「5G」を実際にスマホで使ってみた──最も恩恵を感じた用途、意外な落とし穴とは?

「5G」を実際にスマホで使ってみた──最も恩恵を感じた用途、意外な落とし穴とは?

いよいよ大手キャリアによる「5G」がスタートしました。関心を持っている人も少なくないでしょう。本記事では、実際にスマホで5Gを利用するとどれほど高速なのか、またどんな用途に向くのかなどについて紹介。使ってみて改めて気づいた、5Gの意外な注意点にも言及していきます。

そもそも「5G」とは?

5G(第5世代移動通信システム)について最初に簡単に触れておきましょう。

すでに皆さんがお使いのスマホは、ほとんどのモデルが4Gに対応しています。LTEと呼んでいるのがほぼ4Gです。通信速度は規格で決まっており、4Gは第4世代という意味で、50Mbpsから1Gbps(1000Mbps)の速度が出るとされています。

5Gは4Gの次の世代の規格で、通信速度は最大20倍と言われます。つまり、20Gbpsということになります。接続の遅延が少なく、また多数のデバイスが接続できる特徴があります。

3Gから4Gに切り替わってきたように、今後4Gから5Gへと徐々に切り替わっていくわけです。とはいえ、当面は4Gが問題なく利用でき、5Gと混在することになるでしょう。

5G

ドコモスピードテストのランキング。この日の品川駅周辺ではこの程度の速度だ

通信速度はあくまでも理論値です。4Gで最大1Gbpsの速度が出るとされていますが、実際には30〜100Mbps程度で利用していることが多いでしょう。50Mbpsも出ていれば「速い」と感じます。

それでは、5Gは実際どの程度の速度が出るのでしょうか。詳しくは後述します。

各社の5G料金をざっくりチェック

各社の料金を確認しておきましょう。主に大容量の通信が可能なプランを中心に紹介します。料金は5Gだけでなく、4Gも含みます。つまり5Gのスマホはまだエリアが小さく、実質的には4Gでの通信が基本になります。その際の料金も包括しています。詳しくは各社のウェブページでご確認ください。

NTTドコモ

5G

ドコモは「5Gギガホ」「5Gギガライト」を用意します。5Gギガホは月額7650円(100GB)ですが、当面の間、現在データ量無制限キャンペーンが実施されます。また、5Gギガライトは月1980円(1GB)〜3980円(7GB)までの4段階の定額プランです。

NTTドコモ

ソフトバンク

5G

ソフトバンクは、契約している対象料金プランに月額1000円の「5G基本料」を追加することで5Gが利用可能です。ただし、2年間はキャンペーン中につき実質無料となっています(受付期間は2020年8月末まで)。

ソフトバンク

au

5G

auの5G対応料金プランは、使い放題型の「データMAX 5G」、コンテンツとセットの「データMAX 5G Netflixパック」「データMAX 5G ALL STARパック」のほか、7GBまで3段階定額の「ピタットプラン 5G」の4つをラインアップしています。

標準プランのデータMAX 5Gは月額8650円で、毎月1000円を割り引く「5Gスタートキャンペーン」により、25カ月間は4G向けの同等プランと同額で使えます。基本的にデータ通信は使い放題ですが、テザリングやデータシェア、国際ローミングには月30GBまでの上限が設けられています。

au

5Gの対応エリアはまだごく一部

5G

Image:auの5Gサービスエリアマップ

5Gの対応エリアは、記事執筆(2020年4月5日)時点でも非常に狭くなります。たとえばNTTドコモの場合、屋外で利用可能なエリアはほとんどなく、住所での指定はありません。

羽田空港やいくつかのドコモショップ、ビルの内部などで利用が可能です。5Gを体験するために出かけなければ、利用するのは難しいでしょう。他社もほぼ同様で、ソフトバンクは住所で指定していますが、東京の場合、千代田区や中央区の一部エリアのみになります。auも各地のごく一部エリアのみです。

NTTドコモ:5G通信利用可能施設・スポット一覧(PDF)
ソフトバンク:5G対応エリア(PDF)
au:5G対応エリア(PDF)

5Gの通信速度を実際に計測

今回は、NTTドコモの5G対応スマートフォン「AQUOS R5G」を利用して、テストしてみました。場所は、羽田空港の第1ターミナルビルの出発ゲート付近です。出発ゲートのある階に移動すると、スマホの表示が5Gに切り替わります。はじめての表示にちょっと感激してしまいます。

早速スピードテストアプリで速度を計測してみました。なお比較のために、Galaxy S10の4G接続も並べています。結果、4Gが300〜400Mbpsだったの対し、5Gは900Mbps〜1Gbps程度は出ています。驚くべき速度に一瞬目を疑いました。上りも、4Gが20〜40Mbpsだったのに対し、5Gは100Mbps程度は出ていました。

5G

通信速度のスコアは驚くほどだ

最も4Gとの差が感じられた用途は?

スマホでさまざまな用途に使ってみました。

まずは、インターネットのニュースサイトなどを見てみました。レスポンスの差は注意すれば確かに感じられます。とはいえ、4Gも300Mbps程度は出ているので、もはや気にするほどの差ではありません。続いて、YouTubeを見てみましたが、こちらもほとんど違いは感じられませんでした。

最も差を感じたのが、アプリのインストールです。

1.6GBほどある「Call of Duty Mobile」をインストールしてみました。5Gでは30秒ほどでダウンロードが終わりましたが、その時点で4Gは40%程度でした。実際にインストールを終えて使い始めるまでの時間を考えると、ずいぶん差があります。ゲームで追加コンテンツなどをすぐに使いたいとき、5Gは非常に有効でしょう。

5G

ニュースサイトの利用ではほとんど差はなかった

5G

YouTubeの視聴でも差は感じられない

5G

アプリのインストールでは相当に違いがあった

5Gを利用する上での意外な注意点

5Gの快適さが感じられたのは、アプリのインストールくらいでした。もちろん、大容量ファイルのダウンロードでも違いは出てくるでしょう。映画をダウンロードしてみるような作業でも違いがあります。当たり前ですが、大容量の通信をおこなわない限り、差は感じられないわけです。

そこで問題になるのが、通信容量の制限です。今回、7GBほどあった4Gの容量はテスト中に使い切って制限がかかりました。5Gのメリットを感じられる使い方をすると、10分で10GB程度消費することもありえます。月間の容量が50〜100GBではまったく足りません。本気で使いたいなら、データ容量無制限であるべきです。

そう考えると、ソフトバンクの契約体系はちょっと不安です。また、NTTドコモもキャンペーンが終わると困ります(終了時期は明確になっていません)。

まとめ

5Gは非常に魅力的です。料金体系が使い放題に変わってくれば、スマホの利用方法が変わるでしょう。もうWi-Fiにつなぐ必要はないと感じるはずです。

数年後には、「通信が遅い」という言葉は死語になりそうです。しかし、現時点ではあまりに利用可能エリアが狭く、日々の生活や仕事で価値を感じられるケースはごく稀です。もちろん、職場が通信エリア内など、運のよい人はとても恩恵がありますが。

5G対応スマホを購入し、5G対応の通信契約をしても、長い時間をかけて少しずつ使えるようになります。焦って乗り換える必要はありませんが、魅力的なスマホを買って5Gに対応している場合には、5Gの契約をするのも悪くありません。4Gの通信が大容量もしくは使い放題になる契約だと考えてもお得なのです。

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部