「Galaxy A25 5G」レビュー、2万円台で買える格安スマホの実力をチェック

選ばないほうがいいのはどんな人?

スマホの値上がりが著しく、上位モデルは15〜20万円程度する製品も少なくありません。そこで、2025年2月27日発売のサムスンの新製品「Galaxy A25 5G」をレビューします。

GalaxyはiPhoneと優劣を競っていますが、製品ラインナップは大きく違います。iPhoneは最廉価なモデルでも10万円を超えてきます。対するGalaxyは、今回2万円台からの製品をリリースしたことで、下位モデルまで幅広く提供しています。「安くて大丈夫だろうか」と心配な人もいると思うので、今回はその性能などを詳しく紹介します。

安っぽさのないシンプルなデザイン

画面のフチもそれなりに細いのでチープ感はない

画面のフチもそれなりに細いのでチープ感はない

Galaxy A25 5Gは、とてもシンプルなデザインです。とはいえ、かなり薄型で、背面はツヤ消しのガラスのような仕上げになっており、光が当たるときれいに反射します。パッと見て安っぽく感じることはなく、じっくり見ても3万円程度の機種とは思えないでしょう。

カメラが2眼なので高性能モデルとは思えないかもしれませんが、使っていてチープに感じないのはいいところです。

背面は光が当たると美しく輝く

背面は光が当たると美しく輝く

大画面だが明るい屋外での利用には限界も

左のGalaxy S25 Ultraと比べても本体の大きさがよくわかる

左のGalaxy S25 Ultraと比べても本体の大きさがよくわかる

画面サイズは6.7インチとかなりの大画面モデルになります。重量もカタログ値で210gとヘビー級です。コンパクトで軽いスマホを検討している人は気をつけてください。逆に、大画面モデルを探している人にはおすすめできます。カメラ部分が軽いので、持ち続けてもだんだんと重さを感じてくるということはありません。

画面の輝度がかなり違うのが、格安モデルの妥協点

Galaxy S25 Ultra(左)と比較。画面の輝度がかなり違うのが格安モデルの妥協点

ただ、画面解像度が低いのが格安モデルの妥協ポイントで、720×1600ピクセルになります。とはいえ、普通に使っていて画面がざらついたり、粗く感じたりすることはあまりないはずです。

もちろん、こだわりのある人が見れば違いがわかります。一方で解像度が低いながらもかなりくっきりと明るいため、ほとんどの人は妥協できると言えそうです。Webページや動画を観ていても、とくに我慢するようなことはないでしょう。

画面の輝度がかなり違うのが、格安モデルの妥協点

iPhone 15 Pro(右)と明るい屋外で比較。肉眼での見え方はさらに差がある

ところが、直射日光下で使おうと思うと途端に画面の暗さが露呈します。室内での利用にはまったく問題ないのですが、明るい屋外では上位モデルのように輝度を大幅に上げる機能がない点が気になります。

明るい屋外で地図を見たり、撮影をしたりしようと思うとかなり厳しいと感じるかもしれません。とはいえ、これは最新の上位機と比べたときに感じることです。いま使っているスマホが、中・下位モデルであればさほど違いはありません。

重量は200gを超えており、かなりヘビー

重量は200gを超えており、かなりヘビーだ

スマホ自体の性能は低めだが十分使える

ベンチマークの値はかなり低く、Galaxy S25 Ultraと比べると1/4程度

ベンチマークの値はかなり低く、Galaxy S25 Ultraと比べると1/4程度

Galaxy A25 5GのCPUは、Dimensity 6100+になります。Snapdragonシリーズと違って知名度はないものの、格安のスマホにはよく採用されているシリーズです。性能はかなり低めで、メモリが4GBしかありません。性能的にはかなり低いので心配になる人もいるかもしれませんが、用途を明確にすればそれなりに使えます。

Webページの閲覧や、メール・SNSを使う程度なら問題はありません。おサイフケータイやPayPayなどの決済にも普通に使えます。動画も問題なく観ることができます。

全体の動作としてはやや遅く感じるかもしれませんが、十分に妥協できるはずです。ただし、ゲームの利用にはおすすめできません。あまり重くないゲームでも快適に遊べない可能性はあります。

また、メモリが4GBなので、いろいろなアプリをたくさん併用すると動作が遅くなる可能性もあります。たとえば、高速フリックで文字入力ができる人は、レスポンスの悪さを感じるでしょう。逆に、文字入力がゆっくりな人にとっては普通に使えるというわけです。もし動作が遅く感じるときには、アプリを終了するなどしてメモリを解放するとよいでしょう。

ストレージも64GBで、初期状態で40GB程度しか空いていません。たくさんの写真や動画、音楽を保存するのは難しいでしょう。ただし、microSDカードは利用できます。バッテリー容量は5000mAhと標準的です。

おサイフケータイと5Gに対応

おサイフケータイに対応

おサイフケータイに対応

Galaxy A25 5Gは格安モデルながらおサイフケータイと5Gに対応しています。ここはさすがのサムスン製モデルらしいところです。

SIMトレイは片方がnanoSIMで、逆側がmicroSDカードになる

本体の左側にSIMトレイ(nanoSIM)、逆側にmicroSDカードスロットがある

しかも、nanoSIM1枚とeSIMが利用可能なので、海外旅行などで急きょeSIMが必要になった場合にも問題なく利用できます。さらに、防水機能も搭載しているので普通に使って困ることがありません。

電源ボタンは指紋センサーを兼用している

電源ボタンは指紋センサーを兼用している

また、本体右横の電源ボタンは指紋センサーを搭載しています。格安モデルながら、重要なポイントはしっかりと押さえています。

カメラは2眼でスナップ写真はきれいに撮れる

カメラは2眼で、5000万画素の標準カメラと200万画素のマクロだ

カメラは2眼で、5000万画素の標準カメラと200万画素のマクロだ

カメラは5000万画素と性能的には十分です。また、200万画素のマクロカメラを搭載しています。写真や動画をたくさん撮る人は、ストレージが物足りなくなったらmicroSDカードを利用すると良いでしょう。

いわゆるスナップ写真を撮影しても十分に満足できるはずです。思ったよりクリアできれいに撮影できたのには驚きました。撮影が可能なのは標準と2倍ズームです。いわゆるデジタルズームですが、こちらも十分な画質でした。また、花に近寄って撮影した写真も文句なしです。

ただし、超広角には対応しないので注意してください。また、2倍以上の望遠も徐々に画質が悪化します。ポートレートも撮影してみましたが、対応しているのは人物のみのようで、被写体が人でない場合には「顔を探しています」と表示されて撮影できませんでした。動画は、最高画質でフルHDながらきれいに撮れています。価格を考えるとカメラは上々です。

標準カメラ

標準カメラはとてもクリアできれいに撮れる

標準カメラはとてもクリアできれいに撮れる

2倍ズーム

2倍ズームも十分に満足できた

2倍ズームも十分に満足できた

マクロ撮影

マクロも美しく、輪郭がくっきりとしている

マクロも美しく、輪郭がくっきりとしている

動画

最大でフルHDだがなかなかきれいに撮れた

まとめ:ゲーム利用には不向き、通話やメールをメインに使う人におすすめ

Galaxy A25 5Gは、直販のSIMフリーモデルで2万9900円です。ほかにもキャリアで販売されているので、値引き込みで無料に近い価格になるケースもあるでしょう。

価格を考えると全体的に満足できますし、おすすめできます。ただし、妥協すべき点もかなり多いので、初心者にはあまりおすすめできません。ゲームをしようと思っても厳しかったり、超広角が撮れなかったりと「そんなはずじゃなかった」と思う可能性もあります。お子さんにプレゼントしても、ゲームができないとイライラされてしまうかもしれません。

おすすめなのは、このスペックを理解して利用できるユーザーです。もしくは、ほとんど通話とメールしか使わないといった用途が限られる人です。実は、3万円以下で5Gとおサイフケータイ、防水に対応している機種はさほど多くありません。同価格帯で5Gなどに対応するOPPO A3 5Gなどと比較して購入を検討すると良いでしょう。

YouTubeでもGalaxy A25 5Gについて詳しくレビューしています。こちらも合わせてチェックしてみてください。

構成・文
戸田 覚
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
MATSUBA