デジタルカメラで撮影した写真をパソコンを経由せずスマホに直接転送できたら何かと便利です。最近はWi-FiやBluetoothでスマホに直接転送できるタイプのカメラが増えているものの、依然としてその手段に困っている人は少なくないでしょう。
そこで本記事では、カメラで撮影した写真をiPhone/Androidスマホへ直接取り込む方法を3つ紹介。パソコンを使わないやり方だけを特集して解説しています。
方法1:ケーブル接続で写真を取り込む
スマホへ送る手段として一番便利なのは、ケーブルでスマホに転送する方法です。
障害物の影響を受けやすいWi-Fi接続と比べ、ケーブル接続は安定した通信ができるのが魅力。数百枚レベルの大容量データも、スピーディーに読み込むことができます。面倒な事前設定なども必要ないので、スマホに写真を取り込む機会が多い人には一番おすすめしたい方法です。
iPhone向けのやり方

iPhoneとカメラをケーブルで直接接続することはできないので、外付けのUSB変換アダプターを使用します。カメラとiPhoneを対応ケーブルとアダプタを経由して上図のようにつなぐイメージです。
準備するもの1:USBカメラアダプタ

Apple純正のUSBカメラアダプタ
USBカメラアダプタは、Appleが販売する純正品、もしくはMFi認証の商品を使うのが確実です。Amazonなどでは似たような非純正品も多数販売されていますが、まともに動くとは限りません。
ちなみに、「USBカメラアダプタ」はUSBメモリを挿し込めば外部ストレージとして利用できますし、外付けのキーボードやマウスと接続することも可能です。さまざまな機器を使えるようになるので、ひとつ持っておいて損はないでしょう。
準備するもの2:USBケーブル

USBケーブルは、カメラ購入時に同梱されていたものを使えば問題ないでしょう。もし手元にない場合は、必ず片方の端子が「USB-A」のものを用意してください。
なお、カメラは「USB-miniB」など特殊な形状の挿し込み口を採用していることも多いです。必ず手持ちのカメラの説明書や公式サイトなどで挿し込み口の仕様を確認してから購入してください。
写真を送る手順
ここからは、実際に写真を送る手順を紹介します。
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USBカメラアダプタとiPhoneとデジカメを接続する
「USBカメラアダプタ」を使って、カメラとiPhoneを上の画像のように接続します。カメラの電源を入れ、iPhoneの画面ロックを解除すれば準備完了です。
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「写真」アプリを起動する
iPhoneで「写真」アプリを開きます。カメラが正常に接続されていると、「読み込む」タブが出現するので、それを選択してください。「読み込む」タブでは、カメラに保存されている写真が一覧で確認可能です。
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カメラに保存されている写真をiPhoneに転送する
カメラ内の写真は、撮影日時順にソートされています。取り込みたい写真を選択したら、画面右上の[読み込む]をタップ。続いて[選択項目を読み込む]を選択すると、選択した画像のみが保存されます。
カメラ内のすべての画像を保存したい場合は、[すべてを読み込む]を選択します。
最後に読み込んだ画像をカメラに残すか、削除するかを選択すれば完了です。読み込んだ写真はiPhoneのストレージに保存され、「写真」アプリからいつでも閲覧できるようになります。
Apple Lightning - USBカメラアダプタ
Androidスマホ向けのやり方

昨今、Androidスマホのほとんどの機種は「USB-C」コネクタを搭載しています。手持ちのカメラが同じ「UCB-C」コネクタを搭載しているなら、上図のように直接ケーブルでスマホに接続できます。

一方、カメラ側のコネクタがUSB-C以外だった場合、1本のケーブルで直接つなぐことはできません。上図のように対応ケーブルと変換アダプタを経由する必要があります。
準備するもの
カメラが搭載するコネクタの形状によって、用意しなければならない機材が異なります。

まずは、手持ちのカメラの側面などにあるケーブル挿し込み口を確認してみてください。
上図と同じような形状の「USB Type-C」の挿し込み口を搭載している場合、用意するのは「USBケーブル(Type-C×Type-C)」だけでOKです。

Androidスマホも同じUSB Type-Cの挿し込み口が搭載されているケースがほとんどなので、USB Type-Cケーブルで直接接続できます。スマホやカメラの購入時に同梱されていたケーブルがあれば、それを使ってみてください。
もし新たにケーブルを購入するなら、必ず通信に対応したケーブルを買いましょう。たとえば、100円均一などで販売されている「充電専用」と記載された商品は、パソコンと接続しても認識されません。

一方、カメラ側のコネクタが「USB Type-C」以外の形状(USB-miniBやmicroUSBなど)だった場合、USBケーブルと変換アダプタが必要です。

変換アダプタは、上図のように対応ケーブルをAndroidスマホ(USB-C)に接続するために使います。最近のスマホは購入時に同梱されているケースも増えていますが、手元にない場合は購入しましょう。
おすすめは、Anker(アンカー)製の「USB-C & USB 3.0 変換アダプタ」。コンパクトでかさばらず、常時スマホに接続していても邪魔になりません。Amazonで2個999円で販売されており、値段も手頃です。
写真を送る手順
ここからは、実際に写真を送る手順を紹介します。
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カメラとAndroidスマホを接続する
まずは、カメラとAndroidスマホをケーブルで接続します。カメラ側のコネクタが「USB-C」だった場合は上図のように直接お互いをつなぎましょう。
カメラ側のコネクタが「USB-C」以外だった場合は、変換アダプタを経由してケーブルをつなぎましょう。その上でカメラの電源を入れ、スマホの画面ロックを解除すれば準備完了です。
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スマホの「ファイル」アプリでカメラの写真データを読み込む
スマホの画面を上から下にスワイプし、通知領域を表示させます。「USBドライブ」という通知が届いているはずので、[外部メディア]を押してください。
SDカードのデータを読み込むためのツールが提示されるので、任意のものを選択しましょう。ここでは「Files」を選択しました。
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撮影データをスマホの内部ストレージにコピーする
「DCIM」などに進むとカメラで撮影した写真が読み込まれ、一覧で表示されます。
スマホに取り込みたい写真を長押しで選択したら、メニューボタン
をタップ。展開したメニューで を選択しましょう。コピー先に[内部ストレージ]を選択し、格納フォルダを選んで
を押せば完了です。一般的に画像データが格納されている「DCIM」や「Pictures」を選べばよいでしょう。Anker USB-C & USB 3.0 変換アダプタ 2個セット
方法2:SDカードリーダーでスマホに転送する
外付けの「SDカードリーダー」を使ってスマホに写真を取り込む方法も便利です。メリットはカメラ側の仕様を気にしなくていいこと。
前述した「方法1」と違って、カメラ側のコネクタ形状に合わせたケーブルを用意したり、必要に変換アダプタを使用したりする必要がありません。SDカードリーダー1つあれば、どんなカメラでも対応できます。ただ、SDカードを抜く作業が発生するので、破損や紛失には十分気をつけましょう。
iPhone向けのやり方

仕組みは簡単。デジカメからSDカードを取り出してSDカードリーダーに挿し込み、iPhoneに接続すれば写真を転送できます。
準備するもの
準備するものは、外付けの「SDカードリーダー」です。

やはりApple純正の「Lightning - SDカードカメラリーダー」を使うのが無難です。
価格は税込3850円と若干高めですが、データの読み込み速度や動作の安定性は非純正品よりも格段に上です。別でSDカードを用意すれば、iPhoneの外付けストレージとしても活用できます。
SDカードリーダーの純正・非純正の比較は以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてください。
写真を送る手順
ここからは、写真を送信する手順を紹介します。
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SDカードリーダーをiPhoneに接続してSDカードを入れる
上図のようにSDカードリーダーをiPhoneに接続し、SDカードを挿入します。
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iPhone標準搭載の「写真」アプリを起動
iPhoneで「写真」アプリを開きます。SDカードが正常に接続されていると、「読み込む」タブが出現するので、それを選択してください。「読み込む」タブでは、SDカード内に保存されている写真が一覧で確認可能です。
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SDカード内のデータをiPhoneに保存する
SDカード内の写真は、撮影日時順にソートされています。取り込みたい写真を選択したら、画面右上の[読み込む]をタップ。続いて[選択項目を読み込む]を選択すると、選択した画像のみが保存されます。
SDカード内のすべての画像を保存したい場合は、[すべてを読み込む]を選択します。
最後に読み込んだ画像をSDカードに残すか、削除するかを選択すれば完了です。読み込んだ写真はiPhoneのストレージに保存され、「写真」アプリからいつでも閲覧できるようになります。
Apple Lightning - SDカードカメラリーダーブランドApple
Androidスマホ向けのやり方

Androidスマホのなかには、標準でSDカードスロットが搭載されている機種があります。条件が合えば、カメラからSDカードを取り出してそのままスマホに挿入し、撮影データを読み込めるかもしれません。
ただ、カメラとスマホは使用するSDカードのサイズ・規格などが異なります。外付けの「SDカードリーダー」を使わなければならないケースがほとんどでしょう。
準備するもの

カメラのSDカードが上図のような形状だった場合、スマホに直接挿し込むことはできないので外付けのSDカードリーダーを用意します。
おすすめは、Anker(アンカー)製のSDカードリーダー。USB-Cポート搭載のデバイスで利用できるタイプで、SDカードとmicroSDカードのスロットを1基ずつ搭載しています。シンプルですが、機能性は十分でしょう。
ケーブルがないので、スマホに接続して邪魔にならないのもポイント。Amazonで1490円で購入できます。

一方、microSDカードに変換アダプタが搭載された上図のようなタイプだった場合は、スマホに直接挿入できます。変換アダプタからmicro SDカードを取り出して、スマホのSDカードスロットに入れてください。
写真を送る手順
ここからは、実際に写真を転送する手順を紹介します。
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AndroidスマホとSDカードを接続する
まずはカメラからSDカードを取り出し、SDカードリーダーに挿し込みましょう。
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ファイルアプリを起動する
スマホの画面を上から下にスワイプし、通知領域を表示させます。「USBドライブ」という通知が届いているはずので、[外部メディア]を押してください。
SDカードのデータを読み込むためのツールが提示されるので、任意のものを選択しましょう。ここでは[Files]を選択しました。
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撮影データをスマホの内部ストレージにコピーする
SDカード内のフォルダが表示されるので「DCIM」などに進みましょう。
スマホに取り込みたい写真を長押しで選択したら、メニューボタン
をタップ。展開したメニューで を選択しましょう。コピー先に[内部ストレージ]を選択し、格納フォルダを選んで
を押せば完了です。一般的に画像データが格納されている「DCIM」や「Picture」を選べばよいでしょう。Anker USB-C 2-in-1 カードリーダー
方法3:カメラが搭載するWi-FiやBluetooth機能で転送する

Wi-FiやBluetooth機能が内蔵されたカメラなら、前述したWi-Fi付きSDカードと同じことがカメラ単体でおこなえます。主要カメラメーカー各社が提供するアプリは以下の通り。
- キヤノン「Camera Connect」
- ソニー「Imaging Edge Mobile」
- ニコン「SnapBridge」
- オリンパス「Olympus Image Share」
- 富士フイルム「FUJIFILM Camera Remote」
- パナソニック「Image App」
- リコー「Image Sync」
スマホからカメラ内の写真を削除できたり、スマホでカメラを遠隔操作してシャッターを押したり、そのままクラウドストレージに自動転送したりと、より便利な連携ができるアプリもあります。
ただ、当然利用できるのは対応したカメラに限られます。ここ4〜5年以内に購入したものであればWi-Fi転送機能が付いたものがほとんどですが、メーカーの公式サイトや説明書で手元のカメラの仕様を確認してみるとよいでしょう。
本記事では、ソニーの「Imaging Edge Mobile」を利用した転送方法を紹介します。なお、カメラの機種によって手順が異なる場合があるので、事前にソニーのサポートページで確認しておきましょう(今回の検証では「ILCE-7M3」を使用)。
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スマホに「Imaging Edge Mobile」アプリをインストールする
まずはカメラから画像を転送したいスマホに「Imaging Edge Mobile」アプリをインストールします。
アプリ「Imaging Edge Mobile」をダウンロード -
カメラで「スマートフォン転送機能」を選択する
次は、カメラのメニュー画面から「ネットワーク」タブを開き、[スマートフォン転送機能]を選択します。
続いて[スマートフォン転送]を選択してください。
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転送する写真を選択する
カメラのスマートフォン転送機能を起動したら、カメラからスマホに転送したい画像を選択します。
まずは、転送する写真をカメラとスマホのどちらから選ぶかを尋ねられるので、[カメラから選ぶ]で決定します。
どのように画像を選ぶかのオプションが表示されたら、任意のオプションを選択して次に進みます。
「この画像」ではカメラ内の最新の写真が1枚、「この日付の全画像」では当日に撮影したすべての写真が自動的に選択され、「画像選択」ではカメラ内の画像を任意で選択可能です。
今回は「画像選択」で任意の画像を選ぶ方法を利用しました。
カメラからスマホに転送したい写真にチェックマークをつけたら、カメラ本体の「MENU」ボタンを押して実行します。
最後に[実行]ボタンを選択すると転送用のQRコードが表示され、カメラ側での操作は終了です。
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転送用のQRコードを「Imaging Edge Mobile」アプリで読み込む
ここまでの手順を完了すると、カメラの画面に転送用のQRコードが表示されます。ここからは、スマホの「Imaging Edge Mobile」アプリを操作して写真の転送をおこないます。
「Imaging Edge Mobile」アプリを起動し、[カメラ接続/登録]をタップします。続いて画面の指示に従い、画像の転送に利用するカメラの登録をおこないます。
カメラの登録が終わったら、[QRコード読取り]からスマホのカメラを起動してください。
QRコードを読み取ると、Wi-Fiネットワークへの接続についてダイアログが表示されます。[接続]を選択すると、カメラとスマホが接続されて写真の転送がスタートします。
取り込む画像のサイズに関するメッセージで[OK]を選択すると、写真の転送は完了。スマホのアルバムなどにカメラから転送された写真が保存されているはずです。