iPad(第8世代)レビュー、価格据え置きで性能が大幅に向上

iPad(第8世代)レビュー、価格据え置きで性能が大幅に向上

2020年秋、iPadが2製品登場します。中級クラスのiPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)です。今回は、エントリーモデルのiPad(第8世代)を詳しく紹介していきます。

いわゆる無印のiPadは手ごろな価格で人気がありましたが、前モデルのiPad(第7世代)で一気にブレイクしました。価格は3万4800円(以下、価格はすべて税別)と手ごろながら、Apple PencilやSmart Keyboardに対応したのです。

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新たに登場したiPad(第8世代)は、ほぼ同じボディを採用しながら、性能を大幅にアップ。その上で、価格は据え置きなのが素晴らしいところです。

見慣れたボディは使いやすく、アルミ製で安っぽくない

iPad(第8世代)は、iPad(第7世代)とほぼ同じボディを採用しています。重量が微妙に異なり、Wi-Fiモデルでは第8世代が490グラムなのに対して第7世代は483グラムです。ただし、外観の違いはほとんどわかりません。もちろん、サイズは高さ・幅・厚さすべて同じです。iPad(第7世代)で使っていたケースなどは、そのまま利用できるはずです。

額縁の太いデザインには先進性は感じられませんが、おなじみのホームボタンが便利に使えます。特にマスクをしているときには顔認証よりも便利です。ボディはアルミ製なので、安っぽく感じることはありません。

iPad(第8世代)レビュー

本体のデザインはおなじみの形。ホームボタンが搭載されている

iPad(第8世代)レビュー

ボディはアルミ製で高級感がある。こちらも見慣れたiPadらしいスタイルだ

充電用のコネクターはLightningを採用します。新iPad AirはUSB-Cに変わったので、Lightningを採用するのは本モデルとiPad miniのみになります。スマホと充電器などを共有したいならUSB-C端子のほうが便利ですが、iPhoneと連携するならLightningが向いています。このあたりはユーザーによって評価が分かれるところでしょう。

嬉しいのは、イヤホン端子が付いていることです。手元にあるイヤホンを活かしたい人にとっては重宝します。また本体の横には、Smart Connectorが付いています。ここに純正のキーボードを取り付けることで、電池や充電が不要で利用できるわけです。

iPad(第8世代)レビュー

カメラはシングルで8メガ

iPad(第8世代)レビュー

イヤホン端子を採用する

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側面にはSmart Connectorを搭載

ディスプレイは明るく美しいが、上位モデルとは差がある

ディスプレイサイズは10.2インチで、2160×1620ピクセルです。解像度が高く、500ニトと十分な明るさです。iPadは縦横比がより正方形に近く、“太く”なります。つまり、横にした状態で高さがあるのです。これにより、画面サイズを示すインチ数の割には画面が広い特徴があります。

iPad(第8世代)のディスプレイは、価格を考えれば非常に美しいと感じるでしょう。ただし、上位モデルとは大きな差があります。

低反射のコーティングが施されていないので、映り込みが気になるでしょう。また、ダイレクトボンディングではないので、ガラスと液晶面の間にギャップがあり、斜めから見たときに映像が白っぽく映ります。ガラスと液晶面の間でも乱反射が起こるためです。上位モデルとの大きな差は、デザインとディスプレイにあります。

iPad(第8世代)レビュー

iPad Proと比較。右のiPad(第8世代)はディスプレイが白っぽく見える

チップはA12を搭載、性能は大満足

iPad(第7世代)が採用していたCPU「A10」は、2016年の秋に初めて登場しました。およそ4年前のチップなのです。実際に使っても快適ですが、ヘビーなゲームにはちょっと厳しいでしょう。また、これから3年使うと7年前のチップになってしまいます。さすがに遅さを感じる可能性が高いのです。

iPad(第8世代)では「A12」を採用します。こちらは2018年の秋に登場しているので、まだ2年前の最高性能のチップです。なにしろ、iPad Proも「A12Z」という派生モデルを採用しているのですから、文句なしの性能です。これから3年、4年と使い続けても快適なはずです。最新のiPad Airは「A14」を採用しますが、最新の高性能チップではなくてもよい人には頃合いの選択といえます。

付属の充電器は、20Wの急速充電タイプに変わりました。同時に、付属のUSBケーブルもUSB-C×Lightningに変更されています。

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iPad(第8世代)レビュー

充電器とケーブルは新しくなった

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充電器は20Wだ

Smart KeyboardやApple Pencilが便利に使える

iPad(第8世代)は、純正のSmart Keyboardが利用できます。価格は1万6800円と市販のキーボードに比べるとやや高価ですが、使い勝手は抜群です。本体に取り付けるだけで充電の必要もなく、ペアリングも不要。くっつけるだけで使える、というイメージです。

iPad OSは、かなりパソコンに近い使い勝手に進化してきています。キーボードを付属して使うことで、仕事にも満足して利用できるはずです。

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さらに、第1世代のApple Pencil(1万800円)にも対応しています。専用のペンは素晴らしい書き心地で、仕事や勉強に快適に利用できるでしょう。最廉価のiPad(第8世代)でも、上位モデルとできることは大きく変わらないのです。

iPad(第8世代)レビュー

Smart ConnectorにSmart Keyboardを取り付けるだけで利用できる

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このようにパソコンライクな使い方が可能だ

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キーボードを利用するとショートカットも便利に使える

iPad(第8世代)レビュー

Smart Keyboardはディスプレイを守るカバーにもなる

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Apple Pencilで快適に手書きができる

まとめ

iPad(第8世代)は最廉価のiPadです。言うまでもなくライトユーザーや学生、パーソナルユースなど、あらゆるユーザーにおすすめできます。iPad ProやiPad Airは、iPadを使い慣れて明確な用途がわかっている人に推奨します。

iPad(第8世代)は、入門向けとして購入して末永く快適に使えます。この価格なら、ビデオ視聴、ブラウジング、ゲームなどにしか使わなくても元は取れるでしょう。ライトユースでも、長く使えばコスパは高いはずです。iPadの便利さに気付いたら、Apple PencilやSmart Keyboardを追加して本気で使い込むこともできます。

本記事に関連して、iPad(第8世代)のレビューを下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部