Amazonの電子書籍リーダーとして人気の高いKindle端末ですが、ディスプレイは電子ペーパーと呼ばれる反射型の液晶を使用し、明るい場所では紙と同じように表示できます。暗い場所では、フロントライトと呼ばれる方式で画面を照らしています。つまり、スマホやタブレットの液晶のように画面の後ろから強く光るわけではないため、おだやかに明るく長時間の読書でも目に優しく読みやすいのです。
この記事ではKindleシリーズでいま買える最新機種を比較し、選び方やおすすめモデルを紹介。取り上げるのは「Kindle(第11世代、2024年モデル)」「Kindle Paperwhite(第12世代、2024年モデル)」、デジタルペーパー機能も兼ねる「Kindle Scribe(2022年モデル)」「Kindle Scribe Notebook Design(2024年モデル)」で、キッズモデルやシグニチャーエディションの特徴などについても解説します。なお、以前まで販売されていた「Kindle Oasis」は姿を消しています。
本体サイズと重さ、質感などを比較

左からKindle(第11世代、2024年モデル)、Kindle Paperwhite(第12世代)シグニチャー エディション
本体サイズを比べてみましょう。Kindleはかなりコンパクトで、Kindle Paperwhiteがひと回り大きくなります。
ディスプレイ | サイズ | 重さ | 価格 | 発売年 | |
---|---|---|---|---|---|
6インチ | 157.8×108.6×8mm | 158g | 1万9980円〜 | 2024年 | |
Kindle Paperwhite(第12世代) | 7インチ | 176.7×127.6×7.8mm | 211g | 2万7980円〜 | 2024年 |
Kindle Paperwhite(シグニチャーエディション) | 7インチ | 176.7×127.6×7.8mm | 214g | 3万2980円〜 | 2024年 |
Kindle Scribe | 10.2インチ | 230×196×5.8mm | 433g | 4万7980円〜 | 2022年 |
Kindle Scribe Notebook Design(2024年モデル) | 10.2インチ | 230×196×5.7mm | 433g | 5万6980円〜 | 2024年 |

Kindleはコンパクトな最軽量モデル

Kindle Paperwhite シグニチャー エディションは大型のスマホ程度の重量
Kindleは、画面とフレームに段差があるのでKindle Paperwhiteに比べると高級感で劣ります。また、防水に対応していないのでお風呂では利用できません。
ディスプレイのサイズを比較

左のKindleは6インチで文庫本的に使える。右のKindle Paperwhiteは7インチで単行本感覚だ
ディスプレイのサイズをチェックしてみましょう。ほぼ同じ本体サイズならディスプレイは大きいほうがよいと思うかもしれません。しかし、電子書籍リーダーの場合はバランスが大事です。
小説など文字ばかりの本を読むときには、画面が大きすぎると文字を目で追うのが大変になります。たとえば10〜11インチのiPadで小説を読むと、画面が大きすぎると感じる人もいるでしょう。Kindleシリーズならちょうどいいサイズなのでそんな心配はありません。
Kindleは6インチで画面はかなり狭くなります。文庫本感覚で小説を読むなら問題ありませんが、マンガを読むにはかなり窮屈です。Kindle Paperwhiteは6.8インチの大画面になり、小説やマンガが読みやすくなりました。
フロントライト(見やすさ)を比較

フロントライトが付いているので暗い部屋でも読みやすい
Kindleシリーズ2モデルは同じ解像度なので、文字の美しさなどは変わりません。大きな違いはフロントライトです。Kindleシリーズはフロントライトという形で、LEDライトで電子ペーパーを照らして暗い部屋でも快適に読書ができます。
Kindle Paperwhiteは17個、Kindleは4個のフロントライトを搭載しますが、見た目の違いはさほどありません。どの製品でも十分快適に利用できます。

Kindle Paperwhite(右)は、色合いの調整に対応する
Kindle Paperwhiteは画面の色合いを調整することができます。部屋の明かりが暖色の場合には調整すると読みやすくなるでしょう。色合い調整の面で比べて見ると、調整のできないKindleがどうしても見劣りしてしまいます。
各機種の特徴と容量・価格などを確認
Kindleには価格が手ごろな広告付きモデルがありましたが、今シーズンから姿を消しています。また、データ通信付きのモデルもなくなり、Wi-Fiモデルのみとなりました。書籍をダウンロードするときのみWi-Fiにつながっていれば大丈夫なので、困ることはさほどないでしょう。
また、充電などに使う端子は全機種USB Type-Cとなっており、AndroidスマホやiPhone 16シリーズなどと同じ充電器やケーブルが使えて便利です。価格は全体に大きく値上がりしているので、セールを狙ってうまく買いたいところです。
入門者向けのKindle(第11世代、2024年モデル)

Kindle(第11世代、2024年モデル)
2024年秋にマイナーチェンジをした「Kindle(第11世代、2024年モデル)」は、2022年の秋に登場したモデルです。2022年モデルよりも25%明るくなり、より書籍を読みやすくなっています。
シンプルなモデルでサイズも小さいので、カバンにすっきり収まるのもメリットのひとつ。Kindle入門者におすすめで、ギフトなどにも最適です。ただし、画面が狭いのでマンガや雑誌を読むには不向きかもしれません。さらに防水非対応なのも残念なポイントです。
- 価格:1万9980円
- 容量:16GB
- フロントライト:LED 4個
防水機能が備わったKindle Paperwhite(第12世代、2024年発売)

Kindle Paperwhite(第12世代)
2024年に登場した新モデルの「Kindle Paperwhite(第12世代)」は圧倒的にレスポンスが向上し、非常に使いやすくなりました。読書をする機会が多いならこのモデルがおすすめで、防水なのでお風呂でも使えます。
容量が32GBの「Kindle Paperwhite シグニチャーエディション(第12世代)」は明るさ自動調整機能、ワイヤレス充電対応、本体カラーが選べるなどの違いがあります。マンガや雑誌などを大量に持ち歩きたい人にもおすすめです。
- Kindle Paperwhite(第12世代)
- 価格:2万7980円
- 容量:16GB
- フロントライト:LED 17個
- Kindle Paperwhite シグニチャーエディション(第12世代)
- 価格:3万2980円
- 容量:32GB
- フロントライト:LED 17個
画面が大きいKindle Scribe(2022年発売)

2022年11月30日に発売された「Kindle Scribe」。画面サイズは10.2インチと、これまでのKindleシリーズで最大となります。さらに専用のスタイラスペンが付属し、Kindle Scribeの画面で直接メモを手書きで作成可能です。
Kindle Scribeは、従来のKindleシリーズと同様の電子書籍リーダーという機能に加え、電子ペーパー機能も搭載したKindleシリーズの最上位モデルとなります。ただし、本体重量が433gである点や本体価格が4万7980円(税込)からである点など、他のKindleシリーズのように手軽に使い回すのには向きません。
一方で、電子ペーパー採用のデジタルノートデバイスとして見れば、4万円台は手頃な値段と言えます。大画面でビジネス書やマンガなどを読み、手書きのノートを書きたい人にはコスパの良好なデバイスとしておすすめできるモデルです。
手書きメモを文中に残せるKindle Scribe Notebook Design

2024年12月4日発売の「Kindle Scribe Notebook Design」は、デザインを一新したデジタルノートです。電子ペーパーは電池の持ちが良く、書き味も良いので一般的なタブレットよりもノートに向いています。新たにノートブックらしいデザインに進化し、白い縁取りがとてもオシャレになっています。本体とカラーがマッチしている付属の専用プレミアムペンも素敵です。
本体や機能はKindle Scribe Notebook Design(2022年)とさほど変わらないので、セールなどで安くなっているなら旧モデルも検討の余地があります。
- 価格:5万6980円〜
- 容量:16GB/32GB/64GB
- フロントライト:LED 35個
2機種に用意された「キッズモデル」の特徴
KindleとKindle Paperwhiteには、それぞれキッズモデルがラインナップされています。基本的には通常モデルと変わりませんが、専用のカバーが付いているのが外観上の違いです。カバーは色やデザインが選べるので、子どもの好みに応じて選べます。
最大のポイントは、本が読み放題になる「Amazon Kids+」が1年間付いてくることでしょう。子ども文庫から児童文学の名作、歴史・科学などの知育分野まで、1000冊以上の子ども向きの本が読み放題です。読み放題にない本でも、親が購入して追加することができます。
ペアレンタルダッシュボードの見守り機能で、本を読んだ時間や興味を持っているカテゴリーなどもわかります。また、2年間保証が付いてくるので、万が一壊れてしまっても交換してもらえる点も見逃せません。Kindleは壊れにくいデバイスですが、小さなお子さんにも安心して渡せるわけです(保証には条件があります)。
まとめ:メインで読むものにあった画面サイズのシリーズを選んで
Kindleのラインナップが整理され、選択肢が少なくなってしまいました。文庫本感覚でテキストを中心に読むなら、最廉価のKindleがおすすめです。
マンガやビジネス書なども読むなら、画面が大きいKindle Paperwhiteが適しています。防水なのもとても魅力的です。
Kindleは、前の世代に比べると大きく値上がりしました。性能も向上しているのですが、以前のように気軽に買えなくなったのは残念です。セールなどを利用してお得に手に入れてください。