アラサー女子が挑む無茶ぶり婚活劇──ドラマ『サバイバル・ウェディング』

アラサー女子が挑む無茶ぶり婚活劇──ドラマ『サバイバル・ウェディング』

「なんであの子が結婚できて私ができないの?」「この中途半端な関係いつまで続くの?」。結婚という名の答えが欲しい全女子に捧げる、名解答ドラマの誕生です。

​​ドラマ「サバイバル・ウェディング」は、寿退社した翌日にまさかの婚約破棄。一夜にして無職の独り身になってしまった主人公が、超ナルシストの変人編集長に叩き上げられる、まさに女の生き残りをかけた婚活コメディです。

​​「婚活コラムを書いて半年以内に結婚しろ。結婚できなきゃクビだ」。サラリーマン向け雑誌の編集者をしていたガッツ系女子・さやか(波瑠)に無理難題を吹っ掛ける、人気女性誌のカリスマ編集長・宇佐美(伊勢谷友介)。

​​スタイルも顔も良いのに、なぜか前髪はパッツン。歯に衣着せぬ物言いで周囲は引きまくりですが、宇佐美のアメとムチが全10話でさやかの人生観を大きく変えていきます。

​​電車で1時間かけて会いに行き、彼の部屋を掃除して、嫌だったのに婦人警官のコスプレまでした4年間。それは男のニーズを満たしているのではなく、言いなりになっていただけ。そう気付かせてくれた上司が繰り返し説くのは、本当の意味で自分を愛する方法です。

​​他の誰かではなく、自分を愛する婚活って何だろう。心に刺さる人生訓と、自分のためのファッションを知るヒントが散りばめられた、観た後にちょっと大人になれるストーリーです。

婚活×仕事。さやかに課された半年間のドタバタ武者修行

​​男性誌の編集部に勤務する黒木さやか。自身が担当するグルメ記事も好評の中、4年付き合った和也(風間俊介)との婚約を機に寿退社を迎えます。30歳目前の滑り込み婚。幸せを噛み締めたその夜、ベッドの中から出てきたのは見知らぬ女性の下着でした。唖然とするさやかに、和也はまさかの婚約破棄を告げます。
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​​突然の婚約破棄のショックに加えて無職で金欠。自分史上最大のピンチを迎えたさやかは、前の職場に頭を下げ、復職を願い出ます。そこで紹介されたのは、他部署である女性向けライフスタイル誌の「riz」編集部。しかも、ブランド服に身を固めた怪しい敏腕編集長・宇佐美が出した採用条件は「半年以内に結婚すること」「婚活の体験談を連載すること」。拒否権なし、できなければクビのあり得ない強制婚活でした。
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​​「お前がなぜ男に捨てられたのか教えてやろう。お前が安いからだ」。毒舌・宇佐美がまず最初にさやかに命じたのは、自分の価値を高めること。和也からの連絡を2週間無視して相手の不安を煽り、次に会った時には30分で切り上げて別の男のところに行け。あまりに無謀な指示にさやかは困惑し反論しますが、揺らがない宇佐美は突然、エルメスの優れた経営戦略について語りだします。

宇佐美のわかりにくい愛情と、一生懸命なさやかがとにかく愛おしい

ドラマ サバイバル・ウェディング 動画配信

​​モナコ王妃となった女優、グレース・ケリーの名を取った「ケリーバッグ」。ネーミングを変えて相対的な価値を上げ、特に目立たなかったバッグを爆発的にヒットさせたエルメスのエピソードから、物差しの当て方次第でモノの価値が大きく変わることを説く宇佐美。

​​魅力的な男といる現場を見せて自分の価値を上げろ。婚活最初のミッションはまるで安っぽい恋愛指南のようですが、すべては宇佐美の戦略。拒否権のないさやかはぶんぶん振り回されます。

​​男受けする服なんて着たくない。駆け引きなんてしない。不器用だけど真っ直ぐで、素直ゆえに周囲の人間に振り回されるさやかに、飾らない等身大の自分を見ているような気持ちになる女性も多いかもしれません。

​​面白いのは、心境の変化と共に更新されていくさやかのコーディネート。男性誌の編集部にいた頃のメンズライクな古着ファッションが、「riz」編集部に入ると徐々にトレンドを意識するように。広告代理店の年下超爽やかイケメン・祐一(吉沢亮)との恋が発展すると、誰かの受け売りではない自分発信の「愛されコーデ」にシフトしていきます。女としての成長はまさにファッションに表れる。果たして自分はどうなのかな、と振り返りたくなります。

婚活コラムを書き上げる頃、さやかは誰を、そして何を選択するのか。「スパルタ婚活」が結婚と人生に対する感度をぐっと引き上げてくれる、生きるためのエッセンスに溢れたハートフル・コメディです。

動画配信サービスのHulu(フールー)では、『サバイバル・ウェディング』の全話が見放題です(2018年9月28日時点)。