「Suica」アプリをインストールして会員登録を済ませておくと、スマホだけでJR在来線に乗車できます。さらにJR在来線のグリーン車や新幹線(東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸)にも乗車可能。Suicaグリーン券やモバイルSuica特急券なども、スマホで購入・利用できるようになるからです。
しかし、これまで物理的なSuicaのICカードを使ってきて不満がなかった人は、「Suica」アプリを使うメリットを今いち把握できていないかもしれません。また、初めてSuicaグリーン券を使ってみようとしても、ちょっと不安になったり、買い方や乗り方が分からなかったりするユーザーは少なくないでしょう。
そこで今回は、「Suica」アプリでJR在来線のグリーン車に乗るメリットを紹介し、実際に乗車する方法を解説します。
Suicaアプリでグリーン車に乗る3つのメリット
Suicaアプリでグリーン車に乗るメリットを3つ紹介します。
メリット1:SuicaのICカードが不要
SuicaのICカードを持ち歩く必要がなく、スマホで改札を通って乗車できます。改札を通る際に財布やパスケースを出す煩わしさもありません。
メリット2:Suicaアプリを操作するだけでSuicaグリーン券を購入できる
SuicaのICカードでグリーン車を利用する場合、Suicaグリーン券売機に並び、Suicaグリーン券を買う必要があります。しかし、Suicaアプリを使えば、手元のスマホでSuicaグリーン券を購入できてしまいます。Suicaグリーン券は当日中有効で、駅に入る前に購入しても構いません。
メリット3:モバイルグリーン料金(事前料金と同額)が適用される
値段は購入日や乗車距離の他に、購入タイミングによっても異なります。乗車前に買う「事前料金」に比べ、乗車後に買う「車内料金」は、一律220円割高になります。しかし、Suicaアプリを利用すれば、乗車後でも事前料金で購入が可能です。

グリーン券の料金表
この点、Suicaアプリで購入できるモバイルグリーン券は常に事前料金と同額が適用されます。しかも、たとえグリーン車に乗り込んで発車してしまった後でも、Suicaアプリであれば事前料金で購入可能。グリーン車に乗る前に駅のホームでグリーン券を買いそびれた……という悲劇を回避できます。
SuicaアプリでJR在来線グリーン車に乗車する方法

今回は藤沢駅から東海道線のグリーン車を使ってみました。まだSuicaアプリを利用したことがない人は、持っているSuicaカードをスマホに追加しましょう。
Suicaアプリで改札を通る
Suicaの追加とSuicaアプリの会員登録を済ませたら、グリーン車を利用してみましょう。
最初に改札を通ります。残額が足りないときは、以下の記事を参考にチャージしてください。

自動改札機のICマークが表示された読み取り部にスマホをかざすと、Suicaカードと同じように「ピッ」と反応して改札を通れます。スマホのロックを解除する必要はありません。読み取り部にかざすと、スマホの画面に入場時点の残高と「完了」マークが表示されます。
SuicaアプリでSuicaグリーン券を購入
乗車する前にSuicaグリーン券をアプリから購入しましょう。
iPhoneとAndroidスマホともに、操作に慣れれば1分程度で処理できるので、改札を通って乗車するまでの間に購入できます。もし先に電車に乗り込んだ場合でも、席に着く前に購入すればOKです。
ただしグリーン券の購入時は、以下の点に注意してください。
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購入後は利用日や乗車区間は変更できません。乗車区間を間違えてしまった場合は、乗車後に車内のグリーンアテンダントに伝えて、乗車区間の修正処理をお願いしてください。
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払い戻しは、購入当日中および未使用の場合に限り、手数料220円で可能です。ただし、払い戻し操作をする前に別のSuicaグリーン券を購入すると、払い戻しができなくなります。
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Suicaグリーン券の購入は、1端末につき1人分だけです。登録している複数枚のSuicaを切り替えて、複数人で利用することもできません。
iPhoneの場合


Suicaアプリを起動したら「グリーン券」タブをタップしてください。続けて表示される画面で
をタップします。

画面が切り替わったら、乗車駅と降車駅を入力し画面右上の
をタップします。乗車区間と乗車日、および金額が表示されます。確認して問題なければ、SuicaアプリかApple Payに登録してあるクレジットカードで支払いましょう。今回は、Suicaアプリに登録してあるクレジットカードで決済します。画面左下のクレジットカード番号が表示されたボタンをタップしてください。


最終確認画面が表示されるので、確認して問題なければ
をタップします。購入が完了すると「購入が完了しました」という画面が表示されるので、 をタップすれば、グリーン券の購入手続きは完了です。なお、JR在来線のグリーン車はすべて自由席なので、座席指定はありません。
Androidスマホの場合


モバイルSuicaアプリを開いて、トップ画面の
をタップし、 を選択します。


グリーン券を購入したい区間を入力し、
をタップ。続いて区間と料金を確認したら、モバイルSuicaに登録しているクレジットカードか、Google Payのどちらかから支払い方法を選択します。最後に
をタップすれば、グリーン券の購入は完了です。グリーン車に乗車

Suicaグリーン券を購入できたら、グリーン車の乗車位置で電車が来るのを待ちましょう。乗車位置の足元にはグリーン車のマークが表示されています。

列車が来たら乗り込み、空いている席に座ります。このとき、座席の上部を確認してください。「グリーン券情報読み取り部」のセンサーが設置されているので、次の手順で着席登録をおこないましょう。
着席登録を忘れると「グリーン券を購入していないのに座っている」と誤解されて、車内のグリーンアテンダントから確認されるので注意してください。

グリーン券情報読み取り部は、窓側と通路側の2席分設置されています。着席前は、「空席」を表す赤ランプが点灯しています。

座った席のグリーン券情報読み取り部に、スマホをかざしてください。

読み取りが完了すると、「着席」を意味する緑ランプが点灯します。
このときiPhoneを使用していて緑ランプが点灯しなければ、エクスプレスカード設定をしていないSuicaでSuicaグリーン券を購入している可能性があります。その場合は、Walletアプリでグリーン券を購入したSuicaカードを選択し、Face IDまたはTouch ID認証をおこなってから読み取り部にスマホをかざしてください。

これで着席登録は完了です。あとは目的地までリラックスして過ごしましょう。クロスシートで座席が広く快適です。着席登録を済ませていれば、車内改札に声はかけられません。
グリーン車を降車
降車時の手続きは特にありません。目的地に着いたら、普通車と同じように降りましょう。降車駅に到着すると、グリーン券情報読み取り部は再び赤ランプに切り替わります。
もし、居眠りなどで乗り過ごしてしまった場合は、普通車に移動するかグリーンアテンダントに伝えて、乗車区間の変更処理をしてもらいましょう。
Suicaアプリで改札から出る
降車駅で改札を通るときも、乗車駅と同じようにスマホをかざすだけで通過できます。通過時には、残額が表示されます。残額不足で通れないときはチャージしてください。
もし乗車中にスマホのバッテリーが切れてしまい、読み取り部にかざしても反応しないときは、改札横の事務室で駅係員に申し出てください。きっぷを落としたときと同じように、乗車区間を申告して現金での精算となります。後日電源が入ったら、入場記録を解除してもらってください。