Netflixをよく利用しているユーザーであれば、作品のダウンロード機能を使ったことのある人もいるでしょう。事前に映画やドラマをダウンロードしておけば、飛行機の中のようなオフライン環境下であってもNetflixのコンテンツが楽しめます。
便利なダウンロード機能ですが、せっかく使おうと思ったのに正常にダウンロードできていなかったという声も耳にします。実はNetflixのダウンロード機能はいくつかの制限があり、それを逸脱してしまうとダウンロードができないようになっています。
そこで本記事では、Netflixで作品のダウンロードができないときによくある原因とその対処法を解説していきます。
本検証では、Androidスマホ(Google Pixel 3a)のNetflixアプリを使用して検証しています。iPhone版のNetflixアプリで表示される警告文に一部表現が異なるものがあるので、別途注釈で付記します。
「ビックリマーク」が出たらダウンロードに失敗している
ダウンロード失敗時に表示されるビックリマーク
何らかの理由でダウンロードに失敗した作品は、「ダウンロード」タブ内でオレンジ色のビックリマークが表示されます。このビックリマークをタップすると、なぜダウンロードに失敗したのかを警告文で確認できます。
ダウンロードに失敗してしまったら、まずは落ち着いてその理由を確認しましょう。
【Netflix】動画ダウンロード・オフライン再生機能で知っておきたいこと 全解説【iPhone/Android】
【原因1】端末の空き容量が不足している
スマホのストレージに空きがなかったときの警告文
作品の長さや画質の設定にもよりますが、作品をダウンロードする際に数百MB〜1GB程度の容量を必要とします。当然ながらダウンロード機能を使う端末のストレージに空きがなければ、Netflixのコンテンツをダウンロードできません。
端末のストレージは、それぞれの端末の設定からの確認はもちろん、Netflixアプリからも確認できます。
左:「その他」タブから[アプリ設定]右:「内部ストレージ」で容量の確認が可能
Netflixアプリを開き、「その他」タブから[アプリ設定]を選択します。「ダウンロード」内の「内部ストレージ」で自身の端末の空き容量を確認できます。なお、青色のメーターで示されているのが、Netflixでダウンロードした作品が占めている容量です。空き容量はゲージの右端に白いメーターで示されています。
iPhone版アプリでは「このデバイスには十分な空き容量がありません。(10014)」と表示されます。
対処法
端末内のアプリや写真などを削除してストレージの空きを作りましょう。数GB程度の空きがあれば、問題なくダウンロードができるでしょう。
Androidスマホの容量不足を解消する方法まとめ──いっぱいになった内部ストレージの空き容量を増やす基本テク
iPhoneの容量不足時に空きストレージを増やす方法 全まとめ
すでにダウンロードしている他の作品があれば、それらを削除しても容量の確保は可能です。
ダウンロードした作品を削除する手順は、まず「ダウンロード」タブを開き、画面右上のペンマークをタップします。するとダウンロードした各作品の右横にチェックボックスが出現するので、消したい作品を選択し、ペンマークに代わって現れたゴミ箱マークをタップすればOKです。
【原因2】端末がWi-Fiに接続していない
Wi-Fiに接続されていないときの警告文
Netflixアプリの初期設定では、端末がWi-Fiに接続しているときのみダウンロードできるよう設定されています。そのため、モバイルデータ通信でダウンロードをしようとすると、エラーメッセージが表示されダウンロードがおこなわれません。
対処法1:端末をWi-Fiに接続する
Netflixで作品をダウンロードしたい端末をWi-Fiに接続しましょう。ただし、無料Wi-Fiへの接続ではダウンロードができない場合もあります(詳細は後述)。
対処法2:Netflixアプリのダウンロード設定を変更する
左:「その他」タブから[アプリ設定]右:「Wi-Fiのみ」をオフにする
Netflixアプリの設定で「Wi-Fiのみ」のスイッチをオフにすると、モバイルデータ通信でも作品のダウンロードが可能になります。ただし、ダウンロードの際に発生する通信量が大きいので、データ通信量を気にする人はダウンロード設定を「Wi-Fiのみ」のままにしておくことが推奨されます。
【原因3】作品のダウンロード回数が上限に達している
左:残りのダウンロード回数に関する警告文右:制限回数を超えると1年間ダウンロードできない
Netflixでダウンロードできる作品は、制作会社等とのライセンス権のため年間でダウンロードできる回数が制限されているものがあります。具体的な回数は作品によって異なり、ユーザーによる確認はできません。しかし、ダウンロードできる回数が残り1回になると、ダウンロードの際に警告文が表示されます。
対処法
各作品に設定されているダウンロードの回数制限を超えてしまった場合、同一のアカウントでは1年間その作品をダウンロードできません。どうしてもダウンロードしたい場合は、別のアカウントでログインしなおすしか方法はありません。
なお、ストリーミング再生であればダウンロード制限回数を超過した状態でも作品を楽しめます。
【原因4】ダウンロードした作品数が上限に達している
ダウンロードした作品数が多すぎるときの警告文
Netflixでは、1つの端末にダウンロードできる作品数が100点までに設定されています。1つの端末に100点より多くの作品をダウンロードしようとすると、ダウンロードに失敗し、他の作品を削除するよう警告文が表示されます。
iPhone版アプリでは「ダウンロードした作品が多すぎます。作品を削除して、再度お試しください。(10016-22005)」と表示されます。
対処法1:他の作品を削除する
端末に保存した作品数が100点に達してしまっているときに、新しく作品をダウンロードしたいのであれば、すでに見た作品や優先度の低い作品を削除しましょう。削除しても制限回数内であれば再びダウンロード可能。当然、ストリーミング再生でも見られます。
対処法2:他の端末にダウンロードする(ベーシックプランは不可)
スタンダードプランかプレミアムプランを契約している人は、2台目の端末にも作品のダウンロードが可能です。スタンダードプランでは2台まで、プレミアムプランでは4台までの端末に作品のダウンロードができます。
ただし、別の端末で作品をダウンロードしたとしても同一のアカウントからのダウンロードとなるため、作品ごとのダウンロード制限回数に注意が必要です。
ベーシックプランでは1台の端末にしか作品をダウンロードできないため、この対処法は使えません。
【原因5】作品がダウンロードに対応していない
ダウンロードボタンがない作品
詳細画面にダウンロードボタンが表示されていない作品は、Netflixのダウンロード機能に対応していません。これは作品のコンテンツ権が他社に独占されていたり、権利をコンテンツの提供会社から購入できなかったりすることに起因しているようです。
対処法
ダウンロード機能に対応していない作品をダウンロードする方法はありません。待っていてもダウンロードできるようになる保証はないので、ストリーミングで見てしまうのがよいでしょう。
【原因6】使用端末がダウンロード機能に対応していない
Netflixでダウンロード機能が使える端末は、以下のとおりです。
- iOS 9.0以降を搭載したiPhone、iPad、iPod touch
- Android 4.4.2以降を搭載したスマートフォンやタブレット
- Fire OS 4.0以降を搭載したAmazon Fireタブレット
- Windows 10バージョン1607(Anniversary Update)以降を搭載したタブレットやPC
上記に当てはまらない端末やブラウザからの利用では、ダウンロード機能を使用できません。また、MacではNetflixのアプリがリリースされておらず、ブラウザからの使用に限られてしまうため、ダウンロード機能は非対応です。
対処法
自身の使っている端末が、ダウンロード機能に対応しているものか確認しましょう。それに加えてOSが最新のバージョンにアップデートされているかを確認し、古いバージョンであったらアップデートします。
【原因7】ダウンロードに使用している端末の数が制限を超えている
作品をダウンロードした端末数が制限を超えたときの警告文
ダウンロード機能を同時に使える端末数は、Netflixの契約プランごとに異なります。
契約プラン | 登録できる端末の台数 |
---|---|
ベーシックプラン | 1台 |
スタンダードプラン | 2台 |
プレミアムプラン | 4台 |
各プランごとに設定された台数を超えて作品をダウンロードしようとすると、ダウンロードに失敗してしまいます。
iPhone版アプリでは「ダウンロードしたデバイスが多すぎます。別のデバイスにダウンロードした作品を削除するか、こちらからプランを変更してご対応ください:netlix.com/changeplan(10016-23000)」
対処法1:他の端末のダウンロード作品を削除する
すでに他の端末で作品をダウンロードしている場合は、その端末上に保存されている作品をすべて削除することで、また別の端末でダウンロード機能が使用できるようになります。
ただし、端末に1本でも保存した作品が残っていると1台使用しているカウントになってしまうので、必ずすべての作品を削除するようにしてください。
左:「その他」タブから[アプリ設定]右:[ダウンロードをすべて削除]で作品の全削除が可能
Netflixアプリで、「その他」タブ内の[アプリ設定]から[ダウンロードをすべて削除]をタップすると、わざわざ複数の作品を選択しなくてもワンタップで全削除が可能です。
対処法2:契約プランを変更する
現在契約しているプランで設定されている台数よりも多くの端末でダウンロード機能を使いたい場合は、契約プランを変更(アップグレード)しましょう。NetflixのWebサイトから、いつでもプランを変更できます。
左:App Storeの「アカウント」画面で[サブスクリプション]をタップ中:Netflixを選択する右:他のプランを選べば変更が可能
なお、iTunesを経由してNetflixの支払いをおこなっているiPhoneユーザーは、App Storeの「サブスクリプション」からの変更もできます。ただし、現在はiTunesを経由したNetflixへの新規登録はできなくなっています。
【原因8】Netflixアプリのバージョンが古い
端末にインストールされているNetflixアプリのバージョンが古いと、ダウンロード機能に対応していない可能性があります。
対処法
Netflixアプリを一度アンインストールしてから再度インストールすると、最新バージョンのアプリがインストールされます。
【原因9】VPNやプロキシサーバーを使用している
VPNやプロキシサーバーは、ネットワーク通信の安全性を高めるために使われます。身近な例でいうと、駅やショッピングセンターのような施設の無料Wi-Fiや、職場などでのネットワークに使われていることが多いです。
Netflixでは、VPNやプロキシサーバーを介した接続を検知すると、ストリーミングを含めてすべてのコンテンツの利用ができなくなります。
その理由は、Netflixの提供するコンテンツが国や地域によって内容が異なるためです。VPNやプロキシサーバーは、通信のセキュリティを高めるために、ユーザーの位置情報を秘匿したままのアクセスを可能にします。この状態だと、Netflix側はユーザーがどこの地域からアクセスしているかが判定できないため、一律で無効にしているようです。
対処法
対処法としては、VPNやプロキシサーバーを無効にする方法か、そのような設定がされていないネットワークから接続する方法があります。
検証端末:Google Pixel 3a(Android 10)