『高校教師』や『未成年』など地上波ドラマの分野でセンセーショナルな作品を提供し続けてきた野島伸司氏。教師と女子高生の愛や少年犯罪など、タブー的な題材を数多く手がけてきましたが、そうした過激な内容の作品は最近の地上波ではあまり見かけなくなりました。コンプライアンスの遵守などいろいろな制約のなかでTV番組がおとなしくなる中、野島氏はウェブ配信のオリジナルドラマに活躍の場を移しつつあります。
『パパ活』、『雨が降ると君は優しい』に続く野島氏の3本目のウェブ配信ドラマとなる『彼氏をローンで買いました』は、タイトル通りのセンセーショナルさとかわいさを併せ持ったキュートなラブコメディです。
イケメンがローンで買える闇サイトって?
大手企業の派遣の受付嬢として働く浮島多恵(真野恵里菜)は、高収入のイケメンと結婚して専業主婦として暮らすのが夢。同じ会社のエリート社員・白石俊平(淵上泰史)と最近付き合い始めて夢が叶いそうな矢先、違う女を連れた彼とばったり出会ってしまいます。「あれは妹」という言い訳LINEが来て同僚に相談するも、専業主婦の夢を掴むには、わがままは封印、猫をかぶり続けなきゃと言われ、ぐっと堪える多恵ですが、またしても違う女を連れている彼を見つけてしまいます。
そんなストレスの多い生活に受付嬢の先輩で玉の輿を獲得しながらも、離婚してシングルマザーの道を歩む南場麗華(長谷川京子)から若い男子をローンで買えるサイトの存在を教えてもらいます。
多恵は酔っ払った勢いで訳あり男子の刹那ジュン(横浜流星)を買ってしまい、2人の奇妙な共同生活が始まります。イケメン金持ちとの結婚の夢のために借金まみれの若い男を買ってしまうという、妙な状況におちいってしまいますが、彼女は夢を叶えることができるでしょうか。
本当の幸せはどこにある?
女性の社会進出の重要さが叫ばれるようになって久しく、女性は結婚して家庭に入るだけが人生の選択肢ではなくなりました。それでも女性にとって働きやすい社会とは言い切れず、仕事で自己実現を成し遂げるのは大変。そんな厳しい社会で生きるよりは専業主婦となってのんびりと暮らしたいと思う若い人もいるでしょう。
しかし、本当の自分を隠して金持ちのイケメンと結婚しても、幸せは手に入るのでしょうか。結局のところ、本当の愛と幸せはどうすれば手に入るのか。それは永遠のテーマといっていいのではないでしょうか。
普遍的なテーマに、現代的でありつつも奇想天外な設定、1話30分でテンポよく進んで飽きることなく楽しめる作品です。そしてなんと言っても主演の真野恵里菜が魅力的。彼女のイヤミのない可愛さだけで観続けていられます。
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構成・文:杉本穂高
編集:アプリオ編集部