活

「パパ活」から始まる本当の愛

母子家庭で育った女子大生・杏里(飯豊まりえ)は、ある日に母親とケンカし、家を追い出されてしまいます。行くあてもなく、半ば自暴自棄になった杏里は友人から聞いたパパ活サイトに登録し、そこで大学教授の航(渡部篤郎)と出会います。

女子大生と大学教授という禁断の関係ながら、2人は互いの心の隙間を埋める存在となっていきます。

父親の愛を知らない杏里に、娘を事故で失った航。それぞれの人生で失われた存在に近しい間柄な2人は、はじめは真似ごとの親子関係であったところから、やがて本当の愛情が芽生えていきます。

飯豊まりえさんが、良い意味で「普通」っぽい女子大生を好演しており、パパ活は特別な人だけがやるものではないということを感じさせてくれます。一方で、渡部篤郎さんが演じる航からは、社会的地位や成功が必ずしも幸せにつながらないことが伝わってきます。

ドラマ パパ活

本作の脚本は野島伸司氏。『高校教師』や『家なき子』などセンセーショナルな題材のなかに、人と人とのつながりの大切さを描くことが多い作家ですが、『パパ活』でもそのセンスはいかんなく発揮されています。杏里と航だけでなく、航の妻や親友などをも巻き込んで、二転三転する予測不能なドラマが展開していきます。

どんな形であれ、自分を必要としてくれる存在に出会えるのは素晴らしいこと。パパ活を推奨するわけでは決してありませんが、「現代社会の闇」と思われがちな事象にも救われることがあるんだと、人生の奥深さを感じさせるドラマです。

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構成・文:杉本穂高

編集:アプリオ編集部