Amazonの提供する本のサブスクサービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」と「Audible(オーディブル)」。Kindle UnlimitedはKindle本の読み放題、Audibleはオーディオブックの聴き放題とそのサービス内容は異なります。
本記事では、Kindle UnlimitedとAudibleの概要を紹介。メリット・デメリットを比較し、それぞれどのような人におすすめなのか解説します。
Kindle UnlimitedとAudibleの違いは?

Kindle UnlimitedとAudibleはともにAmazonが提供する本のサブスクサービスです。Kindle Unlimitedは500万冊以上のKindle本が読み放題、Audibleは20万冊以上のオーディオブックが聴き放題で楽しめます。
Kindle本が電子書籍なのに対して、Audibleは「聴く読書」といわれるように本の内容を耳で聴くという点で、提供されるサービス内容は大きく異なります。

Amazonで作品の詳細ページを開き、「Kindle Unlimited」「Audible聴き放題対象タイトル」と表示されていれば読み放題/聴き放題で利用できます。読み放題/聴き放題どちらも対象になっている作品も少なくありません。
どちらもAmazonのサービスのため、ブラックフライデーやプライムデーなどAmazonのセールの際には「3カ月99円」などお得な割引キャンペーンが実施されることもあります。
Kindle Unlimited | Audible | |
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読み放題/聴き放題になるもの | Kindle本 | オーディオブック |
月額料金 | 980円 | 1500円 |
無料期間 | 30日間 | 30日間 |
読み放題/聴き放題対象冊数 | 500万冊以上 | 20万冊以上 |
対応端末 |
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支払い方法 |
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Kindle Unlimitedの概要

Kindle Unlimitedは、月額980円(税込)で500万冊以上のKindle本が読み放題になるサービスです。数ある読み放題サブスクと比較しても圧倒的な読み放題対象冊数を誇り、月額料金も平均的なので使いやすい読み放題サービスといえるでしょう。
読み放題のラインナップは小説、実用書、ライトノベル、ビジネス、経済、旅行ガイド、楽譜、辞典、コミック、絵本、雑誌など多岐にわたります。漫画や雑誌などに特化した読み放題サービスと比較すると対象作品に物足りなさを感じるジャンルもありますが、一般的な小説やビジネス本、洋書などが目的ならKindle Unlimitedはかなり魅力的なラインナップです。

Kindle Unlimitedの読み放題対象作品には、「Kindle Unlimited」のロゴが表示されます。AmazonウェブサイトまたはKindleアプリで読みたいKindle本を探し、ライブラリに追加するとKindleアプリで自動的にダウンロードが始まります。以降はオフラインでも読むことができ、ライブラリの内容は同一アカウントの複数端末間で常に同期されます。
Audibleの概要

Audibleは月額1500円(税込)で20万冊以上のオーディオブックが聴き放題になるサービスです。ラジオ感覚で本の朗読が聴けるので、スキマ時間に本を読むのに最適です。朗読は声優や俳優、ナレーターなどプロがおこなっているものが多く、良い声で「聴く読書」を楽しめます。
読み放題のラインナップは小説、ビジネス書、政治、自己啓発、エンターテインメント、コメディー、絵本、児童書など。ビジュアルが重要なコミックや雑誌などはAudibleのラインナップに含まれません。

AmazonのオーディオブックはAudible会員に加入していなくても個別に購入できますが、1冊3000円を超える作品も珍しくありません。1冊読めば元を取れるので、コスパを考えればAudibleに加入するメリットは大きいでしょう。またAudible会員は、聴き放題対象外のオーディオブックを購入する際に30%オフの特別価格が適用されます。
Audibleのアプリから聴きたい作品を探し、再生ボタンを押すだけでオーディオブックが再生されます。タイマーや車載モードなど、ながら聴きに便利な機能も搭載されています。
Kindle Unlimitedのメリット・デメリット
Kindle Unlimitedのメリット・デメリットを解説します。
メリット1:500万冊以上の本が読み放題

Kindle Unlimitedの大きな特徴は、圧倒的なラインナップです。500万冊以上のKindle本が読み放題で、書籍、マンガ、雑誌などさまざまなジャンルの本が取り揃えられています。
- アート・建築・デザイン
- エンターテイメント
- コミック
- コンピュータ・IT
- スポーツ・アウトドア
- タレント写真集
- ティーンズラブ
- ノンフィクション
- ビジネス・経済
- ボーイズラブ
- ライトノベル
- 人文・思想
- 医学・薬学
- 投資・金融・会社経営
- 教育・学参・受験
- 文学・評論
- 旅行ガイド・マップ
- 暮らし・健康・子育て
- 楽譜・スコア・音楽所
- 歴史・地理
- 社会・政治
- 科学・テクノロジー
- 絵本・児童書
- 語学・辞事典・年鑑
- 資格・検定・就職
- 趣味・実用
- 雑誌
- 洋書
とくに小説や洋書などの書籍はミステリーから青春小説、児童書までさまざまな作品が読み放題のラインナップに含まれ、老若男女問わず楽しめるでしょう。
コミックは1巻のみ読み放題対象になっている場合が多いですが、中には続巻まで読み進められる作品も。思わぬ名作を読み放題で楽しめることもあります。
メリット2:20冊までダウンロードしてオフラインで読める
読み放題で借りた本はKindleアプリにダウンロードして、オフラインでいつでも読めます。外出先でも通信量を気にせずに読めるので、移動中や待ち時間などに活用できます。読書履歴やしおりなどは同一アカウントの複数端末間で共有されます。家と外出先で違う端末で読みたい場合でも安心です。

ダウンロードできるのは20冊までなので端末の容量を圧迫する可能性も少ないでしょう。ただし、20冊以上借りたい場合は今借りている本を返却する必要があります。
メリット3:Kindleアプリの機能が豊富

Kindleアプリは電子書籍を読む際に使いやすい機能が充実しています。本を読んだ場所にしおりを挟める「しおり」機能や、気になった箇所をマークできる「ブックマーク、メモ、ハイライト」機能のほか、文字サイズの変更や辞書機能、目次ジャンプ機能などは、とくに小説や新書などの書籍を読むのに便利です。
小さいスマホの画面でも電子書籍が快適に読めるように配慮されたアプリです。
デメリット1:最新作は読み放題対象でないことが多い

読み放題対象は1巻のみの作品が多い
充実したラインナップが魅力のKindle Unlimitedですが、最新作は読み放題対象に含まれないことも。たとえばコミックでは、1巻だけが読み放題対象で残りは対象外という場合が多いので、まずは読み放題で1巻を試し読みしてから続巻を購入するといった使い方も一般的です。
最新作や話題作の場合は「Kindle Unlimitedは読み放題対象外でAudibleは聴き放題対象」という作品もよく見られます。
デメリット2:読み上げ機能は機械音声によるもの

アシストリーダー機能は機械音声による読み上げ
Kindleは「読む」形の電子書籍ですが、一部のKindle本は読み上げ(アシストリーダー)に対応しています。しかし、Audibleではプロのナレーターや声優などが朗読しているのに対して、Kindle本の読み上げは機械音声によるものです。
とくに小説など物語を読む際の抑揚や間の取り方が人の朗読とは大きく異なるので、臨場感はAudibleに劣るといえるでしょう。
Audibleのメリット・デメリット
Audibleのメリットとデメリットを解説します。
メリット1:人気作も含まれる20万冊以上が聴き放題


Audibleの聴き放題対象になっている20万冊の中には話題作や人気作、最新作も含まれます。本屋大賞や芥川賞、直木賞を受賞した作品や『ハリー・ポッター』などのベストセラー、『転生したらスライムだった件』といったライトノベルも聴き放題に含まれます。『聴く絵本』などの児童書は読み聞かせ代わりに利用することも可能です。
音声コンテンツは語学学習にも最適で、『星の王子様』の原書や英語学習書など、ネイティブの英語をいつでも聴けるというメリットがあります。
- ビジネス・キャリア
- 自己啓発・人間関係
- 資産・ファイナンス
- 政治学・社会科学
- 文学・フィクション
- ミステリー・サスペンス
- SF・ファンタジー
- エンタメ・カルチャー
- コメディー・落語
- ライトノベル
- キッズ
- 教育・学習
- 歴史
- 科学・テクノロジー
- ヘルスケア
- 暮らし・実用
- スポーツ・アウトドア
- 宗教・スピリチュアル
- ノンフィクション・エッセイ
- 旅行・観光
メリット2:プロの声優やナレーターの朗読を聞ける

朗読を担当しているのはプロの声優やナレーターなどで、作品詳細ページから朗読担当者が確認できます。作品の雰囲気に合った声量、声色で良い声の朗読が聴けるのは大きな魅力です。
登場人物が多い小説は、朗読担当が複数いることも。朗読担当の名前で検索することもできるので、「好きな声優や俳優などの声を聴きたい」という目的でAudibleを利用しても満足できるはずです。
メリット3:ながら聴き、ながら学習に最適


Audibleは「何かをしながら聴く」という場面に最適です。移動中や家事の合間など、スマホを操作しにくいスキマ時間に、音楽を聴く感覚で本を読んだり学習したりできます。車載モードも搭載されていて、Alexaに呼びかけて操作することも可能。運転中でも使いやすくなっています。
再生画面にはタイマーも設定できるので、寝る前にAudibleを再生してそのまま寝落ちしてしまっても安心です。自然音や瞑想など、安眠のための音声を集めた「寝る前に聴く」というカテゴリーも存在します。
デメリット1:聞き逃すなどして、頭に入らないことがある
音声を再生するとそのまま本の朗読が続いていくので、他のことを考えていたり何か作業に集中しているとAudibleの内容が頭に入ってこないことがあります。電子書籍では簡単にページを戻せるのに対して、Audibleでは聞き逃した場面まで戻るのもなかなか手間がかかります。
物語では朗読にも抑揚が大きいので聴く内容に集中しやすいですが、ビジネス書などの淡々とした朗読では頭に入らないまま朗読が進んでいってしまう場合もあるでしょう。
デメリット2:対象冊数はKindle Unlimitedよりも少ない

Kindle Unlimitedのみ対象の作品も多い
500万冊以上が読み放題のKindle Unlimitedに対して、Audibleの聴き放題対象は20万冊以上。月額料金がAudibleの方が520円高いことを考えると、コスパが良いとはいえないでしょう。
また、「聴く読書」という都合上、ビジュアルがメインになるコミックや雑誌が対象外になってしまうのも惜しいところです。
Kindle Unlimitedがおすすめの人は?
「聴く」よりも「本が読みたい」という場合は、Kindle Unlimitedがおすすめです。紙の本ともほとんど使用感は変わらず、読み放題を楽しめます。またKindle Unlimitedは他の読み放題サービスと比較しても読み放題の対象作品は多く、月額料金も平均的でコスパも良好です。買うかどうか迷っていた本でも読み放題なら気軽に読めることも多いでしょう。
朗読を聴くというオーディオブックに対して電子書籍は自分のペースで本を読むことができ、ページを飛ばしたり戻したりといった操作も容易です。一方で、手が離せないときには読めないので「ながら読み」をしたい場合には向きません。
Audibleがおすすめの人は?
Audibleは一般的な電子書籍と使用感が大きく異なるため、Audibleを利用できる環境がある人におすすめできます。具体的には、「ウォーキングをしながら聴きたい」「寝る前に聴きたい」「プロの朗読が聴きたい」「語学学習をしたい」など、利用するシチュエーションを想像できる人や音声コンテンツならではのメリットを感じられる人はAudibleを活用できそうです。
Audibleは本を読み上げるので、1冊読み終わるまでには電子書籍よりも時間がかかります。短時間で本を読みたい人や、集中して本を読みたい人には向かないでしょう。
オーディオブックを利用したことがない人は、まずは30日間の無料体験を試してみて、使用感を確認してみるのもおすすめです。