法人向けの雑誌読み放題サービスまとめ 料金プランから読める台数、無料お試しまで

個人との違いや支払い方法、各サービスの特徴も解説

会社の福利厚生や美容院、病院の待合室での利用など、雑誌読み放題のサブスクリプションサービスを法人で利用したいと考えている、あるいはすでに導入している企業も少なくないはずです。

本記事では、法人向けの雑誌読み放題サービスが個人契約とどう異なるのか、無料体験期間はあるのか、どのような支払い方法に対応しているかなど詳しく解説。サービス導入の参考にしてください。

なお、個人向けの雑誌読み放題サービスについては下記の記事で紹介しています。

法人向け雑誌読み放題サービス5社の比較表

まずは、法人向けの雑誌読み放題サブクスサービスを提供している5社の違いをわかりやすく表にまとめました。

  プランと料金
雑誌数 無料お試しの有無 支払い方法 利用端末数
楽天マガジン

①端末限定プラン:1アカウントあたり6600円/年

②エリア限定プラン:現在新規停止中

③タブレット&楽天マガジンパッケージ:要見積もり

1500誌、7500冊以上(バックナンバー含む) あり(31日間)
  • 請求書先払い(銀行振込)

①1〜5000台

③通信サービスにより異なる

dマガジン for Biz

①Wi-Fi提供方式:1エリア内10台まで5500円/月、追加5台ごと2750円/月

②バウチャーコード提供方式:1コード550円/月、追加5コードごと2750円/月

1400誌、3300冊以上(バックナンバー含む)

なし(希望により1カ月もしくは2カ月間)

  • 銀行振込
  • 口座振替
  • 回線契約払い

①10台〜

②1台(1コード)単位

ビューン

①読み放題スポット:8000円/月

②読み放題タブレット:1アカウント500円/月、追加1アカウントごと500円/月

③読み放題マンション

④ビューン@

雑誌800誌、旅行ガイド300冊、マンガ6万冊(バックナンバーあり)
  • 銀行振込
  • 口座振替
  • クレジットカード

①無制限

②1台(1アカウント)単位

タブホスポット

①端末限定利用プラン:6600円〜/年

②エリア限定利用プラン:3万3000円〜/年

1000誌、4000冊以上(バックナンバー含む) あり(1カ月)
  • 請求書払い(年間契約)
  • クレジットカード払い(月契約)

①1台単位

②無制限

TOPPAN「法人向け読み放題サービス」

エリア限定利用プラン:非公開(要見積もり)

  • 雑誌:約200誌、約300冊(バックナンバー含む)
  • コミック:約2100作品、1万1000冊
  • るるぶ:約100冊
  • 絵本:50冊
あり

非公開(要問合わせ)

無制限

法人向けの雑誌読み放題サービスの選び方のポイントは、利用する場所(店舗や施設)の規模や利用者数のほか、雑誌のみ読めるサービスがいいのか、マンガなども読めるサービスがいいのかといった部分に注目してみることです。

料金は、端末限定型のプランの場合、ひと月約550円前後で利用できるサービスがほとんどです。サービスによって年払い・月払いとさまざまなので、どの程度の期間利用したいのかなどを加味して選ぶと良さそうです。

法人向けの雑誌読み放題サービスとは? 個人契約との違いも

一般的な個人向けの雑誌読み放題サービスは、契約した本人のみが利用できるサービスです(マルチデバイス機能があるサービスでは家族でアカウント共有も可能)。

一方で、法人向けの雑誌読み放題サービスは、契約者は企業(法人/個人事業主)で、店舗の利用者など契約者以外の第三者も利用できるサービスである、という点に大きな違いがあります。そのため、会社や店舗で個人契約のサービスを商業目的で利用することは規約違反となるのでできません。

法人向けには「エリア限定プラン」と「端末限定プラン」の2つがある

法人向けサービスの場合、利用方法には基本的に「エリア限定プラン」と「端末限定プラン」の2つのプランが用意されています(サービスによって名称は異なります)。両者の違いについて、まずはわかりやすく表にしてみます。

エリア限定プラン 利用者本人の端末やタブレットなどを店舗や施設のWi-Fiに接続して利用する方式
メリット
  • 接続台数は無制限の場合が多い(サービスによる)
  • 利用者本人の端末で見るので、端末の管理が不要
デメリット
  • グローバル固定IPアドレス(※)が必要になることも
端末限定プラン 端末1台ごとに割り振られたIDやコードを入力して利用する方式
メリット
  • 基本タブレット利用なので画面が大きい
  • 1台から利用できるので価格を抑えられる
デメリット
  • 利用台数によってはコストが高くなる可能性も
  • タブレットの準備、充電などの管理が必要

※常に同じIPアドレスでインターネットに接続できる。セキュリティ強化につながるが、利用には別途費用が必要

エリア限定プランは、自身のスマホなどの端末から直接店舗や施設のWi-Fiに接続して利用するサービスです。同時接続人数に制限がない場合がほとんどなので、病院の待合室やカフェ、ラウンジなどで利用されるケースが多くなっています。

端末限定プランは、あらかじめ接続される端末の台数が決まっている場合に便利です。タブレットなどの専用端末を利用者に貸し出して読むというような、美容室でよく見られるのはこのプランです。デメリットとしてタブレットの準備や充電などの管理が必要となります。

読める雑誌やサービス内容が個人の場合と変わる場合も

個人向けの雑誌読み放題サービスの機能として便利なのが、好きな雑誌を「お気に入り」に登録することや、気になるページに「ふせん/しおり」を付ける機能が挙げられます。しかし、これらの機能は不特定多数の利用者が1台の端末を使うことを想定している法人向けでは利用できません。

また、法人向けでは第三者が雑誌読み放題サービスを利用できる性質上、出版社の都合により配信されない雑誌もあります。楽天マガジンを例に挙げると、2024年7月のデータで個人向けが1600誌・8000冊以上、法人向けが1500誌・7500冊以上(別冊・ムック含む)となっており、100誌・500冊以上の差があることがわかります。

最新号が読めないサービスもある

個人向けの雑誌読み放題サービスでは、すべてのサービスにおいて最新号を読むことができます。ただし、法人向けでは最新号が読めないサービスも含まれています。

たとえばタブホスポットでは、最新号ではなくバックナンバーでの提供を基本としています。現在では配信している雑誌の約6割が最新号からの提供へと変わりましたが、残りの約4割は最新号発売時に前号を公開しています。

なお、今回紹介している法人向けサービス5社すべてがバックナンバーも配信しています。バックナンバーが読める期間は雑誌によってバラバラです。発売から3カ月〜1年のものが多く、雑誌によっては無期限で公開しているものもあります。

法人向け雑誌読み放題 各サービスの特徴

ここでは法人向けの雑誌読み放題サービスを提供している5社の特徴について詳しく解説します。

楽天マガジン:雑誌数最多&31日間無料体験あり

楽天マガジン
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楽天マガジン

楽天マガジンの法人プランは、1500誌以上、バックナンバーを含む取り扱い冊数では7500冊以上と国内最大級の雑誌数を誇ります。

料金体系では、端末限定プランとエリア限定プランの2種類がありますが、現在エリア限定プランは新規申し込みを停止しており、1アカウント(端末1台)あたりで料金が発生する端末限定プランのみ受け付けています(法人の楽天モバイルから新パッケージプランが登場したので、詳細は後述しています)。

なお、個人プランとは異なり、年契約のみで1アカウントにつき6600円/年(ひと月あたり550円)です。つまり、タブレット7台で利用すると、7アカウント契約することになるので、6600×7=4万6200円/年となる計算です。なお、1アカウントにつき1端末+1ブラウザの同時接続が可能です。

楽天マガジンの法人プランは31日間無料お試し体験が可能なので、加入前に試してみることをおすすめします。なお、支払い方法は請求書先払い(銀行振込)のみに対応しており、入金されなければ自動で解約となります。途中解約もできますが、その際は料金の払い戻しはされません。

また、法人プランでは楽天ポイントは付与されないので注意してください。

楽天モバイルから「タブレット&楽天マガジンパッケージ」が登場
パッケージプラン
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楽天モバイル

2024年11月14日(木)より法人向けの楽天モバイルから「タブレット&楽天マガジンパッケージ」が新登場しました。

「タブレット」「通信サービス」「楽天マガジン法人プラン」の3つがセットになったパッケージで、タブレットはサイズや種類を選べます。導入方法はレンタルまたは購入のいずれか。通信サービスは、ニーズによって超高速インターネット接続サービスの「KOSOKU Access(高速アクセス)」、5G対応の据え置き型ルーター「Rakuten Turbo」と「Rakuten WiFi Pocket Platinum」の3つから選択可能です。

利用料金などは選ぶパッケージ内容によって変わってくるため、要見積もりとなります。

初回31日間無料体験を試す

dマガジン for Biz:リクエストで最大2カ月無料体験可

dマガジン法人
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NTTコミュニケーションズ

dマガジンの法人プラン「dマガジン for Biz」は、1400誌以上、バックナンバーを含む取り扱い冊数では3300冊以上の雑誌が読み放題です。

料金体系は、あらかじめ登録されたWi-Fiスポットのエリア内でスマートフォン(au・SoftBankも可)およびタブレットをWi-Fiに接続する「Wi-Fi提供方式」と、バウチャーコードを入力することで読み放題サービスを利用する「バウチャーコード提供方式」の2つの料金プランがあります。

Wi-Fi提供方式では1エリア内で最大10台同時接続でき、料金が2750円/月となります。その後は5台ごとに2750円/月で追加可能です。バウチャーコード提供方式の場合は1コード550円/月で、5コードごとに2750円/月で追加できます。バウチャーコードタイプでは、複数台での同時接続が不可となります。1コードにつき1端末でのみ接続可能となるので、接続数分コードが必要となることに注意してください。

また、楽天マガジンの法人プラン同様、dマガジン for Bizにおいてもdポイントは付与されません。支払い方法に関しては、銀行振込、口座振替、回線契約払いの3つから選択することが可能です。無料お試し期間は基本的にはありませんが、希望する場合は1カ月、もしくは2カ月のトライアルが可能となっているので、あらかじめ問い合わせてみることをおすすめします。

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ビューン:初月は無料で利用可能、タブレットのレンタルもあり

ビューン
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ビューン

株式会社ビューンが提供する法人向け雑誌読み放題サービスは、取り扱い雑誌数が雑誌800誌、旅行ガイド300冊、マンガ6万冊となっており、雑誌のほかに旅行ガイドとマンガも読み放題という点が大きな特徴です。無料お試し期間は設けられておらず、ウェブ上で体験版を利用することができます。

料金体系は「読み放題スポット」「読み放題タブレット」「読み放題マンション」「ビューン@」の4つのサービスを提供しています。ここではメインの読み放題スポットと読み放題タブレットを紹介します。

読み放題スポットは、店内Wi-Fiに接続して閲覧するサービスで、同時接続台数は無制限です。料金は8000円/月で6カ月ごとの更新となります。しかも、開通初月は無料で利用可能です。

読み放題タブレットは、店舗や施設備え付けのPC・タブレットから利用するサービスで、1アカウントあたり500円/月、追加1アカウントごとに500円/月という契約期間のない料金体系となっています。通常、店舗側でタブレットなどの機器を準備する必要がありますが、ビューンではタブレットを1台500〜1980円/月でレンタル利用することができます。

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タブホスポット:コスパも良く、契約形態が選べる

タブホスポット
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オプティム

タブホスポットは、株式会社オプティムが提供する法人向けの雑誌読み放題サービスです。取り扱い雑誌数は1000誌、バックナンバーを含めると4000冊以上の雑誌が閲覧可能です。

タブホスポットは他社のサービスと少し異なり、最新号が出るたびに数日以内に1号前のバックナンバーを公開しています。問い合わせてみたところ、現在は配信している雑誌の約6割が最新号から読むことができ、残りの約4割は最新号発売時に前号を公開しているそうです。無料お試し期間が1カ月あるので、こちらも契約前にトライアルを利用してみるとよいでしょう。

料金体系は、端末限定利用プランで6600円〜/年(ひと月あたり550円)、エリア限定利用プランで3万3000円〜/年(ひと月あたり2750円)となっています。なお、支払い方法により契約形態が変わります。

支払い方法 契約形態
請求書払い 年間契約
クレジットカード払い 月契約(自動更新)

表のとおり、請求書払いの場合は年間契約となります。契約期間の満了が近づいた時点で更新の有無の連絡がオプティムから来るので、そこで継続か解約かを選択することができます。途中解約もできますが、その際は料金の払い戻しはできません。

クレジットカード払いの場合は月契約が可能です。毎月自動更新となり、解約したい場合はオプティムのECストア「OPTiM Store」上で解約処理をします。

1カ月無料体験を試す

TOPPAN「法人向け読み放題サービス」:マンガや絵本の読み放題など組み合わせ可能

TOPPAN
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TOPPAN

TOPPAN株式会社が提供している「法人向け読み放題サービス」は、エリア限定プランをブラウザ版とアプリ版の2パターンで提供しています。

いずれも利用者本人のスマホやタブレットなどで直接Wi-Fiに接続して利用するシステムです。同時接続数は無制限なので、ラウンジやホテルサービスなど不特定多数の人が利用する場に向いていると言えそうです。

TOPPANサービス

TOPPANの読み放題サービスは、4つの読み放題サービスを用途に合わせて選んで利用することができる点でユニークです。

サービス名 冊数
マガホーダイ(雑誌読み放題) 約250誌、約350冊
コミックホーダイ(コミック読み放題) 約2100作品、1万1000冊
るるぶ読み放題(るるぶ読み放題) 約100冊
えほんほーだい(絵本読み放題) 50冊

なかでも珍しいのが電子絵本・児童書配信サービスの「えほんほーだい」。TOPPANのグループ会社であるフレーベル館の協力のもと選りすぐりの絵本・児童書50冊を配信しています。

導入店舗や施設の利用人数によって価格が変動するため詳細は別途見積り、また支払い方法も問合せが必要です。なお、2020年の「えほんほーだい」リリース時の参考価格として、1店舗・施設3500円/月~となっています。

EDITED BY
MATSUBA