岩田剛典演じる謎の自由人がダメ従業員達と巻き起こす奇跡──ドラマ『崖っぷちホテル!』

岩田剛典演じる謎の自由人がダメ従業員達と巻き起こす奇跡──ドラマ『崖っぷちホテル!』

顔が怖いフロントマンに、役に立たない客室係、トイレットペーパーを持ち帰る清掃係と競艇にしか興味がない料理長。そして、威厳ゼロの総支配人。そんな崖っぷちに追い込まれた落ち目ホテルに、運命を変える珍客が訪れました。

ドラマ『崖っぷちホテル!』は、過去に栄華を極め、今は廃れてしまった老舗ホテルが、謎多き一人の男に根っこから叩き直されて大逆転を狙う、笑いたっぷり時々涙ありのドタバタ劇です。

ドラマというよりは舞台に近い印象のシチュエーション・コメディ。連ドラ初主演の岩田剛典(三代目J Soul Brothers/EXILE)、戸田恵梨香ら主演俳優を取り囲むのは、くっきー(野生爆弾)、チャド・マレーン、宮川大輔といった個性派芸人が演じるホテルスタッフ。そして、渡辺いっけい、鈴木浩介といった大真面目なのに笑えるベテラン俳優陣のコミカルなやり取りに、終始クスッと笑いが止まりません。

動画配信サービスHulu(フールー)では、『崖っぷちホテル!』の全話が見放題です(2018年8月1日時点)。

変人・宇海とキャラ濃い目のスタッフ達が巻き起こす大逆転劇

岩田剛典演じる謎の自由人がダメ従業員達と巻き起こす奇跡──ドラマ『崖っぷちホテル!』

郊外にひっそりと佇むホテル『グランデ・インヴルサ』は、かつての高級ホテル。今や総負債額は約3億。スタッフは誰一人やる気はなく、身売りを目論む副支配人や事務責任者は口を開けばお金の文句ばかり。ただ一人、創業者の娘である若き総支配人・桜井佐那(戸田恵梨香)だけは、途方に暮れながらもどうしたらホテルを再建できるか真剣に悩んでいました。

そんなある日、ホテルのロビーで居眠りを始めたGジャンにスウェット姿の若い男。宇海直哉(岩田剛典)と名乗るこの男ですが、佐那に突然スイートルームで宿泊したいと申し出ます。1泊22万円の部屋に似つかわしくない身なりながら、お客様のご要望なら断るわけにはいかない、と承諾する佐那。

ところが部屋に通すや否や、宇海は聞いたこともないタイトルの雑誌を20冊も注文。さらには4月で落ち葉にまみれた中庭のプール清掃を要求し、どこも汚れていない自分の靴を磨くよう指示。挙句、飲まないのにコーヒーをポットで何度も注文します。嫌がらせのような態度に副支配人の時貞(渡辺いっけい)やバー責任者の枝川(りょう)などスタッフのイラつきは頂点に。

一方、ホテル雑誌を読んでいた事務責任者・丹沢(鈴木浩介)は、あるページを見て慌てふためきます。そこで明らかにされた宇海の正体、謎の行動の意味、そしてそれを知った佐那の驚くべき決断とは。

自由奔放なのになぜか説得力のある宇海と弱気な総支配人の凸凹タッグに注目

岩田剛典演じる謎の自由人がダメ従業員達と巻き起こす奇跡──ドラマ『崖っぷちホテル!』

思わず「向いてないのかな」と呟く佐那に「そうかもしれないですね」と即答し、ホテルの感想を聞かれれば「人から素敵なプレゼント箱をもらって開けてみたら最悪な物ばかり詰め込まれていた。そんな嫌がらせを受けた気分です」と、どこか信念を感じさせながら、満面の笑顔で断言する宇海。岩田剛典が少年のような爽やかさで繰り広げる愛のムチは、もはや爽快感すら覚えます。

さらに、佐那を演じる戸田恵梨香の自信なさげながらも凛とした雰囲気も、父が築いたホテルを大切にしたい娘の気持ちがしっかり伝わってきます。独断で割と思い切ったことをするのに、「完全に勢いだった……」「絶対みんな怒ってるよな……」と、基本ネガティブですぐ一人反省会をしてしまうところも、観ている側は思わず共感&応援モードに。

岩田剛典演じる謎の自由人がダメ従業員達と巻き起こす奇跡──ドラマ『崖っぷちホテル!』

「向いてるとか向いてないとかどうでもいい事じゃないですか。やればいいじゃないですか。やりたいことを」。なぜか居座ることになった宇海の何気に深い指摘の数々は、佐那やホテルの運命をこれまでとは違った方向に導いていきますが、その道のりはゴタゴタだらけ。

でも、ホテル名の「Grande Inversao」は、日本語で「大逆転」 の意味。思い通りにいかない時、いまいち元気が出ない時にこそ観たくなる、発想の転換がもたらすどん底からの大復活ストーリーです。