iPhone 12シリーズが一挙4モデル登場しました。同時にこれまでに販売されていたモデルも整理され、一部が継続で販売されています。これからiPhoneに機種変更する人の中には、どの機種にすべきか迷ってしまう人も多いでしょう。
今回は、アップルストアで購入できるiPhone(iPhone 12/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max/iPhone 12 mini/iPhone SE 第2世代/iPhone 11/iPhone XR)について、どれを買うのがおすすめなのか解説していきます。
価格はアップルストアのものをベースに解説しています(すべて税別)。なお、iPhone 8などの旧モデルは一部店頭では販売されているケースもありますが、本記事では言及しません。
ポイント1:まずは価格と性能を一覧表でチェック
最初に、現在アップルストアで買える5シリーズ全7モデルの価格をチェックしておきましょう(下表)。
iPhone 12 Pro | iPhone 12 Pro Max | iPhone 12 | iPhone 12 mini | iPhone SE 第2世代 | iPhone 11 | iPhone XR | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ディスプレイサイズ(インチ) | 6.1 | 6.7 | 6.1 | 5.4 | 4.7 | 6.1 | 6.1 |
解像度 | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | × | × |
チップ | A14 | A14 | A14 | A14 | A13 | A13 | A12 |
価格【512GB】 | 13万9800円 | 15万800円 | − | − | − | − | − |
価格【256GB】 | 11万7800円 | 12万8800円 | 10万1800円 | 9万800円 | 6万800円 | 8万800円 | − |
価格【128GB】 | 10万6800円 | 11万7800円 | 9万800円 | 7万9800円 | 4万9800円 | 6万9800円 | 5万9800円 |
価格【64GB】 | − | − | 8万5800円 | 7万4800円 | 4万4800円 | 6万4800円 | 5万4800円 |
最廉価なのはiPhone SE 第2世代で、次はiPhone XRとなります。最も高価なiPhone 12 Pro MaxとiPhone SE 第2世代の価格差に10万円以上の開きがあることには驚かされます。
それぞれのモデルは、ストレージ容量の違いで価格の異なる製品を2〜3タイプから選べます。自分がいま使っているiPhoneやスマホの容量を確認して、余裕のある容量を選びましょう。64GBと128GBの金額差は5000円なので、どのモデルでも64GBはあまり推奨しません。128GBがベストバイです。
iPhoneストレージ容量の選び方 おすすめ容量は何GBモデル?【2021年最新版】
また詳しくは後述しますが、モデルはiPhone 12シリーズの4機種とiPhone SE 第2世代をおすすめします(今回は写真もこの5台について紹介)。
ポイント2:本体サイズの違いとメリット・デメリット
iPhone選びでは、本体サイズも重要です。
画面は大きなほうが表示される情報量が増えますし、映画や動画、写真を見ても迫力があります。とはいえ、大きすぎるとポケットに入りづらくなり、重量も増すので疲れます。また、片手で親指入力をする人は、指が届かなくて困ることになりかねません。
サイズのベストチョイスは人によるので、使い方や好みで決めます。とにかく大画面が欲しい人は、iPhone 12 Pro Maxの一択になります。逆に、小さくないと使いづらいという人は、iPhone 12 miniもしくはiPhone SE 第2世代を選ぶことになるでしょう。
本体サイズは驚くほど違う。一番右はiPhone 12 Pro Max、一番左はiPhone SE 第2世代
Webサイトを見ても表示できる情報量がずいぶん違う。iPhone SE第2世代(一番左)は情報量が少なくなる
ポイント3:ディスプレイの解像度に注意
前述のように、大画面もしくはコンパクトなモデルを除くと、6.1インチがスタンダードサイズとなります。iPhone 12 Pro、iPhone 12、iPhone 11、iPhone XRと、なんと同じ画面サイズのiPhoneが4製品も選べます。
この中ではiPhone 11とiPhone XRは画面の解像度が低く、おすすめとは言えません。さらに、ディスプレイは液晶になります。有機ELを採用し、解像度の高いiPhone 12やiPhone 12 Proとは大きな差があります。今回のiPhone 12シリーズは解像度が大幅に進化しているので、iPhone 11やiPhone XRとの差は歴然です。
iPhone SE 第2世代も液晶で解像度が低くなりますが、そもそも画面サイズが小さいので画面の緻密さについては満足できるはずです。ただし、有機ELのiPhone 12シリーズと較べると、やや暗くなるのが欠点です。
iPhone SE 第2世代(一番左)はディスプレイが液晶なので、比較すると暗さが気になる
ポイント4:カメラの性能に大きな差がある
カメラにも大きな差があります。iPhone SE 第2世代は標準カメラが1つのみ、iPhone 12とiPhone 12 miniは標準と超広角の2つ、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxは標準、超広角、望遠の3つになります。
iPhone 12 Proは動画撮影にも優れており、カメラにこだわりがある人はiPhone 12 Proシリーズがおすすめです。なお、iPhone 12 Pro MaxとiPhone 12 Proでも若干の違いがあり、ズームの倍率が違います。
iPhoneは代を重ねるごとにカメラの性能がアップしています。iPhone 11とiPhone 12では標準カメラの明るさが違い、またiPhone 12はDolbyVisionに対応した動画撮影が可能になります。当然、カメラは新モデルのほうが優れていると考えるべきです。
カメラは機種ごとに数が違う
ポイント5:悩ましいiPhone 12と12 Pro/iPhone 12 miniとSE第2世代の選択
機種選びで悩ましいのは、iPhone 12とiPhone 12 Proの選択です。価格差は1万6000円しかありません。性能は同一で、画面サイズや表示の美しさもほぼ同様です。主な違いはカメラとデザインです。1万6000円の差なら、iPhone 12 Proがおすすめです。
また、iPhone 12 miniとiPhone SE 第2世代で悩む人も少なくないでしょう。こちらは、とても差が大きくなります。画面サイズには大きな差があり、iPhone SE 第2世代は前述のように美しさや緻密さに劣ります。カメラにも差があります。
とはいえ、iPhone SE 第2世代には指紋認証が使える利点と、3万円の価格差があります。予算が許すなら、最新モデルのiPhone 12 miniがおすすめです。逆に、安価なiPhoneが欲しい人は、iPhone SE 第2世代を選んでも後悔はしないでしょう。
iPhone 12(左)とiPhone 12 Pro(右)では背面の仕上げなど高級感が大きく違う
本体サイドはiPhone 12(左)がアルミで、iPhone 12 Proがステンレス(右)。重量はiPhone 12の方が軽くて持ちやすい
iPhone SE 第2世代はコンパクトで格安。モデルとしても古くない
iPhone 12 miniはこの秋登場した人気のコンパクトなモデル
ポイント6:チップの差は使える期間の差でもある
iPhone 12は、A14 Bionicという最新のチップを採用しています。iPhone SE 第2世代とiPhone 11は1世代前のA13 Bionic、iPhone XRはA12を搭載します。A12でも普通に使って遅く感じることはあまりないでしょう。最大の違いは3〜4年と長く使った際です。新しいCPUは、OSの対応期間が長くなります。
iPhone 12が5年使えるなら、iPhone XRは3年使えると考えたほうが無難でしょう。最新のOSがサポートしなくなり、年数を経ると世代の古いCPUが遅く感じるようになります。
5年 | 4年 | 3年 | |
---|---|---|---|
iPhone 12 mini(A14) | 1330円/月 | − | − |
iPhone 12(A14) | 1513円/月 | − | − |
iPhone 12 Pro(A14) | 1780円/月 | − | − |
iPhone 12 Pro MAX(A14) | 1963円/月 | − | − |
iPhone SE 第2世代(A13) | − | 1037円/月 | − |
iPhone 11(A13) | − | 1454円/月 | − |
iPhone XR(A12) | − | − | 1661円/月 |
※すべて128GBモデルの場合
参考までに、iPhone 12シリーズを5年使った際の他機種との月割の表を作成してみました。A14が5年使えるなら、A13は4年、A12は3年と考えるわけです。これを月割にすると、使える年数に対する価格差の目安としての指標になるはずです。
これを見ると、iPhone SE 第2世代はとても割安なことがわかりますが、iPhone XRは意外に安くないと考えられるわけです。もちろん、長年使うとバッテリーの交換が必要になります。5年間使うなら一度は交換が必要でしょう。
iPhone 12はスタンダードな新モデル
iPhone 12 Proは高性能な上位機。画面サイズはiPhone 12と同じ
iPhone 12 Pro Maxは最大画面を持つ大型モデル
本記事に関連して、iPhoneの選び方、おすすめモデルについて下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部