5Gに対応した上位機が話題の2020年春夏モデルですが、さかんにテレビCMを放映しているのが「Galaxy S20 5G」です。NTTドコモとauから発売され、注目度も高い製品となっています。
「5G」を実際にスマホで使ってみた──最も恩恵を感じた用途、意外な落とし穴とは?
価格はNTTドコモ版が10万2960円、au版が11万7480円(公式オンラインショップでの一括購入時)で、本体カラーはクラウドブルー、コスミックグレー、クラウドホワイトの3色展開です。今回は、このGalaxy S20 5G(au版)を前モデルGalaxy S10と比較しながらレビューします。
本体はさらにコンパクトに、スリムで持ちやすい
今回は、前モデルのGalaxy S10とも比較しながら紹介していきます。なんと言っても注目ポイントは、より本体がコンパクトになり、かつ、ディスプレイが大きくなったことでしょう。サイズは次のようになります。
ディスプレイ | 本体サイズ | 重量 | |
---|---|---|---|
Galaxy S20 | 6.2インチ | 152×69×7.9ミリ | 163グラム |
Galaxy S10 | 6.1インチ | 149.9×70.4×7.8ミリ | 157グラム |
面積的にはあまり小さくなっていないのですが、横幅が若干小さくなったので手にするとスリムに感じます。実際には少し細長くなっているのです。0.1インチですが、ディスプレイが大きくなったのもポイントです。
美しいデザインのGalaxy S20
Galaxy S10より細長くなり、持ちやすさが増している
より狭額縁になって画面占有率アップ
よりコンパクトながらディスプレイが大きくなったのは、額縁がさらに細くなったからです。特に上下の縁(フチ)が細くなったのが素晴らしく、画面占有率が増しています。実物を見ても、非常に美しく素敵なデザインとなっています。今買えるスマホ中で、画面の割合が最も大きいと言っても過言ではないでしょう
インカメラはピンホールと呼ばれる円形の小さな穴が空いているタイプです。このホールも少し小さくなり、存在感が抑えられています。また、ディスプレイはちらつきの少ない120Hzを採用しています。
右がGalaxy S20で、左がGalaxy S10。より画面占有率が増している
上下の額縁がさらに細くなっていることがわかる
フロントカメラの穴が小さくなった
カメラの配置デザインが変わった
Galaxy S10はカメラを横方向に配置していたのに対し、Galaxy S20は縦に変わりました。デザインの良し悪しは好みですが、個人的には縦のほうがしっくりくるように感じます。
本体の基本的な造形は変わらずに、ボディサイドが前後どちらもアールを描いています。今回はコスミックグレーを取り上げていますが、ガラス製の背面は前モデルと同様ながら少し落ちついた印象になっています。
背面のデザインは同様で、ボディのフチがアールを描いている
右のGalaxy S10に比べるとカメラの配置が変わっている
ボリュームボタンなども変更、イヤホン端子は廃止
充電にUSB-C端子を採用するのは、他のスマホと同様です。前モデルとボタンの配置が変わっている点もチェックしておきましょう。特にGalaxy S10を使い慣れている人は、最初は違和感があるかもしれません。ボリュームボタンも左から右に変わり、独自の「Bixby」キーも電源ボタンに割り当てられています。
イヤホン端子がなくなったのは少々残念です。また、テレビも視聴できなくなっています。指紋センサーは、前モデル同様にディスプレイ内蔵タイプを採用します。なお、付属品はUSB-Cケーブル、AKGブランドのイヤホン、透明のカバーなどです。充電器は付属しません。
充電はUSB-C端子を採用
ボタンの位置も変わっている。上がGalaxy S20
付属品はUSB-Cケーブル、AKGブランドのイヤホンなど
性能は向上し、ストレージの書き込みも高速
CPUはSnapdragon 865を採用しています。今シーズンの上位モデルはどれも共通です。12GBのメモリ(RAM)を採用しているので、ヘビーなゲームも快適にプレイできるでしょう。
内蔵ストレージは128GBで、microSDカードの増設にも対応します。8Kビデオの撮影に対応することを考えると、256GBの搭載を望みたいところです。
注目はストレージの書き込みが高速になっていることです。UFS3.0という新しい規格に対応しています。
Galaxy S10とS20を同時に使ってみると、体感で速度差を感じることもあります。たとえば、ナイトモードで撮影した際のレスポンスが大きく違います。
ベンチマークのスコアは、最新モデルらしく立派
Galaxy S10に比べるとファイルの書き込みが高速になった
カメラは3つ、望遠は6400万画素
カメラは3つで、1200万画素の広角カメラ、超広角カメラ、6400万画素の望遠カメラとなっています。ズームに高解像度のカメラを割り当てることで、拡大しても画像が粗くなりにくいのが特徴です。最大30倍ズームに対応しています。
標準
10倍
20倍
30倍
30倍ではやや画像が荒れますが、10倍程度なら十分に満足できるでしょう。手ぶれ補正がかなり効くので、実用的です。
標準カメラの画像は非常に美しく撮影できました。
超広角も美しく、ズームは3倍が標準になります。
AIで花なども認識してきれいに撮れます。
夜景モード撮影の進化が大きい
前モデルのGalaxy S10と撮り比べてみました。撮影の際のレスポンスが大きく違うだけでなく、画質でも差があります。Galaxy S20のほうが白飛びが少なく、より美しく撮れています。

かなり暗い場所で夜桜を撮ってみました。Galaxy S20の美しさが光ります。

超広角で同じ桜を撮影しました。ノイズがまったく違います。

Galaxy S20は、標識などの白飛びが押さえられています。
新しい撮影モード「シングルテイク」も搭載
「シングルテイク」は、新しい撮影モードで約10秒ほどのビデオを撮影すると、さまざまなエフェクトが効いた写真と動画を一気に記録できます。
たくさんの写真が自動で保存されるので、好みのカットを選択して残すこともできます。
8Kの動画撮影にも対応する
Galaxy S20は、8K動画の撮影にも対応しています。8Kのテレビを持っているユーザーには嬉しい機能です。とはいえ、一般ユーザーは当面8Kの恩恵を感じられないでしょう。スマホの画面で見ても、8Kと4Kの差はほとんどわかりません。なお、8K撮影時には、シャッターボタンを押すと静止画も同時に撮影できます。
4K60fpsの動画が、スマホの画面で見ても最も美しく感じるでしょう。ちらつきのない滑らかな映像です。
FHDで撮影
4K60fpsで撮影
8Kで撮影
まとめ
Galaxy S20は、とても素晴らしい進化を遂げています。Galaxy S10と使い比べてもかなり進化していることがよくわかります。2年おきに買い換えるとするなら、Galaxy S9のユーザーは驚くほどの差を感じるでしょう。
ただし、購入は少し待ったほうがよいかもしれません。遅れて登場する予定の「Galaxy S20+」は、ToFカメラを採用するほか、5Gがサブ6・ミリ波に対応します。実際にはミリ波が満足に使えるのは相当先になりそうですが、最新スマホを手に入れるのですから、ミリ波にも対応していたほうが好ましいと感じる人も少なくないはずです。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部