Galaxyシリーズの新モデルは、コンパクトな「Galaxy S20 5G」と大画面の「Galaxy S20+ 5G」がリリースされています。
「Galaxy S20 5G」レビュー、前モデルGalaxy S10と徹底比較
一足先にS20の販売がスタートしていますが、S20+もNTTドコモから2020年6月18日、auから6月4日に発売。価格はドコモのオンラインショップで11万4840円、auオンラインショップでは13万3280円となっています。魅力の大画面モデルを詳しくレビューしていきます。
大画面モデルながら薄くて軽量
Galaxy S20+は、6.7インチのディスプレイを採用する大画面モデルです。一昔前なら、タブレットとスマホの中間的な製品を指す「ファブレット」と呼ばれた大きさですが、最近は狭額縁化でこのくらいのサイズは珍しくなくなりました。なにしろ、海外ではさらに大きな6.9インチディスプレイを搭載する「Galaxy S20 Ultra」までリリースされています。
ディスプレイ | 本体サイズ | 重量 | |
---|---|---|---|
Galaxy S20+ | 6.7インチ | 162×74×7.8ミリ | 186グラム |
iPhone 11 Pro Max | 6.5インチ | 158×77.8×8.1ミリ | 226グラム |
大画面でメジャーなモデルがiPhone 11 Pro Maxですが、それでも6.5インチなので差があります。実際に両者を並べて見ても、Galaxy S20+のほうがずいぶん大きく感じます。とはいえ、実は横幅が少し狭いので若干持ちやすくなっています。
カタログ値ではGalaxy S20+が186グラム、iPhone 11 Pro Maxが226グラムと重量も差があります。Galaxy S20+は、サイズの割には手にしていて楽です。
左のGalaxy S20+のほうが画面は大きい
Galaxy S20+のほうがだいぶ軽い
画面占有率が高く、美しいデザイン
Galaxy S20+は、ディスプレイの縁(フチ)をきわめて細くした製品で、とても斬新です。最近はフチが少ないモデルが増えていますが、上下のフチを含めてここまで細い製品は多くありません。
フロントカメラはピンホールタイプを採用しており、あまり目立ちません。また、画面の左右を湾曲させたタイプのディスプレイを採用していますが、角(カド)の部分はやや小さくなっています。実際にカドが丸くなっているスマホを使っていると、アプリによっては表示が斜めになって使いづらいことがあります。その点を解消しているのでしょう。
背面は、美しいガラスを採用しています。背面のガラスはフチまで大きく回り込んでおり、ボタンの部分だけフレームが厚くなっています。非常に凝ったつくりで、手にすると素晴らしさが伝わってきます。
画面占有率の高さが特徴の一つ
背面は美しいガラス製で、フチまで回り込んでいる
ディスプレイのアールが小さくなっている
フレームは細く、ボタンの部分だけが厚みのある造形だ
ディスプレイは120Hz駆動に対応
ディスプレイは、有機EL(Dynamic AMOLED 2X)を採用しています。解像度は3200×1440と非常に緻密です。明るさも十分ですが、iPhone 11 Pro Maxと比べると若干負けています。
特徴的なのが、120Hz駆動に対応したことでしょう。画面の書き換えが高速なので、ゲームなどに最適なのはいうまでもなく、またブラウザでスクロールしていてもちらつきがまったく違います。ただし、解像度を最大の3200×1440ドットに指定すると120Hz駆動はできません。2400×1080ドットでのみ120Hz駆動なのはちょっと残念です。
生体認証は、顔認証とディスプレイ内蔵の指紋センサーを採用しています。
右のiPhone 11 Pro Maxのほうが若干明るく感じる
iPhoneと比較してスクロールすると、明確に違いがわかる。左がGalaxy S20+
最高解像度では120Hzが利用できないのが残念
超急速充電が可能だが充電器は付属せず
製品に付属するのはUSB-Cケーブル、イヤホン、透明ケースなどです。急速充電器は付属しません。
超急速充電では、25Wの充電に対応するとされています。手元にあったUSB PD対応の充電器では、急速充電の表示になりました。どちらにしろ、安心して超急速充電をするためにはGalaxy純正の充電器を購入するべきでしょう。標準で付属していないのが残念です。
なお、おサイフケータイと防水に対応しますが、テレビは視聴できません。
イヤホンやUSB-Cケーブルが付属する
性能は文句なし、アップデートで5Gミリ波にも対応
SoCは、Snapdragon 865 5Gを搭載しています。今シーズンの最高性能ですが、ライバルの上位モデルとも横並びです。またRAMが12GB、ROMは128GBと、こちらも文句のない高性能ぶりです。
5Gにも対応しますが、現時点では利用できるエリアがあまりにも狭いために、そのメリットを感じられるまでには、かなり時間がかかりそうです。5Gはアップデートでミリ波に対応する予定となっています。
性能は1シーズン前のGalaxy S10と比べてもずいぶん向上している
AKGブランドのイヤホンはUSB-C接続だ
カメラは望遠と夜景撮影が特徴的
カメラは、1200万画素の超広角カメラ、同じく広角カメラ、さらに6400万画素の望遠カメラを採用。さらに、深度測位カメラを搭載します。最大の特徴はズームです。光学とデジタルを組み合わせて、最大30倍ズームが利用できます。
また、イメージセンサーが大きくなったことにより、夜景撮影がさらに強化されています。今回は、iPhone 11 Pro Max、Galaxy S10と比較してみました。
標準・広角撮影
同じ条件で標準と超広角を撮影しました。Galaxy S10と比べても、Galaxy S20+のクリアさが素晴らしいことがわかります。
標準撮影
Galaxy S10で撮影
iPhone 11 Pro Maxで撮影
Galaxy S20+ 5Gで撮影
広角撮影
Galaxy S10で撮影
iPhone 11 Pro Maxで撮影
Galaxy S20+ 5Gで撮影
夜景撮影
Galaxy S20+が最もくっきりとしています。ノイズにも差があり、看板の文字のぼやけ方などが大きく違います。
Galaxy S10で撮影
iPhone 11 Pro Maxで撮影
Galaxy S20+ 5Gで撮影
ズーム撮影
1、2、4、10、20、30倍ズームで撮影。10倍まではまったく文句なしです。20倍以上でややぼやけていますが、手持ちでの撮影なので十分でしょう。
等倍
2倍ズーム
4倍ズーム
10倍ズーム
20倍ズーム
30倍ズーム
動画撮影は8Kに対応、背景ぼかしも
動画は最大8Kでの撮影に対応しています。また、4K 60fpsでも撮影可能。動画撮影中に静止画を撮ることもできます。8Kで撮影した動画は、再生時に33Mの写真として取り出すこともできます。実際には8Kで再生できる機器が少ないので、静止画を取り出すために短時間の動画を撮ってもよいでしょう。
動画の背景をぼかすこともできますが、残念ながらエッジの部分の処理がうまくできていません。これは他のスマホも同様です。シングルテイク機能では、短時間の動画を撮影するだけで、さまざまなトリミングや色合いの写真、動画などを一発で記録でき、とても楽しめます。
シングルテイク
短時間の動画を撮ると、さまざまな静止画や動画を組み合わせた写真を生成してくれます。
動画背景ぼかし
背景をぼかした動画も撮れますが、エッジの部分がうまく処理できていないのが残念です。
まとめ
Galaxy S20+は、今シーズンのハイエンドモデルの中でも最高クラスの1台といえるでしょう。性能、カメラ、ディスプレイすべて満足できる製品です。しかも、軽くて持ち歩きやすくなっているのは、とても嬉しいポイントです。
惜しいのは、対応エリアが狭すぎるために、5Gのメリットがほとんど感じられない点です。しかも、エリアの広がり方は極めてゆっくりとしています。せっかくだから5Gモデルの素晴らしさを体感したいと思っている人は、様子を見てもよいかもしれません。1年後でも大してエリアが広がっていない可能性もありそうです。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部