Apple純正品以外にも、iPhoneに接続できるSDカードリーダーはさまざまなものが販売されています。なかには半額以下で買えるような非純正品もありますが、ちゃんと動くのかは怪しいところです。
そこで本記事では、実際にAmazonで格安のSDカードリーダーを購入し、iPhoneで使えるか検証してみました。Appleストアで販売されている純正品と比較して品質や性能、使い勝手をレビューしているので、ぜひ参考にしてください。
iPhone向けの非純正SDカードリーダーを使ってみた

世の中に出回っているiPhone向けのSDカードリーダーには、Appleが製造する「純正品」と異なるメーカーが製造する「非純正品」があり、さらに非純正品を大まかに分けるとAppleから公式に認証を受けている
今回は、あえて非純正品の中でもMFi認証がされていない格安の商品を購入。Appleストアで購入した純正品と比較しながら、使い勝手などをレビューしていきます。
価格は純正品のほぼ半額
こちらが、試しにAmazonで購入した非純正のSDカードリーダー「Aery SDカードリーダー」です。Amazonでの購入価格は2022年2月10日時点で1880円。Apple純正品が税込3850円(Apple Store)なので、約半額で買えます。

SDカード/microSDカード/USBに加え、Lightning接続口が付いた4in1タイプです。純正品と同様、四角いリーダー部分にLightningケーブルが付いたシンプルな作りになっています。色も純正品とほぼ同じホワイトです。
なお、SDカードリーダーは製品ごとに対応するSDカードの容量が異なります。今回筆者が購入した非純正品は、256GBまでのSDカードに対応していました。一方、Apple純正品(Apple Lightning - SDカードカメラリーダー)に容量制限はなく、理論上はすべての容量に対応しているようです。
SDカードは普通に読み込めたものの動作が少し不安定
一番の懸念点が、SDカードを認識できるのか。Amazonのレビューを見る限り「認識しない」「読み込まない」というコメントもあるので、かなり気になるところです。

Lightningケーブルの作りもしっかりしていて、違和感なくiPhoneに差し込める
LightningケーブルでiPhoneに接続し、いざスロットにSDカードを入れてみます。しかし、iPhone側には何も反応がありません。


それもそのはず。調べてみると、iOS 13以降、SDカードUSBメモリなどの外付けストレージは標準の「ファイル」アプリ経由でアクセスする仕様に変わったようです。
そこで「ファイル」アプリを起動させて「ブラウズ」タブを開いたところ、場所一覧にSDカードが表示されていました(SDカードは「Untitled」や「NONAME」と表示される可能性もあります)。
これは純正品も同じ仕様で、「ファイル」アプリを起動しない限りSDカードの有無は確認できません。

非純正のリーダーが読み込み不良をおこした場合は「再起動」すると改善するかもしれない
ただ、非純正はまれにファイルアプリの起動に時間がかかったり、SDカード内データの読み込みが遅かったりと、動作が不安定になることがありました。リーダーを接続した状態でiPhoneを再起動するとある程度は改善しますが、純正品のようにスムーズにはいきません。
データの読み書き手順は純正品と同じ
さっそく、iPhoneに保存されている写真をSDカードに移行してみます。
結論からいうと、手順は純正品も非純正品も同じでした。ただ、ここでいう「非純正品」=「今回筆者が用意したSDカードリーダー」なので、違う商品なら手順も変わる可能性があります(ご了承ください)。

画像・動画データなら「写真」アプリ経由で、それ以外のデータは「ファイル」アプリ経由でSDカードに移行できます。筆者が検証して、実際に保存できたファイル形式は次のとおりです。
- 画像ファイル(.HEIC/.JPEG/.PNG)
- 動画ファイル(.MOV/.MP4)
- オーディオファイル(MP3/MPEG/WAV)
- Adobeファイル(.PDF)
- テキストファイル(.TXT/.RFT)
- Microsoft関連ファイル(.XLS/.XLSX/.PPT/.PPTX/.DOC/.DOCX)


転送したい写真をすべて選択したら、左下の共有マークをタップ。メニューから
を選びます。


保存先に「SDカード」を選んだら、分かりやすいように新規で「iPhone画像」のフォルダを作ります。最後に
ボタンをタップすると、SDカードへのデータ書き込みが開始されます。SDカードに保存した写真は、標準の「ファイル」アプリの「ブラウズ」タブ→「SDカード」から閲覧できます。非純正品のSDカードリーダー経由で移行したデータも漏れや破損などはなく、すべてしっかり保存されていました。
ちなみに、同じ要領でmicroSDカード/USBメモリも試しましたが、いずれも保存はおこなえています。
保存速度は純正品のほうが圧倒的に速い

Apple純正のLightning SDカードリーダー
データの保存(書き込み)速度は、SDカードやiPhoneのスペックにも左右されますが、やはり純正品が圧倒的に早いと感じます。iPhoneで撮影した写真100枚をSDカードに転送してみたところ、Apple純正品は2秒ほどで瞬時に保存が完了しました。
一方、同じ条件でも非純正品は保存完了までに30秒かかっています。写真100枚程度ならストレスを感じるほどではありませんが、これが高画質の動画や数百枚、数千枚レベルの写真になるとかなり待たされることが予想できます。
初期不良があったときの返品・交換はどちらも可能
最後に、初期不良があったときの返品・交換サービスについても触れておきます。
Appleの純正品には、1年間のメーカー保証がつきます。初期不良はもちろん、購入後1年以内の故障なら無償で新品に交換してもらます(条件あり)。


Amazonでの購入から30日以内なら履歴ページから返品ができる
一方、今回筆者が購入した非純正品のSDカードリーダーには、メーカー保証などは付いていませんでした。
しかし「Amazon発送」の商品なら、Amazon公式サイトの購入履歴から返品できます。初期不良や破損が理由なら、開封後も全額返金対応してもらえるはずです(詳しくは以下記事参照)。
結論:格安の非純正品でも普通に使えたが不安は残る
非純正の格安品でもSDカードへの読み込み/書き込みはできました。動作の安定性や書き込み速度に不安は残るものの、USBメモリやmicroSDにも接続できることを考えると、コスパはいい商品だと感じます。SDカードリーダーとしての役割は果たしているので、たまに利用する程度なら十分かもしれません。
ただ、格安の非純正品を長期にわたり使用することにはリスクも伴います。というのも、格安の非純正品は低品質の部品・素材を使用しているケースがほとんど。最適化されていない部品と接触させ続けることで、iPhone本体に何らかの悪影響をおよぼす可能性があるのです。また非純正品は、今後OSのアップデートなどで利用できなくなることも考えられます。
安心して長く使いたいなら、やはり下記のようなApple純正品、もしくはMFi認証品のSDカードリーダーの購入をおすすめします。